「いちばんすきな花」美鳥役・田中麗奈、“キーパーソン”演じるうえでのこだわり 松下洸平からの言葉も明かす<インタビュー>
俳優の多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠が“クアトロ主演”を務めるフジテレビ系木曜劇場『いちばんすきな花』(毎週木曜よる10時~)に出演している田中麗奈(たなか・れな/43)。物語のキーパーソンとなる彼女に、演じる上で大切にしていること、プレッシャーとの向き合い方などについて語ってもらった。<インタビュー>
多部未華子・松下洸平・今田美桜・神尾楓珠主演「いちばんすきな花」
本作は、4人の俳優が主演を務める新しい形の“クアトロ主演”ドラマ。“男女の間に友情は成立するのか?”をテーマに違う人生を歩んできた4人の男女が紡ぎ出す“友情”と“恋愛”、そしてそこで生まれるそのどちらとも違う“感情”を丁寧に描いていく、くすっと笑って、ふわっと泣ける、新しいスタイルのドラマとなっている。第7話にて、潮ゆくえ(多部)、春木椿(松下)、深雪夜々(今田)、佐藤紅葉(神尾)には、志木美鳥という共通の知り合いがいることが分かり、それぞれとの回想シーンが描かれた。そんなキーパーソンとなる美鳥を田中が演じる。
田中麗奈「いちばんすきな花」美鳥役にプレッシャー
― オファーを受けた理由を教えてください。田中:すごく独特な世界観で「好きだな」と思いました。みなさんのイメージが役にとても合っていたので、美鳥役が自分に来たということは、私にそういったイメージがあったから声を掛けていただいたのだろうと思えたのも理由の一つになりましたし、美鳥を演じている自分も自然と想像できました。脚本を読み進めると、役割がとても大きく、プレッシャーはありましたが「やるしかない」と思いお受けすることにしました。
― ドラマを観た感想はいかがですか?
田中:すごく優しくて繊細なドラマだと思いました。言葉遊びもあって耳に残るセリフが多いですし、哲学的な言葉や格言もあるので、リラックスして観ながらもグサッと刺さるような不思議な感覚のドラマです。出演することが決まってからは楽しみというよりも観ると緊張が大きくなり、また、ドラマを観る目線も変わって、細かいところを気にしてしまいますし、やっぱりプレッシャーを感じていました。
今でも視聴者の方が美鳥を受け入れてくれるのかなという気持ちがありますが、最後までプレッシャーを感じ続けることが今まで作品を作ってきたチームのみなさんに対しての礼儀、敬意でもありますし、それを受け入れて表現の力にしようと意識しています。
田中麗奈「いちばんすきな花」美鳥役の反響
― 美鳥の正体に注目が集まっているなかでの登場でしたが、視聴者の反響はいかがでしたか?田中:自分の中で「美鳥じゃない」「田中麗奈かよ」というネガティブワードをとにかくたくさん考えて、傷付かないようにして「実際にバッシングが来たら慰めてください」と夜々ちゃんに言っていました(笑)。初めての出演シーンが放送されたときは撮影をしていたので、リアルタイムで視聴者の方の反応を見ることはできなかったのですが、撮影が終わった後に村瀬健さん(プロデューサー)が携帯を握りしめて立っていて「やっぱり田中さんで良かったです」と反響を見せてくださりながら「泣きそうになりました」と言っていたのですが、もう涙が出ていて(笑)、そのときにまずは第一関門を突破できたかなと思いました。村瀬さんが涙して喜んでくださったところを見られたことが一番嬉しかったです。
田中麗奈、多部未華子と役を作り上げる
― 美鳥を演じる上で大切にしていることは何ですか?田中:4人が本当にすごく良い雰囲気なので、その世界観は大事にしたいです。1人の方と対峙したときには、その人をとにかく大切に思うことを大事にしていました。
ゆくえちゃんが「いちばんすきな花」の世界観を全部体現していると思うので、声のトーン、強弱などを合わせてみたのですが、それがすごく心地良かったです。ゆくえちゃんと一緒にいるときが美鳥のベーシックな状態だと思うので、そこがバチッと合ったときに、すごく心地良かったですし、ゆくえちゃんのおかげで美鳥を作り上げることができました。ほかの作品でも声のトーンなどは気にしますが、今回はいつもより敏感になっていたと思います。
田中麗奈、多部未華子とは子供の話
― 多部さん、松下さん、今田さん、神尾さんとの裏話を教えてください。田中:みなさん、15ページ以上にも渡る長いお喋りのシーンを撮影されているので本当にすごいです。会話は一つひとつに意味があって内容も明確なものが多いかと思いますが、今回描かれているお喋りはテンポ良く進んで、雑談も入りながら話題が行ったり来たりして、途中コーヒーを淹れるなどの動きも入ってくるんです。そのお喋りがこのドラマの一つの醍醐味であり、視聴者の方が楽しんでいらっしゃる部分だと思いますが、それはすごく難しいことで、ナチュラルにやっている4人はレベルの高い、素晴らしい役者さんたちだと思います。4人のチームワークが素晴らしく、空気感も素敵でずっと観ていたい気持ちです。
― 何かお話することはありましたか?
田中:多部ちゃんとはお互いの子供の話をしましたし、美桜ちゃんとは地元が福岡という繋がりがあるので、地元の話をしていました。神尾さんには私が今までのドラマの感想を伝えてて、それに答えてくれます。松下さんからは「美鳥さんのことみんな待っていました!全キャスト、スタッフが『オファー受けてくださってありがとうございます』と思っていますよ」とおっしゃっていただき、嬉しいのですがお話を聞けば聞くほどまたプレッシャーになって…(笑)。そのような感じでみなさん人柄も良く、パーフェクトです。
裏ではよく4人でカードゲームやジェンガをされていて、私も一度参加させていただき、少ない数を持っている人からカードを出していくゲームをやったのですが、自分が何を持っているかは言わずにアイコンタクトで進めるので「なるほど。こうやってコミュニケーション能力を高めているのか」と思いました(笑)。そのように4人のチームワークができていったのだと感じました。
田中麗奈、男女の友情に持論
― 主人公4人の中だったら誰に共感しますか?田中:同性ですし、ゆくえちゃんかもしれないです。夜々ちゃんは完全に親戚のお姉ちゃんとして妹目線で見ているので、ゆくえちゃんとは、先生と生徒という関係であっても友達のような感覚だったので一番近いと思います。
― ドラマのテーマでもありますが、男女の友情は成立すると思いますか?
田中:YESでもNOでもないと思います。成立する場合もしない場合もどっちもあると思いますし、人それぞれで状況によっても変化していくものですし、変化していかないとおかしいとも思います。成長するにつれてそれぞれの人生の状況も変わるので、小学生の気持ちのまま大人になるのも違いますし、大人になったら大人になったで相手も自分も状況が変わってくるので、男女の友情は“ある”“ない”だけではないと思います。
田中麗奈、子供のときから役者目指す
― 美鳥が子供の頃の将来の夢を話したシーンがありましたが、田中さんが子供の頃に描いていた夢はありますか?田中:子供の頃からお芝居をしたいと思っていました。これからも続けていきたいです。
― 現在の夢はありますか?
田中:全く無いですが、それでも良いと思っています。小さいときは「夢を持って」と言われ続けてきましたが、夢を持つことは素晴らしいことでもあり、苦しいことでもある。私自身この仕事をやりたいと思う気持ちや理想はあっても届かないことが苦しすぎて「こんな夢を持たなければ良かった」と思ったことがあります。夢は覚悟の一つでもあるので、夢を持つことで前進もできますが、自分を痛めつける要素でもあるので「夢を持ちなさい」とは子供にも言わないようにしています。好きなことを見つけてやりたいと思ったらやったら良いですし、そのやりたいことを夢とするならそれで良いと思います。
― 視聴者の方へメッセージをお願いします。
田中:生方美久さんの脚本は読み進めば読み進むほど、クロスワードを解いていくように「何話で言っていたこのテーマが今ここに来ているんだ」と解読していく面白さがあるんです。それは10、11話に行けば行くほど明確になってくるので「やっぱりそうだったんだ」「そこが繋がっていたんだ」「このテーマの着地点はここだったのか」と知的感覚のような部分を満たしてくれます。哲学的な言葉、格言も入っていて「自分にもできるかな」と思えますし、ストーリーがとても盛り上がっていきますので、言葉を大事に聞いてもらえたら嬉しいです。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
田中麗奈(たなか・れな)プロフィール
1980年5月22日生まれ、福岡県出身。幼少期から女優を目指し、映画『がんばっていきまっしょい』(1998年)で主演を演じ女優デビューし、「第22回 日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞。その後も映画『はつ恋』(2000年)や映画『犬と私の10の約束』(2008年)、『幼な子われらに生まれ』(2017年)、など、数多くの映画作品に出演。ドラマでは、『Over Time』(1999年/フジテレビ系)に出演。その後、『猟奇的な彼女』(2008年/TBS系)、大河ドラマ『花燃ゆ』(2015年/NHK)、『真昼の悪魔』(2017年/東海テレビ・フジテレビ系)などに出演。「いちばんすきな花」第10話あらすじ
志木美鳥(田中麗奈)は潮ゆくえ(多部未華子)、春木椿(松下洸平)、深雪夜々(今田美桜)、佐藤紅葉(神尾楓珠)と一緒に、椿の家で食事をした翌日、北海道へ戻ることに。そして、美鳥は空港まで見送りに来たゆくえに、5人で会ったのは楽しかったが、「5人は、違うのかも」と話し4人の仲の良さを感じたことを伝えた。その夜、春木家にいつものように4人が集まった。ゆくえは椿たちそれぞれに美鳥からの伝言を預かったと切り出し、報告し始める。一通り伝え終わると夜々と紅葉はそれぞれリビングを出ていくが、その様子を確認したゆくえは椿に「そこの公園、桜が咲くから春まで住んでみて欲しかった」と美鳥に言われたことを話した。夜々と紅葉が聞いたら「じゃあ、春まで」と言い出しかねないと、2人がいる前では言わなかったのだ。
ある日、夜々と紅葉は美鳥のことなどを話しながら居酒屋で飲んでいると、近くの席で飲んでいた紅葉のバイト先の同僚、園田拓真(世古口凌)と松井隼人(川本光貴)に声をかけられる。園田たちは、夜々を紅葉の恋人と勘違いしてからかい始めた。紅葉はこらえているのだが、夜々が応酬し始めて…。
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