手越祐也が1人のゲイを演じる意味――「自分が一番自分を大事にしてほしい」SNS社会を生きる人へ伝えたい想い【「ぼくたちん家」インタビュー連載Vol.2】
10月12日スタートの日本テレビ系日曜ドラマ「ぼくたちん家」(毎週日曜よる10時30分~)のインタビュー連載。Vol.2には、モデルプレスの独自企画「今月のカバーモデル」で2025年10月のカバーモデルを務めた手越祐也(てごし・ゆうや/37)が登場。7年ぶりのドラマ出演への想いや、自身がゲイ役を演じる意味、本作を通じて実感したことなどを語ってもらった。
及川光博主演「ぼくたちん家」
本作は、心優しきゲイ・波多野玄一(及川光博)、クールなゲイの中学教師・作田索(手越)、そして、トーヨコ通いの訳ありの中学生・楠ほたる(白鳥玉季)という“社会のすみっこ”で繋がった3人による奇妙なホーム&ラブコメディ。手越祐也、7年ぶりドラマ出演への想い「初めての経験」
― 本作で7年ぶりのドラマ出演となりますが、周りからの反応はいかがでしたか?手越:周りは僕に対してバラエティのイメージが強いみたいです。だから、僕自身も最初にオファーをいただいたときは「ドッキリじゃないの?」と思いました(笑)。「イッテQ」の復帰も、いきなり後ろからネットを掛けられるドッキリでしたし、それ以降も他の番組でのドッキリが2、3発続いていたので「今回はかなり大掛かりなドッキリを仕掛けてきたな」と思っていたのですが、キャスト陣やスタッフの方のラインナップが“ガチ勢”だったので「これは本当だな」と信じました(笑)。
― 久々のドラマ出演ということで、緊張や不安はありませんか?
手越:僕はステージに立っているときも、こうやってインタビューを受けているときも、プライベートでゴルフをしたりワインを飲んだりしているときも、ずっとスイッチが一緒なんです。多分、日本の芸能人で一番裏表がないんじゃないかと思うくらい何も変わりません(笑)。でも、お芝居だけは自分以外の他の人格にならなければいけないので別です。いろいろなお仕事がありますが、手越のままではいられない唯一のお仕事です。
今回、たくさんの方が現場に会いに来てくださって、この「ぼくたちん家」というドラマで作田索という役を僕に演じてほしいという熱い想いを伝えてくださりました。ここまでの熱量でドラマに出てほしいとオファーをいただくのは、15歳からの芸能人生でも初めての経験だったので、純粋に嬉しかったです。索は、今の手越とは全く違うキャラクターなので楽しみながら演じています。
手越祐也、索との共通点は「モテるところ」
― 情報解禁時には「自分らしい索を模索している」とお話されていましたが、具体的にどのような索を目指していますか?手越:これは芝居にも歌にも通じるのですが、僕の場合は作った人が想定したものより絶対明るくなるんですよ。例えば、失恋の曲を僕が歌うと、少しポジティブな雰囲気になるんです。僕が演じたり歌ったりするからには、手越祐也の人間性が入っていないと意味がないと思うので、監督や脚本家、プロデューサーが想定している索と、僕が考える索のちょうど良い着地点を探しながら演じています。難しいですが、演じることも皆さんと話し合っている時間もすごく楽しいです。
― たしかに台本で読んでいると、索はもう少しクールな印象です。
手越:玄一との出会いもまさにそうなのですが、索には、本人にその気が一切なくても自然と周りに人が集まってくる天性の魅力があって、ある意味“人たらし”なんだと思います。だから、その魅力をどう引き出すかを考えています。明るくて天真爛漫で追いかけたくなる人もいれば、ミステリアスであまり素顔が見えないからこそ知りたくなる人もいて、僕は前者、索は後者のタイプだと思うので、そのさじ加減を監督たちとディスカッションしながら索という人物像を膨らませています。
― ご自身との共通点はありますか?
手越:一言で言うと、やっぱりモテるところですかね(笑)!
手越祐也の“悲しみを乗り越える方法”
― 本作では、社会の“すみっこ”にいる様々な人々が登場し、懸命に生きながらも時に葛藤する姿が描かれています。手越さんご自身の悲しみを乗り越える方法を教えてください。手越:人生はなるようにしかならない。成功も失敗も自分の人生の経験値として蓄積されていくものなので、失敗することはすごく大事だと思います。今の時代、失敗を恐れて新しいチャレンジができなかったり、SNSで叩かれるのが怖くて人と違うことができなかったりする人がすごく多いと思います。でも打席に立たなければヒットもホームランも生まれません。チャレンジした人だけに用意される次なるレールがあると思っているので、僕は今までの人生において、誰に何を言われようがチャレンジをし続けてきました。たとえ失敗しても凹むのは一瞬です。嫌なことがあったときこそ、1人で考え込まず、仲の良い友達や家族と自分が好きなサッカーやゴルフをしたり、トレーニングで筋トレをしたりと、アクティブに動いてネガティブな感情を流すようにしています。悩みは、いつか絶対解決できます!1人きりで2、3日凹んでいた時間がマジでもったいなかったと後から実感する経験を僕自身もたくさんしてきたからこそ、1度きりの人生で無駄な時間を極力過ごしたくないと考えています。
手越祐也が1人のゲイを演じる意味
― ご自身が索という人物を演じる意味をどのように捉えていますか?手越:僕としては、誰が誰を好きであろうと関係ないと思っています。実際、僕の周りにも同性愛者の方がいますが「どんな男が好きなの?」「イケメンの写真見せてよ」とガツガツ聞いちゃっています(笑)。ただ、全員が僕みたいな考えではないので、きっと過去に辛い想いをしてきたり、もしかしたらいじめを受けたことがあったりする人もいるだろうし、冷ややかな目を向けられた経験があって隠さざるを得なくなった人もいると思います。だから「気にするな」と一概には言えませんが、“オープンマインドでそれぞれの人生を楽しく生きよう”と言っている僕がゲイを演じることで、ポジティブなメッセージを伝えられるのではないかと考えています。
― 台本を読んで印象的だったセリフやシーンがあれば教えてください。
手越:特定のセリフではないですが、ミッチー(及川)演じる玄一がすごく印象に残っています。玄一が索のことを気になりすぎて、事あるごとに介入してくるんです(笑)。でもその真っ直ぐな想いは、シャッターを下ろしていた索の心を動かしていきます。実際に玄一と索として撮影をすると、索としては心を開かないシーンでも、ミッチーのお芝居の力もあって、つい心が揺れ動きそうになることがあります。真っ直ぐな想いってすごく素敵ですし、自分の譲れないものや、こだわりも、いつか誰かの心に届くんだなと感じました。僕自身も2020年に独立して、タイミングや時代の流れもあってか、最初は「なんで独立したの?」という声があったり、誰にも分かってもらえなかったこともありましたが、自分のこだわりに対して努力すること、そして周りの人も自分も大切にすることを貫き通したら、少しずつ人の心が動いていくことを実感しました。
本作には、いろいろな登場人物がそれぞれ異なるバックボーンを持っていますが、真っ直ぐに、一生懸命生きているところは通じる部分があります。僕は台本を読んで涙したシーンもあったのですが、そんな風に視聴者の方も笑ったり泣いたりして元気になれる作品だと思います。
― 様々な愛の形が描かれる中で、手越さんが考える愛とは?また、この作品を通じて考えが変わることはありましたか?
手越:周りを見ていると、人って第三者の愛に介入することが好きなんだなと(笑)。当事者同士の問題ですし「その人たちが幸せならいいじゃん」と僕自身もこの作品を撮影している中で改めて感じる部分がたくさんあります。よく、いろいろな人から仕事や恋愛、プライベートのことまで、あらゆる相談を受けるのですが、とにかく僕が言いたいのは「自分が一番自分を大事にしてほしい」ということ。自分の一番の味方でいてあげてほしいです。SNSはプラスにもマイナスにも働くことがありますが、皆さん周りの意見に自分の人生をコントロールされすぎです。「あなたの夢でしょ?あなたの人生なんだよ!」と伝えたい。そんな想いが、この作品を通じて少しでも皆さんの心のどこか痒いところに届いてくれたらいいなと思います。
手越祐也の“夢を叶える秘訣”
― モデルプレス恒例の質問となりますが、手越さんの“夢を叶える秘訣”を教えてください。2021年のインタビューでは「その夢を好きになること」「周りが何と言おうが、好きなことに信念を持ってやり続けてほしい」とお話しされていましたが、そこから変化したこと、新たに加わった考えはありますか?手越:今までのインタビューで答えてきたことも変わらず思っていますが、人を大切にしてきて良かったなと、今回のドラマに出させていただいて改めて感じました。前の事務所時代から、ファンの方は自分の生命というくらい大事にしてきた自信がありますし、その想いは今でも変わりません。どんなに努力しても、周りの支えなしで生きていける人間は絶対にいないですし、人は巡り合わせだと思うので、夢に向かってチャレンジしている人がいたら、今支えてくれている家族、友達はもちろん、その過程で出会った人も含めて大事にしてあげてほしいなと思います。
― 最後に、ドラマへの意気込みをお聞かせください。
手越:ドラマは7年ぶりになりますが、これまで“手越っぽい”役が多かったのに対し、索は自分とは全く違う役柄でした。この物語をミッチーと手越が演じるということに「え、この2人なんだ」と驚いた方もたくさんいると思うのですが、「どんな作品になるんだろう」「あの2人なら観てみようかな」と思ってくださっている方たちの期待を超えていくような、そして、皆の心の拠り所になるような作品にしていきたいです。
― ありがとうございました!
(modelpress編集部)
手越祐也(てごし・ゆうや)プロフィール
1987年11月11日生まれ、神奈川県出身。2003年9月から2020年6月独立までの約17年間アイドルグループのメンバーとして活動。2021年に初のデジタルシングル「シナモン」でソロデビューし、アーティストおよびタレントとして活躍する。俳優としては、映画「疾走」(2005年)で主演を務めるほか、ドラマ「ヤマトナデシコ七変化」(2010年/TBS系)、「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」(2006年/日本テレビ系)、「デカワンコ」(2011年、2012年/日本テレビ系)などの話題作に出演した。もっと詳しくみる
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