作間龍斗(C)モデルプレス

ACEes作間龍斗、原菜乃華の存在感に脱帽「1対1で対峙するのは恐ろしい」自身と重なる“アイドル役”に抱いた本音とは【「ないものねだりの君に光の花束を」インタビュー前編】

2026.11.07 07:00

「“リアル作間”が役に透けて見えないといいな」━━ステージの上で輝きを放ち続けるアイドルでありながら、スクリーンの中では影を秘めた1人の少年として存在してみせる。映画「ないものねだりの君に光の花束を」(11月20日公開)で自身初となる“アイドル役”を演じたACEesの作間龍斗(さくま・りゅうと/24)。W主演を務める原菜乃華との濃密な会話劇、そして長台詞に挑んだ彼が、作品への思いと繊細な役作りを語る。【インタビュー前編】

  

映画「ないものねだりの君に光の花束を」

作間龍斗(C)モデルプレス
本作は、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(スターツ出版文庫)など、10代を中心に人気を誇る泣ける青春小説のヒットメーカー汐見夏衛氏の小説「ないものねだりの君に光の花束を」(角川文庫/KADOKAWA刊)を実写映画化した作品だ。

作間が演じるのは、人気急上昇のアイドルグループのメンバーで、勉強も性格も完璧な誰もが羨む「特別」な存在の高校生・鈴木真昼。すべてにおいて「普通」で個性がない自分に嫌気が差している同級生の影子(原)は、別世界の遠い存在だと真昼に引け目を感じていた。しかし、一緒に図書委員を担当することになったことをきっかけに、真昼が誰にも打ち明けてこなかった“壮絶な過去”を知ることになり、物語が動き出す。

作間龍斗、アイドル役挑戦に本音「最初は少し身構えました」

― 出演が決まった際の心境と、脚本を読まれたときの印象を教えてください。

作間:出演するかもしれないとお聞きした段階で、まず原作の小説を読みました。汐見先生の作品は本屋にコーナーがあるくらい人気ですし、普段頻繁に小説を読むタイプではない僕でも存じ上げているくらい映像化もされている作家さんですので、汐見先生の作品に携われることをとても嬉しく思いながら読み進めました。小説を読んでから自分が演じる役がアイドルだと知り、表紙の華やかなイメージとは対照的に、内容は人の深みや陰のある部分に踏み込んだストーリーだったので、「これは絶対に映画として面白くなる」と感じたのが最初の印象です。

その後台本をいただいて、主人公2人の関係性がすごく複雑で、一言で表現するのが難しい絶妙な関係だと感じました。“普通とは何か”というテーマも含めて言葉で表現することが難しい要素も多いですが、約2時間の構成に見事にまとめられていて感銘を受けました。同時に「僕と原さんのお芝居次第で作品がどうにでもなってしまう」と感じるセリフが多く、ある種の恐ろしさも感じました。

― アイドル役を演じることについてはどう思われましたか?

作間:最初は少し身構えました。一番心配だったのは、観客の皆さんが現実の僕と劇中の真昼というキャラクターを切り離して観られるかどうかという点です。“リアル作間”が役に透けて見えないといいなという懸念がありました。

ただ、ストーリー上、アイドルという属性はあくまで真昼のプロフィールのひとつとして描かれていて、「これなら大丈夫そうだ」と安心しました。ステージに立って踊る場面もあまりなく、観客の方にも自然に受け入れていただけるのではないかと思います。自分自身がアイドル活動をしているからこそ勝手が分かる部分もありましたし、ダンスの練習シーンなどもスムーズに対応できたため、助かった面も多かったです。

作間龍斗、重い過去抱える役を演じる上で意識したこと

作間龍斗(C)モデルプレス
― 役作りするにあたって、真昼という人物をどのように掘り下げていったのか教えてください。

作間:作中には「特別」「普通」「ないものねだり」などさまざまなキーワードが出てくるので、「彼らにとってそれらは一体何なんだろう?」ということを常に考えていました。僕自身、「あのとき違う選択をしていたらどうなっていたんだろう」と“ifの世界”を想像することが好きで、「ないものねだり」をしてしまう気持ちは分かります。ただ僕の場合、その想像を楽しむタイプなので「あっちを選べばよかった」と後悔することはあまりなく、そこは真昼くんとは違う部分だと思います。台本を読み進めるにつれて、自分とは全く異なる人物だと分かったからこそ、逆に彼がどのような人間なのか興味が湧きました。図書室という空間で同級生と時間を過ごし、互いに秘密を打ち明けていく関係性は、当人たちにとっては大変な状況ですが、第三者目線で見るとどこか微笑ましくもあります。客観的に2人の関係を分析した上で、自分の身体に落とし込んでいくような感覚で演じました。

― 真昼はかなり重い過去を抱えている役柄ですよね。

作間:そうですね。僕自身は経験したことがない壮絶な過去を抱えているので、原作の細かい描写からニュアンスを感じ取り、イメージを膨らませることに尽力しながら演じました。

― 演技面で意識されたことはありますか?

作間:完成した作品を観たときに、映画というのは総合芸術なんだなと改めて感じました。目の光を消す表現や影の入れ方などもライティングの技術で表現していただけますし、そういった部分も含めて素晴らしいと思います。自分だけの力ではなく、スタッフの方々が作り込んで引き立ててくださるので、僕自身は「ここはこう演じよう」と意図的に狙うようなことはせず、キャラクターの感情の流れに合わせて、誇張せず自然体で演じることを意識していました。

作間龍斗、“芝居お化け”原菜乃華との共演振り返る

― 本作は会話劇の密度が高く、原さんとの1対1のお芝居も多かったと思いますが、共演された印象を教えてください。

作間:正直なところ「原さんと1対1で対峙するのは恐ろしい」という気持ちがありました。原さんは本当に“芝居お化け”といいますか、これまでご一緒させていただいた現場でもそうですし、他の作品でお見かけした際も、常に芝居で素晴らしい存在感を発揮されている方なので、その原さんと1対1で会話劇をやるのかと思うと素直に「やめてくれよ」と思ってしまうくらいプレッシャーはありました(笑)。

― 実際にお芝居で対峙してみていかがでしたか?

作間:僕が気づかないところで、原さんは上手く引っ張ってくださっていたのだと思います。直接的にお芝居について深く話し合うことはなかったですが、僕がやりやすいように、原さんが芝居の中で色々と提示してくださっていたように思います。だからこそ僕もすごく演じやすかったですし、改めて原さんのすごさを実感しました。

― 会話劇ならではの緊張感はありましたか?

作間:長いセリフを噛まないようにという物理的な緊張感はありましたが、撮影自体への緊張に関しては、安藤(尋)監督をはじめ現場の雰囲気がとても柔らかかったおかげで、自然と解けていった気がします。カットを細かく割らず、長回しの撮影が多かったので、集中力を保ちながら挑みました。

映画の中でここまで長台詞を言わせていただく機会は僕のキャリアの中で初めてだったので、ドラマとはまた違う映画ならではの長台詞の意味合いを考えながら演じる作業はとてもやりがいがありました。

作間龍斗、監督とのコミュニケーションは「密に取れた」

― 安藤監督の演出はいかがでしたか?

作間:安藤監督はすごく腰が低く、優しい方です。監督として撮りたい絵を提示しつつも、僕たちの意見をとても尊重してくださり、セリフの言い回しについて相談すると、親身に耳を傾けて修正してくださる機会がどのシーンでもありました。

例えば、真昼の育ってきた環境の影響もあって、初期の台本では「お前」という強い言葉が多めで、監督に「もう少しこのセリフを減らしたいです」とご相談したところ、意味がしっかり通る形でセリフを変更してくださいました。

― 作間さんがプライベートで「お前」と言うことはありますか?

作間:絶対に使わないですね。お互いに信頼関係が成り立っている場合やネタとしての発言ですかね。ただ、そうでない場合に軽々しく使うのは好きではないです。言葉一つで相手に与える印象が変わるので、自分自身も気を配るようにしています。

― 安藤監督に直接相談されたことはありますか?

作間:現場では監督の表情や反応を窺いながら、「少し納得いっていないかな?」と感じたときには自分から声を掛けにいき、相談しながら微調整を重ねていきました。監督とコミュニケーションを密に取ることができたので、役の方向性がブレることなく撮影を進められました。

★後編では、自身の理想のアイドル像や、アイドル活動と学業を両立した高校時代について語ってもらった。

(modelpress編集部)

作間龍斗(さくま・りゅうと)プロフィール

2002年9月30日生まれ、神奈川県出身。5人組アイドルグループ・ACEesのメンバー。180cmの長身とモデル並みのスタイルを活かし、雑誌「FINEBOYS」(日之出出版)ではレギュラーモデルを務める。「恋の病と野郎組」(BS日テレ/2019)で俳優デビューを果たし、それ以降大河ドラマ「どうする家康」(NHK/2023)、映画「うちの弟どもがすみません」(2024)、映画「山田くんとLv999の恋をする」(2025)、ドラマ「月夜行路 -答えは名作の中に-」(日本テレビ/2026)など、話題作への出演が続く。高い演技力と凛としたビジュアルで、俳優としても注目を集めている。
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