なにわ男子・道枝駿佑、10代最後の“大きな壁”「やるしかない、できる」 初主演映画で涙<「今夜、世界からこの恋が消えても」インタビュー>
2022.07.25 18:00
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「大変な時もあれば、辛い時もありますけど、時間は進んでいくわけで、僕が絶対にやらないといけない。だからもうやるしかない!できる!と思って常にやっています」
7月29日公開の映画『今夜、世界からこの恋が消えても』で映画初主演を務めるなにわ男子の道枝駿佑(みちえだ・しゅんすけ/20)に、モデルプレスがインタビュー。10代最後に撮影した本作への思いや役作り、W主演を務める女優・福本莉子らとのエピソードなどについて聞いた。
道枝駿佑&福本莉子W主演「今夜、世界からこの恋が消えても」
本作は、第26回電撃小説大賞でメディアワークス文庫賞受賞作品であり、日本、韓国、中国書籍の合計発行部数が50万部を突破(2022年7月時点)するなど、国境を超えて異例のヒットを記録している一条岬の同名恋愛小説を、道枝×福本のW主演で映画化。眠りにつくと記憶を失ってしまう「前向性健忘」を患ったヒロイン・日野真織(福本)と、そんな彼女を献身的に支えるも、自らも大きな秘密を隠し持っている主人公・神谷透(道枝)の儚くも切ない愛の物語。
本作の監督を務めるのは、『僕等がいた 前篇・後篇』(2012)、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016)など数々の恋愛映画を創り上げてきた名手・三木孝浩。脚本は『君の膵臓をたべたい』(2017)の月川翔と『明け方の若者たち』(2021)の松本花奈が共作し、映画音楽には、『糸』(2020)で第44回日本アカデミー賞・優秀音楽賞にもノミネートされた亀田誠治を迎え、現在の日本映画界で、恋愛映画を作るにあたり、これ以上ない最高峰のクリエイターたちが奇跡のタッグを組んだ。
このほか、真織が「前向性健忘」を患っていることを理解し支え、頼れる親友・綿矢泉を古川琴音、透の姉である神谷早苗を松本穂香、透の両親を萩原聖人と野波麻帆、真織の両親を水野真紀と野間口徹、2人の同級生を前田航基、西垣匠が演じる。
道枝駿佑、初主演映画を観て「泣きました」 福本莉子と再共演
― 映画初主演の心境と、台本を読んだ時の感想をお聞かせください。道枝:はじめに台本を読んだ時は、素直に感動しました。この作品に携われるのかと思うともちろん気合いが入りましたが、その分不安も大きくなりました。いつもはジャニーズの先輩方がいらっしゃる中での撮影だったので、今回はジャニーズの人もいなければ僕が主演を務めるということで、主演としてどう現場にいればいいのか、どう透を演じたらいいのかわからず、プレッシャーを感じました。でも透という役としっかり向き合って自分の中で解釈し、監督とも相談させていただきながら、自分なりの透を演じることができたと思います。完成した映画を、事務所でマネージャーさんと2人で観たのですが、泣きました(笑)。
― そうなんですね!なにわ男子で泣きそうなメンバーは誰だと思いますか?
道枝:(西畑)大吾くんは、絶対に泣くと思います(笑)。メンバー全員に観てほしいです!
― 福本さんとは、ドラマ『消えた初恋』以来2度目の共演ですが、いかがでしたか?
道枝:お相手が福本さんだと知った時は、ドラマで共演したばかりだったので、すごくビックリしましたが、嬉しかったです。「再共演が早かったね」と話しました(笑)。そんなによそよそしくなく、リラックスして撮影することができたので、良かったなと思います。
― 再共演するというお話は、ドラマの撮影中にお聞きしたのでしょうか?
道枝:福本さんはドラマの撮影前から知っていたみたいです。ドラマの撮影中、僕は覚えていないのですが、福本さんが僕に「映画の話、聞きましたか?」と聞いたら、僕が「え?何のことですか?」と返したらしく、まだ知らなかったんだと思ってすぐに話を逸らしたそうです(笑)。僕はその後に映画で共演することを聞いたので、ドラマの現場で福本さんに「映画のこと聞きました!よろしくお願いします」と改めて挨拶をしたら、僕と前にその話をしたことを教えてくれたのですが、僕は全然覚えていませんでした(笑)。
― (笑)。メイキング映像で、本読みの時に福本さんが不安やプレッシャーのあまり三木監督の言葉で泣いていましたが、道枝さんは福本さんを支えることができましたか?
道枝:僕に何かできることはないかな?と思ってずっと隣にいましたが、支えられていたかどうかは正直僕にはわかりません…(苦笑)。でもしっかり支えようという気持ちは常に持ちながら、撮影に臨んでいました。
道枝駿佑が感じた“疑似恋愛” アイドルとして「ファンの方々には喜んでもらいたい」
― 透とご自身を比較して、似ているところと違うところを教えてください。道枝:普段あまり喋らないところは、自分と似ているなと思いました。人見知りではないし、人と話すのが苦手なわけではないけど、自分からはガツガツ話しかけにいかない感じが似ています。でも、料理ができるところは似ていないなと思いました(笑)。僕はあまり料理をしないのですが、透は料理ができる役だったので、撮影前に家事を練習しました。
― 透は真織と出会ってだんだん気持ちが変わっていきますが、見た目や表情、雰囲気にもその変化があらわれているなと感じました。
道枝:真織と出会って透も変わっていくので、最初は低かった声がだんだん明るくなっていくところや、猫背だった姿勢が少し直っていくところは意識しながら演じました。髪型も最初はあまり顔が見えない感じだったのですが、真織と出会ってデートを重ねていくうちに、だんだん表情が見えるようになっていく変化を見てもらいたいです。
― 透を演じたうえで、真織の可愛いと思ったところや愛しいなと感じたところはどんなところですか?
道枝:いつも明るくて天真爛漫で、弱さを見せないところが、可愛くて、強くて、支えたくなるような子だなと思いました。真織は両親や泉くらいしか相談できる人がいなかったと思うので、透の存在はとても大きかったんだろうなと思います。
― 劇中で、透と真織が付き合う際に「放課後まで話しかけない」「連絡は簡潔にする」「お互いを本気で好きにならない」という3つのルールを決めましたが、道枝さんご自身はこのルールをどう思いましたか?
道枝:最初は、疑似恋愛ってこんな感じかなと思いながら演じていましたが、透が「了解」のことを「り」と送っていた時は簡潔すぎてビックリしました(笑)。好きという感情の記憶も忘れてしまうから、「お互いを本気で好きにならない」というルールは確かにそうだなと納得したのですが、その後の展開を知った時はすごく感動しました。疑似恋愛って、アイドルだからこそできることだと思います。でもファンの方と疑似恋愛と言うと、どこかちょっと寂しい感じもします。きっとこういう時、中島健人くんだったら、「本当の恋愛」って言うんだろうなぁ…(笑)。
― 確かに(笑)。では、道枝さんも「本当の恋愛」?
道枝:上手く言葉にするのが難しいですけど、応援してくださっているファンの方々には喜んでもらいたいので、喜んでもらえるようなことをしていたいなと思います。透も真織のために日々尽くして、だんだん相思相愛になっていくので、通ずる部分はある気がします。
― 今作を通じて学んだことはありますか?
道枝:人を思う気持ちは大事だなと改めて思いました。最初は透が嘘の告白をして、真織の思いつきから疑似恋愛がはじまりましたが、透の飾らない優しさが真織の支えになり、真織が自分の病気と向き合っている真っ直ぐな姿勢が透の支えになり、そうやってだんだんと気持ちが大きくなって、お互い一途に相手を思いやるという気持ちはすごく素敵だなと思いましたし、透の尊敬できる部分だなと感じました。
道枝駿佑がぶつかった大きな壁「僕にとってターニングポイントになりました」
― 今作で、道枝さんにとって大きい壁となったものはありましたか?道枝:ありました。僕はやっぱり考え過ぎてしまう癖があるので、透ってどういう人なんだろうと考えていくうちに頭がこんがらがりましたが、深く考え過ぎないようにと自分を立て直しながら撮影していました。家族に対する確執や、いろいろ積み重なった感情が溢れ出すシーンは、僕にとって特に大きな壁でしたし、自分の課題でもありました。萩原さん演じるお父さんと喧嘩するシーンのお芝居は難しかったです。
― 監督に一番相談したのは、父とぶつかる気持ちの揺れ動きの部分ですか?
道枝:そうですね。「透は、お父さんに嫌気がさしている部分もあるんですか?」と相談をしたら、「そう見えてもいいし、これまでのいろいろな積み重ねで感情があらわになるシーンだから」というお話をしてくださったので、それを踏まえたうえで演じました。
― 頭の中で考え過ぎてこんがらがったものを、どのように解いていくのでしょうか?
道枝:その時は、一旦考えるのをやめます。そしてシンプルに考えてみるんです。考え過ぎてしまった時こそシンプルに考えるようにしていて、きっと自分の中で切り替えられるスイッチがあるんだと思います。前よりはすぐに切り替えられるようになってきましたが、自分の感情が溢れ出すシーンは、まだまだ苦手なんだなと感じました。僕がお芝居をするうえでの課題だなと思います。
― 本番の撮影はいかがでしたか?
道枝:上手くできたかどうかは、観てくださる皆さんそれぞれが感じることだとは思いますが、自分の中でハマる瞬間がどこかであると思うので、それはこれからも探りながらやっていけたらいいなと思っています。
― ラブストーリーが主軸ではありますが、家族の物語でもある印象を受けました。萩原さんとのお芝居はいかがでしたか?
道枝:「逃げるのは嫌なんだ」と言った後の萩原さんの表情は、すごく勉強になりました。僕はまだまだ受けのお芝居ができていないところもあるので、そこを学べた現場でもありました。
― 萩原さんとは撮影現場で何かお話しされましたか?
道枝:いろいろお話しさせていただきました。ドラマで共演してから、Travis Japanの松田元太くんと仲が良いみたいで、その話をしたり、「20歳になったら飲みに行こうね」と誘っていただいたりして嬉しかったです。本当のお父さんのように接してくださいました。
― お姉さんを演じた松本穂香さんとのエピソードはありますか?
道枝:松本さんの穏やかな雰囲気がお姉さんそのもので、すごく楽しかったです。撮影期間中にちょうど『テレ東音楽祭』に出演したので、「観るね」と言ってくださったり、あとは松本さんが映画で中島健人くんと共演していたので、「健人くんって、すごいよね」と話したりしました(笑)。松本さんも大阪出身なので、関西人トークで盛り上がりました。
― 今作は10代最後の作品であり、20歳を迎えてから公開する作品でもあるので、道枝さんにとってターニングポイントとなる作品ではないかと想像しているのですが、道枝さんご自身はいかがですか?
道枝:この作品は、僕にとってターニングポイントになりました。10代最後の作品で、そしてデビューしてから初めての映画ですし、主演も務めさせていただき、福本さんと再共演させていただき、監督の演出を受けさせていただき、本当にいろいろなご縁が重なった作品だなと感じています。自分自身、役者として成長させていただいた作品になったので、皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。たくさんの方に届いてほしいなと思います。
― ご自身で評価するとしたら、ズバリ何点くらいですか?
道枝:こういう時って、何点と言えばいいんでしょう?(笑)映画としてはもちろん「100点」だと思うのですが、僕だけの評価で言うと、強いて言うならリアルに「40点」くらいなんじゃないかなと思います。振り返ってみると、まだまだできることがいっぱいあったと思うので、今後の伸び代を込めて「40点」にします!
― ありがとうございました。
ひとつひとつの質問に対し、真摯に答えていたのが印象的だった今回のインタビュー。グループ活動が多忙を極める中、個人活動も軌道に乗っている道枝に、大変な時や辛い時、どのようにして気持ちを整理しているのかを聞くと、開口一番に「やるしかないと思っています」と、笑顔でそう言った。
「できるかなと不安になることは多いです。確かに大変な時もあれば、辛い時もありますけど、でも時間は進んでいくわけで、僕が絶対にやらないといけない。だからもうやるしかない!できる!と思って常にやっています」
リフレッシュになるものは、「メンバーと会うこと」と目を輝かせた道枝。グループの看板を背負って個人の現場に“主演”として立つその姿は、変わらず謙虚で真っ直ぐでありながらも、とても逞しかった。10代最後の瞬間を切り取った貴重な姿とともに、成長を遂げた姿がスクリーンからもきっと伝わるだろう。
(modelpress編集部)
「今夜、世界からこの恋が消えても」ストーリー
明日、僕を忘れてしまう君と忘れられない恋をした
僕の人生は無色透明だった。真織と出会うまでは――。
クラスメイトに流されるまま、彼女に仕掛けた嘘の告白。しかし彼女は“お互い絶対に本気で好きにならないこと”を条件にその告白を受け入れた。そうして始まった偽りの恋。やがてそれが偽りとは言えなくなったころ――僕は知る。
「病気なんだ私。前向性健忘って言って、夜眠ると忘れちゃうの。一日にあったこと、全部」
彼女はその日の出来事を日記に記録して、朝目覚めたときに復習することで何とか記憶をつなぎとめていた。
その日ごとに記憶を失ってしまい、明日が来ることを恐れながら生きる彼女と、一日限りの恋を積み重ねていく日々。
しかし僕には真織に伝えていないことがひとつだけある。だから、僕は“ある作戦”を立てた。
道枝駿佑(みちえだ・しゅんすけ)プロフィール
2002年7月25日生まれ、大阪府出身。2014年にジャニーズ事務所に入所。2017年4月期放送の日本テレビ系ドラマ『母になる』でドラマ初出演。同年8月公開の『関西ジャニーズJr.のお笑いスター誕生!』でスクリーンデビュー。2018年10月より結成されたなにわ男子のメンバーに選ばれ、2021年11月12日に『初心LOVE(うぶらぶ)』でCDデビュー。2022年4月期放送の日本テレビ系ドラマ『金田一少年の事件簿』で連続ドラマ単独初主演。7月29日公開の映画『今夜、世界からこの恋が消えても』で映画初主演を果たす。
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