芳根京子、約10年ぶりTBSドラマ主演

本作は、水谷緑著「まどか26歳、研修医やってます！」「あたふた研修医やってます。」「離島で研修医やってきました。」（KADOKAWA刊）を原作に、主人公の研修医・若月まどか（わかつき・まどか）が、医師として女子として、人生と向き合う濃厚な2年間を描いた成長物語。芳根はドラマ初主演を務めた金曜ドラマ「表参道高校合唱部！」（2014）以来、約10年ぶりのTBSドラマ主演となる。

芳根京子、主人公・まどかは「すごくチャーミング」

― 人気マンガが原作の今作ですが、最初にお話を聞いたときの感想を教えてください。

芳根：舞台は病院なのですが、いわゆる“医療ドラマ”ではなく、1人の女性が2年という時間をかけて自分の人生をどう歩むかを決めていく成長の物語です。お仕事と向き合いながらもプライベートはどのように過ごしていくか、どのように自分の幸せを掴んでいくかという部分が描かれており、いまどきだなとも思いつつ、同世代の方などに生きていく上でのヒントや希望をお届けできる作品になるのではないかと思いました。

― 主人公・まどかの印象はいかがですか？

芳根：ひたむきに健気にお仕事に向き合って頑張っているのですが、影では親しい人にちょっと毒を吐いたり、息抜きで横浜DeNAベイスターズの応援に行ったりと、趣味も大切にしながら頑張る女性なので、すごくチャーミングに感じています。

芳根京子、手応え明かす「楽しみだと思える自分がいます」

― 研修医という役どころですが、撮影前に参考にしたことや勉強にしたことを教えてください。

芳根：クランクインする前に医療指導を受けさせていただいて、点滴の打ち方や心臓マッサージのやり方、手術の糸の縫い方などをたくさん教わりました。研修医の2年間は“スーパーローテーション”といい、いろんな科を回らなければいけないので、その分習得しなければいけないことも学ばなければいけないこともたくさんあり、どこから始めたらよいかと悩んでいました。

最近は、医療監修の先生が手術の糸の結び方でミサンガを編むと可愛いと教えてくださったので、カラフルな糸をネットで購入して作っています。今回スタッフパーカーを作らせていただいたのですが、みんな同じで脱ぐとわからなくなってしまうので、ファスナーのところに付けて目印になるようなものをいま作っています！

― 撮影を進めて、手応えはいかがですか？

芳根：最初は一気にいろいろな医療の手技を習ってしまったので少し不安だったのですが、1個ずつおさらいしながらやっていくなかで、いまは少し楽しみだと思える自分がいます。撮影がまだ序盤なので、そこまで追い詰められていないということもあると思いますが、医療監修の先生方も優しく、親身に教えてくださるので、クランクインの前より不安は少ないです。

芳根京子、まどかのポイントは「いい子すぎないところ」

― まどかの役柄について、監督やプロデューサーとお話したことはありますか？

芳根：今回の作品は1人の女性がどういう人生を選択していくか、というお話ではあるのですが、火曜の夜に皆さんが気を負うことなく観られるようなポップさがあります。お仕事面では人生に向き合う真面目な部分もあるので、そこのバランスはうまく考えていきたいね、というお話を常にしています。コミカルな表情もあれば、しっかりと受けるシーンもあり、まだ探り探りではありますが、火曜の夜に観やすくいいバランスになるといいなと思っています。

― 具体的な指示はありましたか？

芳根：話していてよく出るワードは「ちびまる子ちゃん」の“まるちゃん”です。おっとりさもあり、でもちょっと毒を吐いたり、むすっとしているときもあったりする、いい子すぎないところがチャーミングに見えるといいよね、とお話しをさせていただいています。

― 演技のこだわりや注目ポイントはありますか？

芳根：結構モノローグが多いのですが、生きていれば全部表情には出さずに心の中に秘めていることは皆さんきっとあると思うので、そういうところで“等身大の24歳”の姿を出せたらいいなと思っています。また、医療現場でのかっこいい姿も見てもらって、チャーミングさとかっこよさのギャップを感じてもらえると嬉しいです。

芳根京子、原作を読んで驚いたことは？

― 原作を読んで驚いたことがあれば教えてください。

芳根：ドラマにも出てくるのですが、手術中に歌っていたり、普通の会話が繰り広げられていることにびっくりしました。意識が散っているわけではなく、日常の流れの中で手術をしているとお聞きしました。ほかにもお医者さん以外知ることができないことばかりで、現場で医療監修の方とお話していると「これあるあるなんです」みたいなことが多く、第1話でまどかが言う「誰も褒めてくれない」というセリフもあるあるなんだそうです。そういうお話を聞くと、お医者さんも同じ人間なのだと思いますし、このマンガでたくさん知らなかったことを知ることができました。

― 今後の撮影で楽しみにしているシーンはありますか？

芳根：実際の研修医の方の研修医室のお写真を拝見すると、寮のような雰囲気ですごく青春っぽい感じがしたので、ワクワクしています。もちろん大変なこともたくさんあるのはわかってはいますが、同じ目標に向かって頑張る仲間が近くにいるのは、楽しみです。

しかも、24歳という役どころで、同世代の皆さんと一緒にお芝居できるのもすごく楽しみですし、指導医の先生方は私からしても大先輩の方ばかりなので、年齢層の幅の広さも、撮影していてすごく楽しいです。

芳根京子、共演者とのエピソード明かす

― 撮影現場の雰囲気はいかがですか？

芳根：現場は明るいです。奥田（瑛二）さんが、明るい役だからプライベートでも明るくしているとおっしゃられていました（笑）。作品が明るいということもあり、活気がある現場だと思いますね。「みんなでいい作品を作ろう」と同じ方向を向けている気がするので、すごく楽しいです。

― 奥田さんの名前が上がりましたが、鈴木伸之さんなど共演者の方々の印象をお聞かせください。

芳根：満遍なくいろいろな方とお会いさせてもらったのですが、年齢層も様々ですし、それぞれが所属する科が違うので、常に新鮮な気持ちで過ごすことができているのが楽しいです。

鈴木さんはとにかく背が高いです！私はあと0.6センチ伸びたら160センチなのですが、鈴木さんがまだ背が伸びているとおっしゃっていたので「どうしたら背が伸びますか」と聞いています（笑）。この撮影期間中に0.6センチ伸ばしたいです。

― 同期役を演じる方々の印象はいかがですか？

芳根：それぞれすごくキャラクターが立っているので、これからどのようにぶつかって、どのように噛み合っていくのかがすごく楽しみです。ティザーを撮るときに少しお話できたのですが、高橋ひかるちゃん（※「高」は正式には「はしごだか」）は6年ぐらい前に一度ご一緒させていただいているので、お互い人見知りですが「お久しぶりですね」みたいな感じですごく楽しくお話させていただきました。大西（流星）くんとは、私が以前、なにわ男子の道枝（駿佑）くん、大橋（和也）くんと共演させていただいたことがあったので、「遠い親戚みたいな感覚です」とお話しさせていただきました。私は人見知りな部分があるのですが、大西くんはすごく明るいので、彼がいれば同期チームは大丈夫だと思っています（笑）。同期5人、みんな明るいので心配はしていないですね。

― 作中で、同期たちはともに研修を乗り切る仲間になりますが、実際もそういう仲間になっていけそうですか？

芳根：なれたら良いなと思っています。私自身は同期という存在がいないので、同期という感覚がわからない部分もあったのですが、実際に研修医だった方からは同期と長く仲良しだというお話をお聞きしたので、そういうチームワークが出せたら嬉しいです。

芳根京子、作品を通して伝えたいこと

― この作品を通して伝えたいことを教えてください。

芳根：最後の最後にまどかがどういう選択をするのかは私自身わからない部分はあるのですが、自分の人生は自分のものだから、自分が体験して思ったことに嘘はないし、それを誰かに否定される筋合いもないと私は思うので、自分の人生、楽しくハッピーに生きてほしいと伝えたいです。もちろん楽観的な部分だけではないけれど、いま少しでも将来について悩んでいる方と、まどかが一緒に走っていけたらすごく嬉しいです。1月期の放送なので、きっと4月から新しい道に進む方もたくさんいらっしゃってドキドキしている時期だと思うのですが、みんな初めは不安で、初心者だから、1個ずつ学んでいけば大丈夫なんだよ、みたいな、ホッとできる作品になってくれると嬉しいなって思います。

★約10年ぶりTBSドラマ主演への思いや、救われた先輩俳優からの言葉を明かした後編も公開中。


（modelpress編集部）

芳根京子（よしね・きょうこ）プロフィール

1997年2月28日生まれ、東京都出身。血液型はA型。スカウトで芸能界入りし、2013年にドラマ「ラスト シンデレラ」で女優デビュー。2016年、NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」のヒロインを演じ、一躍話題に。近年の主な出演作は日本テレビ系「コントが始まる」（2021）、NHK「半径5メートル」（2021）、日本テレビ系「真犯人フラグ」（2021）、TBS系「オールドルーキー」（2021）、日本テレビ系「それってパクリじゃないですか？」（2023）、映画「ファーストラヴ」（2021）、「Arc アーク」（2021）、「カラオケ行こ！」（2024）など。

芳根京子主演「まどか26歳、研修医やってます！」

本作は、水谷緑著「まどか26歳、研修医やってます！」「あたふた研修医やってます。」「離島で研修医やってきました。」（KADOKAWA刊）を原作に、“お医者さんだって、幸せになりたい！”と願う主人公の研修医が、働き方改革で変わりゆく医療現場で、「研修医はお客様」と皮肉を言われ戸惑いながらも、ベテラン医師たちの試練に立ち向かい、同期の仲間たちと励まし合って、医師として女子として、人生と向き合う濃厚な2年間を描いた成長物語である。