モデルプレスのインタビューに応じた知花くらら【モデルプレス】

知花くらら、摂食障害や批判を受けた過去…切り拓いてきた道を振り返る モデルプレスインタビュー

2015.01.13 18:00

モデル・知花くらら(32)。2006年7月にミス・ユニバース2006世界大会(第55回大会)に出場し、総合第2位に輝き脚光を浴びてからまもなく9年。雑誌「Domani」(小学館)のカバーモデルや国連WFP(世界食糧計画)日本大使としても活動する彼女は、「試行錯誤」というこれまでの歩みを振り返った。

モデルプレスのインタビューに応じた知花くらら【モデルプレス】
モデルプレスのインタビューに応じた知花くらら【モデルプレス】
知花くらら【衣装】カーディガン、パンツ:「エスカーダ」/ロングネックレス、ショートネックレス、ターコイズブレスレット、レザーブレスレット、カフバングル:「MIZUKI」
知花くらら【衣装】カーディガン、パンツ:「エスカーダ」/ロングネックレス、ショートネックレス、ターコイズブレスレット、レザーブレスレット、カフバングル:「MIZUKI」
1月15日に発売される初の書き下ろしエッセイ「くららと言葉」(講談社)では、国連WFPの活動やミス・ユニバースで出会った人々、故郷・沖縄の家族などからもらった55の言葉を紡ぎ、世界が抱える問題への思いや、これまでの人生を綴っている。

初の書き下ろしエッセイ 55の言葉たちを紡ぐ

― 初の書き下ろしエッセイ「くららと言葉」の出版、おめでとうございます。原稿を書き終えていかがですか?

知花:これまでに、これほどたくさん一気に書いたことはなかったので、文章を書くことはとても大変なことなんだなと思いました。様々な人の55の言葉に則して、自分の体験や思いを綴っているのですが、やはり終盤に差し掛かると言葉を集めることや文章の構成、何を書くかということを探していくのが大変でした。でも、今は達成感でいっぱいです。

― どれも素敵な言葉ばかりでした。中でもお母様の「もしもあなたが有名になったり、お金持ちになったりしたら、その影響力で他の人々に何か貢献できることを覚えておいてね」という言葉は知花さんにぴったりですね!

知花:ありがとうございます。この言葉はぜひ、取り上げたいと思っていたんです。今の活動やお仕事があるのは、母のこの言葉があったから。いつもどこか心に残っている言葉です。

知花くらら「くららと言葉」(講談社、2015年1月15日発売)
知花くらら「くららと言葉」(講談社、2015年1月15日発売)
知花くらら「くららと言葉」より/画像提供:講談社
知花くらら「くららと言葉」より/画像提供:講談社

ミス・ユニバース 思い立って応募したきっかけとは

― 知花さんといえば、2006年のミス・ユニバース世界大会に出場し、第2位という輝かしい成績を修め、瞬く間に活動の幅を広げてこられましたが、ミス・ユニバースに出場しようと思ったきっかけを教えてください。

知花:ちょうどその頃、就職活動をしていて、企業のウェブページを閲覧していたときにたまたまミス・ユニバースのリンクを見つけたんです。チャリティ活動に興味があったことももちろんですが、就職活動も落ち着いてきた頃でして、残りの学生生活を有効に使いたいと思い、軽いノリで応募用紙をダウンロードしたことを今でもよく覚えています。

― それ以前にモデルの活動をしていたり、興味があったりというわけではなかったのですか?

知花:全くやったことはありません。当時の私といえば、美容室にはほとんど行ったことがなく、メイクもマスカラくらい。自分がいる世界とは全く違う世界に飛び込んで行ったので、最初のうちはまさか自分が残れるとは思ってもみませんでした。

― 内定が決まっていた出版社に入社か、日本決勝大会に出場かを選択しなければならない場面では、どのような心境だったのでしょう?

知花:「決断しなくちゃいけないんだ」と思いました。たしか、入社が4月1日、決勝大会が4月25日で人事担当者の方に「二足の草鞋を履かせてほしい」と相談したところ「君が優勝しない、なんてだれが断言できますか」というお言葉をいただきました。最初は両方できればいいなと思っていたのですが、甘えてしまえば120%で挑めない。一本に絞らなければならないと思ったんです。

批判や摂食障害…かつての苦悩を告白

― 素敵なエピソードですね。日本代表として世界大会に出場され、第2位に入賞されて、ガラリと人生が変わったかと思います。「たくさんの批判も受けた」とありましたが、どなたのどのような言葉に救われたのかお聞かせください。

知花:自分の中での葛藤に対しては、ファッションジャーナリストの生駒芳子さんの「100やらなくてもいい、10でも、1でもいい。それは0よりずっといいから」という言葉で吹っ切れました。モデルと国連WFPのオフィシャルサポーターの仕事を始めた最初のうちは、いろいろな批判を頂戴したのですが、時間が解決してくれたというか、継続しているうちに耳を貸していただける人も増えてきました。

― 本の中では、2年間悩み続けてきたという摂食障害についても言及されていますが、立ち直ったきっかけを教えてください。

知花:ミス・ユニバース世界大会が終わって、少し経った頃から断続的に2年ほど、摂食障害に陥りました。悩みの種類として、相談できることではなかったので、知らず知らずのうちに自分の中に溜め込んでいた部分があります。後ろ向きの行為なので、心も体もやっぱり後ろ向きになってしまって…。何気ない会話の中で友人からの「きみはそのままでいいんだよ」という言葉と、「ヘルシーじゃないな」と自分の中で思えたときに「もうやめよう」と立ち直れました。

知花くらら
知花くらら
知花くらら
知花くらら

国連WFP日本大使としても活躍 世界の声を届ける

― WFPオフィシャルサポーターを経て、現在は国連WFP日本大使という大役に任命された知花さんですが、どうして世界が抱える問題に興味関心を持ったのでしょうか?

知花:大学時代に国際教育を専攻していたので、子どもたちの教育や途上国での活動に関心がありました。ミス・ユニバースに応募したときも、チャリティ活動に携われるということで、ぜひやってみたいと思ったんです。

― 国連WFPの活動において、知花さんご自身が最も衝撃を受けたことをお聞かせください。

知花:初めてアフリカに行ったときのことです。知らず知らずのうちに自分の中にものさしを持っていて、無意識のうちに当然だと感じていることは、実はものすごく恵まれていることだと気付かされたときは衝撃を受けました。外に出てみたら、それが当然ではないことってたくさんあるんですよね。

「Domani」の顔として高い支持 美しさの秘訣とは

― ミス・ユニバース世界大会から、環境が大きく変わったかと思いますが、一層自身を磨くために努力したことや美しさの秘訣はありますか?

知花:大会前はメイクレッスンを受けたり、いろんなファッションを試したりしました。でも、そういったことを実践するうえで、自分の中にあるものを大切にしてあげることが重要だと思ったんです。自分に全く無いものを取り入れて、ゼロから磨くのではなく、興味があるものや好きなもの、一度心に「いいな」と引っかかったものを大事にして、育てることで、自分らしさが磨かれるのではないかと思います。

― 「Domani」のカバーモデルとしても活躍中ですが、好きなファッションやこだわりを教えてください。

知花:フレキシブルに楽しむことがモットーです。着心地のいいシンプルなアイテムが好きですね。

女優業にも意欲

― 毎年、新年にTODOリストを作っているそうですが、2015年の目標と長期的な今後の目標をお聞かせください。

知花:去年始めたことを今年はもっと掘り下げていきたいです。具体的には短歌や乗馬。短歌は、歌を読み溜めたいと思っています。去年始めたばかりの乗馬もしっかり取り組んでいきたいですね。長期的な目標としては、表現の幅を広げていくためにお芝居に挑戦してみたいと思っています。

― 憧れの女優さんや目指すものはありますか?

知花:素敵だと思う女優さんはたくさんいらっしゃいますが、中でも小泉今日子さんが出演している作品は積極的に見ていると思います。

知花くらら
知花くらら
知花くらら
知花くらら

「ロールモデルがいない」切り拓いてきた道を振り返る

― 「くららと言葉」には、黒柳徹子さんとの対談も収録されていますね。実際に憧れの方と対談されてみていかがでしたか?

知花:とても興味深いお話を聞くことができ、背中を押していただきました。中でも「あなたはまだ若いから40歳くらいになるとわかるかしらね。いろんなことが」とおっしゃっていたのが印象に残っています。黒柳さんは女性司会者のパイオニアです。ですが、当時は自分らしくに一生懸命やってこられたそうです。私自身もミス・ユニバースに出場し、世界大会2位に入賞して国連WFPの活動とモデルの仕事をスタートさせたのですが、手本や道を示してくれるロールモデルといった存在がいなくて、がむしゃらにやってきたところがあります。

― 本の中にも「これまでやってきた9年間は試行錯誤だった」とありましたが、振り返ってみて思うところをお聞かせください。

知花:試行錯誤でしたが、そのときどきで一生懸命だったと思います。とっても貴重な20代、そして30代の頭だったと言えます。唯一無二でユニークでしたね。今はとても満ち足りたハッピーな気分です。

夢を叶える秘訣を伝授

― では、最後に夢を叶える秘訣をお願いします。

知花:「言葉にすること」です。胸に秘めることも素敵ですが、意外にも「これをやりたい」「こうなりたい」と口にしたほうが実現するような気がします。まさに、私の人生がそうでした。

― ミス・ユニバースに出場した際にも、選考が進んでいくにつれて「私ならなれる」といった思いは強くなったのでしょうか?

知花:そうですね。言葉にすることで覚悟ができ、腹も括れます。また、言葉を受け取ってくださった方が動いてくださることもあります。

― ありがとうございました。

日本中を沸かせたあの日から、まもなく9年の月日が経とうとしている今の心境をありのままに語ってくれた知花。模索しながらも自らが切り拓いてきた道には不安と、それを打ち消し、彼女の背中を押してきた“誰かの言葉”があったようだ。「ロールモデル」の存在がなく試行錯誤だったというこれまで。しかし、彼女の知性やセンス、生き様に憧れを抱く女性は多数。これからも、彼女にしかできない方法で、ファッションモデルとしてトレンドを発信していくとともに、国連WFP日本大使として現地の声を届けてくれることだろう。(modelpress編集部)

知花くららプロフィール

生年月日:1982年03月27日
出身地:沖縄県 那覇市
身長:173cm
血液型:A型

小学館「Domani」の表紙専属モデルをはじめテレビ、ラジオ、CMなど幅広く活躍。 また、国連WFP日本大使としてアフリカなどで現地視察を行い、日本国内で積極的に現地の声を伝える活動を行っている。

■『くららと言葉』刊行記念  知花くららサイン会
1月15日(木) 19:00~ 福家書店 新宿サブナード店(03-3350-0329)
※要整理券
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