KAT-TUN亀梨和也「ゲームの名は誘拐」役作りの裏設定 イメージ一蹴する自身の素顔も【インタビュー】
2024.06.05 07:00
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KAT-TUNの亀梨和也(かめなし・かずや/38)が、6月9日スタートのWOWOW「連続ドラマW 東野圭吾『ゲームの名は誘拐』」(よる10時~/全4話)の囲み取材に出席。役作りについてや、共演者とのエピソードを語った。
亀梨和也主演「連続ドラマW 東野圭吾『ゲームの名は誘拐』」
原作は2002年に刊行された東野圭吾氏の小説『ゲームの名は誘拐』(光文社文庫刊)。主人公の広告代理店の敏腕プランナー・佐久間駿介(亀梨)が、手掛けていた大型プロジェクトから突如降板させられたことを機に、自分を引きずり下ろした大企業の副社長(渡部篤郎)に一矢報いるため、副社長の娘・樹理(見上愛)と共謀して狂言誘拐を企てたことから始まるミステリー。2003年に実写映画化され、2020年には同作を原案としたドラマが中国で制作されるなど、長年にわたる人気作である。亀梨和也、役作りの“裏設定”明かす
― 東野氏の作品には2018年のドラマスペシャル「東野圭吾 手紙」(テレビ東京系)以来の出演ですが、今作のドラマ「ゲームの名は誘拐」をご覧になった感想を教えてください。亀梨:すごく面白かったです。演じる身としては、結末が分かった上での芝居構築だったので、しっかりと役を組み立てられました。原作や映画ももちろん拝見して、WOWOWさんと「連続ドラマW 正体」(2022)以来のタッグを組ませてもらうということで、前回同様、髪型1つにしてもそうですけど、どういう洋服を着るのかというキャラクター作りをしました。当初制作チームで用意していただいていた車とかも、「ああでもない、こうでもない」って当時の亀梨くんが尖っていたのかどうか記憶が定かじゃないんですけど(笑)、お話して変更してもらったこともありました。キャラクター設定にすごく親身に寄り添ってくださって役を作っていけたので、初日から自分自身が佐久間としての身なりであったり、所作であったり、身に着けているもの、身近にあるものみたいなところがすごくスムーズに入れました。その環境があったからだと思うので感謝しています。
― 大手広告代理店のプランナー役ですが、実際に参考にした人物はいましたか?
亀梨:いましたね。決して100%反映したわけではないんですけど、0から1を作る段階では、こういう感じの方、ああいう感じの方っていうイメージを共有させていただきました。
― 身振り手振りが大きいように感じました。
亀梨:手は意識的にたくさん使いました。寄りで撮ってもらった時の目の表情とか、顔で伝えられるものもあるんですけど、今回はより具体的に感情を表現するために、ボディランゲージを意識的に有効的に使っていこうと思って。タイトルとか冒頭のシーンもそうなんですけど、“ゲーム”というところで、手を使う作業も面白くリンクしていけたら良いのかなって思っていたので、キャラクター作りの裏設定として“手”っていうのはキーワードに持っていました。
亀梨和也、役との向き合い方を語る
― 今作も「正体」同様に、色々とディスカッションしながら準備したとのことですが、昔から役へのアプローチ方法は変わらないですか?亀梨:作品とか現場にもよるんですけど、基本的には求めていただいたことに対してどう返せるのかっていうのはスタンスとしてあります。自分がどう表現したい、自分をどう思われたいっていうことよりも、何を求めていただいているのかっていうことを、まず自分の中でちゃんと理解して落とし込む。若い頃は、自分はこれが良いっていうものに対しての自信がきっと今以上にあったというか。今思えば何の自信か分からないんですけど(笑)、浅さが故ですね。けれど、年々自分がどれほどの人間なのかっていうのが分かってきたので、何かを構築していく時に、より多くの視点を持ちたい、より多くの意見を取り入れたいなって思っています。叩き台として何も用意しませんってことはもちろんないですけど、何かを提示してもらったからこそ言えることももちろんあるし、こちらが何か提示したから生まれる何かもあると思うんです。
そこの構築に関しては本当に難しいところではあります。例えば「笑ってください」って言われて「はい!」って言った通りに笑ってくれたから良い人なのか。「今は笑いより、こうじゃないかな」って意見を持って、結果笑ったとしてもその時間は無駄じゃないというか。言われた通り動くことの方が、正直1番楽だと思うんです。でもそうやって生きてこなかったタイプなので…アイドルなのに(笑)。元々「こういう見られ方はしたくない」「こんなことしたくない」っていうのはそんなになくて、望んでもらっているものをより良く構築するにはどうしたら良いのかなとか、どうやったら楽しんでもらえるかなというのを考えていますね。近年の方が何をやるにしてもそうですけど、共同作業を楽しみたいなっていうのはあります。
― 佐久間は大型プロジェクトから理不尽に降ろされたことをきっかけに狂言誘拐を実行しますが、プライドが傷ついた時に何か行動に出るというのは理解できますか?
亀梨:やっぱり人には自分では計り知れない側面はあるなっていう恐怖感はあります。絶対にダメなことなんですけど、1か月ぐらい何も食べてない状態で、誰かのご飯がポンッと置いてあったら、1粒、2粒絶対食べちゃうよな…みたいな。自分自身もそういう弱さは絶対持っているなって思うんです。1粒食べたら、あと1日生き延びられると思ったら、もしかしたら取ってしまう自分がどっかにいるかもしれない…みたいなことは常々テーマとしてあります。時にお仕事で、追い込まれ方を利用する時はありますけど、思いがけない形で追い込まれている時って、自分が思うような振る舞いもきっとできなくなってるでしょうし、その辺は気を付けなければいけないと思います。
亀梨和也、自身は「お茶目だと思います」
― 見上さんが、亀梨さんに対して「とにかく気が回る方ですが、ちょっとお茶目なところもあった」とコメントされていたのですが、撮影期間はどのようなやり取りをしていましたか?亀梨:僕は38歳になったんですけど、20代の俳優さんの方たちと共演させてもらう時は、未だに昔のイメージが強いんだなというのは感じますね。無口だと思われるんですけど、無口じゃないですし、ボケたがりです(笑)。大勢の人を前にした時に、ちょっと斜に構えてしまうというか、鎧を着てしまう習性があったので、それが印象に残っているのではないかなって。でも、僕自身としてはお茶目だと思います。“調子乗り”ってよく子どもの頃から言われていたので、多分本質は変わってないです(笑)。
― 現場では皆さんとお話する機会も多かったのでしょうか?
亀梨:座長をやらせていただくにあたって、ある程度の方向性を僕が示すというのは、お芝居以外の役割としてあるのかなと思っています。見上さんとは初めましてだったんですけど、色々コミュニケーションを取りながら、1シーンずつお互いに相談しました。今回は2話で綺麗な丘に行くんですけど、そこでどこまで彼女との関係値をもっていけるのかなっていうは最大のテーマでした。そこがちゃんと辿り着けないと、結末として大きく説得させられない気がしていたので、早い段階で見上さんに「ちょっとご飯行かない?」って言って、マネージャーさんを含めてお話をさせてもらう場を設けさせてもらいました。この作品に対する役柄上の関係値をどう掘り下げていくか、美味しいご飯を食べながら、良いコミュニケーションが取れたなと思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
亀梨和也(かめなし・かずや)プロフィール
1986年2月23日生まれ、東京都出身。2006年3月22日にKAT-TUNのメンバーとしてCDデビュー。近年の主な出演作はドラマ「正義の天秤」シリーズ(NHK総合)、「大奥」(フジテレビ系/2024)、「Destiny」(テレビ朝日系/2024)、映画「怪物の木こり」(2023)など。
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