モデルプレスのインタビューに応じた吉川愛(C)モデルプレス

吉川愛「明日カノ」実写主演としての率直な想い 自身の抱えるコンプレックスとは「一時期すごく思い悩んだ」<インタビュー前編>

2022.04.17 08:00

12日より放送がスタートしたMBS/TBSドラマイズム「明日、私は誰かのカノジョ」(MBS:毎週火曜24時59分~/TBS:毎週火曜25時28分~)で主演を務める吉川愛(よしかわ・あい/22)がモデルプレスのインタビューに応じた。累計300万部突破した人気コミック実写化の主演として感じている率直な想いから、自身のコンプレックスや悩んだときの対処法についてまで赤裸々に語ってくれた。【インタビュー前編】

  

吉川愛主演「明日、私は誰かのカノジョ」

メインビジュアル(C)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
をのひなお作の同名コミックの実写ドラマ化として、解禁時から大きな話題を呼んでいる本作。吉川が演じるのは、顔に残る痕というコンプレックスを隠しながら、1週間に1回誰かの彼女になるレンタル彼女として日々お金を稼ぐ女子大生の雪。客として雪と出会い、仕事上の関係を超えて雪に好意を抱く辻壮太(楽駆)や、孤独や寂しさを男で紛らわしてしまう友達のリナ(横田真悠)との関わりを通じてストーリーが展開される。

雪とリナのほか、見た目に固執し、整形を繰り返す30代女子・彩(宇垣美里)、周りに流されず“自分”を持っていると語る萌(箭内夢菜)、自由を求め上京し夜の街で“今”を生きるゆあ(齊藤なぎさ)…レンタル彼女編・パパ活編・整形編・ホスト編とそれぞれにコンプレックスや悩みを抱える5人の女性たちが各章で主人公となり物語が進み、もがきながらもそれを克服しようとした先にあるものを描いていく。

吉川愛、レンタル彼女の演技の役作りとは

吉川愛/第1話(C)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
― まず、原作を読んだ感想を教えてください。

吉川:色々な登場人物が出てくるのが面白いと思いました。普通は一人を追って最後どうなるかという風に続くと思うんですけど、オムニバス形式で別の登場人物が出てくるのが面白くて読んでいて飽きませんでした。

― 演じるにあたって役作りで意識していることは?

吉川:雪ちゃんというベースはあるけど、レンタル彼女のときと友達といるときの性格に結構差があって、レンタル彼女のときも素を見せられるような相手が現れたり、会う人によって性格が変わるところがあるんですよね。どれが本当なのか分からないのでそこが難しいポイントであり、演じていて楽しい部分であり、そういうところは意識して上手く変えられるようにしています。

― レンタル彼女のときはいわゆる“あざとい”言動だったり、可愛い彼女を振る舞っていると思うんですけど、仕草や話し方において意識していることはありますか?

吉川:レンタル彼女というのは実はお客さんによって性格を変えていて、「妹系が好き」とか「スポーティーでサバサバした子が好き」とか要望によって私自身も演技を変えているんです。例えば妹系のときは声を変えて上目遣いをしたり、「こういう感じなのかな?」と想像してできる範囲で精一杯雪を演じています。

吉川愛、実写化への正直な想い「私らしさは出したい」

― 原作を読んで真似た部分などはありますか?

吉川:見た目はスタイリストさんとかメイクさんが頑張って寄せてくれているのであとは私らしい雪ちゃんを演じたら良いんじゃないかなと思っています。私らしさは出したいので嘘をつかないことは大切にしていて、笑いたくなったら笑うしうるっと来ちゃったらそのままにして、そのとき演じていて感じた感情には素直に。漫画とは違うかもしれないけど、生身の人が演じていることが実写化の良さだと思っているのでそれを見て欲しいですね。

― 原作に忠実なシーンも多いですが、原作がある作品に出演する際、プレッシャーを感じることは?

吉川:私自身もアニメや漫画が好きなので、出させて頂くのであれば徹底的に、ちゃんと作品とその役を知って演じなければいけないなと思っています。やっぱりプレッシャーは感じるし、色々な意見があって難しいことだと思うんですけど、意識しすぎないで実写化なりの役を演じられたらと思うし、実写は実写で、と切り分けて感じていただけるように努力をしています。

― 以前「作品ごとに課題を見つける」とお話されていたのを拝見したんですが、今回の作品で課題は見つかりましたか?

吉川:やっぱり先程も話した相手によって変わる雪ちゃんの性格ですね。どこまで雪ちゃんを見せるか見せないのか、本当にコロコロ変わるのでそこが一番難しいところでもあり楽しいところでもあり、いかに自然に見せるかが課題です。

吉川愛、雪のファッションで表現しているポイント「心を開くと…」

楽駆、吉川愛/第1話(C)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
第1話(C)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
― 見た目はスタッフの方が寄せて下さったというお話ですが、真似したくなる視聴者の方も沢山いると思うので、雪に似せるためのヘアメイクやファッションのポイントを教えてください。

吉川:髪型は片耳をかけて、ちょっと横の長い毛をおろすというのが雪ちゃんですね。メイクは普段はナチュラルめだけど、レンタル彼女のときはキャラクターに寄せて、妹系だったらピンクを多めに使ってちょっとキラキラさせてみる、スポーティー系だったらちょっと強め、とかアイテムも使い分けていそうだなと思ったのでメイクさんと相談して決めています。ファッションは、プライベートは黒でレンタル彼女のときは白やピンクといった色があるものが多いんですけど、心を開くとちょっとずつ黒が入っていくんですよ。最初は本当に真っ白で、相手に心を開くと徐々に雪ちゃんらしい色である黒を入れていくというのがあります。

― 黒が、雪が心を開いている象徴なんですね!注目して見てみます。

吉川愛、自身のコンプレックスとは「一時期すごく思い悩んだ」

― コンプレックスや悩みを抱える女性が毎回出てくるストーリーですが、吉川さん自身はコンプレックスというものはありますか?

吉川:自分の鼻と輪郭が好きじゃなくて一時期すごく思い悩んだことがありました。でも、それを「好き」と言って下さるファンの方もいたので「いっか」と思えるようになりました。もちろん言われることはいまだにありますし、そんなときはちょっとだけ「ウッ」と傷つくときもありますが、それでも「好き」と言ってくれるファンの方が沢山いるので気にしないようになりました。

― そういう感情を、雪の演技で投影している部分もありますか?

吉川:そうですね。雪ちゃんがメイクで隠している火傷の痕とはまた全然捉え方が違うと思うんですけど、「そこは見られたくない」という感情は共感できるしそういう考えなんだろうなと思います。

吉川愛、演技は「人生そのもの」プライベートに弊害?

― 精神面で演じるのが難しい役どころだと思うんですが、演じている期間は自分を追い詰めることはありますか?

吉川:演じるときにその場で追い詰めます。撮影までになんとなくのイメージは頭には入れて来ますが、本番のときものすごく集中してやります。撮影以外の時間も追い詰めているとこのお仕事は本当にやられてしまうので私は本番だけ集中するタイプですね(笑)。

― 雪が誰かの彼女を演じることで、自分を保っているというのは同じ演じることだと思うんですが、子役から色々な役を演じられてきた吉川さんにとって“演じること”とは?

吉川:演じることは…もうずっとやっているので人生そのものです(笑)。だからそれが良いところでも悪いところでもあってプライベートでも演じてしまうところがあるんです。無意識に人によっていまだにちょっと対応を変えてしまうというか、良くないなとすごく思います。

― 人が望んでいることを言ってしまうとか?

吉川:そんな感じですね。やっぱり人を観察するのが仕事なので、人のことをよく見たり勘づいたりしてしまうんです。感じ取っちゃう分「こういうこと求めているんだろうな」と考えてしまう部分はあります(笑)。だから雪ちゃんのリナに対する態度とか、「友達とはいえ距離感保つよな」とすごく理解できますね。

― 演じていないのはお家にいるとき?

吉川:うーん…お家にいるときと、本当に小さい頃から仲の良い友達といるときかなと思います。一番素が出ているのは愛犬に対してかもしれません(笑)。

吉川愛、ファンに言っていないこと

― ちなみにファンの方に対して、「実は私こういう一面あるんだよ」というのを1つ教えるとしたら何ですか?

吉川:えー!なんだろう?結構見えちゃっているかもしれない(笑)。インスタライブとかやっていると素が出てきちゃうので、結構ズバズバ言う性格なのも知っているし、ひょうきんものなのも知っているし…そこは演じていないです。でもファンの方に「会いたい」というのは言っていないかもしれない(照れ笑い)。本当はコロナ禍じゃなかったらイベントとかやりたいんです。何を好きでいてくれているのかも知りたいし、私は一方的に知ってもらう側だけどファンの方のことをよく知らないので知りたいです。だからインスタライブをするときは「ちょっとでも多く質問に答えるぞ!」と思って交流していますね。

※これまでで苦労したシーン、吉川が”レンタル”したいものや、「第45回日本アカデミー賞」で話題になった鈴木亮平との再会秘話についても聞いたインタビュー後編に続く。

(modelpress編集部)


「明日、私は誰かのカノジョ」作品概要

出演:吉川愛 横田真悠 齊藤なぎさ(=LOVE) 箭内夢菜 /宇垣美里 ほか
監督:酒井麻衣、近藤幸子、菅原正登
脚本:三浦希紗、川原杏奈、イ・ナウォン

原作:「明日、私は誰かのカノジョ」をのひなお(サイコミ/Cygames)
オープニング主題歌:Amber’s 「Desire -欲情本能-」
エンディング主題歌:DUSTCELL「足りない」(KAMITSUBAKI RECORD)

公式サイト:https://www.mbs.jp/asukano/
公式SNS:@dramaism_mbs
製作:「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
(C)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS

「明日、私は誰かのカノジョ」第2話あらすじ

横田真悠、神尾佑/第2話(C)「明日、私は誰かのカノジョ」製作委員会・MBS
彼氏に振られたショックから自暴自棄になった雪の友人のリナ(横田真悠)は、ナンパしてきた2人組の大学生との行為を終えた後、ラブホテルのベッドで横になっていた。どうしても埋まらない孤独。リナは以前から、その孤独を紛らすために、肉体関係まで持つパパ活をしていた。寂しさから、しばらく途絶えていたパパ活相手の飯田(神尾佑)との関係を再開したリナは、飯田に一番の友だちとして雪を紹介する。そして飯田は、誕生日の近いリナのプレゼント選びに付き合って欲しいと雪を誘う。一方でリナは、以前ナンパしてきた2人組のうちの1人、雄大(井上想良)と偶然再会する。改めて、雄大とデートをしてみるリナ。誕生日が近づくリナの孤独を埋めてくれるのは…誰?

吉川愛(よしかわ・あい)プロフィール

吉川愛(C)モデルプレス
1999年10月28日生まれ、東京都出身。子役時代から活躍。2022年「第45回日本アカデミー賞」で新人俳優賞を受賞。近年の主な出演作は、TBS系「初めて恋をした日に読む話」(2019)、NHK大河「いだてん~東京オリムピック噺~」(2019)、TBS系「恋はつづくよどこまでも」(2020)、連続テレビ小説「おちょやん」(2020)、読売テレビ・日本テレビ系「カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~」(2021)、WOWOWオリジナル「ヒル」(2022)、映画「虹色デイズ」(2018)、「十二人の死にたい子どもたち」(2019)、「転がるビー玉」(2020)、「ハニーレモンソーダ」(2021)など。待機作に「ALIVEHOON アライブフーン」(6月10日公開)がある。

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