モデルプレスのインタビューに応じた宮田俊哉(C)モデルプレス

Kis-My-Ft2宮田俊哉「両方100%で」作家活動の基盤にあるアイドルとしての姿 ロンドン視察が生んだインスピレーションとは【「境界のメロディ2」インタビュー】

2025.11.22 17:00

Kis-My-Ft2宮田俊哉(みやた・としや)が、青春小説『境界のメロディ2』(メディアワークス文庫/KADOKAWA)を11月25日に刊行する。前作から約1年半ぶりとなる本作では、舞台となるロンドンを実際に訪れ、現地で得たインスピレーションをもとに物語をさらに深めた。インタビュー前編では、アイドル活動をこなしながら執筆活動にも力を注いできた宮田が、続編の構想やその制作過程について語った。

  

著・宮田俊哉『境界のメロディ2』

『境界のメロディ2』通常版(2025年11月25日発売)著:宮田俊哉 イラスト:LAM (メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
『境界のメロディ2』ドラマCD付き特装版(2025年11月25日発売)著:宮田俊哉 イラスト:LAM (メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
2024年5月、作家デビュー作となる青春小説『境界のメロディ』を刊行し、10万部を突破。「次にくるライトノベル大賞」では4冠に輝いた。本作は前作の続編となる青春×音楽小説。主人公となるバンド・サムライアー(タケシ、マコト、ミノル)がロンドンへと武者修行の旅に出る物語が描かれている。

宮田俊哉、サムライアーを軸にした理由

― まず、第2巻の刊行に至った経緯を教えてください。

宮田:第1巻を刊行したときに、「このあと彼らはどうなるんだろう」と自分の中では考えていて。それを書いてみたらどうかとお話をいただいて「頑張ります!」ということで、第2巻が決まりました。サムライアーを軸にしたいと思ったのは、第1巻を書いている中で、サムライアーが1番カッコいいバンドだと思ったからです。彼らが日本を旅立った後に何が起きたのかを想像するのがとても楽しくて、そのような軸で第2巻を書かせていただきました。

― 前作は多くの反響があったかと思いますが、読者や周囲の反応はいかがでしたか?

宮田:SNSで学生の方が『境界のメロディ』を読書感想文に選んでくれたというのを見かけたり、共演する子どもたちも読んでくれていたり、自分が想像していた以上に、読んでいただけているんだなと感じました。僕がよく行くアクセサリー屋さんに行ったら、「『境界のメロディ』を読んで泣いた!」って言われて。この間、「2巻予約した!」って言ってくれました(笑)。ドラマCDで声優を務めてくださった伊東健人くんとか今も仲が良くて、それこそ佐久間大介(Snow Man)とかも。チームとしても良いなって思います。

宮田俊哉、基盤にあるアイドル活動「両方100%でやらないといけない」

宮田俊哉(C)モデルプレス
― 前作は4冠という功績を残しましたが、今作に対するプレッシャーはありましたか?

宮田:めっちゃありました。「これって本当に面白いですか?」って何回も編集の人に聞いて、「大丈夫です。自信を持ってください!」って言われました(笑)。1作目は0から1を生み出した瞬間でもあったので、本当に苦しかったというか。今回は1あるものを膨らましていったので、苦しさの種類が違いました。合っているのかが、分からなかった。あと、自分がアイドルとして活動している上で、アイドルの活動を疎かにする場面が一瞬でもあったら、全部やめる!って決めていて。そこがちゃんとできないんだったら、別のことをする資格は自分にはないと思っているんです。両方100%でやらないといけないっていうところの苦しさはやっぱりありました。でも苦しまないと物語って自分は書けないなと思っていて。小説1本になったら、多分できないです。

― 1番苦しかった瞬間は?

宮田:「改稿」という文章をブラッシュアップする作業の中で、シーンの順番を大きく動かすことになったときは
心が折れました(笑)。「1回飲みに行こう!明日から頑張ろう!」っていうときもありました。スケジュールも作業が一段落つくまで、休みの日っていう休みの日がなくて。これができるまで、最後に休んだのは正月休みぐらいで、結構向き合っていました。そういうのも今思えば楽しかったです!

― 執筆でつまずいた時は、どうのようにリフレッシュしていましたか?

宮田:諦めてゲームをしていました(笑)。

宮田俊哉、現地視察で得たインスピレーション

― 今作はどのように構想したのでしょうか?

宮田:経験しないと書けないと思って、スケジュールを調整してロンドンに行きました。2泊4日の弾丸旅だったんですけど、そこで見られるものを見る、経験できることを経験する。いろんなところに行って、いろんな景色を見て、目をつぶってどんな音が聞こえるんだろうとか、ここにどんな音が聞こえたら素敵かなとか。匂いも「あ、こういう感じの匂いなんだ」みたいな。実際に行かなかったら書けなかった1冊だなと思っています。

― 現地で多くのインスピレーションを得たんですね。

宮田:これで何も生まれなかったら「無理です」って言おうと思って行ったら、ストリートミュージシャンの方がたくさんいて、50〜60人の観客を集めてる人もいれば、ラジカセ1個でマイクを繋げて音楽を流しながら歌っている人もいて。本当に自由に音楽を楽しんでいて、ここにサムライアーがいたら良いなって。「売れたい」「ここを足がかりにしてデビューしていくぞ」っていうより、歌うことが好きだから歌ってる人が多かった印象があって、すごく素敵な文化だなと思いました。その中で、サムライアーみたいに「俺たちはここのNo.1になる!」って意気込みを持っている人がいても良いし、誰がいても良いんだなって思ったら、インスピレーションが湧いてきて、「この街、好きだな」って思いました。忘れないように帰りの飛行機とか、現地のホテルとかで、パソコンで書いていました。実際に行かないと知ることもなかったことが多かったので、すごく刺激的でした。

― 前作では具体的に描かれていなかったサムライアーのキャラクター像は、どのように作り上げていきましたか?

宮田:自分の中では最初から人物像はあったんです。僕は冨樫義博先生が大好きなんですけど、キャラクター像を練ってから作品を生み出しているというのを読んだことがあったので、ちょっと真似して、こいつはこういうやつで…というのは考えてました。

― 今作の重要キャラとなる青年は?

宮田:新キャラクターの青年を軸で小説を書き始めたんです。サムライアーが行った先に、カイに瓜二つの人がいたらどうなるんだろうなっていうところだけは最初からありました。前作のお渡し会で地方を回っている時に「サムライアーがロンドンに行って、カイにそっくりな人に会ってみたいな」という話を編集の方とかと移動中の車中で話してた記憶があって。青年がどこにいるのかとかは、実際に行った時に決めました。

宮田俊哉が見たドラマCDキャストの姿

宮田俊哉(C)モデルプレス
― ドラマCDのキャスト陣も豪華ですが、実際に聞いてみていかがでしたか?

宮田:もう最高でしたね!内田雄馬くんがタケシ役ってすごくしっくりくるし、熱い感じがぴったりでした。雄馬くんって本当に歌が上手くて。最初はタケシの歌声について“唯一無二”“天才”とか過剰に書きすぎたと思ったんですけど、それをサラッとできそうなくらい上手いのは、さすが雄馬くんだなと思いました。ミノルは斉藤壮馬くんが演じてくれたんですけど、1巻を書いている時からなんとなく壮馬くんの声が流れていました。実際に演じてもらっても、ぴったりですごい!と思いました。武内駿輔(マコト役)くんは、低音が良いんじゃないかということで決まりました。ドラマCDをやっている時もずっとサングラスをかけてるんです。原稿見えてる?みたいなサングラスをかけていて(笑)、それがめちゃくちゃマコトとマッチしていて、作品から出てきたんじゃないかっていうぐらいハマってました!

ドラマCDの現場で、斉藤くんや伊東くんたちが、「サムライアーの音楽ってどういう音楽だと思う?」って方向性を役者さん同士で話し合っていて。すごく素敵だなと思いました。もし本当に音楽を作れる機会があったら、役者さんみんなで作曲してくれたら素敵だななんて思ってます。芝居してない時も、ゲラゲラ笑っていて。ずっと楽しそうだったから、素敵な現場だなって。アニメになって、このメンバーがアフレコしてる姿を見て、それが放送されたら、俺泣いちゃうぜ!みたいな気持ちになりました(笑)。

★インタビュー後編も後日公開予定。宮田のこれまでの経験が、物語にどのように息づいているのか。彼自身の言葉で紐解いていく。(modelpress編集部)

宮田俊哉(みやた・としや)プロフィール

1988年9月14日生まれ、神奈川県出身。A型。2011年8月にKis-My-Ft2としてデビュー。個人としては、映画『劇場版BEM~BECOME HUMAN~』(2020)でアニメ声優に初挑戦し、『カードファイト!!ヴァンガード Divinez』(2024/テレビ東京系)では初の主演声優に抜擢。以降も『キン肉マン 完璧超人始祖編』(2024/TBS系)、映画『おでかけ子ザメ とかいのおともだち』(2025)など声優としても人気を博す。2024年5月に『境界のメロディ』で作家デビューを果たした。

『境界のメロディ2』あらすじ

ひと夏のセッションを終えた後、サムライアーたち3人はロックの聖地・ロンドンへと武者修行の旅に出た。現地のレベルの高さに圧倒されながらも、この地で頂点を目指すという決意を新たにした矢先、彼らの前に三味線を手にした青年が現れる。

「マコトもミノルもタケシに合わせてるだけじゃん。全然バンドじゃ無い」彼の言葉はグループが抱える問題を見事に言い当てていた。そして、その歯に衣着せぬ物言いや姿形、名前までもがカイそっくりで……?
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