松岡茉優、女優界に思わぬ貢献 田中みな実&滝沢カレンとの共通点も【「ギークス~警察署の変人たち~」インタビュー】
2024.06.27 06:30
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7月4日スタートのフジテレビ系『ギークス~警察署の変人たち~』(毎週木曜よる22時~)に出演する主演の松岡茉優(まつおか・まゆ/29)、共演の田中みな実(たなか・みなみ/37)、滝沢カレン(たきざわ・かれん/32)にインタビュー。3人ならではの賑やかな空気感の中、撮影前後のお互いの印象や、役作りなどについて語ってくれた。
松岡茉優主演「ギークス~警察署の変人たち~」
「GEEK(ギーク)」とは、言うなれば賢いオタク。好奇心旺盛で、卓越した知識や技術を持っているのに、人間関係を苦手としている人たちのことだ。今作は、ノー残業をモットーとし、頭は切れるのに人間関係に難アリな警察署勤務の3人の女ギークたちが、腕と好奇心とほんの少しの正義感で定時までに事件を解決する痛快エンタメドラマとなる。松岡演じる主人公・西条唯(さいじょう・ゆい/29)は、優れた記憶力を持ち、物事の細部を即座に把握できる、高い証拠分析能力の持ち主。田中演じる産業医・吉良ます美(きら・ますみ/35)は、プロファイリングもお手のものの心理分析のプロ。滝沢演じる交通課員・基山伊織(もとやま・いおり/28)は、地域の情報すべてが頭に入っているほど地理に精通している。
松岡茉優・田中みな実・滝沢カレン、プライベートでも仲深める
― 撮影前のお互いの印象と、クランクイン後に発見した魅力的な部分を教えて下さい。松岡:みな実さんがオススメするグッズは5〜6年前からチェックしています。みな実さんにもしお会いする機会があったら「これ使っています!」って言おうと思っていたアイテムが1個や2個じゃなくて。今回初めてご一緒させていただいて「これ使っています!」って伝えたら、新たなるおすすめアイテムを丁寧に教えてくださって、みな実さんは常に前に進んでいるんだなと感じました。日々いろいろなお話をしていく中で、田中みな実さんっていう美しい陶器の中に、すごく可愛らしい無垢な少女がいると感じています。
田中:え、素直に嬉しい(笑)。
松岡:滝沢さんは、本当に嘘がなくて素直な人だと思います。監督の言葉や、私たちがアドリブで出したものとかをまっすぐに受け止めて投げ返してくださるお芝居をしていて、とても新鮮で楽しいです。
滝沢:ありがとう。嬉しい〜!
田中:3人でプライベートでご飯を食べに行くぐらい仲良くさせていただいています。この間は一緒に電車に乗って、ランチをしに行きました。松岡さんはプライベートな部分がみえない方というイメージでした。長年この世界で活躍されていて、オファーが絶えないわけですから、芝居に対しては相当ストイックな方なんだろうと、こちらも覚悟をもって現場入り。すると、初日だったかな、「なんて呼び合いますか?」「私は“まゆちん”って呼ばれたいです!」ってとろけるような笑顔で提案してくれて、本当に愛らしい方だなと。天真爛漫な子どものよう。正確には、子どものような面もありつつ、とてつもなくしっかり者な一面も。オフショットが足りなくなるだろうから、たくさん写真を撮っておこうとか、私たちが芝居しやすいように環境を整えてくれたりとか、この3人の中では最年少なのにおんぶに抱っこ状態です。
カレンちゃんはバラエティ番組のレギュラーでご一緒していたから、久しぶりの再会。独特な魅力がパワーアップしている気がします(笑)。当時は収録時にバッと集まって「お疲れ様でした!」と解散するバラエティーならではの距離感でしたが、芝居の現場では空き時間も含め、長い時間を共にすることが多く、当時は気付けなかった彼女の魅力にどっぷりハマっています。会えば会うほど好きになるし、癖になる人です。
松岡:分かります。
田中:手を挙げて「監督さ〜ん!ちょっと質問があるんですけど…」って聞きに行くピュアさに、現場のスタッフの皆さんも癒されているのではないでしょうか。まゆちんも言っていたけど、嘘がない人だと思います。
滝沢:皆さんの想像以上にこの現場ってすごくて、誰と目が合っても本当に温かい人たちしか集まっていないんです。その中でもお2人と1番会うことがあるんですけど、松岡さんは女優さんですし、バラエティとかモデルとかしている人が演劇界に入って何か思われたらどうしようって、ただただ自分が勝手にひやひやしていたんですけど、最初の挨拶の日から深々と「松岡茉優です。よろしくお願いします!」って優しく接してくれました。次の日からもずっと優しくて、私がちょっと悩みを言うと「こういうのでよく眠れるよ」とか寝汗に効くいい香りがするスプレーをまるごとくれたりするんです。寝る時間は自分と関係ない時間なのに、そこまで一緒になって考えてくれてびっくりしました!
田中:色々情報が足りない…(笑)。
松岡:寝汗のスプレーって制汗剤かな?って思うよね(笑)。
一同:(笑)。
田中:2人でお芝居についての相談もしていたよね。
滝沢:そうなんです!3話で酔っ払うシーンがあるんですけど「どうやって酔っ払いシーンをやったら良いですか?」って質問したら、「酔っ払いは自分で酔っ払いと思わないから、酔っ払ってないって演技すれば良いんだよ」って言ってくださって。そんなこと自分で何時間考えても絶対出てこないじゃないですか。その後も何回も「もう1回やろう!」とか「やりにくくない?私こうした方がいい?」とか全部言ってくれるんです。そんな女優さんいるんだ…!って思いました。
松岡:ありがとう。
滝沢:女優界が皆好きになります!
松岡:思わぬところで貢献してしまいました(笑)。
滝沢:女優さんたちをより尊敬するきっかけになった存在です。女優さんって良いなって思えました。みな実さんとは「グータンヌーボ」(関西テレビ)で一緒になった時があったんですけど、初めは私も秘密主義で何にも言わない人だから、ずっと壁を作っていたんです。
田中:そういう番組じゃないけどね(笑)。
松岡:むしろ(心を)開ける番組のイメージ(笑)。
滝沢:(笑)。でも今回はもう壁がなくなっているというか。たぶん、みな実さんが何度も話しかけてくれたからだと思うんですけど、それが自分にとってすごく心地良いなと思ったんです。自分もどんどん壁をなくして、今では本当のお姉さんみたいな感じです。みな実さんが何か言ったら「あ〜そうなんだ」って思うし…。
松岡:それもそれで心配(笑)。
滝沢:とにかく面白くて優しいです!可愛いとか綺麗というのは皆さんが知っていることだと思うんですけど、私はそこがみな実さんの良いところじゃないぐらい人間として面白いと思いました。あと人間力がすごい。ちょっと人の前を通る時も絶対腰を屈める感じとか、芸能界にいるみな実さんじゃなくて、人間としてのみな実さんがすごく好きになっています。ずっと一緒にいたいなと思う2人です。
田中:そうだね〜。
松岡:ずっと一緒にいようね。
「干渉しないのが良い」個性溢れる3人のキャラクター
― ご自身の演じる役柄について、どういう人物だと捉えて演じましたか?また、3人でのシーンを撮影した感想を教えて下さい。松岡:西条さんは、サボりたいとか、だらしがないのではなくて、定時に帰るために決められた時間内でむしろ誰よりも働くキビキビした人だと思います。だけど趣味のジグソーパズルとか、あとは美術さんが作ってくれたカエルグッズが好きというサブ設定もあって、家の中はパズルとカエルグッズで溢れているんですけど、その家での仕事とは違う少しほっとした姿は大切に演じています。皆さんも仕事から帰ったら外では見せない顔ってあると思うんですけど、その自室に入った時の西条さんのパートも大切に思っているので、人間味を観察してもらえたら嬉しいと思っています。
3人でのシーンは、初日から3日間ぐらいずっと3人での会話が続くところを撮影していました。合間でたくさんお話しをさせていただけて、最初から仲の良さが出てくるシーンを撮るっていうのは大変ではあったけれど、そのおかげで3人のペースっていうのが初日に掴めたことが嬉しかったです。むしろ会えない日が続くと寂しいぐらいです。
田中:吉良ます美という人物は、2人よりも年齢がちょっとお姉さんなので、その分、人生経験も豊富、ある程度の常識も持ち合わせています。コミュニケーション能力は高いし、対応力もあるけど、どこか本音が見えないところに共感します。作中の彼女たちは互いのプライベートをそれほど知らないし詮索もしない。忖度なく、自分が好きなものを大切にしたい人たちだから。誰かの恋愛話は酒の肴程度にしか思っていないのかも。三者三様、それぞれのやじるしが自分の関心事に向いていることが実に清々しいんです。
松岡:干渉しないのが良いですよね。バックボーンがそれぞれある。
田中:そこには信頼関係以外なんの感情もないというか。私はそういう関係性のお友達ってなかなかいないと思ったから、興味深いなと。ただ、私たち3人のリアルな関係性に通ずるとことはあるんですよね。お互いに干渉しないけど、思い合ってはいる…みたいな。
松岡:話してくれれば聞くけど、話さないなら良いかなって。
田中:確かに!
滝沢:基山伊織はびっくりするぐらいしっかり者で、3人の中では1番素直かなと思っていまます。
松岡&田中:そうだね〜。
滝沢:素直って良い時もあるけど悪い時もあるじゃないですか。頭にポンって浮かんだことをすぐ言葉にしたりとか…。台本には書いてないけど、基山が警察になるまでを想像した時に、きっとその言葉で傷つけてきた人もいるんだろうなって思ったんです。あと基山は壁も作るんです。この2人には壁を作ってないんですけど、いきなり来た男とか…。
松岡:いきなり来た男(笑)。
田中:男性警察官ね(笑)。
滝沢:男性警察官とか(笑)、色々な人が来るんですけど、そういう人と2人になった時に基山は絶対喋らないんです。だけど、吉良さんとかがお手洗いから戻ってきたら安心するところとか、そういうところも共感できて、より基山を愛せます。基山の性格とかは、お2人とスタッフさんと皆で話し合いました。あと基山は1番年下なので、2人の意見を受け止めるんです。自分が意見を言って「違うよ」って言われたら、ちょっとムッとはなっているんですけど、ちゃんと意見として受け止められるのはたぶんこの2人の言葉だけなのかなって思います。
松岡茉優、湧き上がる感情を表現
― 基山は素直ということですが、西条のキャラクターについて田中さん、滝沢さんはどのような印象を持ちましたか?田中:しっかり者でグレーゾーンが存在しない人。興味があるものに対してグッと入り込むと、周りが見えなくなります。自分の思いを言葉にするのが難しいときは、語気が強くなって相手に誤解を与えてしまうことも。あとは、人との距離感に厳しい一面があるので、パーソナルスペースを侵された時のリアクションなど、一つ一つの言動が小動物のようで可愛いな~と勝手に思っています。
滝沢:良い意味で動物っぽいです。本能でそっちに行くような。周りの人のことを考えることももちろんできるんですけど、その前に起きていることに真っ直ぐ突き進む感じとか。それを正義感っていう時もあれば、正義感じゃない日もあるんですけど、自分を守る力が1番強いのが西条さんだなと思います。
田中:確かに、西条は自分を必死で守ろうとしているね。自分を大事にするって実はとても難しい気がします。人にどう思われても良いから自分を大事にするっていう西条はかっこいいです。
― 松岡さんは西条のオタクの部分について「どんなふうに荒ぶるのかしらと考えるのが楽しかった」と言っていましたが、どのように演じたのでしょうか?
松岡:(西条の趣味である)ジグソーパズルが完成したシーンのお話なんですけど、私が想像していたジグソーパズルって1つのピースがペットボトルの蓋ぐらいだったんです。でも実際はその4分の1くらいの大きさで。完成した時は思わず興奮してしまったんですけど、彼女はこれをきっと何百枚とやってきているから興奮より湧き上がる喜びなのかなって思いました。あとは、あまり喜びとか楽しいっていう感情が思い切りは出ないかなと思って、ふつふつと湧き上がるように、というところに着地しました。
松岡茉優・田中みな実・滝沢カレン、3人の共通点は?
― なるべく効率的に、ドライに生き抜こうと振るまう「省エネ3人組」ということですが、役に共感する部分はありましたか?田中:私は人間関係を削ぎ落として生きている自覚があります。他者とのかかわりは、悦びを得られる反面、時に煩わしく、意図せず誰かを傷つけてしまうことや傷つけられることもあって…。もう、そういうの全部しんどくなっちゃいました。なので、プライベートは至ってシンプル。“これからも、ずっとかかわっていたい”と思える人たちと時々会って笑い合えたら十分なんです。
松岡:西条さんたちのの省エネは、例えるなら“使ってない時は電気を消しましょう”ではなくて、なるべくスムーズにエネルギーを使って、今まで行き渡らなかったとこまで活かすから、総合的な使用量が下がるというものだと思うんです。最初は私たちに省エネ感って全くないなと思っていたんですけど、西条さんたちの省エネっていうのは少ないエネルギーでなるべく長く走るということなので、そこは実際に3人共通しているのかなと思います。でも、サボるとか、諦めるとか、やめておこう、というのは3人ともないんじゃないかなって、1ヶ月半ぐらい一緒に過ごして思いますね。気になるから聞いておこう、とかの方が強く感じます。
― 松岡さんご自身も合理的に生きていくタイプですか?
松岡:どちらかといえばそうかもしれません。
田中:3人とも省エネではないけど、合理的だね。せっかちじゃない(笑)?
松岡:せっかち!
田中:すぐ着替えようとして、もう廊下から(衣装を)脱いでいます。
松岡:同じです!この前、3人でまとめて着替えたよね(笑)。
一同:(笑)。
滝沢:私は友達が友達を連れてきたら、一切話さなくなります。何かを喋ったらその人が何かを言ってしまうんじゃないかとか思って何も喋れなくなるので、そういう時は自分に無理しないで、変な会話するよりは静かにして聞こうっていう省エネさは持っています。直したいんですけど、直らないですね(笑)。
松岡:直さなくていいよ。友達が連れてきた友達は他人だよ(笑)!
滝沢:そうだよね!良いよね(笑)!
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
松岡茉優(まつおか・まゆ)プロフィール
995年2月16日生まれ、東京都出身。2003年に当時8歳で芸能活動を開始。2008年におはガールとしてテレビ東京系「おはスタ」に出演。2013年にはNHK連続テレビ小説「あまちゃん」に出演し、劇中に登場するアイドルグループのメンバーとして「第64回 NHK紅白歌合戦」にも出場。NHK大河ドラマ「真田丸」(2016)、映画「万引き家族」(2018)、日本テレビ系「ウチの夫は仕事ができない」(2017)、日本テレビ系「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(2023)のほか、映画や舞台にも多数出演している。田中みな実(たなか・みなみ)プロフィール
1986年11月23日生まれ、埼玉県出身。2014年にフリーアナウンサーに転身。女優としても活躍の幅を広げ、2021年は「ずっと独身でいるつもり?」で映画初主演を務めた。近年の主な出演作にTBS系「最愛」(2021)、テレビ朝日系「ボーイフレンド降臨!」(2023)、フジテレビ系「あなたがしてくれなくても」(2023)、テレビ朝日系「Destiny」(2024)などがある。滝沢カレン(たきざわ・かれん)プロフィール
1992年5月13日生まれ、東京都出身。2008年に雑誌「SEVENTEEN」(集英社)開催のモデルオーディション「ミスセブンティーン2008」にてグランプリを獲得し、専属モデルに。その後、雑誌「JJ」(光文社)の専属モデルを経て、現在は「Oggi」専属モデルとして活動している。2019年からは役者にも挑戦し、映画「土竜の唄 FINAL」(2021年)、テレビ朝日「未来への10カウント」(2022年)など、数々の作品に出演している。
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