新垣結衣、傷ついた経験は「乗り越える」ではなく「一緒にいる」デビュー当時からブレない“軸”に迫る【「違国日記」インタビュー後編】
<新垣結衣 映画『違国日記』インタビュー後編>
13歳に芸能界デビューを果たしてから、女優として第一線で活躍し続ける新垣結衣(あらがき・ゆい/35)。映画「違国日記」(6月7日公開)で演じた小説家の高代槙生(こうだい・まきお)を通じて見えてきたのは、10代の頃から変わらない新垣自身の“軸”だった―――。
新垣結衣&早瀬憩W主演「違国日記」
人見知りな小説家の高代槙生と、その姪・田汲朝(たくみ・あさ)の対照的な2人の同居譚。なかなか理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに家族とも異なった、かけがえのない関係になっていく。今、世界が必要としている、優しさの形を提示するヒューマンドラマが描かれる。新垣結衣、傷ついた経験は「乗り越える」ではなく「一緒にいる」
― 高圧的な姉に対抗し、“死ぬ気で殺す気で”と書き続け小説家になった槙生は「姉が嫌い」という気持ちが原動力であり、彼女自身の軸の1つとなっていたのだと感じました。新垣さんも、これまで誰かの心無い言葉などを投げかけられても、それを原動力に何かを成し遂げた経験はございますか?新垣:心ない言葉に傷ついた経験はあるだろうとは思いますが、それを原動力にして、何かを貫くというところまでは行ったことがないです。普通に凹んでしまいます…。でも、たとえば出演した作品への反応と感想に関しては、ご意見として「こういう表現をしたものがこういう風に伝わることがある」と学びにすることはあります。それは、作品に対しての感想だけではなくて、人と話している時にも、自分の意図と違う反応が来た際に「こういうふうに伝わってしまうこともあるんだ」と反省します。
新垣:乗り越えたという意識はあまりないのですが、気持ちが落ち込んでしまっても明日は来るし、やらなければいけないこともあるし、それに向き合っているといつの間にか時間が経っていて。忘れていることもあれば、ふとした時に思い出してドキッとすることもあるので「乗り越える」というより「一緒にいる」という感じがします。
新垣結衣の「変わらない自分」とは
― 「自分の気持ちを言語化する」ということも本作に欠かせない要素だと思ったのですが、ご自身は日常的に自分の気持ちを整理したり、言語化したりする機会を設けていらっしゃいますか?新垣:まさにこういったインタビューがそうです。インタビューを受ける機会はとても多いので、そういう時に口に出すと輪郭がぼやけていたものがどんどんクリアになっていく感覚があって「あ、私ってこういうこと考えていたんだ」と気づくことが本当にたくさんあります。それと同時に「もっといい表現があったはずなのに」と語彙力のなさに苦しむこともありますが、日々修行という感じです。プライベートでも言語化して口に出すことで頭が整理されることはあると感じます。家族や友達に思っていること、感じていること、今吐き出したいことを全部聞いてもらって、1回頭の外に出して客観視することはよくあります。
― 最近口に出した考えで「自分はこういうことを思っていたんだ」と気づいたことは具体的にありましたか?
新垣:「自分はこういうことを思っていたんだ」と気づいたというより、「つくづく考えていることが変わらないな」と気づくことがありました。ずっと何年も前から言っていることが変わらず、新しい話題がないから申し訳ないと思ったり、話し尽くした感覚になる時もあります。
― ずっと考えていることが変わらないということは、ずっと新垣さんの軸がぶれずに変わっていないということでもありますよね。
新垣:もちろんそこに肉付けされて幅は広がってはいると思うのですが、基本的な根っこのところは本当に変わらないので「人ってそうそう変わらないんだな」と身をもって感じています。
― 新垣さんにとって「変わらない自分」とはどのようなところですか?
新垣:たとえば、仕事への向き合い方を聞かれる機会が多いのですが、本当に「私ができることをやるしかない」「その時その時でできる限りのことをしている」という気持ちなんです。ありがたいことに10代の時から、主役やメインキャストとして作品に出演させていただくことが多かった中で、自ずと責任感を抱えていたり、難しさに悩んだり、苦手なことや怖いと思うことがなくならないのは変わらないなと思います。でも肉付けされた部分としては「一生懸命やる」「出来る限りの力を尽くす」ということにプラスアルファで「楽しみたい」という気持ちを持っています。
新垣結衣「違国日記」で得た学び
― 2023年10月のインタビューで「夢を叶える秘訣」をお伺いした際に「自分なりの誠実さを持って、やるべきことに向き合うこと。毎回完璧にできなくても、自分なりに力を尽くして一生懸命向き合えばいい」とお答えいただきました。本作にも一生懸命向き合い、槙生を演じられたと思いますが、その経験を通して得た学びはありましたか?新垣:それは今後生きていく中で「あの時こうだったな」と「違国日記」の現場のことを思い出した時に気付くような気がします。
今回も私が本当に好きな作品で、主人公を演じるプレッシャーや怖さはありましたが、一生懸命向き合ったので「できることは尽くした」と今終わってみて言えます。もちろん、これから公開されてたくさんの方に見ていただいた時の反応にはとても緊張しますが、どんな意見があったとしてもこれからの学びにしたいですし、もし喜んでくれる人が1人でも多くいたら嬉しいです。そう思えるのは一生懸命向き合ったからだと思うので、この今の気持ちが得た学びです。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
新垣結衣(あらがき・ゆい)プロフィール
新垣は1988年6月11日生まれ、沖縄県出身。2001年にファッション誌『ニコラ』モデルグランプリを獲得し、デビュー。2007年には『恋するマドリ』(大九明子監督)で映画初出演にして初主演を務めた。その後も、ドラマ『ドラゴン桜』(TBS/2005)、『コード・ブルー』シリーズ(フジテレビ/2008~2018)、映画『恋空』(2007)など数々の作品で活躍を続け、主演したドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS/2016)は、社会現象となるヒットを記録した。ほかにも近年では、映画『ミックス。』(2017)『ゴーストブック おばけずかん』(2022)、『正欲』(2023)、ドラマ『風間公親-教場0-』(2023)など幅広く出演している。
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