山田裕貴、 “見られる”ことに「危険を感じました」激動の2021年振り返る 熱いハートと冷静さを持ち合わせる男の胸の内<インタビュー後編>
2022.08.18 08:00
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2010年、芸能事務所「ワタナベエンターテインメント」により開催された「D☆DATE」の新メンバーオーディション「D-BOYS部門」のグランプリを獲得し、芸能界入りを果たした俳優の山田裕貴(やまだ・ゆうき/31)。現在開催中の「D-BOYS SINGオーディション」と「WE ACTオーディション」のWオーディションに合わせ、モデルプレスでは山田にインタビューを実施。前編では、オーディションから現在までを振り返ってもらい、当時の心境や俳優としてのこだわり、若手俳優に対する心境について語ってもらった。後編では、現在にフォーカスし、一層の脚光を浴びるようになった心境に迫る。「心」を大事にし、何事にもまっすぐな山田の言葉は強く記者の心を揺さぶり、まさに名言の宝庫であった。
山田裕貴「今年の顔」選出も“見られる”ことに「危険を感じました」
2021年は、映画「東京リベンジャーズ」にて原作でも根強い人気を誇るドラケンを好演するほか、ドラマ「ここは今から倫理です。」(NHK)で主演を務めるなど多彩に活躍。日経トレンディが選ぶ「今年の顔」にも選出され、山田にとって飛躍の年になったように見える。しかし、本人はいたって冷静に振り返った。「1番危ないなと思いました。『やばい、見られる』と思って。見られる目が増えることで粗探しはされるし『そんなにいいか?』という面もあるし、出る杭は打たれるので危険を感じました。それはもう(『今年の顔』の)報告を受けたときにマネージャーさんにも『やばいな、嬉しいけどやばいな。きたとしてもまだだな。早いな』と言っていたんです。もちろん嬉しいですけど。
(見られることを)ずっと避けていたんです。細く長く生きていこうとしていたので、ものすごくありがたいんですけど、そうなると色んなことを気にしなきゃいけなくなってしまうから」
2019年のモデルプレスのインタビューでは「まだ多くの人に知られていないということがコンプレックスでもあったんです」と話していた山田に真意を尋ねた。
「知られ方が違う、という感じです。演技の賞だったらいいんです。『あ、人気者か』と思われてしまう可能性があるからです。『有名な人だ』で広まっていくか『あの人、演技で賞獲ったらしいよ』と広まっていくかの違い。それはあまり違わないけど、僕にとってはものすごく大きな違い。頑張っている俳優として認めてもらえるんでしょうけど、違うとも思う。だから『より頑張らなければ』と思うし、もちろんそういう人気や知名度がついてきてやれることもあるからちゃんと味方にしていくことも重要だと思っています。まあ、もう去年の顔なので(笑)」
山田裕貴の夢を叶える秘訣
モデルプレスの過去のインタビューでも尋ねている「夢を叶える秘訣」。2019年には「夢は夢だと思わない」。2021年には、それにプラスして「逃げないこと」と答えた。そして現在の山田は――「一生懸命。今、今、今、を考えること。今目の前にいる人は僕の本当の言葉を聞いていて、もしかしたらそれが何か世界を変えていくのではないかと思う。だから、今を一生懸命生きることです。でもその一生懸命の中にちゃんと冷静な目を持って『これで正しいのか?』『それ伝わるのだろうか?』と自分を疑い続ける心を持つことも大切だと思います」
“今”にもがき、がむしゃらに、かつ客観的な視点を忘れず生き続ける山田だが、目標に向かって既にアクションを起こしていたそう。
「もちろん今後『こういう作品やりたいな』という想いはあります。ずっと言っているのは、昔から好きなディズニーの映画『ヘラクレス』の実写化作品で日本語吹き替えは絶対やりたいな、って。ディズニーの公式Instagramに日本語で『ヘラクレスの声優やらせてください』とコメントしました(笑)。日本語の方が目立つかなと思って。でももちろん返事はないです(笑)。
ですが、ご縁もあってMステ(テレビ朝日系音楽番組「ミュージックステーション」)に出演させていただけることになったり、思わぬ方向に繋がることもあるので『人生はどうなるかよく分からないから面白い』と思います。1つの行動が何かを変えていくと思うので、やりたいことを『やりたい』と言い続けたい」
最後に夢を追うモデルプレスの読者に向けてメッセージを届けた。
「やりたいこと、自分が思っていることは言う。そして自分がなりたい像は貫いた方がいい。だけど、そのやりたいこと、なりたいもの、なりたい、やりたい表現が人の心を打つものかどうかだけは疑い続けた方がいいと思います。『いいねいいね』と言われてくると、いいんだと思い込んでしまうから『もしかしたら違うかもしれない』『地球の裏側の人には伝わらないかもしれない』と考えることも大事です」
山田裕貴をさらに深堀るQ&A
偽ることなく、ありのままを見せてくれる山田の言葉は記者の胸にストレートに突き刺さった。他にも思ってもいなかったところから、興味深い話や心を動かす発言が飛び出した。― 他の方の演技を観て発見したことや意識したことはありますか?
山田:あります。僕は韓国の俳優さんたちの演技が好きで、これは韓国だけではなく洋画などもそうなんですけど、目だけで何を言っているのか伝わるんです。それはデビューしたときからずっと目指していて、観ていて凄いと思わされます。
― 最近オススメの韓ドラや洋画はありますか?
山田:でも僕、飽き性というかパーと観て、違うところに思考が飛んでしまうんです。だから、途中で止まっているものがいっぱいあります(笑)。
― ストーリーより俳優さんの演技に目がいってしまうのですか?
山田:そうです、お芝居の方を観てしまうんです。中でも一番観たのは「愛の不時着」(Netflixで配信中)でした。もちろん素敵でしたし、恋愛・愛を感じるものとして観ていました。
あと「賢い医師生活」(Netflixで配信中)というドラマのチョ・ジョンソクさんのエピソード!子供の誕生日に交通事故で死んでしまったお父さんの話なんですけど、目で全部分かるんです。すごくピンポイントですけど「あ、これできるようになりたいな」と思いました。
― 今年4月には、自身がパーソナリティを務めるラジオ番組「山田裕貴のオールナイトニッポンX」』(ニッポン放送/毎週月曜深夜0時~)も始まり、新たなフィールドでも活動されていますが、元々「ラジオをやりたい」といった願望はありましたか?
山田:全く(なかった)。お話をいただいたときに「面白そうだな」と思いました。そんな経験もないし、喋ることがあまり得意ではないから「勉強になるかな」という気持ちでした。実際、「こういう風な言葉を使うとこうやって伝わってしまうのか」とか「思いとは違うけど、ネットニュースにこんな風に取り上げられてしまうのか」と喋り方や言葉の使い方によって人への伝わり方が変わるので日々勉強になります。あんなふざけた感じになっていますけど「言葉に気を付けなきゃな」と思いながら喋っています。
― 以前ラジオでされていた「1時間カラオケ」がものすごく面白かったのですが、あれはただ歌いたくて始められたのですか?
山田:はい。カラオケは本当にそういうときもあっていいよなって。ご時世的にカラオケに行けてなかったので「行きたい」と呟いたら「やりますか!」とスタッフさんがすぐ実現してくださりました(笑)。
― 中々行けないですもんね。第2回の開催を楽しみにしています(笑)!やりたいことは常日頃から口に出していることが多いのですか?
山田:そうですね。やりたいこと叶っているんだよな…。「モンハン(モンスターハンターシリーズ)」のCMとか「ワンピース」の映画の声優とか、もうずっと言い続けていたので。ただ運がいいだけですけど(笑)。
― やりたいことは声を大にして伝える大切さを改めて実感しました。ありがとうございました!
(modelpress編集部)
山田裕貴(やまだ・ゆうき)プロフィール
1990年9月18日生まれ。愛知県出身。2011年「海賊戦隊ゴーカイジャー」で俳優デビュー。近年の主な出演作には「東京リベンジャーズ」、「ここは今から倫理です。」(NHK)、「志村けんとドリフの大爆笑物語」(フジテレビ系)など。2022年も映画「余命10年」「鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー」、ドラマ「特捜9 season5」
(テレビ朝日系)など多彩に活躍。現在、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に出演するほか、待機作には劇場アニメ「ONE PIECE FILM RED」(8月6日公開)、「耳をすませば」(10月14日公開)、映画「夜、鳥たちが啼く」(12月9日公開)、「東京リベンジャーズ2」(2023年公開予定)、NHK大河ドラマ「どうする家康」(2023年放送予定)が控えている。
ワタナベエンターテインメント、Wオーディション開催
芸能事務所「ワタナベエンターテインメント」では「D-BOYS SINGオーディション」と、「WE ACTオーディション」のWオーディションを開催し、眠っている才能を見出し次世代のスターを生み出していく。本オーディションでは「ワタナベエンターテインメント」の現役マネージャーが応募者全員と面談をし、直接その場でフィードバック与えるという応募者にとって成長の機会に。
さらに、合格者には無料でレッスンを受けられる環境を整えている。また、全国4都市(東京・愛知・大阪・福岡)で直接面接・ZOOMで参加可能。締め切りは8月下旬を予定している。
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