Novel Core、SKY-HIからの言葉「自分を見ているような気がする」BE:FIRSTとの関係性も語る＜「A GREAT FOOL」インタビュー＞

Novel Coreは「BAZOOKA!!! 第12回高校生RAP選手権」での優勝後、自主制作のもとリリースされたアルバム “WCMTW ” のヒットなど、音楽活動での躍進に続き、ファッション業界でも大きな注目を浴びるなど、着実に結果を残し続け、その名を全国へと広げてきた弱冠20歳。

メジャーデビュー後、1枚目となる本作のタイトル「A GREAT FOOL」は、彼自身の永遠のテーマであり、同じ時代を生きる全ての人へのメッセージでもある「恐れを知らない大馬鹿者であれ」というコンセプトに由来。

Novel Coreの “今” が凝縮された豪華なアルバムとなっている。

Novel Core、アルバムタイトルに込められた意味 過去の経験から語る

― まず「A GREAT FOOL」の魅力やポイントを教えてください。

Novel Core：「A GREAT FOOL」は “大馬鹿者” という意味なんですが、今作は20歳になってから21歳になるまでの期間で制作したアルバムだったので、「子供のまま愚直でいたいけど、ここは大人にもならなきゃな」といったジレンマが常にあって。大人になっていくにつれて、“はみ出すこと” が怖くなると思うんですけど、僕は「馬鹿を見てでも、自分らしく生きることを諦めたくない」と思っていて。そんな感情をテーマにしたすごくパワフルな作品がたくさん入っています。

―「A GREAT FOOL」というこの言葉がCoreさん自身の永遠のテーマに由来しているそうですが、具体的にはどういった経験からこの考えに至ったのでしょうか？

Novel Core：僕自身、昔から “根拠のない自信” を唯一の武器に、色んなことに挑んできたんですが、少しずつ大人になっていって、色んなものを見ていくうちに、「こうありたい」と胸を張って言うことが少し怖いと感じてしまう瞬間が増えてきて…。これを言ったらこう思われるかな、などと考えてしまうことが多くなったのですが、僕は大人になっても真っ直ぐ言葉を紡いでいける、子どもの心を忘れない “大馬鹿者” であり続けたいなと思っていて、それが自分自身のアーティストとしてのテーマにもなっているんです。「日本の音楽業界を変えたい」とか「武道館やドームに立ちたい」とか、そういった大きな夢は笑われることも沢山あると思うんですけど、僕は胸を張って口に出していきたいと考えています。

― 夢を口にしたことで何かを言われてしまった経験があったのでしょうか？

Novel Core：凄く多かったです。僕は幼い頃から大真面目に大きなことを言うタイプだったのですが、そのそれぞれを成し遂げるまでは、やっぱり各所からの嘲笑も多かったです。それこそ一番最初、まだラップも始めたてで、「高校生ラップ選手権のチャンピオンになる」って言い始めた時も、「お前みたいなラップ始めたてでちょっとかじっているぐらいのやつがそんなん無理だよ」って声がほとんどでした。でも、そのすぐ後に最年少で優勝して、世間からの声も180°に近いくらい変わって。やっぱり何かを成し遂げるその瞬間までは、嘲笑と疑いの目に晒されることも覚悟しなくてはいけないと思いました。

Novel Core、BMSGトレーニー・RANに直接オファーでMV制作 一押しの1曲の秘話

― 今作の一押しの1曲を教えてください。

Novel Core：一押しは「THANKS, ALL MY TEARS (Prod. UTA)」。今回のアルバムというより、今までのキャリアの中でダントツに気に入っている曲で当分塗り替えられることは無いんじゃないかなというくらい。出来上がったときも涙が出たし、今聞いても胸が苦しくなるような曲ですね。過去の自分から未来の自分に向けて書いたファイトソングでもあるので、自分自身の今後の命綱になるような1曲だとも思っています。

MVは僕が細かいところまで監督と話し合いながら、しっかりとディレクションに入らせていただいたので、自分自身が描いていたものが明確に再現出来たんじゃないかなと思っています。同じレーベルのRAN（古家蘭）に僕がオファーして、ステージで感情に身を委ねて舞う彼と、それを客席から見ている僕という2つの視点の構造になっていて、僕の心をRANが表現しているんです。あとは、“Novel Coreの曲” というフィルターが必要ない曲だと思っていて、Novel Coreとして出演するのは僕的にタブーだったので、当日は髪を黒染めして、この楽曲が持つ1人の人物像として撮影に臨んだので、心して臨んだ意欲作です。

Novel Core、SKY-HIとの楽曲制作を振り返る

― フィーチャリング楽曲もたくさんありますが、制作してみての手応えはいかがでしたか？

Novel Core：作りたかったものがちゃんと形になったんじゃないかなと思っています。SKY-HIさんだったり、AK-69さんだったり、SGくんだったり、今この人とこのタイミングで一緒に楽曲制作をしたら、今後「あの時にやっておいて良かった」と思えると感じた大事な人たちにオファーさせていただいたので、すごく嬉しかったです。それに加えて、お声かけさせていただいたどのアーティストさんも二つ返事で「やりたい」と言ってくださって、そういった方々からの期待や応援を肌で感じたので、より一層頑張らなきゃとも思いました。

― SKY-HIさんとの制作はいかがでしたか？

Novel Core：インディーズで出していたアルバムにフィーチャリングで入っていただいたのが一番初めだったんですが、当時はまだBMSGの話が出る前なので、ただ先輩後輩の関係で。今回はその時とまったく違った角度で制作することができました。今、BMSG自体が目まぐるしく動く中で、僕達2人は常に感じている焦りとか恐怖に実は依存しているタイプだよね…という楽曲になりました。僕もSKY-HIさんもレコーディング当日にスタジオで1から作詞をしましたが、スムーズにレコーディングができたので楽しかったですね。

Novel Core「BMSGの中で孤立してしまう」不安を乗り越え前進

― バリエーション豊かに楽曲が収録されている今作ですが、リリースを発表したときのファンの方々の反響はいかがでしたか？

Novel Core：めちゃめちゃすごいですね！語彙力0なんですけど…（笑）。今「THE FIRST」をきっかけにBMSG自体への注目がすごく集まっている時期だと思うんですが、僕はレーベル内で唯一「THE FIRST」の“出身者”ではなかったので、かなり難しい立ち位置で。どれだけ周りの人達が気にかけてくれていても、孤立してしまうことへの不安や恐怖が常にあったんです。ですが、音楽と真っ直ぐ向き合い、目の前にいる人達へ真っ直ぐ届ける、というスタンスを貫いた結果、「THE FIRST」をきっかけに興味を持ってくれた人を含め、BMSGを応援してくださっているファンの皆さんが、僕を “Novel Core” としてちゃんと見てくれて、真っ直ぐに僕と向き合って応援してくれている方々がたくさんいるので、凄く凄く救われましたし、この人達を後悔させないようにもっと大きくなろう、とより思いました。

Novel Core、SKY-HIからの言葉「10年前・15年前の自分を見ているような気がする」移籍の経緯は

― 改めてお聞きしたいのですが、どういった経緯でBMSGに移籍されたのでしょうか？

Novel Core：移籍前の3年間ほどは以前のレーベルに在籍していたのですが、初めてインディーズでアルバムを制作するというタイミングで、周りの意見に左右されず、自分自身の資本で作ってみたいという気持ちが芽生えて。それをリリースしたら個人でやっていこうかと思っていたんです。ですが、当時19歳で、とてつもなく大きな金額を自分で負担しなくてはならないという状態だったので、SKY-HIさんがすごく気にかけてくださって、ご飯に一緒に行ったときに「Coreみたいに将来に対する明確なビジョンと才能がある子と、一緒に音楽をやっていきたくてBMSGというレーベルを立ち上げようと思っているんだけど、一人目のアーティストとして入ってくれないかな？」と話をいただいたことがきっかけです。

― それまでもSKY-HIさんとは頻繁にお話をする仲だったのですか？

Novel Core：プライベートではよく会っていました。その中でSKY-HIさんからよく言われていたのが「10年前、15年前の自分を見ているような気がする」と。「Novel Coreというアーティストが報われることは、15年前の自分自身が報われることにも繋がるから、一緒に頑張っていきたい」と伝えてくださったんです。日本の音楽シーンに対して持っていた違和感や、アーティストとしての基礎理念ががそもそもすごく（SKY-HIさんと）近くて、初めて会ったときも、お互いに「こんなに自分と同じ感覚を持った人がこの世の中にいたんだ」と衝撃を受けましたね。年齢やキャリアは全く違いますが、そもそも共通した部分があまりに多かったので、だからこそ出会えたんじゃないかな、とよくSKY-HIさんと2人で喋っています。

Novel Coreの語るBMSG「家族みたいな事務所」

― BMSGに移籍してからCoreさん自身になにか変化はありましたか？

Novel Core：今までは自分自身で独立的にでやってきたので、胸を張って仲間と呼べる存在が増えて少し心が楽になったというのはあります。同時にレーベルメイトが沢山いて、皆から刺激をもらっている分、自分も皆の刺激になれるような存在になりたいとは思っていて、よりストイックに音楽と向き合えるようになったと感じていますね。

― Coreさんから見てBMSGはどのような事務所ですか？

Novel Core：まず、所属アーティスト間の派閥が全く存在しないので、ファンの方々から見ていただいている通りの仲というか（笑）。僕は「BE:FIRSTの先輩」みたいな言われ方をすることもあるんですが、先輩という感覚は全くなくて、同志であり友達なので、それぐらいの距離の近さでお互いの悩みごとも打ち明けられる環境で、本当に家族みたいな事務所です！

Novel Core、BE:FIRSTの活躍に喜び SOTAとの会話も明かす

― 同じレーベルのアーティストとして、BE:FIRSTさんの印象はいかがですか？

Novel Core：BE:FIRSTの活躍には、負けてられないな！俺も頑張ろう！という部分ももちろんあるんですが、それ以上に希望というか…、「自分のことのように喜ぶ」みたいな言葉があると思うんですけど、「ように」というより紛れもなく “彼らの喜び” は自分のことなんです。BE:FIRSTの皆も、僕やSKY-HIさんと同じことを感じて生きてきた人達なので、共鳴する部分が本当に多くて。元々似た感覚を持っていて、似たような経験からトラウマを作ってしまったり、それを修復する為に、今BMSGというレーベルの元に集まったんじゃないかなと思っているので、皆の成功は自分自身の成功でもあるし、僕自身が成功することがレーベル全体の成功にも繋がるように頑張りたいなと思っていますね。一般的に言われる “ライバル” という意識はないです。

― 音楽のことについてお話されることもあるのですか？

Novel Core：めっちゃ話します（笑）。他愛もない話をすることも多いですけど、皆音楽が大好きなので、勝手に音楽の話になっていますね。SOTAはラップをやっていることもあって、ラッパーとしての僕に話しかけてくれることもすごく多くて。「最近はこういうのがやりたい」と教えてもらうこともありますし、僕から「この間のライブでここのラップがめっちゃ良かった」と伝えることもあります。お互いのパフォーマンスを見て、随時共有して刺激し合っている感じですね。

― ライブにも行かれていましたよね。

Novel Core：観に行きました！めっちゃ良かったです。もちろんライブ自体としても素晴らしかったんですけど、それ以上にBE:FIRSTの皆の背景にあるドラマに感動しました。アーティスト活動をしていく上で、作られたものではなく自分たちで必死に歩んできたからこそ必然的に生まれるドラマのようなものは、すごく大きな役割を担うと思っていて、BE:FIRSTのライブはまさにそれを体現していて「THE FIRST」や、それ以前に自分たちが味わってきた気持ち、それを乗り越えてきた強さがあるからこそ、今彼らがステージに7人で立って、これだけのファンの人に応援されているという状況がより美しく見えたので、ドラマのある格好良いアーティストだと改めて思いました。

Novel Coreの語る目標・夢を叶える秘訣

― 最後にCoreさん自身のこれからの目標を教えてください。

Novel Core：直近でいくと、メジャーデビューから3年以内に日本武道館でライブをすること。これはずっと言い続けているので、あと2年、死ぬ気で頑張りたいなと思っています。

― ご自身の思う夢を叶える秘訣を教えてください。

Novel Core：口に出すことですかね…。僕は本当に口に出してなんぼだと思っていて（笑）、言霊みたいなものは存在すると信じているし、口に出した分、必ず見てくれている人がいるので。あと、自分自身も口に出した分、後に引けなくなるので、退路を断ってはっぱをかけるという意味合いもありますね。僕は有言実行が一番美しいと思っているので、今後も目標や夢は積極的に口にしていきたいです。

― これまで有言実行したことのなかで印象的なものはなんですか？

Novel Core：ラップを始めるずっと前、小学生くらいのときに、母親に「僕は将来たくさんの人から愛されるような人になりたい」と言っていて。もちろんまだ叶いきったとは思っていないんですが、当時の自分からは考えられないくらい沢山のファンの方やスタッフさん達に支えられて幸せに音楽ができているので、1つそれも有言実行かなと思っています。

― ありがとうございました。

（modelpress編集部）

Novel Coreプロフィール

2001年1月18日生まれ、東京都出身の20歳。2020年4月、自身が総合プロデュースを務めた1st Album「WCMTW」をリリース。iTunesをはじめとする多数のチャートで首位を独占、大きな話題となった。そして同年10月、SKY-HIが立ち上げたマネジメント／レーベルBMSGに第一弾アーティストとして移籍。BMSGとavexが共同で設立する音楽レーベルB-ME からメジャーデビューを果たした。音楽のみならず、ファッション分野などでも大きな注目を集めるアーティスト。