<千葉翔也インタビュー>先輩の言葉に感激 ソロアーティストデビューへの想い語る
2024.01.17 17:15
声優の千葉翔也が17日、ファーストEP「Blessing」にてソロアーティストデビューを果たした。ジャンルレスな楽曲が揃うEPだが、千葉はどのような思いを込めて本作を完成させたのか。表現者として大切にしているマインドや、ソロアーティストとしての夢を語ってもらった。
千葉翔也、先輩の言葉に感激
ー ファーストEP「Blessing」のリリース、そしてソロアーティストデビューおめでとうございます!昨年の10月にソロデビューすることを発表されましたが、デビュー決定後の心境はいかがでしたか?千葉:ありがとうございます!発表前からEPの制作は始めていましたが、EPが完成したのはソロデビュー発表の生配信後でした。なので、発表した当時はまさに制作真っただ中というタイミングだったんです。そこからリード曲のミュージックビデオのShort ver.を出したり、アーティスト活動の色々な発表をしていく中で、多くの方に祝福の声をいただけて嬉しかったです。周りの方に支えてもらいながら、最後まで曲を作り切れたなと思います。
ー ソロデビューに対する楽しみと不安では、どちらが大きかったのでしょう?
千葉:ソロアーティストデビューのお話しをいただいた時は、本当に嬉しさ99%でした!あとの1%は「僕がキングレコードさんからデビューしていいのか」という思いですね。キングレコードさんは僕が学生の頃から“大いなる存在”になっていましたので(笑)。もちろん漠然とした不安はありました。本当に「自分ごときが」と言ったらあれですけど(笑)。楽曲に関しては全く心配していなくて、周りのスタッフさんは“僕”という存在を先入観なしで評価してくれていて。「良いものは良い」と言って、改善の余地があると思ったらちゃんと言葉にしてくれる。そういった意味でも楽曲に対する不安はありませんでした。
ー 先ほど少しお話がありましたが、ソロデビュー公表後の周囲の反応で嬉しかったものは?
千葉:同じ作品で共演することが多い内田雄馬さんがレーベルの先輩になるんです。僕は以前雄馬さんのワンマンライブを拝見させてもらったのですが、ものすごく規模も大きくて、パフォーマンスのクオリティも素晴らしくて感動しました。そんな雄馬さんから「ソロデビューが楽しみ」と言ってくださったことはすごく嬉しかったですね。ちゃんと一個人として見てくださっているのも嬉しいですし、先輩の言葉としてもすごく心強かったです。これまで一緒の作品に関わってきた方に報告をさせて頂いた時も、すごく喜んでもらえて。ちゃんと人間関係を築けているんだなって感じました(笑)。
ー 報告するのは少し不安な部分も?
千葉:「こんな話を直球にされても…」と思われたらどうしようという不安はあったんですが、みなさん「報告をくれてすごく嬉しい」と言ってくれたんです。その言葉はこれまで活動してきた賜物なのかなと感じ、すごく嬉しかったですね。
千葉翔也が初の作詞に挑戦
ー 1月17日にファーストEP「Blessing」がリリースされました。それぞれの楽曲について、コンセプトやこだわったポイントなどを聞かせてください。まずは、作詞も担当されているリード曲「Blessing」についてはいかがですか?千葉:実は1曲目に収録されている「Iʼ ll be」を先に作り、その後に「Blessing」の制作にとりかかりました。「Iʼ ll be」では英語の歌詞も使っていたので、「Blessing」は出来るだけ英語を使わずに制作したいという気持ちで歌詞を書いていました。というのも、英語が聞き取れなかったり、意味が分からなかったりすることってあると思うんですが、誰が聴いても意味が伝わる楽曲を作りたいという思いがあったんです。
ー 「ステージ」などの歌詞はありますが、全て馴染みのある言葉ですね。
千葉:そうなんです。デモ曲をいただいた時にタイトルに「wind」と入っていて。力強い楽曲になればと思いつけてくれたタイトルだったと思うんですが、「じゃあ自分にとって風(wind)とは何だろう?」という部分のイメージを膨らませて楽曲を作っていきました。
ー 千葉さんにとって、風とはどんな存在ですか?
千葉:風はすごく身近な存在です。僕は晴れた日に風を浴びるのがすごく好きなんですけど、風は日々流れていて、天気が悪い日にも風は流れている。「自分にとってそういう存在って何だろう?」と考えた時に、まずは自分自身だなと。「昨日の自分が見たときに、胸を張れる今の自分でありたい」という気持ちが強く、そのイメージを楽曲にしていきました。
ー そうだったんですね。
千葉:昨日の自分は過去の存在なので、否定されがちな存在だと思うんです。人見知りな自分がうまく喋れるようになった時に、ちょっと寂しい気持ちもあり(笑)。「不器用でも真剣に人とコミュニケーションを取ろうとしていたな」と感じるんです。そういった自分の中から消えてほしくない部分ってすごくあって。「どうしたら昨日の自分ごと背負っていけるかな?」と考えた時に、常にあるけど目には見えない、でもそこにいてくれる存在を“風”と喩えて歌詞の中に入れました。過去の自分から今の自分へかける言葉として「Blessing」の歌詞を書きました。
ー 1曲目に収録されている「Iʼ ll be」は、前向きな歌詞と疾走感のあるメロディに勇気づけられる楽曲だと感じました。
千葉:「Iʼ ll be」はアーティスト活動への意思表示の楽曲になっています。「Blessing」もそうだったんですが、スタッフさんから「どういった活動をしていきたいか書き出してみて」とオーダーをいただき、「自分にとっての活動とは何だろう?」と考える機会がありました。今の時代に新しい言葉はなかなか生まれないと思うし、僕がニュー単語を作るのもできないけど(笑)今まであった言葉を「もっと良い意味に捉えられるんじゃない?」と僕自身だけではなく皆さんにも感じてもらいたいという思いがありました。「それって定義づけっぽいな」という思いから“定義する”という意味を持つ「define」が最初に思いつき、歌詞に入れました。
ー 2曲目の「Hi-Five!」はライブで盛り上がりそうな楽曲ですね。
千葉:ライブで歌えたらいいなという気持ちで作りました。「ハイタッチ」をモチーフにした楽曲でもあって、ギターを持って歌ってもいいし歩き周りながらラフに歌ってもいい。とにかくこの楽曲でみんなが楽しめる空間ができたらと思います。すごく自分らしい曲だなと感じます。
ー 3曲目の「感情論」には、どのようなストーリーがあるのでしょうか?
千葉:「感情論」だけ、他の曲と収録された経緯が違うんです。作家さんから募集した楽曲のコンセプトには合っていなかったけど、「この曲めちゃくちゃ良い!」と思い、別の曲の候補でいただいた中からピックアップした曲なんです。なので元々は歌詞も全然違いました。EPに入れるために調整させてもらい、今の楽曲になりました。実はラップも元々は無かったんですが、「ラップをやりたい」とお願いして入れています。他の曲と合わさることで、悩んでいる自分をくっきりと想像してもらえる楽曲になったと感じます。
ー 3曲目まではテンポのよい楽曲が続きましたが、4曲目の「WISH」はゆったりとしたテンポになっていますね。
千葉:お世話になっている小野貴光さんという作家さんが、アコースティックというよりも、すごく壮大な曲を作ってきてくださって。僕も含め制作陣の方が「アコースティックに収まるよりも、こういった曲で1枚目のEPから攻めていきたいね」という総意になりました。ただ発注の際にお伝えしている「聴いてくださっている方に日々笑顔でいてほしい」という思いはしっかりと反映されているんです。壮大な楽曲ですが、歌詞はストレートでそのギャップがEPの幅を広げてくれたと感じています。とても気に入っています!
ー EPの全体的なコンセプトや狙いもあれば教えてください。
千葉:制作陣の方が「この曲は盛り上がる」とか「ここで落とす」などのおおまかな流れを一緒考えていきました。ただ曲を発注する時には「千葉くんはこの曲でどんなことを伝えたい?」と聞いてくださったので、そこに意見を入れ込ませてもらって1曲1曲違うアプローチを設けたEPになっています。聴いてくださる方が笑顔になってほしいというのが全体の大きなコンセプトにはなっています。
千葉翔也、アーティストデビューは「感慨深い」
ー ここからは千葉さんご自身のこともお聞かせください。2015年から声優としての活動を開始されましたが、いつごろからソロアーティストになりたいと考えていたんですか?千葉:歌のお仕事でいうと声優になる前から考えていました。声優の養成所に通っていたんですけど、そのタイミングから「どうやったら音楽をお仕事にできるかな?」と思っていて。「デビューしてドーム公演をやるんだ!」と養成所の先生にも言っていましたね(笑)。ただ仕事を始めてみると、自分一人の名義で曲を出すことのハードルの高さや、やりたいからやれるものじゃないんだなと痛感して…。こうしてソロアーティストだと言えるようになったこと自体、非常に感慨深いです。
ーソロアーティストになることを夢見ていた当時の自分に、言ってあげたいことはありますか?
千葉:「もっと人に言え!」って思いますね。性格的にも空気を読んでしまう部分があるんです。養成所は夢を語る機会が多いんですが、仕事をスタートした瞬間に大人ぶってしまっていたので。もっとさらけ出していたら、新たな出会いが増えるはずなので。なので「もっと人に言え!」は言っておきたいですね(笑)。
ー (笑)。千葉さんの活動の原動力となっているものは?
千葉:僕が関わった作品や歌で「少し人生が変わった」と思ってもらうことです。大げさな言い方になりますが、例えばペットを飼っていたら動物の映画にも感情移入しやすいと思うんです。自分でも自覚できないくらいの些細な変化を、良い方向に持っていければと思っています。「新しいことを始めました」や「あの作品の影響を受けてコンサートに行くようになりました」などのお声をいただけた時は「やってよかった」とやりがいを感じます。
ー 過去の経験があるからこその考え方かなと思うのですが、千葉さんが影響を受けた作品はありますか?
千葉:アニメを観て泣くようになったなと年々感じます。泣いた経験ってすごく覚えていて、小学校の時にみんなで観た映画のこともずっと覚えています。ミュージカルを観るのもすごく好きなんですけど、ハードルが高いと感じる方も多いと思います。突然歌が始まったり、歌詞が聞き取れなかったらストーリーに置いていかれると感じる方もいると思うんです。でも、それを超越して「ものすごく感動できる」ものが詰まった作品はたくさんあるんです。
千葉翔也のプライベートの目標は?
ー 2023年を踏まえて、2024年はどのような1年にしたいですか?千葉:2023年はデビューの準備をしていたら、あっという間に終わってしまいました(笑)。声優としては後輩も結構増えてきていますが「先輩らしくせずに自分らしくいた方が後輩のためにもなる」というのが一番いいなと思っています。例えば元気に挨拶している新人の方を見た時に「自分も変に落ち着かないようにしよう」と、意識した1年でもありました。2024年はアーティストはもちろん声優としても「新人の気持ち」でやっていきたいと思います!
ー プライベートの目標などもありますか?
千葉:「人間ドックに行かなきゃ」と思いながら、1回も行けていなくて(笑)。僕は本当に強制されないと行けないタイプで、学生の頃も健康診断は1回きりで(笑)。活動の幅が広がり忙しくなる部分もあると思うので、そういう時こそ本当に健康は大切。30歳を前に1度生活リズムを整えたいなとも思っています。
ー 少し先にはなりますが、2024年5月11日~5月12日に開催される「KING SUPER LIVE 2024」への出演も決定しています。意気込みなどお聞かせください。(千葉翔也は5月12日に出演)
千葉:そうそうたる先輩方の中に自分の名前があって大変ありがたいです。イメージしようと思ってもできないぐらい、またとない機会をいただけたなと思っています。先日撮影の合間にたまたま近くでご一緒した先輩アーティストの方からも温かいお声をかけていただいたんです。そんな先輩の前で恐縮するのは失礼だと思ったので「自信を持って作ったEPがあるから、ここはとにかく今の僕を皆さんに届ける」ことを意識してライブをしようと思っています。「楽しんで終われたら、人生の中でも屈指の思い出になるなぁ」と大げさながら思っています(笑)。
千葉翔也の夢を叶える秘訣
ー 最後に記事を読んでいる若い読者に向けて千葉さんの「夢を叶える秘訣」を教えてください。千葉:先ほどの話とも繋がっていますが、夢があっても否定されるのが怖くて、曖昧な言い方をしてしまうことって多々あると思うんです。ただ夢を語る時は曖昧だったり謙遜はしないことが大切だと思います。前向きな言葉で夢を語れる人は、めちゃくちゃ強いなと感じます。
ー しっかり言葉にすることが大切だと。
千葉:そうですね。そういった強い言葉って何年経っても覚えているものなので。「せっかく夢を持っている自分をネガティブな言葉で誤魔化さないこと」が大切です。「どうせできないかもしれないけど」みたいな言葉は、不安が軽減されるかもしれません。でも自分の中のエネルギーが減っちゃう気がするし、その話を一回聞いた人にとっては「夢に対してそんなに思い入れないんだ」と受け取られてしまう。もちろん努力することも必要ですが、せっかくなら夢はポジティブに語るのが秘訣かなと思います。
ー ずばり千葉さんのソロアーティストとしての夢は?
千葉:「楽曲によって作品がより良く思えるアニメのタイアップ曲を作ること」が、直近のリアルな夢かもしれないですね。自分も声優として作品に出させていただいている時に「この曲があったからこのアニメはより面白かった」と思うことが多くて。自分もそれを成し遂げられたら「アーティストだ!」と更に胸を張って言えると思います。その次の大いなる夢は、僕にとって昔好きなアーティストのライブで泣くほど感動したこともあり思い入れのある横浜アリーナでライブをすることです!
ー ぜひ実現させてください!ありがとうございました。
(modelpress編集部)[PR]提供元:キングレコード株式会社
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<CD>
1.「I’ll be」
作詞:千葉翔也 作曲・編曲:小野貴光
2.「Hi-Five!」
作詞:磯谷佳江 作曲・編曲:小野貴光
3.「感情論」
作詞:吉田優斗 作曲:AILI/吉田優斗 編曲:AILI
4.「WISH」
作詞:磯谷佳江 作曲・編曲:小野貴光
5.「Blessing」 ※リード曲
作詞:千葉翔也 作曲・編曲:加藤祐平
<M-CARD> ※初回限定盤のみ
・「Blessing」Music Video
・1st EP「Blessing」MAKING 収録予定
※MAKINGはレコーディングやジャケット撮影、Music Videoへの密着を予定しています
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