モデルプレスのインタビューに応じた山下健二郎(C)モデルプレス

三代目JSB山下健二郎が今年、俳優業に注力した理由 「自分の中では大成功」の“裏テーマ”明かす<モデルプレスインタビュー>

2017.10.30 18:14

三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEの山下健二郎が、モデルプレスのインタビューに応じた。2017年は、これまで以上に俳優として精力的に活動を行った山下。10月31日からは、お笑いトリオの東京03、女優の山本舞香とともにメインキャストとして出演する新感覚シットコムドラマ『漫画みたいにいかない。』(Hulu/全10話※2話以降は毎週土曜日更新)が配信される。

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“俳優・山下健二郎”に迫る

(左から)豊本明長、山下健二郎、角田晃広、山本舞香、飯塚悟志(C)漫画みたいにいかない。製作委員会
(左から)豊本明長、山下健二郎、角田晃広、山本舞香、飯塚悟志(C)漫画みたいにいかない。製作委員会
バナナマンやバカリズムからも絶大な信頼を得ている放送作家・オークラ氏がシットコムで初監督をつとめた同作は、「まったく売れない漫画家の悲哀に満ちた日常」がテーマ。

ヒット作一つも作れず、うだつのあがらない毎日を過ごす中年漫画家、戸塚オサム(角田晃広)、オサムの担当編集者・足立徹(豊本明長)、幼馴染で毎日使う出前店の店主・鳥飼昭雄(飯塚悟志)、“ゆとり世代でもないのに定職につかずプラプラしている漫画家アシスタント”の荒巻弘彦(山下)、オサムのワケあり娘のるみ(山本)という、個性溢れる5人が繰り広げるシチュエーション・コメディで、同メンバーにて来春に舞台化されることも決定している。

アドリブ満載、長回しの連続…脚本も撮影法もチャレンジングな『漫画みたいにいかない。』。今回のインタビューでは同作の撮影を振り返ってもらうとともに、“俳優・山下健二郎”に迫った。

『漫画みたいにいかない。』1ヶ月で全話撮り

山下健二郎(C)モデルプレス
― 撮影はすでに終了しているということですが、振り返ってみていかがですか?

山下:約1ヶ月で全話撮り終えました。そうとうヤバかったです(笑)。

― スケジュールが、ということでしょうか?

山下:なかなかタイトでした(笑)。1日で2話分撮っていたんです。同じ舞台で完結させる台詞劇ですし、覚える量がハンパじゃなかったです。しかも、長回しも多くて…10分ほど続くときもありました。

― あの会話劇は、覚えるだけでも大変…。

山下:舞台に近い撮影だったのかなと思います。全10話なんですが、短い舞台を10本終えたような感覚です。(東京)03さんとあの掛け合いが出来たのは、本当に嬉しかったです。こっちが何を言っても返してくれるので、気持ちよくアドリブさせていただきました。

― アドリブも多いですか?

山下:バンバン入ってます。1、2話はまだガチガチだったんですが、後半にかけては増えています。台本が順番に出来上がってきたので、撮影も順々に。徐々に慣れていきました。

― 1日2話撮りのタイトなスケジュールだった分、どっぷりと作品の世界観にハマれそうですね。

山下:台本が遅れる日もあって、翌日リハーサルなのに夜12時越えても来ない、なんてことも(笑)。次の日朝早いから寝るしかなくて、翌日朝に台本を確認して、本読みのようなリハーサルからスタートしていました。現場で作っていって、2日後にはもう本番、とか。

― それは、どの話辺りですか?

山下:いや、結構ありましたよ(笑)。後半にかけては台本が遅れることも多かったので、怒涛の1ヶ月でした。そのときは、僕らは待つのが仕事。寝て、体力の回復を図っていました(笑)。

「不安でしょうがなかった」撮影裏

「漫画みたいにいかない。」場面カット(C)漫画みたいにいかない。製作委員会
「漫画みたいにいかない。」場面カット(C)漫画みたいにいかない。製作委員会
― 5人のコンビネーションが見どころで、思わず笑ってしまうような掛け合いが面白かったです。

山下:後半は息もぴったり合ってきて、撮影が楽しみで仕方がなかったです。03のお三方は、台詞を覚えるもめちゃくちゃ早いんですよ!僕は不安でしょうがなかったんですけど…。

― 本番までの期間?

山下:本読みしてリハーサルして、そこから2、3日後に本番とかだと、全然入らなくて。撮影も特殊で、円状のレールの上を回るカメラだったんです。ステージが同じスタジオに3つあるようなセットで、1で始まったら、次のシーンに切り替わるときも、切らずにそのままカメラを移動させて2にいく…というような。それを繰り返していく長回しなので、1に出てて2に出ない人は、2を撮ってる間に着替えて、またセットに戻るんですよ。

― まさに舞台のような環境ですね。

山下:ドラマではなかったです。常に緊張感がありました。

― NGもプレッシャーが…。

山下:わりと編集で何とかしてくださって(笑)。頭からもう1回撮ろうってシーンは、心が折れました…。でも、全体通して皆NGはそんなに多い方じゃなかったと思います。スムーズに進んでいきました。

山下健二郎“憎めない愛されキャラ”演じる

山下健二郎(C)モデルプレス
― それぞれのキャラクターも濃いですが、山下さん演じる荒巻もクセがありますね。

山下:1、2話は少しフワフワしていますが、後半もっとバカになります。最初はじわじわバカで、後半は相当バカです(笑)。荒巻のいいところは、憎めない愛されキャラなところ。バカですけど、見ていて面白いしやりがいがありました。

― 意外な過去も徐々に明らかに。

山下:そうなんです!意外な職歴がある設定で、僕も台本をもらう度に驚いていました。

― 演じやすかったですか?

山下:楽しい役でしたし、パーソナルな部分も出せたと思うんですけど、コント要素が多かったのでその部分は難しかったです。アドリブが膨らんでいくと、どこで入っていいのかきっかけが掴めなくて。どうしても台本でタイミングを覚えているので、上手くアドリブの切り返しが出来ず、「今の僕でした?」ってNGになることもありました。ついていくので一生懸命でした。

荒巻弘彦(C)漫画みたいにいかない。製作委員会
荒巻弘彦(C)漫画みたいにいかない。製作委員会
― キャラクターとしては、ボケでしょうか?

山下:はい、めっちゃ気持ちいいですよ。別に面白くないボケでも、何しても気持ちよくツッコんで料理してくださるので楽でした。特に後半になってくると、「こうボケたら、こう返ってくるな」と分かってきたので、面白かったです。

― 楽しそうな現場!

山下:リハーサルや練習をやり続けると、疲れてナチュラルハイみたいになって、さらにテンション高く(笑)。オークラさんも「それいいね」ってそのまま採用されることも多かったです。

― お気に入りのアドリブシーンはありますか?

山下:7話でかなりダンスをしているんですが、そこかな?7話自体、アドリブが満載なので面白いと思います。なぜダンスをするのか?という点は、前職にも関係しているので注目してみてほしいです。

例年以上に俳優業に注力した理由

山下健二郎(C)モデルプレス
― 今年は、「HiGH&LOW」シリーズ、「Love or Not」、そして「漫画みたいにいかない。」と俳優業が続きましたね。

山下:今年は働きました(笑)。幸せな1年でした。1月5日から「Love or Not」の撮影が始まって、役者としては充実した1年だったなと思います。色々な現場に行けて、たくさんの俳優さん、女優さんとご一緒できて、今回の「漫画みたいにいかない。」もですが、色々な方と関係値を築けて…僕にとってすごい財産になりました。今後の活動に繋がっていく1年になったのかなと思います。

― 今年、俳優業に力を入れたいというのは、ご自身の希望ですか?

山下:常に思っていることではあったんです。パフォーマーとして三代目という軸はもちろんあるけど、個人では俳優業を絶対にやりたいなと。ただ、あんまりコレと決めつけずに、俳優以外にもバラエティとかマルチにチャレンジしていく1年にしたいなとは思っていました。

― ジャンルが違う作品ばかりでしたが、その点は意識されましたか?

山下:僕としてそこは、やりたいことのひとつでした。10年20年先のことを考えながら色々チャレンジすることが、役者としてもパフォーマーとしても大事なことだと思っていて、そこを見据えると今ジャンルに囚われていたらいけないなと。例えば、「HiGH&LOW」や「漫画みたいにいかない。」は三枚目な役ですが、今後を考えるとこれからは二枚目もやりたいなと思っています。どちらもやりつつ、シリアスな役もできて…って幅を広げたいんです。だから、あまり決めつけることはせず、今年は色々な自分を見てもらいたいなという気持ちがありました。「この人、こういう役もできるの!?」って思ってもらうことが、実は今年の裏テーマでした。

― 手応えはありましたか?

山下:自分の中では大成功です。もちろん、持ってるポテンシャルやキャラクターも大事だと思いますが、役者のいいところって役によって違う見せ方ができることだと思うので。僕が好きな役者さんもやっぱりそういうタイプの方が多いです。

― ちなみにどなたが?

山下:唐沢寿明さん、沢村一樹さん、濱田岳さん、桐谷健太さん…本当に好きです。

山下健二郎(C)モデルプレス
― 芸達者なイメージのある方々ですね。

山下:何を演じてもハマるイメージがあるじゃないですか?「これもハマってる」「これもぴったり」って、そう思わせられるっていいなと思います。劇団EXILEになって自分がお芝居を始めてからは、そういう見方をするようになりました。最初はどうしていいか分からなかったので、技術を盗むことから考えていたら、自然と視点が変わりましたね。「ここはこう見せるんだ」とか、色々発見できて面白いです。

― 先程、「二枚目もやってみたい」とおっしゃっていましたが、ほかにチャレンジしてみたい役柄は?

山下:不思議な世界観を持っているミステリアスな人。まだやったことないんです。明るくてハッピーな役が多いので、真逆の役を演じてみたいです。

― では、最後になりますが、今後に向けてモデルプレス読者にメッセージをお願いします。

山下:「漫画みたいにいかない。」は、本当に不思議な作品ですが、1度見たらやみつきになる作品だと思います。空気感や撮り方など、新しいことにたくさんチャレンジしているので、これを見ていろいろ刺激を受けてほしいです。ただのコンセプトドラマではなく、色々な要素が入った新しいものになったなと自信があるので、ぜひ楽しんでください。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

山下健二郎(やました・けんじろう)プロフィール

山下健二郎(C)モデルプレス
山下健二郎(C)モデルプレス
5月24日生まれ。2010年劇団EXILEのメンバーとなり、同年三代目J Soul Brothersのパフォーマーに抜擢。11月「Best Friend's Girl」でデビュー。俳優としては、配信ドラマ「福家堂本舗 -KYOTO LOVE STORY-」、ドラマ「Love or Not」、「HiGH&LOW」シリーズなどに出演し活躍。

『漫画みたいにいかない。』作品概要

(左から)豊本明長、山下健二郎、角田晃広、山本舞香、飯塚悟志(C)漫画みたいにいかない。製作委員会
(左から)豊本明長、山下健二郎、角田晃広、山本舞香、飯塚悟志(C)漫画みたいにいかない。製作委員会
ヒット作一つも作れず、うだつのあがらない毎日を過ごす中年漫画家・戸塚オサム役には、稀代のコント師として名を馳せる東京03の角田晃広。ピュアでユトリなオサムのアシスタント・荒巻弘彦役を三代目J Soul Brothersの山下健二郎、オサムのワケありの一人娘・るみ役にはモデルそして若手女優としてもその演技力が注目される山本舞香。オサムの担当編集者・足立徹役に豊本明長(東京03)、幼馴染で毎日出前をとる定食屋の店主・鳥飼昭雄役を飯塚悟志(東京03)が演じている。

誰ひとり成功を掴めず、ダメダメだけど憎めない、思い通りにならない人生の悲哀を代弁してくれる愛すべきキャラクターが勢ぞろい。さらに、東京03の舞台などではお馴染み、知る人ぞ知る天才イラストレーター・ニイルセンが手がけるアニメーションが役者の芝居と融合。デコボコな才能がドラマの中で混然一体となる。
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