モデルプレスのインタビューに応じた大友花恋(C)モデルプレス

大友花恋、不安な時期に支えられた先輩女優からの言葉「定期的に読み返しています」原点「Seventeen」モデル時代に得た学び・大きな変化を感じた瞬間とは【「ハナコイノベル。」インタビュー】

2025.03.01 08:00

1月20日に初の短編小説集「ハナコイノベル。」(オレンジ文庫)を発売した女優の大友花恋(おおとも・かれん/25)に、モデルプレスがインタビュー。書籍化決定時の心境や「Seventeen」専属モデル時代に学んだこと、そして自身が心に響いた先輩からの言葉などたっぷりと語ってもらった。

  

大友花恋「Seventeen」時代の連載「ハナコイノベル。」書籍化

「ハナコイノベル。」書影(提供写真)
2013年にファッション誌「Seventeen」(集英社)の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン2013」のグランプリに輝き、2021年までの約8年間、歴代最長の専属モデルとして活躍した大友。そんな彼女が同誌で執筆していた連載「ハナコイノベル。」がこのほど書籍化。2019年から2021年の卒業までに執筆した恋愛、ホラー、SFなどの幅広い28の短編小説と、今回のための書き下ろしと撮り下ろしを加えたフォト&ストーリー集となっている。

大友花恋「ハナコイノベル。」1作目で感じた緊張・感動

大友花恋(C)モデルプレス
― 「Seventeen」での連載「ハナコイノベル。」の書籍化を聞いたときの心境を教えてください。

大友:「Seventeen」を卒業してから3年近く経ったタイミングでの発売なので、あのときのものをまだ覚えてくださっている方がいて、それを形にしようと思ってくださった方がいたことがすごく嬉しかったですし、驚きました。私自身、「Seventeen」を卒業して「ハナコイノベル。」という連載も一区切りつけていたつもりだったので、久しぶりに「ハナコイノベル。」と向き合うことができて嬉しいです。

大友花恋(C)モデルプレス
― 6年前の2019年5月号から28回分の小説が掲載されていますが、中でも思い出深いものはありますか?

大友:やはり1作目の「リトープスのはなし」はすごく印象に残っています。それまでは物語ではなくエッセイのような連載をしており、その連載のリニューアルのタイミングで「短編を書いてみませんか?」と担当編集の方にご提案していただいて「ハナコイノベル。」が始まったのですが、世の中に自分の一種の妄想というか、頭の中の物語をお披露目して良いものなのだろうか…と、ドキドキしながら書いた記憶があります。お話自体を書くのは楽しかったのですが、緊張感みたいなものもありました。ただ、カメラマンさんやメイクさん、スタイリストさんなど、プロの方のお力をお借りして、物語に合わせた写真を撮っていただけたので、最初は「写真があるから大丈夫だ」と思いながら始めました。

― では、1作目の撮影も思い出深いですか?

大友:思い出深いですね。「リトープスのはなし」のときはどういう写真を撮るかをあまりイメージしていなくて、「サボテンを持ちながら撮影するのかな」「サボテンがいっぱいある部屋で撮ったりするのかな」なんて思っていたら、私自身がリトープスというサボテンの仮装をするような形でした。自分とは違う視点で違う角度から作ってくださる方々がいるとお話がより豊かになるのだと思い、撮影のときも完成したページを見たときもすごく感動しました。

大友花恋(C)モデルプレス
― 執筆が大変だった作品はありますか?

大友:「ホワイトクリスマスを君と」は、クリスマスの時期に発売される回だったのでクリスマスの恋が書けたらいいな、と思いながら書き始めたのですが、全然イメージが湧かず、全く筆が進まなくなってしまって。でも「クリスマス=カップル」という考えをやめて友情の話にしようと思った瞬間、急に物語が動き出して、隣に住む親友と一緒にホワイトクリスマスを見る約束をしていたのに、喧嘩してしまった間に親友が引っ越してしまう、というお話になりました。その回は、思い切った方向転換をするまでに結構迷っていたことを覚えています。

大友花恋「ハナコイノベル。」書籍化へのこだわり

大友花恋(C)モデルプレス
― 今回、書籍化にあたり新たに書き下ろしや撮り下ろしをされていますが、こだわった点を教えてください。書き下ろしページの背景が写真になっているところが印象的でした。

大友:この本を作るにあたって始めの段階から打ち合わせに参加させてもらったのですが、本を読むことが趣味なので、普段手に取っている小説ができていく過程を知ることができて面白かったです。紙の種類や文字のサイズ、表紙や表紙につける帯など、さまざまなことを話し合ってこだわって作ったのですが、今回の帯は全幅帯という、表紙とほぼ同じ幅の、太めのものになっているんです。表紙が2つあるわけではなく、帯があって中に表紙があるという新しい方法になっています。

書き下ろし、撮り下ろしの部分もこだわりはたくさんあり、「Seventeen」時代に書いていた「自伝」から「続・自伝」という新たな書き下ろしに繋げようと思ったときに、当時「自伝」を担当してくれていたスタッフさんに集まってもらえたら嬉しいなと思いました。そのため、「自伝」を撮ってくださったカメラマンさん、メイクさん、スタイリストさん、当時「Seventeen」編集担当だった編集さんに集まっていただき、撮影できたことも私の中では大事な部分です。

あとは、連載を担当してくださっていたデザイナーさんにも来ていただけました。連載していたときはお会いできなかったのですが、「本になるんだったら、私も撮影に行きたいです」と言ってくださり、今回ようやくお会いすることができたんです。撮影している間も「今の足のところ撮っておいてください」「このレモンのカット撮っておいてください」など気付いたことを言ってくださり、それらが文字の背景になっています。私だけでなくみんなでこだわった、温かい1冊になりました。

大友花恋、連載の原点は橋本愛

大友花恋(C)モデルプレス
― 約8年間の「Seventeen」専属モデルとしての活動を振り返り、成長を感じたことを教えてください。

大友:お仕事を始めてすぐにいただいたのが「Seventeen」のお仕事だったので、“現場には5分前にいたほうが良い”、“終わったら綺麗にして帰る”など、本当に基礎から学びました。モデルの世代も幅広くて、入ったときは先輩がたくさんいらっしゃいましたし卒業する頃には自分がお姉さんになっていたので、先輩の姿を見て学ぶことや、自分が「Seventeen」にいる中で感じたことを後輩に繋いでいくためにできることなど、たくさんのことを考えさせられた8年間でした。

― 特に目標にしていた先輩はいらっしゃいますか?

大友:「Seventeen」時代は橋本愛さんがすごく好きで、1、2年ほど一緒に活動することができました。「愛言葉」という、愛さんが思ったことを詩にして、それに合わせた写真を撮る連載を毎月楽しみに読んでおり、私が初めて1人で連載を持たせてもらうときも「ああいう連載が作りたいんです」と編集さんにお願いして作っていただきました。なので、「ハナコイノベル。」を辿っていくと、橋本愛さんの連載に辿り着きます(笑)。

大友花恋(C)モデルプレス
― 「Seventeen」での活動以外にも、ドラマ、バラエティなど幅広い分野でご活躍されていますが、ご自身の転機となった作品はありますか?

大友:お芝居に関しては、大きく舵を切ることはなく一つ一つを積み重ねていく思いでやっているので、どの作品も大切に一歩一歩踏みしめてきました。一方で、大きく変わった瞬間は「王様のブランチ」(TBS系/毎週土曜あさ9時30分~)のレギュラーが決まったときだと思います。それまでバラエティ番組に参加させてもらう機会はあまりなく、雑誌とお芝居だけだった私に新しい道を作ってくれました。佐藤栞里さんが全員と楽しくお話してその場の空気を作り上げていく様子を見させていただけたのは、私にとってはすごく大きかったです。

大友花恋、“定期的に読み返す”松岡茉優からの手紙とは

大友花恋(C)モデルプレス
― これまでの活動の中で、心に響いた先輩からの言葉があれば教えてください。

大友:松岡茉優さんのことがとても好きなのですが、あるお仕事でご一緒させていただいたとき、寒い夜に外での2人のシーン撮影があり、かなり長い待ち時間があったんです。その際、茉優さんが「花恋ちゃん、私の車で一緒に温まろう」と声をかけてくださり、茉優さんの車にお邪魔させていただきました。そこで私が「今のお芝居で大丈夫かなって不安になったりします」「いろいろお仕事させてもらう中で、自分の居場所って合っているのかな」と抱えていた不安な気持ちをお話したとき、茉優さんはたくさん言葉をかけてくださり、後日にお手紙もくださりました。「花恋ちゃんはああいう風に言っていたけれど、自分が居心地良くいられる場所が花恋ちゃんの居場所だから、決める必要はないよ」「あと、私は花恋ちゃんの目が好きです」と書いてくださったことがすごく嬉しくて、今でも定期的に読み返しています。

「ハナコイノベル。」誌面カット(提供写真)
― 今回新たに書き下ろされた「続・自伝」にはお芝居に対する緊張が描かれていますが、そういったお仕事に対する緊張や恐怖と向き合うために心がけていることはありますか?

大友:今まで自分が一つずつ向き合い、積み重ねてきた作品のことを思い出すようにしています。「あのときはこうだった」「あのときはできなかったけど、あれからこういうこともやってきた」と自分のこれまでを振り返ったりすると、少し不安や緊張が落ち着く気がします。あとは、周りの人に相談したり、アドバイスをもらったりしながら、都度向き合っています。

大友花恋の悲しみを乗り越えた方法

大友花恋(C)モデルプレス
― モデルプレスの読者の中には今、さまざまな不安を抱えている読者がいます。そういった読者に向けて、大友さんのこれまでの人生の中で「悲しみを乗り越えたエピソード」を教えてください。

大友:なんだろう…すごく悲しいことは意外となくて、幸せなんです、私(笑)。でもそれは、自分が“すごく悲しいこと”だと受け止めていないからなのかもしれません。例えば、オーディションに落ちたことや、飼っていたペットが亡くなったこともすごく悲しいですが、オーディションに落ちてしまったときは「こういうことが足りなかったから、これからはこういう準備をするようにしよう」、ペットが亡くなってしまったときも「ここまで長生きできたっていうことは、みんなで支えてこれたからかな」「こういう思い出もあるしな」と、悲しい気持ちを押し殺すのではなく、横に流してあげるようにしているのかもしれないですね。だから、最初に正面から受け止めた後は、スルスルと横にどかすようにしています。

大友花恋の夢を叶える秘訣

大友花恋(C)モデルプレス
― モデルプレス読者の中には今、夢を追いかけている読者もたくさんいます。そういった読者に向けて、大友さんの「夢を叶える秘訣」を教えてください。

大友:私この質問好きなんです。みなさんのインタビューの回答がまとめられている記事をよく見ているのですが、そんなみなさんのエッセンスを受け取った私が今思う「夢を叶える秘訣」は、やめないことです。特に今回「ハナコイノベル。」を出した際にも思ったのですが、人生はいつ何がどう変わるかは分からないんです。連載していた当時、会話の1つとして「書籍化したらいいよね」なんて言っていましたが、まさか実現するとは思っていませんでした。ですが、3年経った今こうして本になっています。これは、連載をやめずに回数を重ねていけたこと、そして私がこの仕事をやめなかったからこそ叶ったことです。

どんな夢も、やめた瞬間に届かない夢になります。でも、やめなかったら追いかけてる途中なので“叶わない”ということにはならないんです。だから、理想と現実とのバランスは難しいかもしれませんが、何かしらの形で繋げていけば“叶わなかった夢”にはならないと思っています。

― 最後に、俳優として、またモデル、作家として活躍される大友さんの今後の目標を教えてください。

大友:それぞれのジャンルでいろいろな夢はありますが、「ハナコイノベル。」を出させてもらったときに、物語なのかエッセイなのか、もっと自分の言葉をみなさんにお届けできるように何かしらの形で書き続けたいと思いました。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

大友花恋(おおとも・かれん)プロフィール

大友花恋(C)モデルプレス
1999年10月9日生まれ、群馬県出身。2012年にドラマ「結婚同窓会 〜SEASIDE LOVE〜」(フジテレビ)で女優デビューし、2013年から2021年までは「Seventeen」専属モデルとして活躍。さらに、「王様のブランチ」では2017年から2021年まで4年間レギュラーを務め、活動の幅を広げた。主な出演作は、ドラマ「チア☆ダン」(TBS系/2018)、「あなたの番です」(日本テレビ系/2019)、「新米姉妹のふたりごはん」(テレビ東京系/2019)、「厨房のありす」(日本テレビ系/2024)、「最高のオバハン中島ハルコ〜マダム・イン・ちょこっとだけバンコク〜」(東海テレビ・フジテレビ系/2025)、映画「君の膵臓をたべたい」(2017)、「散歩時間~その日を待ちながら~」(2022)など。2022年からは、ABEMAの高校生による青春恋愛リアリティーショー「今日、好きになりました。」シリーズの恋愛見届人も務めている。
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