小栗旬「鎌倉殿の13人」がSNSで沸く理由を主演自ら分析 大河ドラマ主演は「もう1回やりたい」<インタビュー後編>
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜よる8時~)で主演を務める俳優の小栗旬(おぐり・しゅん/39)。11月20日の第44回から、物語はクライマックスの序曲「実朝暗殺」に突入し、12月18日の最終話までラスト4話を駆け抜ける。そんな目が離せない展開を迎える中、小栗がモデルプレスら報道陣のリモートインタビューに応じた。同作を通して俳優として痛感したこと、視聴者の反響に対する思い、さらには今後の展望まで小栗の“今”、そして“未来”に迫った。<後編>
小栗旬、視聴者の反響に「こんなに痛快なことはない」
― 放送後にはTwitterでトレンド入りを果たすなど盛り上がりを見せていますが、反響は実感されていますか?小栗:話題になっているという話は現場でもよく出ますし、皆の励みになっています。毎回オンエアが終わると、その回のキーフレーズが話題になっているというのは、非常に嬉しいです。最後までに、トレンドに小四郎(義時)の「おなごは皆きのこが大好き」が入ればいいなと思っています(笑)。嬉しいのは、そんな小四郎を視聴者がちゃんと「気持ち悪い」と思ってくれていること。義時を演じていて、「好きだ」「いいね」と言われることのない主役の良さを実感しています(笑)。始めの頃はストーカー気質で「気持ち悪い」、途中からは「怖い」「あいつやばい」と周りから評価をいただけることは、演じてきた自分としてものすごく励みになっています。
― 「全部大泉のせい」というワードに対し、物語が進むにつれ今度は「全部義時のせい」と視聴者が沸いていますよね(笑)。
小栗:この先の義時をやっていく上で第48回まで、僕に不快な思いや怒りを感じる視聴者が多ければ多いほど役者冥利に尽きると言いますか、そういうキャラクターをやれて良かったと思います。でも振り返ってみてください。「こいつ(義時)も結構良い奴だったんです」という思いもあります(笑)。第1回から着実に色々なボタンの掛け違えやストレス、プレッシャーがどんどん積み重なって今の彼になってしまったので。それでいて、人間ってそんなに急に変わることはないじゃないですか。じわじわと彼の中を蝕んでいった何かを丁寧に描くことができたと考えているので、前半「大泉のせい」だったものが「小栗のせい」になったとしたら、こんなに痛快なことはないと思っています。
小栗旬、座長としての心構え
― 共演者も回を重ねるごとに次々と変わっていかれましたが、現場の雰囲気に変化は感じられましたか?小栗:現場の雰囲気は、基本的にずっと変わっていない気がします。ただ、前半の20回ぐらいまで僕は比較的年下だったのですが、後半からはだんだん若い方が増えていきました。彼らは、どうしても背負わなければいけないテーマみたいなものが沢山あるので、そういう時にはできる限り環境を良くしてあげたいと思いながら過ごしていました。年下でいれた時の楽さを実感したこともありましたが(笑)、そういうのも含め楽しみながら撮影していました。
― 座長として背負うものも大きいですよね。
小栗:主役をやるとそういう風に言われることも多いですが、やっぱり1人で作っているわけではなく、どちらかと言えば現場を作っているのはスタッフの皆さんなんです。今回なら、間違いなくチーフ演出の吉田照幸という監督が作る現場の空気がそのまま撮影以外の場所でも浸透していて風通しが良く、変な緊張感もなければ、皆がそれぞれ意見を言える環境だったので、自分の持ってきたものを持ちながらいるという雰囲気でした。自分から率先して現場で何かしないといけないと気を遣うこともなく、僕はずっと楽しくいさせてもらいました。
小栗旬、作品が盛り上がる理由を明かす
― 小栗さんから見て「鎌倉殿の13人」が話題を集めた要因はどのように分析されますか?小栗:「鎌倉殿の13人」をこういう風に皆さんが面白がってくれている理由は、やっぱり物語の力だと思います。自分で観ていても面白いです。いつも僕らを演じることに対して前向きにしてくれる脚本作りをしていただいたので、そこがこの作品において視聴者を惹きつける1つの要因だと思います。それに応えるべく、演出・美術など色々な観点から世界観を作ろうとしたことが、相乗効果になっているんだと思います。
― それは今後の日本のドラマにも通じると思いますか?
小栗:そうですね。やっぱり、物語の力を信じるしかないのではないかと思います。
小栗旬「人間を表現する」ための役作りへの苦悩
― この作品を通して、自分としての成長を感じた瞬間はありますか?小栗:自分としては特にないですね。でも俳優としては、1年5ヶ月と時間をかけてやらせてもらえたおかげで、若い時から晩年の義時まで演じる中で、1人の人間を生き抜いて人物を作るには、その人を深く読み取っていかなければいけないんだと強く実感しました。次から作品に臨む時には、事前にこのくらいまで深掘りをしておかないと役を演じてはいけないのだと感じ、過去の自分を反省するばかりです。もちろん以前やってきた仕事も同じように臨んでいたつもりなのですが、それでも義時という役をやってきた中で、回を重ねれば重ねるほど「なぜこのセリフをここで言うことになったんだろう?」と考える時間がすごく増えたんです。だからこそ、作品が自分や皆さんの役を通して皆さんに楽しんでもらえるものになっているのかと思います。こうした深掘りの大切さを知れただけでも、今後俳優として、次の作品に参加していくことにグラデーションを付けることができるようになったと感じます。
だからこそ義時に関しては、後半は台本をあまり読まなくても、場面が自然と思い浮かぶようになったんです。義時だったらきっとこう行動するだろうと思ったことが、本当に台本に書かれているんです。それを自分という器を使って、北条義時という人になっていけばいいというような感覚になっていったことが、ある意味1つの自信に繋がりました。「演じる」を越えて「人間を表現する」ことをするためには、僕は不器用なのでやっぱり、1年5ヶ月くらい使わないといけないんだとも感じました(笑)。
小栗旬、再び大河ドラマのオファーが来たら?
― 12月で40歳を迎えられ、また1つの節目になると思いますが、小栗さんの今後の展望を教えてください。小栗:展望は特に何も考えてないですが、吉田鋼太郎が「舞台やろう」と言うのでまだまだ忙しない日が続きます(笑)。ですが舞台が終わったら、本当の意味で今後を考える時間を作らなければと思っています。どういう形で今後役者として生きていくのか決めていかなければいけないと感じています。
― もし40代でもう一度大河のオファーが来たらどうしますか?
小栗:オファーが来たら大河ドラマの主演は、もう1回やりたいと思っています。ただ、こんなことを言うと次の(2023年1月8日スタートの大河ドラマ「どうする家康」主演の)松本(潤)くんにものすごく申し訳ない話になるのですが、できれば今回の義時と同じように、あまり皆さんにとって先入観のない人物をやれる機会をいただけるならやりたいと考えています。自分がここまで楽しめたのは「でも義時のことそんなに知らないでしょ?」と言えるからということもあったと思います(笑)。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
小栗旬(おぐり・しゅん/39)プロフィール
1982年12月26日生まれ、東京都出身。ドラマ「GTO」で連続ドラマに初めてレギュラー出演し、その後もドラマ、映画、舞台と様々な作品で存在感を見せる。主な主演作としてドラマ「リッチマン、プアウーマン」「信長協奏曲」「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」「日本沈没-希望のひと-」や映画「クローズZERO」シリーズ、「ミュージアム」「銀魂」シリーズ「罪の声」など。また12月26日から東京公演を皮切りに、主演舞台「彩の国シェイクスピア・シリーズ『ジョン王』」(東京・埼玉・愛知・大阪/2022年12月26日~2023年2月12日)がスタートする。「鎌倉殿の13人」ストーリー
1180年、源頼朝は関東武士団を結集し平家に反旗を翻した。北条一門はこの無謀な大博打に乗った。頼朝第一の側近となった義時は決死の政治工作を行い、遂には平家一門を打ち破る。義時は、2人の将軍の叔父として懸命に幕府の舵を取る。源氏の正統が途絶えた時、北条氏は幕府の頂点にいた。都では後鳥羽上皇が義時討伐の兵を挙げる。武家政権の命運を賭け、義時は最後の決戦に挑んだ―。
「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。頼朝の死後、彼らは激しい内部抗争を繰り広げるが、その中で最後まで生き残り、遂に権力を手中に収めたのが、13人の家臣団の中でもっとも若かった北条義時である。
小栗旬主演「鎌倉殿の13人」第44回あらすじ
後鳥羽上皇(尾上松也)の計らいにより、右大臣に叙されることとなった源実朝(柿澤勇人)。政子(小池栄子)が愛息の栄達を喜ぶ中、鎌倉殿への野心に燃える公暁(寛一郎)は三浦義村(山本耕史)のもとを訪れ、鶴岡八幡宮で執り行われる拝賀式について密談を交わす。三浦館の動きに胸騒ぎを覚える泰時(坂口健太郎)。一方、義時(小栗旬)の周りでは、朝廷と鎌倉の橋渡し役として存在感を高める源仲章(生田斗真)がのえ(菊地凛子)を…。もっと詳しくみる
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