インタビューに応じた須貝駿貴、伊沢拓司、ふくらP、山本祥彰(C)モデルプレス

「QuizKnock」10周年――転機となった初期の言葉・最も感情が揺さぶられた瞬間…ここまでの10年を振り返る【インタビュー前編】

2026.04.15 17:00

2026年10月2日に10周年という大きな節目を迎えるQuizKnock。4月16日には10年の集大成となる記念本「QuizKnock10周年スペシャルブック 十字路」(株式会社KADOKAWA)を刊行する。モデルプレスでは伊沢拓司(いざわ・たくし/31)、ふくらP(32)、須貝駿貴(すがい・しゅんき/34)、山本祥彰(やまもと・よしあき/29)にインタビューを実施。初期にメンバーに言われて印象的だった言葉、最も感情が揺さぶられた瞬間など、この10年間を振り返ってもらった。

  

QuizKnock10周年スペシャルブック 十字路

「QuizKnock10周年スペシャルブック 十字路」通常版(株式会社KADOKAWA)
「楽しいから始まる学び」をコンセプトに、知的エンタメ集団という唯一無二の立場を築いてきたQuizKnockの過去・現在・未来を詰め込んだ「QuizKnock10周年スペシャルブック 十字路」。動画出演メンバーの伊沢、ふくらP、須貝、山本、河村拓哉、鶴崎修功、東問、東言のロングインタビューや座談会では、10年の活動の中での本音や葛藤、決断の裏側にまで踏み込み、今だからこそ話せる言葉を丁寧に掘り下げている。

さらに、40ページにわたる撮り下ろし写真、10年の歩みをまとめた年表、卒業生インタビュー、QuizKnockメンバーに100の質問、メンバー作問の「10周年Anniversary Quiz」、「QuizKnockメンバー8人で朝からそれ正解!10周年記念スペシャル」など、ここでしか見られないコンテンツを多数収録。さまざまな角度から魅力を紐解いた、これまでの感謝と、さらなる挑戦への決意を込めた一冊となっている。

QuizKnock10周年「継続は力」の裏付け

須貝駿貴、伊沢拓司、ふくらP、山本祥彰(C)モデルプレス/ヘアメイク:中山八恵/スタイリング:大瀧彩乃/ニット(伊沢)、シャツ(ふくらP)、ノーカラージャケット・パンツ(須貝):FRAPBOIS(フラボア)
― まずは10周年を迎えた感想や周囲からの反響を教えてください。

伊沢:まずは感謝です。ここまで続けられたのは応援してくれる人たちがいたからですし、QuizKnockに携わったすべての人がコンテンツを作ってくれたからなので、外にも内にも感謝したいです。「10年やってきたな」という感じよりは、日々を楽しんで過ごしていたら今になっていたという感覚なので、それも本当にありがたくて、いろいろな人のおかげでこういう人生を送れているというのは感謝しかないです。

ふくらP:あっという間だったので「え、もう10年ですか!?」みたいな気持ちです。10周年プロジェクトは10年間応援してくれたみなさんに感謝を伝えようということで始まったプロジェクトではあるんですけど、実際にプロジェクトを進めていくと「10周年おめでとうございます」とたくさんの方に言っていただけるので、非常に嬉しい限りです。こちらが感謝を伝えようとしていたのに、さらに祝福されてしまって、困っちゃうなという感じです(笑)。

須貝:2人も言ってくれた感謝は前提にあるんですけど、その上で継続は力なんだなと感じるというか。続いていることが、これからのことをさらに一層大きくドライブしてくれる。こんなにいろいろな人に囲まれて10周年を祝えているというのも、続けてきたからこその力が動かしてくれたんだなと思います。続けよう続けようと思っていたかと言われると、ちょっとわからないところもありますけど、でも「続いてきた」という事実があって、継続ということの大きさを感じています。

山本:いろいろな人がいてのQuizKnockだったなと改めて感じました。いろいろな方が今のQuizKnockを作っているということに対する感謝ももちろんありますし、それがなかったら我々が今こうしてメディアとして成り立っていなかったなと思います。でもその上で、伊沢さんにも改めてめちゃめちゃ感謝しています。

伊沢:(笑顔でピースサイン)

山本:伊沢さんの前に進めようとする力や芯にあるものみたいな部分に共感してついてきたメンバーも多いので、その点で伊沢さんがいて良かったなと思います。

伊沢:ありがとうございます!

「十字路」というタイトルに込めた思い

伊沢拓司(C)モデルプレス
― この「十字路」はどういった経緯で制作することになったのでしょうか?

伊沢:10周年プロジェクトでは「感謝と挑戦」とずっと言っていますが、それをイベントや企画だけじゃない形で残しておく必要があるよなと。フィジカルで残っていることにすごく意味があるなと思ったので、それを物量で伝えられるツールとして、やはり本だなという発想になりました。

― この本を作る上で特に大事にしたテーマは?

伊沢:“オールQuizKnock”ということじゃないでしょうか。表紙が我々演者8人の写真じゃなくて、ザ・QuizKnockみたいなカラーで「十字路」と書いてあるだけ。これが「QuizKnockはみんなでつくってるよ」「QuizKnockという看板こそが一番大事」ということがメッセージとして現れた一つなのかなと思っています。

― 「十字路」というタイトルに込めた思いをお伺いしたいです。

伊沢:YouTubeの登録者が200万人になったときに「QuizKnockは知の交差点だね」と話していて。それより前から言っていたフレーズではあるんですけど、いろいろな人たちが出たり入ったり、すれ違って戻ってきたり、いろいろな知識が通りすがって。この交差点の隅っこでコーヒーなんかを飲んでいると、自然と面白い情報が手に入ったり、いろいろな人に会えたり。そういう場でありたいなと思っていたんです。「誰々がQuizKnock」じゃなくて「場がQuizKnock」でありたいなと。そして、まさに10周年の“10”という字が出てきたときに、「これって十字路だよな」と。今までここで見たもの、聞いたこと、そして道であり場であり、未来にも繋がっているという意味も込められたので、「感謝と挑戦」というこの10周年のテーマにすごくぴったりな名前だと思って選びました。

QuizKnockというチームの強み――制作過程で気付いたこと

ふくらP(C)モデルプレス
― すごく読みごたえのある内容になっていますが、その中で特にこだわったポイントは?

伊沢:一番は文字の量。もともと去年の4月に企画持ち込みを行った段階で「読み物中心にしたい」というのが基本テーマとしてあったんです。だから、記念本とは思えないぐらい文字が小さくて細かくて量があって(笑)。しかもそれに対してKADOKAWAさん側の校正・校閲だけでなく、QuizKnockの校正・校閲チームも動いていて、凄まじい量のチェックをしてもらったんです。この本を作るにあたって改めて「QuizKnockのチームって心強いな」と思いましたし、作っている中でまた新しい感謝が生まれた。こういった、文字量の背景にあるQuizKnockの力みたいなものをみなさんに感じ取ってほしいなと思います。

ふくらP: 僕は網羅性。すごく充実しているところかなと思っています。どうしてもYouTubeチャンネルの名前が「QuizKnock」なので、QuizKnock=そのチャンネルだと思われがちなんですけど、実際にはWebサイトもイベントもやっていて、メディアの名前であるわけで。なのでそのあたりを全部取りこぼさずに伝えようと作られている本になっています。Webや「QuizKnock」というメインチャンネルに加えて「GameKnack【QuizKnockゲームチャンネル】」や「QuizKnockと学ぼう」などほかのチャンネルに関することも語られていて、今まで語られづらかったところにもしっかりとフォーカスできている本になったなと思います。

須貝駿貴(C)モデルプレス
― 制作過程で印象に残っていることは?

須貝:写真撮影のときに、すごく元気に写真を撮っていただいたのが嬉しかったです。カメラマンさんも一緒にジャンプしてくれて(笑)。それから「クールめな表情で」と言われたときに、クールめな表情が苦手でずっとニコニコしているメンバーもいたり…(笑)。

山本:鶴崎さんね(笑)。

須貝:鶴崎さんね(笑)。その顔がにらめっこみたいで、ちょっと面白かったです(笑)。8人で集まって写真を撮る機会もなかなかないし、今回のようにいろいろな撮影があると、ふとほかの人の撮影を見て「あんな緊張した顔してるの?」とか(笑)。そういう意味ではメンバーの新たな一面を見られるのが嬉しい、面白い、楽しいと感じました。

山本:僕は謎解きを作れたことが非常に嬉しかったです。この本はある種これまでのQuizKnockをまとめただけの記録集みたいな形になってしまう可能性もあったと思うんですけど、「『楽しいから始まる学び』というものがすごく良いものである」という我々が信じているものがあって、その楽しさをどう詰め込むかというときに、僕が好きな謎解きを自分の力で作ってこの本に仕掛けられて、しかも一冊丸々使った壮大な謎解きにすることができて、それが個人的に嬉しかったです。「ここにも楽しさがいっぱい詰まってるんだぞ」というメッセージを込められました。

伊沢拓司&ふくらPの記憶に残る言葉

伊沢拓司(C)モデルプレス
― この10年間の中で、QuizKnockメンバーに言われて印象的だった言葉を教えてください。

伊沢:今のQuizKnockは100人以上いるんですが、1桁台のメンバーでやっていた時代に、締め切りまでに上手く間に合わなかったことがあったんです。そのときに一緒に仕事をしていた人から「本当に仕事が好きなら自分で抱えず他人に頼れ」と言われて、これは真理だなと思いました。

まだQuizKnockを始めてそんなに経っていなかったので、僕は「自分でやらなきゃ」「自分がかっこつけなきゃ」と思っちゃっていたんですけど、「本当にQuizKnockを愛するんだったら仲間がいるじゃん」と言われて。そこからどんどんQuizKnockは分業制へと進んでいったので、こうやって頼れるメンバーがいるからこそ自分は自分の仕事に集中できるようになったという意味で、すごく転機になったし、嬉しい言葉だったなと思います。

ふくらP:本の中に登場する“赤井さん”というスタッフの方に言ってもらった言葉を覚えています。赤井さんはもともと僕と2人でYouTubeの制作や動画の編集をやっていて、いわゆるパートナーみたいな存在で。そこで「まずは完成」と言われました(笑)。僕はすごく完璧主義で、「ここをもうちょっと面白くしたい」「ここはもうちょっと編集に時間をかけたらもっと面白くできる」と考えちゃうんですけど、そうするとどんどん進行が遅れていって、「それだと回っていかないから、まずは完成だ」と。それが今も割と自分の心にに刺さっています。

それから、書籍内の100の質問コーナーで好きな四字熟語を「是々非々」と回答しているんですけど、それも赤井さんに「議論は是々非々であるべし」と教わったことが影響しています。思い返すと僕は意外と裏方の方からいろいろ教わっているなという感じです。

伊沢:初期、オフィスのトイレにマーク・ザッカーバーグの名言が貼ってあったよね(笑)。

須貝:「Done is better than perfect(完璧であることよりもまずは終わらせろ)」ってやつ(笑)?

伊沢:そうそうそう。「まず完成」を英語で言った言葉がずっとトイレに貼ってあったんですよ。これはやっぱり真理だなと思って。初期に僕らはそういうことを学んで大人になっていったよね。

ふくらP:うん、だから本当は赤井さんの言葉ではないです(笑)。

一同:(笑)

伊沢:ザッカーバーグの言葉(笑)。

須貝駿貴&山本祥彰、10年間で最も感情を揺さぶられた瞬間

須貝駿貴(C)モデルプレス
― 10年間でさまざまな出来事があったかと思いますが、最も感情を揺さぶられた瞬間はいつですか?

須貝:個人的に博士号を取れたときは本当に嬉しかったんですけど、よく考えたらすごくQuizKnockに手伝ってもらったなと思います。別に研究を手伝ってもらったわけでは全然ないんですけど(笑)、研究というのは決して好きなことばかり調べているだけではない営みで、20代後半になってくると働くことや「お金がどうだ」みたいな話もついて回っていて、その中でQuizKnockと一緒に仕事をして生活が安定するとか。

その上で「博論を出すからこの3~4ヶ月は週に1回も出られないかもしれないけど、それでもやらせてほしい」というのも認めてもらったり、常々「専門性が必要だ」「博士号を持った人がいるということの素晴らしさがある」みたいなことも言ってもらったりして。なので、いざしっかり論文が提出できて、公聴会・発表会が終わったときには「これをしっかりQuizKnockに還元できるな」とも思いましたし、大学での試験や過程も含めて社会にも還元していけるんだろうなと思うと、すごく未来が開けて嬉しかったです。

山本祥彰(C)モデルプレス
山本:私はQuizKnockのYouTubeチャンネル登録者数が100万人になったときに結構感情が揺さぶられたかなと思います。100万人というわかりやすい数字を一旦の目標にしていましたし、それがきっかけで「YouTube Fanfest Japan」という大きいイベントに出演させていただいて。

そのときに今まで前にしたことないような大勢の方の前で表彰していただいて、「これだけ多くの人に影響を与えられるようになったんだな」という自信とともに、「これから先もっと大きいところを目指していかなきゃいけないし、目の前にいるような大勢の方に影響を与え続けなきゃいけない。どういうことをしていったら自分たちはもっと大きい力を手に入れられるんだろう」と考えるきっかけにもなりました。一つの夢が叶った瞬間であり、未来への不安というか、「これからどうしていこうか」と考えさせられる出来事でもありました。

★後編では、10年間で変化したメンバー、さらにふくらP・須貝・山本から見た伊沢という存在について語ってもらった。


(modelpress編集部)

QuizKnock(クイズノック)プロフィール

須貝駿貴、伊沢拓司、ふくらP、山本祥彰(C)モデルプレス
クイズ王・伊沢拓司が中心となって運営する、エンタメと知を融合させたメディア。「楽しいから始まる学び」をコンセプトに、何かを「知る」きっかけとなるような記事や動画を毎日発信中。 YouTubeチャンネル登録者数は260万人を突破。2026年10月2日に迎える10周年に向け、「QuizKnock10周年プロジェクト」を展開中。

<伊沢拓司(いざわ・たくし)>
1994年生まれ。東京大学経済学部卒業。「高校生クイズ」で史上初の個人2連覇を達成。2016年にQuizKnockを立ち上げ、2019年に株式会社QuizKnockを設立、CEOに就任。これまで「東大王」(TBS系)「アイ・アム・冒険少年」(TBS系)など多くのテレビ番組に出演してきたほか、全国の学校を無償で訪問するプロジェクト「QK GO」は47都道府県訪問を達成するなど、幅広く活動中。

<ふくらP>
1993年生まれ。東京工業大学在学中の2016年12月にQuizKnockに加入。翌年、YouTubeチャンネルの開設を提案しプロデューサーを務める。2023年4月より、「DayDay.」(日本テレビ系)にレギュラー出演。「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」(日本テレビ系)にて1000万円獲得、「今夜はナゾトレ」(フジテレビ系)で優勝するなどクイズ番組でも活躍中。2024年の「謎解き能力検定」で全国5位の実績を持つ。

<須貝駿貴(すがい・しゅんき)>
1991年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。2017年にQuizKnockに加入、国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータで、科学関連の企画が得意。自身のTikTok・YouTube個人チャンネルでも楽しく科学を学べるコンテンツを発信している。

<山本祥彰(やまもと・よしあき)>
1996年生まれ。早稲田大学先進理工学部卒業。2017年9月にQuizKnockに加入し、現在はYouTubeへの出演のほか、謎解きやクイズの制作・監修を主に担当。「Qさま!!」(テレビ朝日系)「ネプリーグ」(フジテレビ系)などのクイズ番組でも活躍中。2022年3月には漢検1級を取得。特技はクイズ・謎解きで、2024年の「謎解き能力検定」では満点を取ったこともある。
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