「虎に翼」松山ケンイチ、視聴者のSNSから感じた“体全体で表現することの怖さ・大切さ” 指先まで考え抜かれた桂場像【インタビューVol.2】
現在放送中のNHK連続テレビ小説「虎に翼」(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか)で桂場等一郎を演じている俳優の松山ケンイチ(39)にインタビュー。視聴者のSNSでの感想をよくチェックしている彼が驚いたこと、指先まで意識している表現法について語ってくれた。【Vol.2】
伊藤沙莉主演「虎に翼」
第110作目の連続テレビ小説となる本作は、日本初の女性弁護士である三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんをモデルに描くリーガルエンターテインメント。主人公の佐田寅子(さだ・ともこ/通称・トラコ)を伊藤沙莉が演じる。桂場は司法の独立を重んじる気鋭の裁判官。堅物で腹の内を決して見せない「法の世界」の手ごわい先輩だが、実は甘党という一面も。戦後に再会した寅子の裁判官への道を手助けし、最高裁人事課長、東京地方裁判所所長を経て、最高裁長官となる。
松山ケンイチ、視聴者のSNSから感じた「体全体で表現することの怖さ&大切さ」
― 松山さんがXで投稿されている桂場のオフショットもすごく人気ですが、今まで視聴者から言われて印象的だったことや意外だった言葉はありますか?松山:僕は小道具を使うのがすごく好きで、小道具の中でも色々な表現ができると思っていて現場で遊んでいるんですけども(笑)、「これ誰も気付かないな」と思っていた部分まで気付かれていたりして。「見てくれている方がいるんだ、すごいな」と思いましたし、逆に「怖いな」とも思ったんですよ。やっぱり画面に映る全てが表現に繋がってしまうので、指先まで何を表現するべきなのか考えて、表現したくないのであれば(動きを)止めておかなければいけなかったりもする。そういうこともすごく考えさせられましたね。だから身体全体でその役を表現することの怖さや大切さは、SNSでの視聴者の皆さんの発信から感じたことです。
松山ケンイチが研究した表情以外での表現方法
― 桂場を演じるにあたって行った、これまでと違うアプローチ法はありますか?また桂場役を演じていて得たものや良い経験になったと感じたことがあれば教えてください。松山:脚本と演出、共演者の方々の受けがあって、そういう要素で桂場というキャラクターは面白くしていただけているんじゃないかなと思います。仏頂面が基本の形ですし、自分の心情を説明するような人でもないので、どう表現していくのかは常に考えていました。出てくる度に煽り続けるような感じもするじゃないですか(笑)。最初の方では「女性は男性よりも何十倍も勉強してしないとダメだ」みたいなことも言っていましたし、僕はいつも「煽ってるな~」と思っていました(笑)。
でもそれがある意味誰かの背中を押していることにも繋がっているんだろうなと思いますし、桂場はそういう意地悪な感じでしか表現できないんだろうなと思うんですけど、それだけだと本当に幅が狭くなってしまうというか、記号でしかなくなっちゃう。どの役でもそうですが、その記号をどのように今まで見たことのない記号にできるのか、基本の仏頂面をどこまで崩してどこまで遊ぶかは常に探っていましたね。
さっきの話にも繋がりますが、表情で表現できない代わりに手やそのほかの部分で表現できることもたくさんあって。例えば団子を食べるシーンだけでも色々な表現ができたらなと思っています。団子を食べようとしているときにトラちゃんに話しかけられた場面も、無視して食べればいいのに食べないんです。食べないなら置けばいいのに、話しかけられても置かずにずーっと団子が画面内に収まっている。それによって彼がどういう人間性なのかはなんとなく観ている方にも伝わるし、団子を優先するのかトラちゃんの話を優先するのか迷っているという表現にもなったりするじゃないですか。今回はそういうことを探れたので勉強になりましたし、色々試すこともできました。色々なことをやらせていただいた現場の皆さんに本当に感謝しています。
― 団子を食べる・止めるといったタイミングまでは、台本に書かれているわけではなかったんですね。
松山:はい、多分書いてなかったと思います。せっかく(小道具が)目の前にあるので、利用した方が桂場の記号的な何かからまた違った見せ方ができるんじゃないか、ということはいつも考えています。
★Vol.3へ続く!
(modelpress編集部)
松山ケンイチ プロフィール
1985年3月5日生まれ、青森県出身。2001年、ホリプロ男性オーディション『New Style Audition』グランプリ受賞を経てモデルデビュー。2002年、ドラマ「ごくせん」(日本テレビ系)で俳優デビュー。2012年のNHK大河ドラマ「平清盛」で主演を務める。近年の主な出演作に、NHK大河ドラマ「どうする家康」(2023)、ドラマ「100万回言えばよかった」(TBS系/2023)「お別れホスピタル」(NHK/2024)、映画「BLUE/ブルー」(2021)「ノイズ」(2022)「大河への道」(2022)「川っぺりムコリッタ」(2022)「ロストケア」(2023)など。主演映画「聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~」が12月20日に公開予定。もっと詳しくみる
-
【写真】「虎に翼」よね役・土居志央梨、共演俳優が大学の同級生だった 2ショット公開
-
松山ケンイチ、妻・小雪は「僕以外の洗濯は洗剤使ってない」理由明かす
-
【写真】「ごくせん」田中圭・賀来賢人・松山ケンイチら…“実は出演していた”豪華すぎる生徒たち
-
【写真】「虎に翼」よね役・土居志央梨「おちょやん」ぶり共演女優との2ショット
-
「虎に翼」戸塚純貴&土居志央梨の誕生日会 伊藤沙莉ら豪華集結
関連ドラマ
あわせて読みたい
-
「虎に翼」松山ケンイチ、最後に記者へ語った桂場に込めた想い「僕は法曹界の人間でもないただの田舎のおじさんなんですが…」ラストの展開に言及【インタビューVol.3】
モデルプレス
-
「虎に翼」松山ケンイチ、大河ドラマでの“電池切れ”経て感じた伊藤沙莉の強み 桂場と花岡(岩田剛典)の違い明かす【インタビューVol.1】
モデルプレス
-
「虎に翼」桂場(松山ケンイチ)、寅子(伊藤沙莉)へ異動命じた“愛ある理由”に「かっこよすぎ」「感動した」の声
モデルプレス
-
「虎に翼」小道具に秘密「騙された」「すごいこだわり」の声
モデルプレス
-
視聴総合ランキング
2025年04月23日 06:30時点
※TVer内の画面表示と異なる場合があります。
-
01
続・続・最後から二番目の恋
第2話 若さより輝く時だってあるんだぜ
4月21日(月)放送分
TVerで見る -
02
あなたを奪ったその日から
#1 事故で娘失った母の復讐、開幕
4月21日(月)放送分
TVerで見る -
03
夫よ、死んでくれないか
#3 恐怖!束縛夫が大暴れ
4月21日(月)放送分
TVerで見る -
04
キャスター
第2話 オンライン賭博とスポーツの闇
4月20日(日)放送分
TVerで見る -
05
それSnow Manにやらせて下さい
それスノ5周年特別企画「9人ダンス日本一決定戦」Snow Manとダンスで真剣勝負!汗と涙の激闘の結末は?
4月18日(金)放送分
TVerで見る
最新ランキングはこちらPowered by -
-
「虎に翼」桂場(松山ケンイチ)、寅子(伊藤沙莉)への“痛烈一言”が話題「珍しい」「こんな顔するんだ」
モデルプレス
-
松山ケンイチ&染谷将太W主演「聖☆おにいさん」実写映画化 監督は福田雄一
モデルプレス
おすすめ特集
おすすめ記事
SPECIAL NEWS
記事ランキング
RANKING
-
01
EVNNEユ・スンオン、作詞曲「Youth」に込めた意味 ストレスのポジティブな捉え方「どう振り払って立ち上がるのかが重要」【インタビュー連載Vol.2】
モデルプレス
-
02
EVNNEイ・ジョンヒョン、“ファンを惚れさせる言葉”考案 カバーしたい日本語曲は?「メンバーたちがたくさん聴いているので」【インタビュー連載Vol.1】
モデルプレス
-
03
渋谷凪咲「本当に簡単」おすすめ自炊レシピ「サツコレ」で挑戦したいことは?<モデルプレスインタビュー>
モデルプレス
-
04
【天久鷹央の推理カルテ 第1話】小鳥遊(三浦翔平)、天才ドクター・鷹央(橋本環奈)と謎の病状に迫る
モデルプレス
-
05
Snow Man阿部亮平、新ドラマ出演に強い覚悟 葛藤しながらも決意した理由「自分にとってすごく挑戦」【「あなたを奪ったその日から」インタビュー】
モデルプレス