モデルプレスのインタビューに応じた村山彩希(C)モデルプレス

AKB48村山彩希、総選挙不出馬表明で乗り越えた試練 「目立たない役で良い」激動のグループで感じている役割とは<1st写真集「普通が好き」インタビュー後編>

2022.09.29 08:00

AKB48 村山彩希1st写真集 普通が好き』(宝島社)を発売したAKB48村山彩希(むらやま・ゆいり/25)のモデルプレスインタビュー。本田仁美の復帰、「根も葉もRumor」「元カレです」と相次ぐダンスシングルでのヒット、そして5月に17期生の加入と、ここ数年で変化と進化を遂げているAKB48。10年間のAKB48人生を振り返り、「肩書きを持ちたくない人間」という村山が激動のグループの中で感じている役割、ターニングポイントになった選抜総選挙不出馬表明で乗り越えた試練、夢を叶える秘訣などを語ってもらった。<後編>

  

村山彩希、AKB48での今の役割・柏木由紀との関係性の変化

― 2021年にIZ*ONEの活動を終えた本田仁美さんが復帰してからグループ全体では色々な変化があったと思います。雰囲気はどう変わりましたか?

村山:本当に大きく変わりました。ひぃちゃんが帰ってきてくれたタイミングで「根も葉もRumor」という今のAKB48にとってはすごく分岐点になったであろう曲もいただけて、ひぃちゃんのプロ意識をちゃんと背中で見ることで尊敬できる部分もあるし、逆にひぃちゃんの弱い部分というか人間的な部分も見えて、ひぃちゃんのこともさらに好きになったし、自信を持ってファンの皆さんに「『根も葉もRumor』とか『元カレです』を見てください」と言える自分も好きです。

― 村山さんはそんな風に変わったグループの中で、どんな立ち位置や役割だと思いますか?

村山:私は本当に肩書きを持ちたくない人間で…、総監督とかキャプテンとかセンターとか皆のことをすごいなと思うんですけど、私はチーム4のキャプテンを経験して、肩書きを持ってしまうと理想のキャプテンになろうとしすぎる部分があるし、「キャプテンだからこういうことやっているって思われるんじゃないかな?」とか色々考えすぎて分からなくなると思ったので、今は肩書きなしで人として皆と接することが自分の役割だなと思っています。仕事としてのプロ意識もひぃちゃんが見せてくれたりするから、後輩や先輩とコミュニケーションをとって環境作りをするのが今の自分の役目かなと思って目立たない役で良いです。

― 具体的にどういったコミュニケーションを意識していますか?

村山:元々先輩への苦手意識がすごくあったのですが、「根も葉もRumor」で練習を皆で一緒にやっていく内に期関係なく皆すごく仲良くなったんですよね。私も「先輩だからやらなきゃ」と思いがちなのですが、先輩でもできないことはできないし助け合いだよ、と思えるようになって。最近やっと(柏木)由紀さんとプライベートな他愛も無い話ができるようになって由紀さんも分からない振りを聞いてきてくれるとかそういうコミュニケーションも取れるようになりました。あと最新のシングルだと17期生が入ってきて、すごく緊張すると思うので、甘やかすのとはまた別で間違えている部分を指摘するときも先輩の圧を感じさせないように普段から会話しようとか、人間関係をちゃんと作っていきたいと思っています。

― 17期生が入ってさらに変わった感じはありますか?

村山:変わりました。やっぱり研究生が入ってきて今すごく勢いがあると感じます。だからこそ心配な部分もあるし私もお世話してあげたいな、みたいな厄介おばさんが出ちゃうんですけど、そんなときに自分がキャプテンをやっていた時期のことを思い出したりして、昔より視野を広く、すぐ怒るとかじゃなくてその子のことを考えた上でこうしてあげたいな、という思考回路になってきているので17期生に生かして行きたいです。

― 昔の反省もありますか?

村山:すごく反省でした。負けず嫌いとか頑固、というのが自分の根本なんですけど、それがすごく露骨に出ちゃっていて自分と比べてできない人のことを「なんでできないんだろう?」と怒っちゃっていたのでそれは良くないなというのを学びました。

村山彩希、ターニングポイントになった総選挙不出馬「出なくて良かったなと思えている自分がいる」

村山彩希(C)モデルプレス
― 村山さん自身、以前音楽番組「Da-iCE music Lab」で「後ろから支える方が適任だと思った」とセンター願望がないと話していました。以前は全員がセンターを目指すのが当たり前という雰囲気もあったと思うのですが、色々な価値観のメンバーが共存しているのが今のAKB48の良さだと思いますが、そういったことを口に出せるようになったきっかけや、影響を受けたメンバーやファンの言葉などはありますか?

村山:うわー、難しい。AKB48を好きになったのもお姉ちゃんで、オーディションを受けるきっかけになったのもお母さんで、私は割りと人に影響されてというか、誰かにきっかけを作ってもらって人生設計ができてきたのですが、初めて自分がYESかNOかを決めたのが総選挙の立候補する・しないだったんです。自分でもその当時明確になんで出たくないのか分からなかったけど出ないという選択をとってそこからアンチと戦う生活が始まり、アンチの人に納得してもらえるように自分の活動の仕方も筋道通して行かなきゃいけないな、というところから今の自分ができあがってきています。そのおかげでセンターをやったことはなかったけどセンターを別にやらなくてもいい、と言える自分になったので、自分が取った選択は今の自分にとっては感謝だし、選挙に出ていたらまた変わっていたと思うんですけど、出なくて良かったなと思えている自分がいて良かったです。

村山彩希が悲しみを乗り越えた方法

― アンチと戦う日々というのは悲しみや怒りを感じることもあったと思うんですが、どうやって乗り越えましたか?

村山:自分が取った選択に対して、自分の性格をあんまり知らない人からきつい言葉をもらったときは「何も知らないくせに」と悲しくなったのですが、その負の感情のおかげで「じゃあ私は選挙に出なくても別の場所でチャンスを掴みますから、証明してやります」みたいな強気のコメントを勢いで言ったんです。それを言えたことで自分がこう思っているんだと再認識できたし、自分のファンの方を守るためにもその発言に責任を持たなきゃと思って責任感が生まれたので、その1つの出来事が今の自分に繋がっていると考えたら乗り越えられた出来事なのかなとは思います。

― 「後ろから支えるメンバーがいても良いよね」みたいな話をメンバー同士ですることはありますか?

村山:具体的に、というよりかは1回チラッと「今のこのメンバーで総選挙とかじゃないよね」というような話が出たときに今は個人プレーというよりかは本当にチームプレーなんだなという変化は感じました。

村山彩希、期待している後輩明かす 「びっくりした」裏での努力とは

― では、今特に注目していて「頼もしい」と思う後輩はいますか?

村山:わ!その質問は久しぶりにされました。どこまでが若手なのか難しいんですけど、個人的に今回の選抜に茂木(忍)ちゃんが入ってくれたのが嬉しかったし、後輩に勇気を与えた存在になったと思うんですけど、今よりもっと成長して欲しいのは山内瑞葵ちゃんで、まだ選抜に入ってない子で入って欲しいなと思う子は…沢山いるんです、どうしよう…(悩む)。自分のスタイルを受け継いでもらえるのかなと思うのは黒須遥香ちゃんという面倒を見ていた16期生ですごく期待しています。考え方がちょっと似ていて劇場に対して私は結構変な観点で見がちなんですけどそういうところも分かってくれたり、現時点で周りを見らる視野を持っているのでいずれキャプテンになって欲しいなと思います。

― 変な観点というのは?

村山:「劇場が好き」と言っているだけでも変わり者みたいになっているので自分としてはよく分からないんですけど、例えば「照明のここがこの瞬間で変わるときが好きなんだよね」とか「今日のこれ楽しかったけどでもこうもできたよね」とかそういう話し合いができるのがはーちゃんなんです。彼女の努力の仕方が自分と似ているとも思って、家でこっそりやっているタイプなので、ゆっくり温めて伸ばしていつか解き放たれる日が来ると良いなと思っています。

― こっそり練習しているタイプというのはどういうときに感じましたか?

村山:もちろん見えるところで練習していることもあるのですが、最近びっくりしたのは私も写真集の仕事か何かで終電くらいに事務所に戻ったらたまたま劇場公演が終わった後、楽屋ではーちゃんが大学のレポートをずっとやっていて「締切が0時までだから終電までやっているんです」と言っていたんです。パフォーマンスも良いので、公演と学業を両立していてどちらにもしっかりと向き合っている姿勢に感動したし、「頑張ってますよ」アピールをしないところに好感を持ってしまって、大好きなんです。だからどんな形でも良いから花咲いて欲しいなと思って期待しています。

村山彩希の夢を叶える秘訣

― 夢を追いかけているモデルプレス読者に向けて、村山さんの「夢を叶える秘訣」を教えてください。

村山:元々私も自分の夢を口に出したり書いたり人に伝えるのが苦手で「叶わなかったときにかっこ悪いじゃん」と思っていたんですけど、岡田奈々ちゃんが以前「言霊。言うことで叶うことがある。どこで誰が見ているか聞いているか分からないからとりあえず言っていくことが大事だし、言ったことで自分の責任も持てるからやりたいことがなくても自分の意志とか気持ちを話すのを大事にして欲しい」と言っていて「深い」と思ったんです。もちろんAKB48だから、というのもあると思うんですけど、具体的に夢がなくても自分の気持ちを誰かに話したり書いたりすることで良いと思うので、自分を見失わないようにして欲しいです。あとは、色々な人の意見を聞くこと。聞くためには話さなきゃいけないと思うので会話は大事だし、私が色々な人にきっかけをもらったようにどこかに絶対にヒントが隠れているから、自分が経験していないことを経験している人の話を大事に。(岡田が)そう言えるのって絶対裏で努力しているからで、責任を持たなきゃと思っているからこそ言えるんだなと思うので本当にかっこいいし、尊敬していますね。

― 村山さんは何か悩んだとき周りの人に相談できますか?

村山:悩みのジャンルによって「この子がこうなんだけどどうしたら良いと思う?」という相談はできるんですけど、「自分は今こう思っていて~」という相談はなかなかできないタイプなのでジャンルによって人を変えて話しています。メンバーだったら総監督のみーおん(向井地美音)、なぁちゃん(岡田)、16期生の山根涼羽ちゃんは何も包み隠さず全て知っているし、マネージャーさんにもよく話していますね。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)


『AKB48 村山彩希1st写真集 普通が好き』

AKB48村山彩希1st写真集「普通が好き」書影(提供写真)
村山彩希(提供写真)
沖縄を舞台に、少女のような可愛さや大人っぽい表情など25歳の今の村山の魅力が満載。AKB48劇場での貴重なカットや、グループ加入から現在までとこれからの心境を語ったスペシャルインタビューも収録されている。

村山彩希(むらやま・ゆいり)プロフィール

村山彩希(C)モデルプレス
1997年6月15日生まれ、神奈川県出身。愛称は「ゆいりー」。AKB48加入前に子役として活動。2011年に13期生として加入。51stシングル「ジャーバージャ」で初めて表題曲の選抜メンバーに選ばれる。秋葉原のAKB48劇場での公演に活動意義を見出し、そのパフォーマンス能力の高さと劇場公演への熱い思いから、“シアターの女神”と呼ばれる。2020年に、劇場史上初の出演回数1,000回に到達。2018年6月から2022年4月までチーム4キャプテンを務めた。一方で、選抜総選挙には第7回より不参加を表明。当初は人気メンバーだけに惜しむ声が多かったが、他の指標で結果を残し続けることで、グループの中で独自のポジションを確立。研究生公演のプロデュースや、ソロコンサートを行うなど、中心メンバーの1人としてグループを牽引している。


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