葵うたの(提供写真)

宮崎あおいに憧れ&目指すは大河ドラマ出演 英映画祭ノミネート「トーキョーナイトフォール」で存在感発揮した葵うたの、演じた“孤独”に共感【注目の人物】

2026.08.07 20:00

いま”見逃せない人物を、モデルプレス編集部がピックアップして紹介していく<注目の人物>シリーズ。今回はイギリス最大級の独立映画祭「レインダンス映画祭」にノミネートされた映画『トーキョーナイトフォール』で活躍中の若手女優・葵うたの(あおい・うたの/27)にフィーチャーする。

  

英映画祭ノミネート「トーキョーナイトフォール」に出演・葵うたのって?

「トーキョーナイトフォール」ポスタービジュアル(C)Arct'4 Film Inc.
『トーキョーナイトフォール』は、混沌とした東京を舞台に、都会の片隅で孤独感、寂しさ、行き場のない苦悩を抱えて生きる若者たちの姿を描いたヒューマン・ドラマ。過激な描写ながらも、どこか繊細で、そっと寄り添うようなまなざしを宿した作品だ。

レインダンス映画祭に登壇した(左から)廣中太河、清水友翔監督、葵うたの、田中光輔(提供写真)
今作は、ロンドンで開催されたイギリス最大級のインディペンデント映画祭「レインダンス映画祭」にノミネートされた、新進気鋭の清水友翔監督作。葵は、物語の鍵を握る主人公の妹・アンナ役で、高校生の時に同級生の自殺遺体を見て以来様子が変わり、やがて自らも命を絶ってしまうという役どころを好演した。

葵うたの、演じたアンナについて「彼女を理解したい」

葵うたの(提供写真)
― 今作で演じられたアンナは、最終的に自ら命を絶ってしまう主人公の妹という非常にセンシティブでミステリアスな役柄です。「1つのショットを打つたびに、何かを残していくような、終わらせるような。言葉にできない気持ちがありました。」というご自身のコメントもありましたが、アンナという人物の感情をどのように自分の中に落とし込んで撮影に臨まれましたか?

葵:アンナは、同級生の自死を目撃してから、「生きること」や「存在意義」に対して、疑問を持ち始めます。アンナを演じることが決まってから、普段は気に留めない事や、受け流していた事に逐一疑問を持つように心がけていました。彼女を理解したいという思いから始まり、思考を巡らせる中で、自分が今まで生きてきて感じたことのある痛みや、出会い、いつのまにか疎遠になってしまった友人や、蓋をしてきた感情が思い出されました。

アンナは劇中、ハンディーカメラで友人達や自分自身、自分が見ている世界を映していきますが、生きていた証を残す、痛みを終わらせるような気持ちで挑みました。

葵うたの(提供写真)
― 清水友翔監督とは2024年公開の『僕の中に咲く花火』に続く再タッグとなり、「家族のようにこの映画を撮りたい」とオファーがあったそうですが、監督からかけられた言葉で印象に残っているものは?

葵:特にかけられた言葉は思い出せないのですが、明らかに前作から関係性は変わりました。共演者やスタッフの方と交流の時間が多く、互いに夢や、映画に対する思いを語り合う時間に恵まれ、なんでもない時間を過ごせるような仲にもなり、今でも交流が続くほど、同じ時代に映画の世界に足を踏み入れた仲間として高め合えていると感じます。監督の演出も、私が思っていたことと真逆のアプローチがあり、新しい発見に恵まれました。

葵うたの(提供写真)
― 都会の片隅で孤独を抱えながら生きる若者たちの姿が描かれていますが、葵さん自身が作品に共感できた点はありますか?今作に出演したことで得た新たな気づきや感情があれば教えてください。

葵:家もある、家族もいる、友人もいる。健康な体もある。それなのにたまに、行き場のない孤独に襲われる。そんな感覚はわかる気がします。完成した映画を見た時に、その孤独が私だけのものじゃないことや、人生で大切にしたい人との繋がりに気付かされました。こんなはずじゃなかった、と痛むことができたのは、幸せな瞬間や、あったかもしれない未来を求めていたからなんだと。

葵うたの、授賞式でロンドンへ

レインダンス映画祭に登壇した葵うたの(提供写真)
— 今作はイギリス最大級のインディペンデント系映画祭「レインダンス映画祭」にノミネートされ、ご自身もロンドンで開かれた授賞式に参加されていましたが、現地で受けた刺激を教えてください。

葵:授賞式では、各映画の関係者の方々が一堂に会していて。そこでは『トーキョーナイトフォール』をノミネートまで導いてくれた方と交流することができました。本当にこの映画を愛してくださり、「5回も見ました。映画の登場人物達の友情に胸打たれた」と言葉をかけていただきました。受賞された方々のスピーチを聞きながら、言葉はわからなくても、映画が作られるまでに関わってくださった方々への感謝や、互いをリスペクトし合う心にたくさん刺激を受けました。

葵うたの(提供写真)
— これまでドラマ『パリピ孔明』『シリウスの反証』など多数の作品に出演されていますが、ターニングポイントとなった作品はありますか?また刺激を受けた共演者の方がいれば教えてください。

葵:ありがたい事に、関わらせていただいた作品で描かれるテーマや、共演者の方々、現場の在り方から、多くの学びがあります。清水監督の前作、『僕の中に咲く花火』では、同じシーンはなかったのですが、撮影地である岐阜で、俳優の加藤雅也さんや、渡辺哲さんという大先輩方とお話させていただきました。撮影後も、東京でお会いする事があり、表現への情熱を感じ、そのお人柄を本当に尊敬しています。

葵うたのをもっと知る一問一答

葵うたの(提供写真)
Q1.デビューのきっかけは?

葵:演劇が好きだった母の影響を受けて、俳優を志しました。

Q2.好きな食べ物/嫌いな食べ物

葵:好きな食べ物は汁物。嫌いな食べ物はとくにないです。

Q3.好きなタイプ

葵:寡黙で芯が強いけれど、どこか照れや恥じらいがある人。

Q4.好きな言葉

葵:みんな違って、どうでもいい。

Q5.これだけは他の人に負けない!

葵:何時間でも歩けます。

Q6.自分にキャッチコピーをつけるとしたら?その理由は?

葵:頭をひねっても結局思いつかず。募集中です…!

Q7.健康維持のためにやっていること

葵:一汁三菜。散歩と1人時間と、友人とのお酒時間。

Q8.最近ハマっていることは?

葵:今までは畳の上で座布団だったのですが、最近新しくアンティークで座り心地の良い椅子とサイドテーブルを購入したので、ポップコーンとジュースを片手にお家映画館をしています。

Q9.最近した初体験

葵:友人に便乗してテニスをしました。運動神経のベクトルにバラツキがあるのですが、テニスは割とセンスあり…かも…?

Q10.今、一番会いたい人

葵:西島秀俊さん。いつか共演したいです。

Q11.今、最も情熱を注いでいること

葵:作品制作!お芝居もそうですが、連載やポッドキャスト(ラジオ)、脚本や監督を務める企画中の作品もあります!

Q12.今、悩んでいること

葵:私は埼玉出身なのですが、最近、関西出身の方と仲良くさせていただいていて。その、会話そのものの楽しみ方とか遊び心に憧れていています。私もそうなりたい!半年くらい関西に留学したいです。

Q13.悲しみを乗り越えた方法

葵:人生でいちばんの悲しみは、上京してからずっと生活を共にしてきた愛犬の死でしょうか。癌を患ってから、闘病生活が続く中で、その時担当してくださっていた獣医師さんに救われました。動揺してしまう私を現実に引き戻し、命、死への向き合い方への覚悟と、なにより、大変な医療現場の中で、愛犬の為に最善を尽くして下さいました。

本当に、お医者さんは、苦しく、尊いお仕事だなと。もう立ち直れないほどの絶望感でしたが、1つずつ、愛犬との思い出や、その時感じた気持ちをひたすらノートに書き続け、一緒に愛犬への想いを話せる家族や友人に支えられ、今では感謝しかありません。生のすぐそばには死が常にある事。その事を身をもって体験し、その分、生きている奇跡や尊さに目を向ける事ができました。亡くなってから、1度も夢に出てきてくれていませんが、本当のお母さんのもとに生まれ変わって、どうか幸せであってほしいと、思っています。

Q14. 今後チャレンジしたいこと

葵:今年は出演させていただいた映画が3本公開します。まずはその作品がより多くの方々に届く事、そのうち、誰かの人生に寄り添える作品になる事が目標です!

幼少期、初めて好きになった女優さんが、NHK大河ドラマ『篤姫』で篤姫を演じられていた宮崎あおいさんなので、やっぱり、大河作品に出演することは、私の大きな目標です。そのために、1つ1つの作品に真摯に向き合っていきたいと思います。

Q15.夢を叶える秘訣

葵:やっぱり仲間の存在でしょうか。まだまだ未熟な私ですが、これまでに何度も心が折れそうになった事があるし、自分がその時いた場所に違和感を感じ、逃げ出したこともあります。でも、責任をもって何かを手放した先に、絶対新しい出会いも気づきもあって。その節目には必ず支えてくれる仲間がいます。夢は1人じゃ苦しいものです。自分の為だけじゃ頑張れない時があります。思っていること、譲れないことを素直に話し合い、切磋琢磨できる仲間を持つ事が、夢を叶える秘訣かもしれません。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

葵うたの(あおい・うたの)プロフィール

葵うたの(提供写真)
1999年7月4日生まれ、埼玉県出身。2021年にドラマ『ガールガンレディ』にて初のドラマレギュラー出演を果たす。主な出演作は、ドラマ『パリピ孔明』『さっちゃん、僕は。』『三人夫婦』、映画『僕の中に咲く花火』『時のおと』などがあり、2025年に公開された映画『タイムマシンガール』では初主演を果たし、福岡インディペンデント映画祭にて俳優賞にノミネートされた。7月31日より公開の『トーキョーナイトフォール』、8月28日より公開の『ロストフォリア』に出演。

X:@iam_utano
Instagram:@utano_aoi_
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