モデルプレスのインタビューに応じた前田典子【モデルプレス】

前田典子、モデル歴30年目で叶った夢「泣いてしまった」 変わらぬ美しさの秘訣も語る モデルプレスインタビュー

2015.11.12 08:00

モデルの前田典子(50)がモデルプレスのインタビューに応じた。12日発売の雑誌「HERS」12月号よりカバーモデルに抜擢された前田。モデル歴30周年という記念すべき年に初めて女性ファッション誌のレギュラー表紙モデルをつとめるという。そんな彼女に、この30年を振り返ってもらうとともに、モデルとして、母として、美しさにますます磨きがかかるワケを語ってもらった。

― 初のカバーモデルおめでとうございます。決まった瞬間はどのような気持ちでしたか?

前田:40代のときずっと「STORY」に出演していたんですけど、「STORY」ではタイミングがなかなかなく、チャンスが回ってこなかったのですが、「HERS」の年齢になり、いい意味でタイミングが回ってきてすごく嬉しいです。マネージャーから電話で決まったと言われたとき、電話口で泣いてしまいました、2人で(笑)。「よかったねー」って言い合いました。

― カバーモデルになることが夢だったというお話をお聞きしました。

前田:モデルなら、みんなそこを目標にしていると思います。今、モデル歴30年で、31年目になりますが、50代でそこに辿り着いたということはすごく喜ばしいことです。

― いつ頃からカバーモデルを意識していましたか?

前田:モデルになれたときは、1つずつ出たい雑誌に出演できたことが嬉しかった。私がデビューした頃のカバーモデルと言ったら、海外の方ばかりでした。それか、女優さんかタレントさんがほとんどで、普通にモデルの仕事をやっているだけではカバーモデルにはなれませんでした。それがこうやって時代と自分の年齢とキャリアが変わり、ここまで来たんだなと。意識というよりかは、いろんなことがマッチして、今回自分にチャンスが訪れたんだなと思います。

― 撮影はいかがでしたか?

前田:10月上旬に撮影したのですが、撮影していても「これ普通のファッションページなんじゃないのかな?」みたいな(笑)。出来上がったものを見ていないので、まだ夢のようです。

― 撮影中、プレッシャーや不安とか…そういう気持ちはありましたか?

前田:そういうのは割りとなくて(笑)。仕事ってすごく緊張感はあるけど、緊張はしない。30年もやっていると、そういう感じになっちゃうんですよね(笑)。でも、30年のモデルの表現の仕方を“じゃあ”って同じようにやってはいけなくて、50歳でもフレッシュなマエノリにならなくちゃいけない。逆に、30年のキャリアが邪魔なときもあるんですよね。当たり前の表情や動きとかを壊して、1に戻るというのはすごく難しいことなんです。

― 撮影に向けて何か事前に準備したことはありますか?

前田:スキンケアぐらいかな。一応前の日にエステに行って、マッサージをしてもらって(笑)。肌の調子を整えて、早く寝ました。モデルとして基本的なことですが。

モデル歴30年を振り返る

「HERS」12月号(2015年11月12日発売、光文社)表紙:前田典子
「HERS」12月号(2015年11月12日発売、光文社)表紙:前田典子
前田典子
前田典子
― モデル歴30年だといろんなことを経験したと思います。

前田:そうですね。30年もやっているといろんなことがありました。20代の頃は、世の中もバブル景気でお仕事もたくさんありました。当時は30代になってもモデルを続けるということはあまりなかった。みんな20代後半になるとモデルの仕事は終わりという時代でした。それがどんどん新しい時代へとなっていき、30代でも40代でも、そして今「HERS」で50代としてもモデルの仕事を続けさせていただいております。もしかしたら、60代向けの雑誌もできると思います。こうやって50代でカバーモデルとして活躍できるということはすごく嬉しいですし、長く続けてきてよかったなと。この先を見れば、60代もまだまだ未来があるかなと思います。

― 時代ごとに考え方も違うんですね。どの時期が1番大変でしたか?

前田:30代のとき、実年齢と見た目年齢にギャップのあった時期が辛かったですね。その時代は、30代以上の雑誌がありませんでした。もう若い雑誌には戻れないし、大人っぽい人が大人っぽい雑誌をやっていたので、自分の素のままモデルをできる雑誌がなかった。そんなとき、プライベートで結婚、出産、子育てもあり、「そういう時代なのかな」と思って。このまま主婦をやりつつも、なんとなくモデルを続けていくのかなと思ったのですが、39歳のときに「STORY」レギュラーモデルが決まって。40代の10年間は「STORY」をやらせていただきました。その「STORY」があったからこそ、今回「HERS」のカバーが決まったのかなとも思います。

― 30代では公私ともにいろんなことがあったわけですね。結婚して、出産して…モデルを辞めようという考えはなかったんですか?

前田:30代は仕事か家庭か…とどっち付かずな感じだったんですよね。「辞めよう」とは一度も思わず、どちらかと言えば「時々やればいいかな」という感じでした。やっぱりファッションが好きなので、そういうことに携われる仕事を続けたいと思っていました。

― そうだったんですね。では、今はどのような気持ちで仕事に取り組んでいますか?

前田:40代でモデルの仕事だけではなく、バラエティ番組に出演したり、ファッションプロデュースをしたり、トークショーの仕事をやってみたりと、マルチな活動をさせていただけるようになって、自分の中ではモデルという仕事があったからこそいろんなことが出来ていると思います。モデルの仕事を大事にしつつ、いろいろな仕事が出来るということはすごく恵まれた環境にいると感じています。40代では、そうやっていろんなことをやってきたので、50代は無理せず自分のペースで自分らしくお仕事をやっていきたいです。

― 仕事と家庭の両立が大変そうです。

前田:最近は慣れてきましたが、家族の協力が1番だと思います。主人も子育ても家庭のことも手伝ってくれて。今では息子も自立してやってくれています。「お母さんがロケでいないから寂しい」とかそういうのは全然なくて、親や兄弟、事務所のサポート、ママ友同士の助け合いがあって、できているんだと思います。

― では、前田さんにとって夫婦円満の秘訣とは?

前田:よく聞かれますが、お互いのことを干渉しないこと。それぞれ趣味や友達も別々だから、時々家族で一緒に過ごすくらいがちょうどいい。旅行も去年までは3人で行っていましたが、最近は「3人で温泉行く?」と聞いても、息子は「もう2人で行ってきていいよ」って。2人で行くという感じでもないし…(笑)。高校生になったので、友達が1番なんでしょうね。

いつまでも変わらぬ美しさの秘訣を明かす

前田典子
― 先日は初のエッセイ「永遠に『キレイ』を続ける方法」を発売したばかりですが、前田さんにとって、キレイの秘訣とは何ですか?改めて教えてください。

前田:目鼻立ちキレイとかスタイルがいいとかそういうのではなく、その人自身だと思います。内側から出てくるものだと思うし、特に年齢が上がってくると清潔感が大事だなと思います。

― モデルを30年もやっていると心掛けていることも徐々に変わってきますか?

前田:そうですね。若いときは体力もあるし、夜まで遊んで仕事に行っても平気みたいな感じだったのですが、今は疲れが目元や肌に出てしまうので…。昔は夜遊びダイエットをしていたんですよ。夜遊びに行って痩せるみたいな(笑)。

― では、今はどのようなことに気を付けて肌の調子を整えていますか?

前田:睡眠とバランスのいい食事、適度な運動です。これって普通なことですが、みんな出来ないんですよね。忙しかったり、めんどくさかったりと。でもそれをちゃんとするだけなんです。息子がいるから、食事をきちんと作るし、朝も起きて自然と早く寝る。息子のおかげで健康的な生活を送れていると思います。昔は夜までテレビを見たりとか、そういうのもありましたけど、やっぱり規則正しい生活を送っていることが1番だと思います。

― 具体的にどのような運動をしていますか?

前田:ファイティングエクササイズというのをやっています。格闘技系のパンチとキックを繰り返すエクササイズですが、それを10年以上続けています。出産後の体型戻しをきっかけに始めたのですが、ストレス発散にもなるし、身体のいろんなところに効くし。パンチして二の腕と背中に、キックしてヒップとか。あとは私の性格にすごく合っている。だから週1で通うようにしています。

― 食事面で気をつけていることはありますか?

前田:食べないダイエットをするタイプではなく、どちらかと言うと食べた分は運動で戻そうとしています。我慢はしないですね。タンパク質はしっかり摂るようにして、炭水化物は少なめにするとか。お肉が好きなので、結構食べるんですよ。

― そういうことを続けられるコツはありますか?

前田:私は自分の性格に合っていたので、続けられているんだと思います。ファイティングエクササイズは音楽を聞きながら、エアロビみたいな感じでパンチやキックをやると結構楽しいんですよ。あとは、目標があることが大事だと思います。例えば、誰かの結婚式があるからドレスを着ないといけないから、水着を着るから…など、何でもいいと思うので、そういう目標を決めてみてください。

― いつまでも変わらずおキレイな前田さん流の輝き続ける秘訣はありますか?

前田:私は自分の好きなことややりたいことをやれるなんてすごく恵まれていると思うのですが、やっぱり表舞台に出る仕事なので、裏方の方たちがいて前に出させてもらえているので、そういう人たちに感謝の気持ちを忘れないでいたいなと思います。そういうことも大事ですが、あとはいつでもワクワクと楽しいことが何かあるからじゃないかなと思います。50代に突入して「あー」という感じではなく、これから歳を重ねていきどうなるのかなと楽しみでもあるし、50歳だからこそ出来ることもあるなと思って。モデルだったら、どんな表現ができるのかなと思いますね。その世代世代で今の自分を1番楽しむというか、自分の好きなことをするのがいいと思います。「今の自分嫌い!」じゃなくて、もっと自分を愛することが大事。愛するってことは、そのときの身体のケアも大事で、ストレスを溜めないようにするとか。楽しいことばかりが仕事ではないと思いますが、楽しむことが大切。恋愛も同じで、やっぱり恋をしていると女の子がキレイになると思うし、相手がいなければ、アイドルでもいいし(笑)。そうやって夢中になって、とにかく自分を忙しくした方がいいと思います。

モデル歴30年で夢を実現させた前田典子が考える“夢を叶える秘訣”とは

前田典子
― モデル歴30年でカバーモデルという夢を叶えた前田さん。夢を追いかけているモデルプレス読者に夢を叶える秘訣を教えてください。

前田:「有言実行」だと思います。あとは行動力。言葉にすると言霊で響くし、相手にも響くし、自分にも響くし。あとは忘れないようにメモをすること。1つだけではなくてたくさん。それが出来なかったとき、すごくショックを受けると思うので、いっぱい書いておいたり、人に言えることは人に言っておけば、誰かが聞いてくれたりするので。私も仕事でやりたいことはマネージャーによく言っています。あと物欲もあるので、ちょっとした自分のご褒美を作ると、仕事も頑張れると思うので、有言実行ができたら1番いいなと思います。

― では、最後に次の目標を教えてください。

前田:今は1つ「HERS」の表紙がスタートを切って、これから何年続けられるのかわからないのですが、みなさんに好かれるような「HERS」モデルでいたいと思います。今までの50代モデルや、50代女性のイメージを変えていけたらいいなと思います。私が新しいことをやって読者のみなさんが「マエノリが頑張っているから私も頑張ろう」と思ってもらえたら嬉しいです。

― ありがとうございました。

「永遠に『キレイ』を続ける」という言葉がこれほど似合う女性はいない。30年ものモデルという華やかな表舞台にいる彼女だが、裏では『キレイ』でいるための努力、そして明るくポジティブな性格だからこそ、モデル“前田典子”はますます磨きがかかる。本人も語るように50歳になった今、新しい“前田典子”がきっと現れるはずだ。(modelpress編集部)

前田典子(まえだのりこ)プロフィール

前田典子
1965年10月20日生まれ。19歳でモデルデビュー。「non-no」「CanCam」「with」「MORE」「CLASSY.」など多数のファッション誌で活躍。その後、32歳で結婚し、2000年に長男を出産。2005年からは雑誌「STORY」でレギュラーモデルをつとめ、「マエノリ」の愛称で人気を集める。現在も女性ファッション誌「HERS」でカリスマ的人気を誇り、モデル業のほか、オリジナルブランドのプロデュースやトークショーなど幅広い活動を展開している。
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