【渡邊渚インタビュー】誹謗中傷への本音「見えない人の暴力的な言葉に自分を左右されたくない」PTSDを乗り越えられた一言とは<Vol.2>
元フジテレビアナウンサーで現在フリーになって活動する渡邊渚(わたなべ・なぎさ/27)が、1月29日に初のフォトエッセイ「透明を満たす」(講談社)を発売した。Vol.1では、2023年に患ったPTSD(心的外傷後ストレス障害)を克服するため、「持続エクスポージャー療法」を始めた時のことについて語ってもらったが、彼女がなぜ辛いと分かっている療法を始める勇気を持つことができたのか。そこには、彼女にとってとても大きな存在があった。【インタビューVol.2】
渡邊渚、辛い治療も乗り越えられた理由
― トラウマと向き合わなければいけない「持続エクスポージャー療法」を始めることができたのは、何か前向きになれたきっかけがあったのでしょうか?渡邊:「いつまでもこれに囚われていたくない」と思えるようになったからですね。(感情のアップダウンの)波のある生活をしている中で、辛い時そんなことは思えないのですが、少し元気になった時に「私またこの後マイナスに行くのか」と思うとしんどくて。このままだと結局「死にたい」といったような気持ちがずっと頭の中に残ってしまって、気分が落ちた時に事を起こしてしまったら、私以外の家族や友人にも深い心の傷を負わせてしまうことになるかもしれない。そう思ったら「それは嫌だ。PTSDみたいな辛い目にあうのは私だけでいい」と思ったんです。それで「生きなきゃ」と思えたことが、やっぱりPTSDに対して1番有効だと言われている持続エクスポージャー療法をやるべきだと思えたきっかけです。
― 周りの方々の存在がとても大きかったんですね。
渡邊:大きいですね。この経験をしてすごく思ったのが、人間1人じゃ何もできないんだということ。私1人でなんとかしようと思っても無理だったから入院もしたし、治療も受けたし。最初は本当に自分が井戸に落ちたみたいな気分だったんです。真っ暗闇の井戸で冷たくて、もがいてもがいて這い上がろうとしても、這い上がる突っかかりすら見えなくて「もう何もできない、どうしよう」みたいになっていたけれど、その井戸に医療従事者の方たちがロープをくれて、それにしがみついていたら、友人や家族が「こっちだよ」って上から光を照らしてくれて、私は引き上げてもらえたと思っているので、本当に周りにいてくれた人たちのおかげでここまで来られて、その真っ暗な井戸から抜け出せたのではないかと思っています。
渡邊渚が勇気をもらった一言
― 本作でも「光をくれた言葉たち」という章で周囲の方々から掛けてもらった言葉についてつづっています。その中でも特に勇気をもらえた一言はありますか?渡邊:1個に絞るのは難しいですが「何があっても変わらない」と言われたのが1番大きかったかもしれないです。病気になってから、自分がどんどん変わっていくさまを私自身でもすごく分かっていたので、どんどん世界が敵に見えてしまったり、誰も信用できないみたいな気持ちになってしまったりして、どんどん嫌いな自分になっていく感覚でした。顔や症状でも元の自分ではなくなっていく、変わっていってしまうという苦しさがある中で「何があっても変わらないから」って1番嬉しい言葉でした。「変わらない」というのは、普段その文字面だけで見ると「成長しない」みたいな感じにも見えてしまいますが、そうではなくて何があっても変わらない関係性があるってすごくそれだけで救われるんだなと思いました。自分が変わったとしてもそれを受け止めてくれる人がいるんだという安心感が大きかったです。
渡邊渚「見えない人の暴力的な言葉に自分を左右されたくない」
― 休養中も積極的にSNSを更新されていましたが、病気と戦いながら情報を発信し続けた渡邊さんに勇気をもらう方も多いと思います。心ないコメントなどもあったかと思いますが、渡邊さんは発信される中で、どのようにそういった声と向き合ってきたのでしょうか?渡邊:もちろん誹謗中傷やそういったコメントに全く傷つかないかと言われればそうではないし、今は追いついていないですが、病気の時は追える範囲で全部目を通していて「そういう意見もあるよな」と全てを受け入れていました。「そうだよね」「確かに」とも思いつつ、ある程度冷静になった時に「これは受け止めるべき事案なのか、そうではないのか」は明確にある、人を傷つけようとして書いているものと意見として書いているものは違うと感じて。だから、結果的にネットで悪いことを言われたとしても、自分の周りにいてくれる人、現実世界でいてくれる人に共感を得られていたり、好きだって言ってもらえたりするのであればそれでいいと思えるようになりました。見えない人の暴力的な言葉に自分を左右されたくないです。今もこうやって「どんなことがあったって別に何も変わらないよ」「あなた悪くないよ」と言ってくれる人がいるから仕事を続けられているし、その仕事も家族や身近な友人が「頑張っているね」「もっともっとこんなふうになってよ」と励みをくれるので、そのおかげでまだまだ元気で活動することができています。
Vol.3では、仕事復帰から数ヶ月というスピードでフォトエッセイを発売した理由、執筆中に抱えた苦しみを打ち明けてくれた。(modelpress編集部)
【Vol.3】苦しみに直面してまで世に届けたかったこと フォトエッセイ執筆の真意
渡邊渚フォトエッセイ「透明を満たす」
本作はフリーランスとして新たなスタートを切ったばかりの渡邊による、50,000字を超える書き下ろしの長編エッセイに加え、新境地を感じさせる充実のフォトパートで構成される。エッセイでは、アナウンサー時代の苦悩からPTSDを患った後の壮絶な入院生活、治療を経て前向きに歩めるようになるまでが詳細につづられている。渡邊渚(わたなべ・なぎさ)プロフィール
渡邊は1997年4月13日生まれ、慶應義塾大学を卒業後、2020年にフジテレビ入社。2023年7月より体調不良で入院するため休養することを発表、2024年8月31日に同局を退社した。同年10月1日にPTSDを患っていたことを公表している。現在、Webサイトでのエッセイ執筆やモデル業、これまでの経験や知識を生かしたバレーボール関連のMC業など、アナウンサーという肩書きを離れて多様な働き方を実践している。
もっと詳しくみる
-
【写真】渡邊渚、大学時代の貴重ショット
-
【写真】渡邊渚、弾ける笑顔の最新ビジュアル
-
【写真】渡邊渚、入院直後の直筆日記
-
【写真】渡邊渚、パリ五輪で美脚際立つ観戦コーデ
-
渡邊渚インタビュー「1番嫌なところを永遠に何度も何度も」
あわせて読みたい
-
【渡邊渚インタビュー】苦しみに直面してまで世に届けたかったこと フォトエッセイ執筆の真意<Vol.3>
モデルプレス
-
【渡邊渚インタビュー】精神疾患で突きつけられた偏見、トラウマと向き合う治療の辛さ「1番嫌なところを永遠に何度も何度も」<Vol.1>
モデルプレス
-
渡邊渚、“自分で納得して選択して人生を歩んでほしい” フォトエッセイ「透明を満たす」記念イベント開催
モデルプレス
-
元フジアナ渡邊渚「病や逆境があったって、私は人生を諦めない」初フォトエッセイが発売【本人コメント/透明を満たす】
モデルプレス
-
視聴総合ランキング
2025年08月02日 04:45時点
※TVer内の画面表示と異なる場合があります。
-
01
しあわせな結婚
3話 殺人の記憶
7月31日(木)放送分
TVerで見る -
02
愛の、がっこう。
第4話 ずる休み
7月31日(木)放送分
TVerで見る -
03
水曜日のダウンタウン
クロちゃん、寝て起きたら川のほとりにいてその向こう岸に亡くなった父親がいたら死の淵にいるかと思う説 ほか
7月30日(水)放送分
TVerで見る -
04
大追跡~警視庁SSBC強行犯係~
Episode4「犯行予測」
7月30日(水)放送分
TVerで見る -
05
恋愛禁止
【第5話】ストーカーが号泣。届かない想いー
7月31日(木)放送分
TVerで見る
最新ランキングはこちらPowered by -
-
元フジテレビ渡邊渚、弾ける笑顔の最新ビジュアルを独占公開
モデルプレス
-
元フジアナ渡邊渚、オフショル×ミニ丈で美スタイル披露「脚長い」「見惚れる」と反響
モデルプレス
おすすめ特集
-
8月のカバーモデルはFRUITS ZIPPER
特集
-
“モデルプレス初”グラビアオーディション開催 写真集・ファッションショー出演も
特集
-
インフルエンサー影響力トレンドランキングを発表!「モデルプレスカウントダウン」
特集
-
国民的推しランキング!各種エンタメにまつわる読者ランキング、読者アンケート実施中
特集
-
モデルプレス独自取材!著名人が語る「夢を叶える秘訣」
特集
-
モデルプレス読者モデル 新メンバー加入!
特集
-
"史上最大級のファッションフェスタ"TGC情報をたっぷり紹介
特集
-
国内作品見放題数2位!アニメ・お笑い・ドラマ・映画が充実!オリジナル作品も!
特集
-
ディズニープラスでは人気の神作や話題の新作が見放題!【PR】
特集
おすすめ記事
SPECIAL NEWS
記事ランキング
RANKING
-
01
King & Prince永瀬廉、高橋海人が「世界を広げてくれた」今の2人だから思う“夢を叶える秘訣”【インタビュー後編】
モデルプレス
-
02
King & Prince「この道を選択してきてよかった」ミッキーマウスとのコラボ秘話と“全てを誇りに思えた時間”【インタビュー前編】
モデルプレス
-
03
2児の母・川栄李奈「今の原動力は子ども」“順調”な20代経て考える仕事&子育て向き合い方【モデルプレスインタビュー後編】
モデルプレス
-
04
川栄李奈、撮影のため4キロ減量 アイドル時代との身体づくりの違い明かす「10代の成長期だったので」【1st写真集「youphoria」インタビュー】
モデルプレス
-
05
朝ドラ「あんぱん」鳴海唯、涙のヒロインオーディション秘話「人生を変えたい」奇跡的な縁と覚悟から巡り合った琴子役への想いとは【インタビュー】
モデルプレス