「夕暮れに、手をつなぐ」音(永瀬廉)が空豆(広瀬すず)に“オレンジのスニーカー”を選んだ理由 2人のファッションに隠された裏テーマ<スタイリストインタビュー>
2023.03.07 17:00
views
女優の広瀬すずが主演、King & Princeの永瀬廉が出演するTBS系火曜ドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」(毎週火曜よる10時~)では、2人の劇中ファッションも話題に。モデルプレスではスタイリングを担当する丸山晃氏にインタビューを実施し、衣装のポイントや裏テーマ、本人と話し合ったことなどを語ってもらった。
「夕暮れに、手をつなぐ」空豆&音のファッションにも注目
本作は、九州の片田舎で育った浅葱空豆(広瀬)が、幼馴染みの婚約者を追って上京した先で、音楽家を目指す青年・海野音(永瀬)と運命的で衝撃的な出逢いを果たすことから始まる青春ラブストーリー。恋愛ドラマの名手・北川悦吏子氏が完全オリジナル脚本で手がけている。視聴者の間では、「空豆のコーディネートが斬新!」「空豆、ビビッドカラー同士を組み合わせても似合ってるのすごい」など空豆の抜群のセンスを活かしたコーディネートや、「音いつもオシャレな服着てるなぁ~」「音くんの落ち着いた色味のスタイリングが好み」など洗練された音のファッションも話題に。今回はそんな2人のファッションのテーマやこだわりをたっぷり聞いた。
広瀬すずとのフィッティングで急遽用意したアイテムとは
― ではまず、空豆のファッションのテーマ・スタイリングのコンセプトから教えてください。丸山:空豆は九州から東京に出てきてそのまま雪平邸に住み込んでいるので、極力ワードローブは少なめにしたいなと思いました。これから話が進んでいく上でもっとわかっていくと思いますが、空豆は洋服1着1着をものすごく大事にするキャラです。なので、新しいアイテムをどんどん出すというよりは、上手く着回しできたらいいなという感じでした。少しレトロな感じをポイントにしつつ、九州の田舎者という感じも伝わるように“芋可愛い”感じで見えたらいいなと思っていました。
― 確かに、最初の方の空豆は九州から出てきたという感じは残しつつも、今後ファッションの道に進んでいく片鱗が見えていたというか、無意識なセンスの良さを感じました。
丸山:そうですね。実は最初に広瀬さんとフィッティングをやった時、赤チェックのバブアー(Barbour)や緑のダウンは用意していなかったんです。でも広瀬さんと話していく中で、空豆が頭の中でコーディネートしたものを買うよりは「このアイテム好きだから買っちゃう」みたいなタイプなのがわかるよう、ぐちゃぐちゃな感じを出せたらいいなと思いました。なので急遽、広瀬さんが演じる空豆の活発的な感じが出るように原色に近いアイテムを用意しました。
5話以降、彼女はファッション業界に入っていきますが、最初は芋っぽく見えているアイテムも後半になると「こういう合わせ方をしたら可愛くなるよね」という着こなしになっていきます。赤チェックのバブアーも最初はちゃんちゃんこのように見えるかもしれないですが、後半はセシリーバンセン(Cecilie Bahnsen)のワンピースに合わせたり。その着こなし方の変化もすごく色々話し合いました。
音ファッションの“裏テーマ”
― 音のファッションについてはいかがですか?丸山:音の裏テーマは“ちょっとブリットポップな男性”なんです。監督とも話し合って、音はコンポーザーなので音楽に精通している、そういうカルチャーに影響を受けているというところをちょうどよく出していきたいと思いました。なので、音が作る曲の雰囲気を感じさせるようにしています。スマホの待ち受けもバンドのオアシス(Oasis)にしていたりとか、ブリットポップという裏テーマがありますね。
― 音を演じているのが永瀬さんだからこそ取り入れたアイテムはありますか?
丸山:永瀬くんは今の時代の等身大の男の子という感じだったので、オーラリー(AURALEE)など若者が好きなブランドを取り入れています。
音、空豆に“オレンジのスニーカー”を選んだ理由
― 1話では、音が空豆にオレンジのスニーカーを買ってあげていたのが印象的でした。出会ったばかりにもかかわらず攻めたチョイスだなと感じたのですが、どうして音はあの1足を選んだのでしょうか?その後も空豆はずっと履き続けているので、彼女にとっても大切で意味のあるアイテムなのではないかと思っていました。丸山:なるほど!すごい質問ですね(笑)!確かに言われてみればそう感じますよね。それはやっぱり、音が直感的に感じた空豆の“野生感”からじゃないでしょうか。赤チェックのバブアーに白黒ブロックチェックのマフラーを合わせちゃうような「柄on柄なんてお構いなしです」みたいな子なので(笑)。そういう突発的な空豆の感覚や抜群のセンスはファッションにも結び付けられたらいいなと感じていました。
― 空豆と音の心境の変化が、その日のファッションに影響することもあるのでしょうか?
丸山:空豆自身、本能で動く子なので、着ている服でのテンションは測れない感じかな..と思います。普通の子だったら外出用の服と部屋着は、1軍・2軍みたいな感じで分けていると思いますが、空豆は持っている服全部が1軍の感覚を持ってる子かな..と。どんなに毛羽だったニットでさえも、可愛く思えちゃう本能的な子。
空豆&音が取り入れているトレンドアイテム
― 空豆のファッションで取り入れているトレンドアイテムを教えてください。丸山:空豆が履いている末広がりのフレアデニムはリーバイス(LEVI'S)の684というシリーズなのですが、感度の高い女性がよく着ているアイテムだと思います。あとはショート丈のニットベストや、ミニサイズの白Tシャツなどです。あまりトレンド感を意識しすぎると田舎っぽさがなくなってしまうので、さりげなくという感じでバランスを考えています。ニットベストも、ひょっとしたら空豆が小学生の時お母さんに買ってもらったものをずっと着ていて、それが小さくなってしまったのかも…みたいな感じにも見えればいいなと思っていました(笑)。
― その裏設定すごく面白いですね(笑)!
丸山:小さい頃から服を捨てられない、大事にする子だったと思います。
― 音のファッションでのトレンドアイテムはありますか?
丸山:やっぱりブリットポップを感じさせるような、そういうバンドのメンバーが着ているようなアイテムです。特にアノラックは真っ先に取り入れました。「音はアノラックが好きだろうな」というイメージは最初からありました。
ビビッド同士の組み合わせは“空豆マインド”で挑戦
― 最後に読者に向けて、空豆のようにビビッドアイテム同士の組み合わせを着こなすためのポイント、真似できるポイントを教えてください。丸山:基本ビビッド同士はうるさくなってしまうので、あとは着ていく勇気と朝着替える時からそのテンションになるマインドだけだと思います(笑)!空豆はまず、「まとまっているか」ということを考えていないんです。「ビビッド同士だけどどうしよう」と考えれば考えるほど服に着られてしまうと思うので、「着ちゃえ!」ぐらいの勢いがないと着こなせないと思います。僕も最初空豆の服を決めた時「派手にしすぎちゃったかな」と思ったのですが、広瀬さんのお芝居を観たらそれが逆にいい感じで融合していました。
― 空豆のように勢いよく、まずは着てみることが大切なんですね。
丸山:本当にそうですね!また広瀬さんとも話して、やっぱりストーリーが進むにつれて同じアイテムが違って見えてくるというのが1番見せていきたいところでした。たくさんあるアイテムの中から20体のコーディネートを組むのも大変ですが、今回のようにアイテムが少ない中で20パターン組む…という方もそれはそれで大変でした。でも昨日は中に着ていたアイテムを今日は羽織っているみたいな「空豆だったらこういう着こなしもしちゃうだろうな」という部分が今後もポイントになっていますし、その空豆の天才肌なところがファッションの面からも視聴者の方に伝わっていれば嬉しいです。
― 貴重なお話をありがとうございました。今後の空豆&音のファッションにも注目しています!
(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】