AAA與真司郎、歌うことが怖かった過去と乗り越え方「当時は本当にネガティブだった」<「すべての生き方は正解で不正解」インタビュー>
2022.08.23 12:00
8月23日に33のポジティブ思考術をまとめた単行本「すべての生き方は正解で不正解」を発売する與真司郎(AAA)。同書では、米・ロサンゼルスへの移住がきっかけで、ネガティブ人間だった自分がポジティブ人間になれた理由やテクニックを紹介している。モデルプレスのインタビューでは、自分を変えることができた“言葉”、そしてAAAとして歌番組に出演したとき、歌うことへの恐怖を感じたことやその乗り越え方などを語ってくれた。
與真司郎、“ポジティブ人間”が誕生するまで…
― 自身初のメンタルヘルスに関する書籍ですが、どのような内容なのか改めて教えてください。與:この1年ほどwith onlineさんで連載していたものに加筆・修正をしてまとめた、初のポジティブ思考についての単行本です。ネガティブ人間が、どうやってポジティブ人間になれたのか、テクニックを自分なりにまとめたものを紹介しています。
― やはりポジティブになれたきっかけの一つは2016年のLAへの移住なのでしょうか?
與:そうですね。14歳のときから芸能界で、活動していて、視野がすごく狭かったなと思うことがあって、今までの環境にはなかったところに飛び込んだんです。それがLAだったからとか、アメリカだったからとか、そういうことよりかは、今いる自分の環境から離れたことが1番大きなことでした。それが、たまたまアメリカでアメリカ人の考え方を聞いて、アメリカ人の考え方っていいなって思ったり、これは日本人の考え方の方がいいなって思ったり、両方の国の考え方を客観視してみることができるようになったことが大きくて。なので、日本とアメリカのいいところをブレンドして考えを書いているつもりです。
― LAではポジティブな人間になるために、どんな行動をしましたか?
與:移住した当初から自分を変えたいって思っていたので、住んだから変わるというよりかは、いろんな人と出会って、自ら環境を変えないといけないと思ったので、アメリカで友達をいっぱい増やして、自分の考えにはないいろんなことを聞こうと思いました。ネガティブな人間のまま人生を終わりにしたくないって思いました。たまたまそこでいい人と出会えて、ポジティブなメンタルヘルスとかに気を使っている人が多かったので、すごく感化されて、僕もこれをやってみようとか、こういう本を読んでみようとか思うようになりました。
― LAでもたくさんの出来事があったと思いますが、印象に残っている人や言葉などありますか?
與:自分が1番変わったという言葉は、ちょっと冷たい言い方なんですけど、“どうせ人って死ぬし、忘れられてしまう。だから自分の好きなように生きて自分が幸せと思うものを追求していくことが本当の幸せ”。これを聞いたとき、人の幸せって本当に人それぞれだなと、あと人っていつかは死ぬので、なんでこんなに人のことばっかり気にして生きてきたんだろうってまず思いました。もちろんファンの方がいるから僕の仕事があるので、仕事としてはやっぱりいいところを見せたいという気持ちはあるんですけど、プライベートまで自分を隠して頑張らないといけないのは違うのかなと。そう思ったらすごく楽になりました。
あとはそこからポジティブに変換していったときに、NOって言わないようにしました。自分ってNOって言いすぎてたなって、すぐに諦めたり、〇〇ができないって言ってしまったり、全部NOで答えていたなと。なんでも人ってやろうと思えば絶対にできると思うんです。アメリカ人の友達からNOって言ったらダメだよってすごく言われ続けていたから、いろんなことに挑戦できたし、こういう本にも繋がったし、自分のキャラを確立させることができたのかなと。これらのことを無理しているわけでもなく、自分の意志でやっているので、それをただファンのみなさん含め、シェアできたらいいなって、この本を手にとってくれる方の気分が少しでも晴れたらいいなって、自分の人生もうちょっと頑張ってみようとか、この本で人生が楽になったって思う人が一人でも増えたら嬉しいです。
與真司郎、現在は「自分自身を分析しながら生きていけてる」
― 現在、AAAの活動休止とともに、ご自身のアーティスト活動も休止していますが、休止期間に入ってからの心境の変化はありますか?與:大きく変わったことはやっぱりスケジュールですね。自分の時間ができたからこそ、自分に焦点を当てられる、ちゃんと自分と向き合えることができています。自分で與真司郎というものを客観視して自分のここは人より長けてるな、逆にここはダメだなとか、自分自身を分析しながら生きていけてる気がします。自分から逃げず、自分と向き合うことって意外と難しいんですよね。やっぱり悪いことに対しては逃げがちだと思うので。完璧な人間って世の中に絶対いないと思うので、自分の悪いところも頑張って直すようにする、いいところはもっと伸ばすようにする、ということを意識しています。
― 最近分析した自分のいいところと悪いところを教えてください。
與:いいところは行動力と決断力の速さ。アメリカ人にもすごいなって言われるくらい決断力には長けていると思います。悪いところはすぐカッとなって言葉を発してしまうところ。自分の意見をすぐに言ってしまって、ちょっとキツイなって思われがちなので、1回抑えるということをするようにしています。
― 自分の時間が増えたとおっしゃっていましたが、基本的にどのような生活を送っているのでしょうか?
與:今年のはじめはAAAのライブDVDとかの確認事だったり、音楽に携わる時間があって。それからも週1~2回はマネージャーさん含めた打ち合わせがあります。あとは、自分のやりたいことをいろいろやっています。本を読んだり、ジムに行ったり、散歩したり、自分の精神とか体にいいことをやったり、友達と話して新しいことを得たり、そういうところに時間を割いているので、意外とやることがいっぱいあります。今までやりたくもできなかったことがあるので、そこに時間を1番かけています。
― 1番やりたかったことってなんですか?
與:風邪をひいてもいいというマインド。体調崩してもいい、肌荒れしてもいいというマインドが今までありませんでした。常に100点でいないといけなかったから、怪我もできないからスポーツも抑えていました。そういうことを気にせずできるマインドかな。
與真司郎、歌うことへの恐怖と乗り越え方
― 今回の書籍「すべての生き方は正解で不正解」の中でもAAAの活動がものすごい忙しかったというお話をされていますが、どんな苦労があったのか教えてください。與:昔は本当に忙しかったです。デビュー前は毎日のレッスン、土日はレコーディングの練習があって。デビューして10年目まではほぼ休みがなかったかなってくらい忙しかったです。ライブツアー終了後に3日間とか、正月に3日間とか、少しは休みがありましたが、海外にも行きにくいし、帰ってきてもすぐに仕事が待っていました。
逆にLAに住み始めてからは、大学にも行っていたので、プライベートも忙しくて。その頃からソロ活動も忙しくなったので、LAにいるときも撮影をしたりと、意外と時間がなくて。だから本当に今年に入ってから、自分と向き合える時間ができました。当時は、本当に忙しかったので、休ませてよって思っていましたね(笑)
― そんなに忙しかったんですね…
與:気持ちは常にONにしないといけないので、休みがあっても休めてないみたいな。毎日ポテトチップスも食べれないし(笑)。でもそういう辛い経験だけでなく、いい経験もできました。頑張ったからこそ、ソロではアリーナツアー、AAAではドームツアーができたので、もちろん全く後悔はしていません。
― AAAとしてテレビで歌うことが怖かった時期もあったそうですが。
與:ダンサーを目指してエイベックスに入ったので、元々歌うことは得意ではなかったのですが、途中から歌を歌うようになって。今ではファンの方が「声も好きです」と言ってくれるんですけど、当初は歌わないと目立たないという葛藤や、テレビで歌うとなると緊張しちゃって歌詞も忘れちゃう、歌詞ばっかり意識していると音程がとれなくなっちゃう。さらに、前日も寝れない、顔も疲れてる、声も出なくなるといったバッドなスパイラルに入っちゃって。やっぱり間違えるとスタッフさんにもメンバーにも迷惑をかけてしまうので、何回もミスが続いちゃったときは「俺は歌いたくない」「歌えない」って、ファンの方は悲しむかもしれないけど、これ以上迷惑をかけたらヤバいからって、1回だけその気持ちを伝えたことがあります。
― それはいつ頃の出来事ですか?
與:「777 ~We can sing a song!~」をリリースしたときだから、デビューして7年目ぐらいのときだと思います。
― その怖いと感じていた時期をどのように乗り越えたのでしょうか?
與:それでもやり続けるしかなかった。1回成功したら、自分もできるという自信をつけていく方法しかなかったかな。僕が無理と言っても事は進んでいくから、やっていくしかない。自分を強くするしかないと思いました。
― ほかのメンバーと比べて、コンプレックスを抱くこともありましたか?
與:ありましたね。そのときはネットとかで叩かれることもたくさんありました。「こいつがなんで歌っているの」「こいつがいるからAAAのイメージが下がっている」とか。当時は本当にネガティブだったので、そういうのも見ちゃうし、気にしちゃっていました。
― 昨年バラエティ番組にも多数出演して、大きな反響があったと思いますが。
與:バラエティ番組は自分のフィールドではないと思えるところがあって、バラエティでミスしても本業ではないから…と思うので、自分の好きなことを話そう、それを面白がってくれる人がいるならと思っています。意外と話すことが得意なので、面白いって言われると、こういうことも仕事になるんだって、自分にもいいところがあるじゃんって思いました。人を幸せにしたいと思っているので、こういう明るい自分をどんどん出していくことで、自分もすごく生きやすくなったし、それを褒められるようになって、なんで今まで隠していたんだろうって思いました。
― グループ活動が再開したときに、自分が還元できそうなものが見つかりましたか?
與:グループ活動って自分のエゴだけでは走らせられないので、自分の意見だけでなく、周りの意見をちゃんと聞きながら前を向いてやっていきたいなって思います。
與真司郎、AAA活動休止中の今…メンバーの活動をどう思っている?
― グループ活動が休止の今、ほかのメンバーの活動をどう思いますか?與:みんなやりたいことをやっているし、僕もやりたいことをやっているから、それで強くなったときにAAAに戻ろうという感じです。
― 15年以上共にしているわけですもんね。
與:お互いを干渉しないというスタンス。お互い上手く距離をとっている感じがしますね。
與真司郎、LAで一軒家に引っ越した理由は?今の幸せも語る
― LAで一軒家に引っ越したそうですが、きっかけがあったのでしょうか?與:やっぱりLAにいるときの方が素を出せるといか、僕のことを誰も知らないので、人間らしさを保てるところがあります。あと、自分と向き合える。自分と向き合うといろんなアイディアも出てきて、クリエイティブになれるので、仕事にも役立つし、自分の人生にも役立つし、それにLAにいる時間の方が長いので、LAの環境を整えたいと思ったからです。LAにずっと住みたいというわけではないのですが、今のベースがLAになっています。
― LAでの今後のプランを教えてください。
與:自分の人生のためにLAを拠点にしながら、アメリカでもやりたいことをたくさんやりたいです。日本のファンのみなさんを忘れているわけではなく、本当に感謝しているので、音楽とは違った形で自分らしく表現できたらいいなと思います。今僕がアーティスト活動を休止していることもファンのみなさんはわかってくれていると思うので、それに甘えず、ちゃんと返せるところで返したいなと思っています。
― ポジティブマインドになれた與さん、“今の幸せ”はなんですか?
與:やっぱり自分の時間を保ちつつも仕事もちゃんとできていること。どちらかに偏るのもダメだなって最近すごく思ってて。仕事ばっかりしててもよくないし、プライベートの時間が多すぎても精神的によくない。だから今はすごくいいバランスでやらせてもらっているので、幸せです!こんなに自分勝手にできる芸能人もなかなかいないと思うので(笑)。だから本当にファンのみなさんには感謝しかないです。
與真司郎の夢を叶える秘訣
― 最後に夢を追いかけているモデルプレス読者に向けて夢を叶える秘訣を教えてください。ちなみに前回は「周りに流されないこと」「踏み出す勇気が大切」と語ってくれました。與:同じですね!自分のやりたいことが夢になると思うので、それに失敗しても立ち直る勇気が大切。やっぱり失敗って絶対経験するし、何回も失敗すると思うんです。それでも、何回も立ち上がって、諦めないでやることが大事だと思います。辛いこともあるから人生だと思うので。そこで1回失敗したからもういいやと諦めると永遠にそれが続いちゃうと思います。好きなことなら絶対に頑張れると思うので、諦めないことが大事。
あと人に流されないことももちろんだけど、自分がこれだと思う幸せを突き詰めてほしい。周りが“これが幸せ”と思っても、自分がそれで幸せになれる保証は全くないので。諦めずに失敗しても立ち直して、その失敗をプラスにしていったら、やった瞬間は気が付かないけど、絶対にのちのちあの失敗はよかったなと思うので、立ち直る勇気が大切です。
― ありがとうございました。
「すべての生き方は正解で不正解」書籍情報
同書は、與の33の「ポジティブ思考術」をまとめた最新刊。かつては「自分なんかにできるはずがない」「やりたいことが見つからない」と自己を卑下するほどネガティブだった。しかし、ロサンゼルスへの移住をきっかけに、現地で出会った人々の考え方や価値観を柔軟に吸収し、今では自他ともに認める「ポジティブ野郎」に。その秘訣は何だったのか?どんな言葉を信じ、どんな考え方のもとに生きているのか?気持ちが沈んだ時、人生の決断に迷った時、トライして失敗した時…これから先の人生でネガティブになった時にこそ寄り添い続け、あなたを救う言葉が必ず見つかる「ポジティブ語録」を収録した珠玉の一冊である。(modelpress編集部)與真司郎(あたえしんじろう)プロフィール
1988年11月26日生まれ、京都府出身。0型。男女混合のパフォーマンスグループ、AAA(トリプル・エー)のメンバーとして、2005年9月14日にシングル「BLOOD on FIRE」でデビュー。現在、日本とLAを拠点に活動中。2021年3月アパレルのみならず、雑貨、アクセサリー等、自身のライフスタイルを広く表現していくブランド「446 - DOUBLE FOUR SIX - 」の立ち上げを発表し、ブランドプロデューサーとして活動中。
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