CROWN HEADが新曲「Wonder」で描く孤独と繋がり― 未完成な「青さ」への肯定、歌詞に込めた思いとは?
2026.07.30 17:15
結成から約1年半、精力的に活動を続ける4人組ロックバンド・CROWN HEAD(クラウンヘッド)。初のワンマンライブに韓国最大級の音楽フェス出演と、一見すると順風満帆な快進撃だが、その裏側には、現状に満足せず変わり続けるための泥臭い模索、そして決して平坦ではない葛藤の日々があった。新曲「Wonder」に込められた未完成な「青さ」への肯定、そして今後描く未来への展望とは―― 。
今回モデルプレスは、CROWN HEADのメンバー4人にインタビューを実施。クールなビジュアルの奥に隠された、驚くほど人間臭くて温かい素顔、そしてバンドとしての変化や目標、挫折や壁への向き合い方まで語ってもらった。
歌唱や楽器演奏はもちろん、作詞作曲、編曲、SNSを使った企画や動画投稿など、各々が得意領域を活かしながら日々活動している。メンバー個々のスキルと発信力が武器。特に昨年末は9月~12月にかけて、シングルからEPまで4ヶ月連続リリースを完遂。その止まらないクリエイティビティでシーンに存在感を示し、圧倒的な発信力と高い音楽性で支持を拡大し続けている。
Moto:ビジュアル…?(笑)。1年前はこんな感じじゃなかったですからね、こんなピンク髪になって…。
一同:(笑)。
ー 髪型も大きく変わりましたね(笑)。ビジュアル面の進化もありつつ、他の部分ではいかがですか?
Moto:「大きく変わった」というよりは、「本当にちょっとずつ、色々なことが変わり続けている」という感覚です。ライブや楽曲制作、そしてタイアップのお話もいただけて、次々と新しい機会に恵まれたありがたい1年でした。そういった新しいタイミングが来るたびに、「もっとこうしたい」「こうしていこう」という意見をメンバーやスタッフ、チーム全体で深く話し合うようになりました。常に新しいスタイルを自分たちの中で作っていくために、模索し、変わり続けてきた1年だったと思います。
ー そういった方向性については、メンバー間や関係者の方々と定期的にお話しするのですか?
Moto:そうですね。バンド内はもちろん、事務所やレーベルの方々を含めて、細かいところからざっくりと概要の部分も含めて話し合います。「こういう風にしたい」という自分たちからの要求も増えた気がしますし、そこはすごく変わったなと。僕自身が1年前と比べて一番そう感じているかもしれません。
ー 色々と経験することで、やりたいことや目標も増えていきますよね。この1年の間でワンマンライブに韓国で開催された2万人規模のロックイベント出演とライブにおける経験値もかなり積まれてきたかと思います。バンドとして成長を感じた部分はありますか?
hiroto:僕らはバンド結成と同時にライブ活動がスタートしたという、少し不思議な始まり方をしています。そんなケースはあんまりないなと、自分もバンドをやってきて思うんです。だからこそ、この1年間で「ライブ力」という部分はだいぶ変わってきたのかなと思いますし、より「バンドとしてこういうライブをしたい」という思いが強くなりました。ファンの皆さんからも「こういうところが変わって面白い」という声を聞いたりするので、その辺りはかなり変わってきたところかなと思っています。
ー 皆さんにとって「ライブ力」は自信がある部分なのですね。
Tasuku:そうですね。僕としては、元々はSNSを主軸に考えていたバンドだったのですが、ライブをするということに対する考え方が大きく変わった1年でした。一つ一つのライブは、お客さんの歓声やエナジーによって毎回変わっていく「生もの」だと思っています。だからこそ、SNSだけでなく、ライブにも同じように高い熱量を持って挑もうと意識するようになりました。
ー ワンマンとイベントで、緊張感などに違いはありましたか?
Lumel:大人数の前で初めて演奏するイベントでしたが、それまでのライブ経験値があったおかげで、そこまで緊張せずに臨めたのは、みんな成長した部分じゃないかなと思います。
ー 場数を踏んだことで、みなさんの中でも良い変化があったのですね。
Lumel:「アニメーションの世界観に合う、映像が想像できる曲を作りたい」というところからスタートしました。元々「疾走感を出したい」という要望があって、まずはピアノのイントロが浮かび、そこからみんなと一緒に作り上げていった感じです。
ー MVも拝見しましたが、楽曲の夏らしい印象からイメージしたものとは裏腹に、無骨でクールなバンドらしさが全面的にプッシュされた映像作品でした。
Tasuku:全然夏っぽくなかったでしょう?草原で撮ると思いましたよね、まさかなんですよ。
Moto:誰もがね、青空と草原を思い浮かべてね(笑)。
hiroto:薄暗い倉庫でね(笑)。
ー コメント欄でも「その方向性なんだ!」と、いい意味で驚かれているファンの方もいらっしゃいました。
一同:(笑)。
Tasuku:あえてね、 狙いました。いい意味で期待を裏切っていきました。
hiroto:MVの方向性を全く違うものにしたのも、爽やかなイメージの曲だからこそ、そのままのMVだとありふれたものになってしまうんじゃないかという思いがあったからです。あえて面白みや違いを出したかった。ただあれはあれで俺達の中では結構はまってるんじゃないかなと。
Tasuku:歌詞の世界観やアニメのコンセプトは大切にしたかったので、大事なワードをサビで文字として視覚的に見せるような工夫をしています。
Tasuku:この楽曲は主に1番とサビは僕が書き、2番以降はMotoが書いてくれました。「青」というのは弱さでもあり、可能性でもあると思っています。アニメに登場する主人公のピュアさや、未完成な部分を表現しました。また、歌詞には「赤」も出てくるのですが、これは嘘などの部分を表しています。完璧じゃなくてもいいし、迷っていてもいい。その時間も自分にとって必要な時間なんだということを表現したかったんです。「where is the end for this red」というフレーズにも、そういった意味合いを込めています。
ー 2番以降の歌詞についてはいかがですか?
Moto:1番からTasukuと一緒に考えてはいたのですが、2番以降を書くときにかなり詰まってしまって…。「どうしようか」と悩んでいたある日、朝方に走りに行ったんです。走っている最中に日が昇って明るくなってきたのを見た時、「あ、今なら書けるかも」と閃いて一気に書き上げました。それでもレコーディングの最中まで「こっちの方がいいかな」とみんなに相談しながら、最後のギリギリまで考えていました。内容としては、アニメの「種族を超えて、人や動物がゼロから始まってく」というテーマを描きつつ、僕らが生きている現実世界にもリンクさせたいと思いました。新生活や新しい仕事など、誰も自分のことを知らない場所で生活を始めるときのドキドキや不安。それでも人と人が繋がって生きてく―― どうやっても繋がって生きていく。一人で生きることってなかなか難しくて、そういうことの大切さも伝えたいと思い、色々な要素を詰め込みました。
Tasuku:1番を僕が、2番をMotoが書いたことで、2つの観点が入ってて。僕はアニメ寄りの観点で、Motoはアニメを見ていない人が聞いても理解できるような普遍的な視点の両方が入った、面白い歌詞になったなと。なのでそういう部分も伝わればいいなと思います。
ー 学生さんや新社会人の方など、幅広い層にエールを贈る応援ソングだとも感じました。続いて、バンド結成から1年半が経過し、これからバンドとして目指していきたいステージや展望について教えてください。
Moto:直近だと、8月2日に渋谷のWWWでワンマンライブがあります。僕らにとって今までで一番大きな目標なので、まずはそこを成功させることです。
hiroto:そのライブが終わってからも、来年以降を見据えた準備や、よりステップアップした規模感でライブができるようになっていきたいとチーム全体で作戦を練っているところです。これからの発表もぜひ楽しみに待っていてほしいです。
Lumel:僕は壁を感じたらすごく悔しがるタイプなのですが、どうしてもできないと思ったら、一度落ちるところまで落ちることです。「悔しいけど我慢するしかない」とかではなく憂鬱に慣れるくらいまで落ちきってから、回復しながら努力するというのが自分には合っている気がします。
hiroto:僕は挫折にぶつかったときは、とにかく人と話すようにしています。話すのが好きというのもありますし、自分以外の人の話を聞くことで「そういう考え方もできるんだ」と多角的な視点を持てるからです。自分がネガティブになっているときほど、ポジティブに考えられる他の人の視点を探すことが多いですね。
Moto:Lumelと似てるのですが、僕も落ち込んだら本当に落ち込んでしまうタイプで。乗り越えるというよりは、全部引きずり回しています(笑)。以前はそういう感情に抗おうとしたり、怒らないように意識していた時期もありましたが、今はもう全部食らいまくって、引きずってもいいと思っています。未だに何年も前のことを思い出したりすることもありますが、それも含めて人間らしさだし、面白いところだと思うんです。乗り越えられなくても、引きずったままでも、とりあえず生きていれば多分大丈夫。最近はそういうマインドでいます。
Tasuku:正直に言うと今年、人生で特に苦しみや挫折を感じた瞬間がありました。2月に癌で母を亡くしたんです。そのときは本当に挫折して、正直、音楽を辞めようかと何度も思いました。今も完璧にリカバリーできているわけではありませんが、起きた辛い出来事は変えられません。だから、その経験を自分の力に変えて、音楽やライブを通して皆さんに伝えていけたらと思っています。母が最後まで癌と闘ったように、僕もこのバンドと一緒に最後まで闘っていけたらいいなと思います。
Lumel:メンタルをきちんと管理することが何よりも大事だと最近痛感しています。メンタルが良くないといずれ体調も崩してしまいますし、自分だけでなくチームや大切な人たちにも迷惑をかけてしまう。そこを管理しないとなにもできないなと。もちろん仕事やファンの方も大事なのですが、まず自分自身の面倒をしっかり見ることが必要だと思っています。
hiroto:僕は結局コミュニケーションに尽きると思っています。自分が持っているスキルなんて、学校で教わったり色々な人に出会って与えてもらったものばかりで、自分一人で生み出したものなんてほぼほぼ存在しません。タイアップのお仕事なども含め、全ては関係値の上に成り立っています。自分たちだけで完結できるものはないので、いかに人とコミュニケーションを取って良い繋がりを生み出していくかが、夢を叶える秘訣だと日々感じています。
Moto:去年はとにかくがむしゃらで「わからないけど、とにかく頑張る」という感覚でした。だけど今年に入ってから「このままじゃ無理だ」とすごく思うようになって。歌も制作もそうですが、研究することです。仕事やスキルの面でもなにが足りてないか、自分の身体で理想を再現する為になにが必要なのかを調べて実践していくことが大事だなと思います。
Tasuku:SNSでは1日に4本投稿することもあり、1年で500本もの動画を投稿してきて、「夢を叶える秘訣はやり続けることだ」と言い続けてきたんですけど。でもそんな自分を振り返ってみると、正しい選択だけが正解じゃなかったのかなと。ちょっと視点を変えて、違う見方をするっていうのも、この1年ですごく大切だったと思っていて。やり続けてやり続けて…と、インフルエンサー期間含めやってきた3年間でしたが、このバンドを始めて続ける大切さと、壁にぶち当たった時に、「客観性」や「冷静さ」が必要だと思うようになったのが、ちょっと考えが変わったところですね。
ー 最後に、今回の「Wonder」の歌詞にも青(未完成)など色のイメージがありましたが、現時点で皆さんは、自分たちのバンドを何色だと捉えていますか?
hiroto:イメージカラーという概念で言うなら、僕らは白。「何色にでも染まる」ということで(笑)。ただ、感覚的な見え方で言うなら、まだまだ熟していない「青りんご」のような、青緑のグラデーションの間にいると思います。世間の皆さんからは、色々なタイアップをいただいたり、MVを大々的に出したりと、順風満帆に見えているかもしれません。ただ少し見栄を張っている部分もありますし、自分たちの中では「まだまだだな」と思う節ばかりです。
Moto:それでいうと1年前はもうちょっとすかしてましたね(笑)。
Tasuku:今はいい意味で素がでてきてる。
hiroto:今は、オフィシャルでクールな部分と、打ち解けたオフの部分の両方を表に出して活動しています。その両サイドを楽しんでもらえるのが色になっていけたらいいなと。TikTokの配信などでもバンドマンからも、「一番とっつきにくそうだと思ってたけど、一番よく喋る」と言われます(笑)。
― 素敵なお話、ありがとうございました!
デビュー以降、ライブという生の現場で泥臭く揉まれた1年。ただやり続けるだけでは越えられない壁や人生観が変わるほどの悲しみ― 個々の挫折を無理に乗り越えるのではなく、「全部引きずりながら進む」と語る彼らの現在地は、「Wonder」で描かれた未完成な「青さ」そのもの。インタビュー中もたくさんの笑いを交えつつ、胸の内を真摯に明かしてくれたCROWN HEADのメンバーたち。彼らが走り続ける道の先にどのような景色が待っているのか、期待せずにはいられない。(modelpress編集部)[PR]提供元:ユニバーサル ミュージック合同会社
撮影:堅田ひとみ
闇、光、痛みや色気なども巧みに表現し、あらゆるジャンルを歌いこなすボーカリスト。弾き語り動画を投稿するなどSNSでも活動中。2025年3月からはドラム担当・TasukuのYouTubeチャンネルにも登場している。
・Dr. Tasuku / たすまる。(たすく)
インターナショナルスクールやカナダの高校を経て洗足音楽大学を卒業後、ドラマー、インフルエンサー、作詞家、クリエイターとしてマルチに活動。CROWN HEADの全楽曲の作詞を手掛ける。
・Gt. hiroto(ひろと)
11歳でギターを始め、都内の音楽専門学校やロサンゼルスで腕を磨く。ロックをルーツに持ちつつ、ジャンルを問わない幅広い演奏スタイルが持ち味。バンド活動をメインに、サポートやレコーディング、ギターアレンジなど多岐にわたり活動中。
・Ba / Vo.Lumel(るめる)
ベーシスト、音楽プロデューサー、シンガーソングライター。バンド「COPES」のメンバーとしての活動を経て、現在は東京を拠点にアーティストとプロデューサーを並行して活動中。向井太一をはじめ、数多くの楽曲プロデュースを手掛ける。
日韓混合の4人組バンド・CROWN HEADとは?
CROWN HEADは、日本出身のボーカル・Moto、ドラム・Tasuku、ギター・hiroto、そして韓国出身のベース/ボーカル・Lumelの4人で2025年3月に結成。歌唱や楽器演奏はもちろん、作詞作曲、編曲、SNSを使った企画や動画投稿など、各々が得意領域を活かしながら日々活動している。メンバー個々のスキルと発信力が武器。特に昨年末は9月~12月にかけて、シングルからEPまで4ヶ月連続リリースを完遂。その止まらないクリエイティビティでシーンに存在感を示し、圧倒的な発信力と高い音楽性で支持を拡大し続けている。
「模索し、変わり続けてきた」CROWN HEADとしての成長と展望
ー モデルプレスには今回で2回目の登場です。前回のインタビューからちょうど1年が経ち、バンド全体で一番大きく変わったと思う部分はどのようなところでしょうか?Moto:ビジュアル…?(笑)。1年前はこんな感じじゃなかったですからね、こんなピンク髪になって…。
一同:(笑)。
ー 髪型も大きく変わりましたね(笑)。ビジュアル面の進化もありつつ、他の部分ではいかがですか?
Moto:「大きく変わった」というよりは、「本当にちょっとずつ、色々なことが変わり続けている」という感覚です。ライブや楽曲制作、そしてタイアップのお話もいただけて、次々と新しい機会に恵まれたありがたい1年でした。そういった新しいタイミングが来るたびに、「もっとこうしたい」「こうしていこう」という意見をメンバーやスタッフ、チーム全体で深く話し合うようになりました。常に新しいスタイルを自分たちの中で作っていくために、模索し、変わり続けてきた1年だったと思います。
ー そういった方向性については、メンバー間や関係者の方々と定期的にお話しするのですか?
Moto:そうですね。バンド内はもちろん、事務所やレーベルの方々を含めて、細かいところからざっくりと概要の部分も含めて話し合います。「こういう風にしたい」という自分たちからの要求も増えた気がしますし、そこはすごく変わったなと。僕自身が1年前と比べて一番そう感じているかもしれません。
ー 色々と経験することで、やりたいことや目標も増えていきますよね。この1年の間でワンマンライブに韓国で開催された2万人規模のロックイベント出演とライブにおける経験値もかなり積まれてきたかと思います。バンドとして成長を感じた部分はありますか?
hiroto:僕らはバンド結成と同時にライブ活動がスタートしたという、少し不思議な始まり方をしています。そんなケースはあんまりないなと、自分もバンドをやってきて思うんです。だからこそ、この1年間で「ライブ力」という部分はだいぶ変わってきたのかなと思いますし、より「バンドとしてこういうライブをしたい」という思いが強くなりました。ファンの皆さんからも「こういうところが変わって面白い」という声を聞いたりするので、その辺りはかなり変わってきたところかなと思っています。
ー 皆さんにとって「ライブ力」は自信がある部分なのですね。
Tasuku:そうですね。僕としては、元々はSNSを主軸に考えていたバンドだったのですが、ライブをするということに対する考え方が大きく変わった1年でした。一つ一つのライブは、お客さんの歓声やエナジーによって毎回変わっていく「生もの」だと思っています。だからこそ、SNSだけでなく、ライブにも同じように高い熱量を持って挑もうと意識するようになりました。
ー ワンマンとイベントで、緊張感などに違いはありましたか?
Lumel:大人数の前で初めて演奏するイベントでしたが、それまでのライブ経験値があったおかげで、そこまで緊張せずに臨めたのは、みんな成長した部分じゃないかなと思います。
ー 場数を踏んだことで、みなさんの中でも良い変化があったのですね。
夏空のように爽やかなサウンドとMVのギャップは「あえて狙って」
ー 続いて、7月10日にリリースされた2026年第3弾シングル「Wonder」についてお伺いしていきます。TVアニメ「領民0人スタートの辺境領主様」のオープニング・テーマとして書き下ろされたこの楽曲は、夏っぽさや疾走感、そして少しドラマティックな要素もあり、今の季節にも非常にマッチしたサウンドだと感じました。制作時のテーマ源や、サウンド面のこだわりを教えていただけますか?Lumel:「アニメーションの世界観に合う、映像が想像できる曲を作りたい」というところからスタートしました。元々「疾走感を出したい」という要望があって、まずはピアノのイントロが浮かび、そこからみんなと一緒に作り上げていった感じです。
ー MVも拝見しましたが、楽曲の夏らしい印象からイメージしたものとは裏腹に、無骨でクールなバンドらしさが全面的にプッシュされた映像作品でした。
Tasuku:全然夏っぽくなかったでしょう?草原で撮ると思いましたよね、まさかなんですよ。
Moto:誰もがね、青空と草原を思い浮かべてね(笑)。
hiroto:薄暗い倉庫でね(笑)。
ー コメント欄でも「その方向性なんだ!」と、いい意味で驚かれているファンの方もいらっしゃいました。
一同:(笑)。
Tasuku:あえてね、 狙いました。いい意味で期待を裏切っていきました。
hiroto:MVの方向性を全く違うものにしたのも、爽やかなイメージの曲だからこそ、そのままのMVだとありふれたものになってしまうんじゃないかという思いがあったからです。あえて面白みや違いを出したかった。ただあれはあれで俺達の中では結構はまってるんじゃないかなと。
Tasuku:歌詞の世界観やアニメのコンセプトは大切にしたかったので、大事なワードをサビで文字として視覚的に見せるような工夫をしています。
僕らは「どうやっても繋がって生きてく」―― 「Wonder」の歌詞に込めた思い
ー 今回の歌詞はTasukuさんとMotoさんの共作となります。楽曲全体の随所に登場する「青」という言葉が散りばめられている点が印象的です。青さ=若さや未完成さといった意味合いも込められているように感じました。どのような思いで歌詞を書かれたのでしょうか?Tasuku:この楽曲は主に1番とサビは僕が書き、2番以降はMotoが書いてくれました。「青」というのは弱さでもあり、可能性でもあると思っています。アニメに登場する主人公のピュアさや、未完成な部分を表現しました。また、歌詞には「赤」も出てくるのですが、これは嘘などの部分を表しています。完璧じゃなくてもいいし、迷っていてもいい。その時間も自分にとって必要な時間なんだということを表現したかったんです。「where is the end for this red」というフレーズにも、そういった意味合いを込めています。
ー 2番以降の歌詞についてはいかがですか?
Moto:1番からTasukuと一緒に考えてはいたのですが、2番以降を書くときにかなり詰まってしまって…。「どうしようか」と悩んでいたある日、朝方に走りに行ったんです。走っている最中に日が昇って明るくなってきたのを見た時、「あ、今なら書けるかも」と閃いて一気に書き上げました。それでもレコーディングの最中まで「こっちの方がいいかな」とみんなに相談しながら、最後のギリギリまで考えていました。内容としては、アニメの「種族を超えて、人や動物がゼロから始まってく」というテーマを描きつつ、僕らが生きている現実世界にもリンクさせたいと思いました。新生活や新しい仕事など、誰も自分のことを知らない場所で生活を始めるときのドキドキや不安。それでも人と人が繋がって生きてく―― どうやっても繋がって生きていく。一人で生きることってなかなか難しくて、そういうことの大切さも伝えたいと思い、色々な要素を詰め込みました。
Tasuku:1番を僕が、2番をMotoが書いたことで、2つの観点が入ってて。僕はアニメ寄りの観点で、Motoはアニメを見ていない人が聞いても理解できるような普遍的な視点の両方が入った、面白い歌詞になったなと。なのでそういう部分も伝わればいいなと思います。
ー 学生さんや新社会人の方など、幅広い層にエールを贈る応援ソングだとも感じました。続いて、バンド結成から1年半が経過し、これからバンドとして目指していきたいステージや展望について教えてください。
Moto:直近だと、8月2日に渋谷のWWWでワンマンライブがあります。僕らにとって今までで一番大きな目標なので、まずはそこを成功させることです。
hiroto:そのライブが終わってからも、来年以降を見据えた準備や、よりステップアップした規模感でライブができるようになっていきたいとチーム全体で作戦を練っているところです。これからの発表もぜひ楽しみに待っていてほしいです。
CROWN HEAD、困難や壁にぶつかった時の向き合い方
ー 今回の楽曲に込められている“エール”の部分にもつながる質問なのですが、みなさんが困難や挫折を感じたとき、立ちはだかる壁を乗り越えるための心の持ち方があれば教えていただけますか?Lumel:僕は壁を感じたらすごく悔しがるタイプなのですが、どうしてもできないと思ったら、一度落ちるところまで落ちることです。「悔しいけど我慢するしかない」とかではなく憂鬱に慣れるくらいまで落ちきってから、回復しながら努力するというのが自分には合っている気がします。
hiroto:僕は挫折にぶつかったときは、とにかく人と話すようにしています。話すのが好きというのもありますし、自分以外の人の話を聞くことで「そういう考え方もできるんだ」と多角的な視点を持てるからです。自分がネガティブになっているときほど、ポジティブに考えられる他の人の視点を探すことが多いですね。
Moto:Lumelと似てるのですが、僕も落ち込んだら本当に落ち込んでしまうタイプで。乗り越えるというよりは、全部引きずり回しています(笑)。以前はそういう感情に抗おうとしたり、怒らないように意識していた時期もありましたが、今はもう全部食らいまくって、引きずってもいいと思っています。未だに何年も前のことを思い出したりすることもありますが、それも含めて人間らしさだし、面白いところだと思うんです。乗り越えられなくても、引きずったままでも、とりあえず生きていれば多分大丈夫。最近はそういうマインドでいます。
Tasuku:正直に言うと今年、人生で特に苦しみや挫折を感じた瞬間がありました。2月に癌で母を亡くしたんです。そのときは本当に挫折して、正直、音楽を辞めようかと何度も思いました。今も完璧にリカバリーできているわけではありませんが、起きた辛い出来事は変えられません。だから、その経験を自分の力に変えて、音楽やライブを通して皆さんに伝えていけたらと思っています。母が最後まで癌と闘ったように、僕もこのバンドと一緒に最後まで闘っていけたらいいなと思います。
CROWN HEADが語る「夢を叶える秘訣」
ー 「夢を叶える秘訣」についてお聞かせ下さい。前回のインタビューから経験を重ね、考え方がアップデートされた部分もあるかと思います。現在の心境などを教えてください。Lumel:メンタルをきちんと管理することが何よりも大事だと最近痛感しています。メンタルが良くないといずれ体調も崩してしまいますし、自分だけでなくチームや大切な人たちにも迷惑をかけてしまう。そこを管理しないとなにもできないなと。もちろん仕事やファンの方も大事なのですが、まず自分自身の面倒をしっかり見ることが必要だと思っています。
hiroto:僕は結局コミュニケーションに尽きると思っています。自分が持っているスキルなんて、学校で教わったり色々な人に出会って与えてもらったものばかりで、自分一人で生み出したものなんてほぼほぼ存在しません。タイアップのお仕事なども含め、全ては関係値の上に成り立っています。自分たちだけで完結できるものはないので、いかに人とコミュニケーションを取って良い繋がりを生み出していくかが、夢を叶える秘訣だと日々感じています。
Moto:去年はとにかくがむしゃらで「わからないけど、とにかく頑張る」という感覚でした。だけど今年に入ってから「このままじゃ無理だ」とすごく思うようになって。歌も制作もそうですが、研究することです。仕事やスキルの面でもなにが足りてないか、自分の身体で理想を再現する為になにが必要なのかを調べて実践していくことが大事だなと思います。
Tasuku:SNSでは1日に4本投稿することもあり、1年で500本もの動画を投稿してきて、「夢を叶える秘訣はやり続けることだ」と言い続けてきたんですけど。でもそんな自分を振り返ってみると、正しい選択だけが正解じゃなかったのかなと。ちょっと視点を変えて、違う見方をするっていうのも、この1年ですごく大切だったと思っていて。やり続けてやり続けて…と、インフルエンサー期間含めやってきた3年間でしたが、このバンドを始めて続ける大切さと、壁にぶち当たった時に、「客観性」や「冷静さ」が必要だと思うようになったのが、ちょっと考えが変わったところですね。
ー 最後に、今回の「Wonder」の歌詞にも青(未完成)など色のイメージがありましたが、現時点で皆さんは、自分たちのバンドを何色だと捉えていますか?
hiroto:イメージカラーという概念で言うなら、僕らは白。「何色にでも染まる」ということで(笑)。ただ、感覚的な見え方で言うなら、まだまだ熟していない「青りんご」のような、青緑のグラデーションの間にいると思います。世間の皆さんからは、色々なタイアップをいただいたり、MVを大々的に出したりと、順風満帆に見えているかもしれません。ただ少し見栄を張っている部分もありますし、自分たちの中では「まだまだだな」と思う節ばかりです。
Moto:それでいうと1年前はもうちょっとすかしてましたね(笑)。
Tasuku:今はいい意味で素がでてきてる。
hiroto:今は、オフィシャルでクールな部分と、打ち解けたオフの部分の両方を表に出して活動しています。その両サイドを楽しんでもらえるのが色になっていけたらいいなと。TikTokの配信などでもバンドマンからも、「一番とっつきにくそうだと思ってたけど、一番よく喋る」と言われます(笑)。
― 素敵なお話、ありがとうございました!
デビュー以降、ライブという生の現場で泥臭く揉まれた1年。ただやり続けるだけでは越えられない壁や人生観が変わるほどの悲しみ― 個々の挫折を無理に乗り越えるのではなく、「全部引きずりながら進む」と語る彼らの現在地は、「Wonder」で描かれた未完成な「青さ」そのもの。インタビュー中もたくさんの笑いを交えつつ、胸の内を真摯に明かしてくれたCROWN HEADのメンバーたち。彼らが走り続ける道の先にどのような景色が待っているのか、期待せずにはいられない。(modelpress編集部)[PR]提供元:ユニバーサル ミュージック合同会社
撮影:堅田ひとみ
CROWN HEAD(クラウンヘッド)プロフィール
・Vo. Moto(もと)闇、光、痛みや色気なども巧みに表現し、あらゆるジャンルを歌いこなすボーカリスト。弾き語り動画を投稿するなどSNSでも活動中。2025年3月からはドラム担当・TasukuのYouTubeチャンネルにも登場している。
・Dr. Tasuku / たすまる。(たすく)
インターナショナルスクールやカナダの高校を経て洗足音楽大学を卒業後、ドラマー、インフルエンサー、作詞家、クリエイターとしてマルチに活動。CROWN HEADの全楽曲の作詞を手掛ける。
・Gt. hiroto(ひろと)
11歳でギターを始め、都内の音楽専門学校やロサンゼルスで腕を磨く。ロックをルーツに持ちつつ、ジャンルを問わない幅広い演奏スタイルが持ち味。バンド活動をメインに、サポートやレコーディング、ギターアレンジなど多岐にわたり活動中。
・Ba / Vo.Lumel(るめる)
ベーシスト、音楽プロデューサー、シンガーソングライター。バンド「COPES」のメンバーとしての活動を経て、現在は東京を拠点にアーティストとプロデューサーを並行して活動中。向井太一をはじめ、数多くの楽曲プロデュースを手掛ける。