宮沢氷魚「パラサイト」舞台化への責任感とプレッシャー「期待をいい意味で裏切れると思う」<モデルプレスインタビュー>
2023.05.16 17:00
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世界的ヒット映画「パラサイト 半地下の家族」が、日本版「パラサイト」として舞台化。6月5日より東京・THEATER MILANO-Za、7月7日より大阪・新歌舞伎座にて上演される。
俳優の宮沢氷魚(みやざわ・ひお/29)は、“寄生する一家”の長男・純平役に抜擢された。人気作舞台化にかける思い、物語の軸を握ることへの責任感、そして「皆さんの期待をいい意味で裏切れる」と語った真意とは?新たな挑戦についてたっぷりと語ってもらった。<モデルプレスインタビュー>
舞台「パラサイト」
社会問題化している「格差社会」というテーマを描きながらも、所々に散りばめられた緻密な「伏線」や「テーマ性」が話題を呼び、“ジャンルを超えた傑作”として世界の映画賞を席巻した映画「パラサイト 半地下の家族」。日本版「パラサイト」では90年代の関西を舞台に、舞台ならではの衝撃のラストをお届けする。物語の中心となる、裕福な家庭に次第に寄生していく金田一家のキャストには古田新太、宮沢、伊藤沙莉、江口のりこが肩を並べ、台本・演出は脚本・演出家の鄭義信が担当する。
宮沢は、文平(古田)の息子で、身分を偽造し高台の豪邸に住む永井家の家庭教師としてアルバイトを始める純平を演じる。
宮沢氷魚「パラサイト」日本舞台化への思い
― 世界的ヒットした「パラサイト 半地下の家族」の舞台化ということで、出演が決まった際に「大好きな映画で、舞台化に楽しみで仕方がない」とコメントされていましたが、舞台が6月に近づいてきた今のお気持ちを教えてください。宮沢:まだ稽古が始まってないので(※取材は4月上旬)、まだどういう舞台になるかわからない部分がたくさんあるのですが、台本はすごく面白くて、何よりもキャストがとても豪華なので、間違いなく面白くなると自信を持っています。あとは稽古でどれだけクオリティーの高い作品が作れるかというところに、今は緊張感を持ちつつ、楽しみな気持ちでいっぱいです。
― 世界的人気映画を舞台化することは挑戦的でもあると思うのですが、舞台化を初めて聞いた時はどんなお気持ちでしたか?
宮沢:世界中の映画賞を取った作品なので、もし舞台化するのであれば、本国の韓国か、またはアメリカかなと思っていたところ、まさかの日本での舞台化だったので驚きました。僕が純平という役に決まった時も、映画・舞台ともに僕の役が物語の軸になっていて、話の流れを全て握っているのでその責任感みたいなものは感じました。
― 元々注目が集まっている作品ということで、プレッシャーを感じることもありますか?
宮沢:ありますね。皆さんの期待値が高いので、あとはストーリーの流れもご存知であるからこそ、期待を裏切らないようにしたい。ですが、時には裏切っていきたいところもあって…舞台だからこそできる演出世界観を作っていきたいです。設定が韓国から日本の関西に変わっているので、日本らしさや関西の魅力も入れていきたいです。
宮沢氷魚、舞台「パラサイト」で難しいと感じる部分
― 改めて純平役への印象を教えてください。宮沢:すごく頭がよくて、計算高い。「計画に抜かりない」というセリフが何度かあるように自分の計画には自信があって、最終的にその自信がトラブル起こす原因にもなりますが、責任感は人一倍強いです。家族の幸せや、その時過ごしている生活から逃げ出したいという思いは強いので、その辺の頭の賢さと行動力というものがバランスよく表現できたらいいなと思っています。
― ご自身と重なる部分はありましたか?
宮沢:僕も長男なので家族をまとめたり、弟と妹の面倒を見たりといった役割がありました。純平の感じている気持ちはわかるところもあるので、演技に入り込みやすいと思います。
― 台本を読んでみて難しそうだと思った部分はありましたか?
宮沢:僕の中で一番のハードルは、初めての関西弁です。僕のセリフが他の方と比べると一番多くて、何ページも永遠と語るシーンもあるので、楽しみですが少し心配で(笑)。大阪公演もありますし、本場の大阪で演じた時に皆さんが「あいつちゃんとできてんじゃん」と思ってもらえるくらいのレベルまでには持っていきたいな(笑)。
― 関西弁はどのように練習されているのですか?
宮沢:自分のセリフの部分を音源でいただいて、それを毎日のように聴きながらその音源を片手に練習に行ったり、あとは関西出身の制作スタッフの方に教わったりしています。明日も方言の練習をする予定です!
宮沢氷魚、舞台化は「皆さんの期待をいい意味で裏切れる」
― 映画と舞台でギャップがないように意識していること、逆に舞台での違いを見せるために意識していることを教えてください。宮沢:映画の完成度がとても高いので、映画からヒントを得て、キャラクターの雰囲気や温度感は近いものを表現したいと思っています。映画との違いというと、設定が日本になっているので、シチュエーションや言葉など、皆さんがより共感しイメージしやすいものになっています。
結構大事なシーンが映画とは少し違うので、そこは多分皆さんの期待をいい意味で裏切れると思います。ストーリーを知っているからこそ、次何が起こるかわかっていると思うのですが、「次こうなんだろうな」と思ったら、「あれ?違う」という驚きがあると思うので、それをぜひ楽しんでほしいです。
― それは楽しみです!まだ稽古が始まっていないとのことですが、舞台だからこそ動きにも意識することもがあるかもしれませんね。
宮沢:今回は会話劇なので動きが激しく加わることはあまりないと思うのですが、実は動きがあった方が表現しやすい部分もあるので、“動かないこと”への難しさもあります。でも、だからこそ、言葉をすごく大事にするだろうし、僕は今回初めて舞台で会話劇をするので、とても楽しみです。
宮沢氷魚、ベテラン俳優陣との共演で楽しみにしていること
― 初めて舞台で会話劇をするということで、共演の方々との結束がより必要になりそうですね。宮沢:古田さん、伊藤さん、江口さんは、色々な現場をご経験しているし、キャリアも長いので、恐らく皆さんの力を借りることになると思います。だからこそ僕は自由に思ったことを演じてみようと思います。
― 古田さんたちとの共演で楽しみにしていることは?
宮沢:僕は登場人物のおそらくほぼ全ての人と、同じ瞬間に舞台に立っている時間があると思うので、皆さんの芝居を直接体験ができ、共に芝居ができるということがすごく楽しみです。全員と何か言葉を交わすことや、同じ瞬間に舞台にいることがない舞台作品もあるので、喜びでもあり、刺激にもなりそうだと思っています。
宮沢氷魚、舞台期間は2~3キロ体重減
― 1ヶ月以上の長期に渡る舞台ですが、体力作りをしていく予定はありますか?宮沢:アクションがある作品ではないので舞台に最低限の、怪我をしない体作りは意識していて、あとは発声のトレーニングは定期的に行っています。いつも舞台期間に入るとエネルギーを使うからかすごく痩せるので、いつも以上に食事を多めにしたり、エネルギーになる食事を摂ったりしたいと思っています。
― 「すごく痩せられた」ということですが、以前はどのくらい痩せられたのですか?
宮沢:気がついたら2~3キロ体重が落ちていました(笑)。多少落ちる分にはいいですが、落ちすぎると体力も落ちるので、今の体重や体型を保ちたいなと思っています。普段から料理もしていますし、舞台に入ると遅くまで稽古をするので時間がなくなってくると思うのですが、その中でもできることはしていきたいです。
― ありがとうございます。舞台上演を楽しみにしています!
★インタビュー後編では宮沢の悲しみを乗り越えた方法や夢を叶える秘訣、今後の夢について語ってもらっている。(modelpress編集部)
宮沢氷魚(みやざわ・ひお)プロフィール
生年月日:1994年4月24日/出身:アメリカ合衆国カリフォルニア州/身長 184cm2015年、第30回「MEN'S NON-NO」専属モデルオーディションでグランプリを受賞しモデルデビュー。2017年、TBS系ドラマ「コウノドリ」第2シリーズで俳優デビュー以後、数々の話題作に出演。2020年公開の初主演映画「his」では、第12回TAMA映画賞最優秀新進男優賞など多数受賞し、2022年前期NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」レギュラー出演で知名度を獲得した。近年の活躍もめざましく、2023年は初写真集「Next Journey」を出版、WOWOWドラマ「ドラフトキング」や映画「THE LEGEND & BUTTERFLY」などに出演したほか、映画「エゴイスト」ではアジア全域版アカデミー賞「第16回アジア・フィルム・アワード」(AFA)“助演男優賞”を受賞。主演映画「はざまに生きる、春」(5月26日公開)が待機している。
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