柄本佑、永瀬廉、池田エライザ「真夜中乙女戦争」メインビジュアル(C)2022『真夜中乙女戦争』製作委員会

King & Prince永瀬廉「人生で1番忙しかった」1年乗り越え得た変化 心の支えとなる存在も語る<「真夜中乙女戦争」インタビュー>

2022.01.17 07:00

2022年1月21日に公開する映画『真夜中乙女戦争』の主演を務めるKing & Prince永瀬廉(ながせ・れん/22)が、モデルプレスなどのインタビューに応じ、小説を映画化する上で感じた“難しさ”や「人生で1番忙しかった」2021年で得た意識の変化などを語った。

  

永瀬廉主演映画「真夜中乙女戦争」

F「真夜中乙女戦争」(角川文庫刊)(C)F
10代・20代を中心に圧倒的支持を受け、Amazonでは総合カテゴリでベストセラー1位を獲得した作家Fの初の小説『真夜中乙女戦争』。著書累計部数は60万部を超える新鋭作家による、“平凡で退屈な日々を送る青年が自分自身と東京を破壊するまでの夜と恋と戦争”を描いた物語。

主人公の無気力な大学生“私”を永瀬、主人公が恋心を抱く凛々しく聡明な“先輩”を女優の池田エライザ、一連の騒動を首謀する謎の男“黒服”を俳優の柄本佑が演じる。

永瀬廉「真夜中乙女戦争」人気小説映画化で感じた“難しさ”語る

(中央)柄本佑「真夜中乙女戦争」より(C)2022『真夜中乙女戦争』製作委員会
― 今回の話を聞いたときの率直な感想と、原作や台本を読んでから印象の変化があれば教えてください。

永瀬:お話をいただくまで原作は読んだことがなかったので『真夜中乙女戦争』というタイトルから、“女の子がいっぱい出てくる物語なのかな?”と思ったのが第一印象でした(笑)。読んでみたら、僕が想像していたものと違って、すごく重くて、とてもダークな雰囲気を持っている作品でした。でも年齢を重ねてから読んでも、こういうことを思っていた時期があったなと懐かしい気持ちや、今“私”と同じ境遇だなと共感できる部分も多いのではないかなと思います。

― 作品の中でどういったところに共感しましたか?

永瀬:僕の場合、周りと自分を比べてしまうところに共感することが多かったです。孤独感や閉塞感が描かれているので、色んな“私”の感情に乗っていけるなと思いました。

― 実際に“私”を演じてみて、演じやすかったですか?それとも難しかったですか?

永瀬:“私”を理解するのには時間がかかりました。本を読んでも思いましたし、台本を読んでも何回か読み直していたので、なかなかすぐに理解はできなかったですね。まずは『真夜中乙女戦争』というものの世界観を感じて、そこから考えていくようにしたのですが、やはり難しかったです(笑)。

永瀬廉、“私”から“先輩”&“黒服”への感情を読み解く

(中央)池田エライザ(右)山口まゆ「真夜中乙女戦争」より(C)2022『真夜中乙女戦争』製作委員会
― “私”は“先輩”と“黒服”に人生を動かされますが、2人のどういったところに惹かれたと思いますか?

永瀬:“黒服”は“私”のなりたかった理想の最終形ではないと思うのですが、自由に生きて好きな事をして、カリスマ性もあって。それでいて自分が言ってほしかった、心の中でどこか求めていた言葉を言ってきて、自分の心の中に土足で踏み込んでくるような人だから、“私”はそう言ってくれる存在が欲しかったのではとも思います。片手間くらいで何事もやり遂げる“黒服”の部分に惹かれていったのかなって。

“先輩”は、大学生活で自分がなりたかったであろう人物像。でも“先輩”を知っていくにつれて自分と似ている部分があるなっていうのをどんどん知って、自然と時間が増すごとに“私”の中で“先輩”と心の距離が近くなったんだと思います。気づいたら好きになっていた、みたいな意味の惹かれだなと。きっと“私”は初対面のシーンで一目惚れしていて、「なんだこの感情は」ってわからずに悶々としていたんだと思います。

― それぞれの関係性は永瀬さんから見てどう感じますか?

永瀬:不思議ですよね。でも“黒服”のようにここまで自分を変えてくれる人との出会いは、人生において片手に収まるぐらいの出会いだと思いますし、“先輩”は一目見ただけで心がぐっと持ってかれるような人。なのでそう考えると“私”は2人と出会うべくして出会ったんだと思います。

永瀬廉の「欲しい言葉をくれる人」明かす

― 今回“黒服”の言動に導かれる“私”が印象的でしたが、永瀬さん自身にとって「自分の欲しい言葉をくれる人」は、怖い存在ですか?それとも頼りになる存在ですか?

永瀬:僕にとっては怖い存在ですね。“私”もそうですが、今まで誰にも言われてこなかったからこそ怖かったと思います。ですが、“黒服”が捲し立ててくるので一周回って嬉しいみたいな快感のような感覚なんだと思います。監督からも「言われる言葉をめちゃめちゃ快感に感じてほしい」っておしゃっていただいたことが印象に残っています。なので、僕自身も(自分の欲しい言葉を)言っては欲しいのですが、実際聞くのは怖いなって思います。

― 「欲しい言葉をくれる存在」でも、言う内容によっては怖いですよね。

永瀬:言ってくる内容によりますよね。ダメ出しには、自分でも思い当たる節があって、例えば「ここダメだった」って思っていても言われると、「あ、ほんとにダメだったんだ」って確信に変わるじゃないですか。その反面、言ってほしい気持ちもあって、言われたほうが反省もするのですが、正直言われるのは怖いって思います…迷いますね。こういった部分が“私”とリンクしているかもしれません。

永瀬廉、池田エライザ&柄本佑の「場を支配する空気感」に圧倒

池田エライザ「真夜中乙女戦争」より(C)2022『真夜中乙女戦争』製作委員会
― 池田さんと柄本さんの共演の印象と感想を教えてください。

永瀬:“先輩”とのシーンで「死ぬほど暇ですが僕の内側は死ぬほど忙しいです」というセリフがあるんですが、台本を読んだとき「どう言おうかな」ってすごい悩んでいたんです。今後一生言うことのないようなセリフの言い回しで、“私”らしいセリフだなと。いざ本番を迎えるとそれまで“先輩”と2人で芝居をしていたのもあって、そのセリフが自分の中でナチュラルに出たんです。なので“先輩”という魅力的な人物に“私”だけじゃなくて僕の内側からも惹かれるものがあったのかなという感覚になったのを覚えています。

― 自然と引き出されるところがあったんですね。

永瀬:そうですね。“先輩”が負けじと“私”の言葉遊びに乗ってきてくれたので、“先輩”とのシーンはやはり印象に残っていますね。

― 柄本さんはいかがでしたか?

永瀬:柄本さんとの印象に残っているシーンは、最後ですね(笑)。その他ですと、“黒服”が“私”の顔を見てくるシーンがあるのですが、“黒服”が「お前とも会えた」って台詞を言った後に、“私”にわかるように大げさにのぞき込んでくるんです。その動きが“黒服”らしいと感じて、すごく印象に残っています。それを伝えたら柄本さんも「俺もそのシーンは印象に残ってる」っておっしゃってくださって。あの場面はシーンごと印象に残ってるんですよね。

― 俳優として演技への刺激や今後のヒントになることはありましたか?

永瀬:改めて、池田さんと柄本さんお2人の、場を支配する空気感はすごいなと思いながら一緒にお芝居をさせていただきました。

永瀬廉、恋愛観語る 一目ぼれってある?

― 先ほど“私”は“先輩”と初対面のシーンで惹かれたのでは?と話していましたが、永瀬さん自身は一目惚れしたことありますか?

永瀬:小学生の頃にありました(笑)。そのときの一目で恋した感覚と、今回の“私”が“先輩”に惹かれた感覚は似ていました。

― その恋心や誰かを好きになる力で自分を動かすこともあると思いますが、“私”のラストシーンでの行動も恋心によるものだと思いますか?

永瀬:そうですね。“先輩”との仲が深まっている、だけど“黒服”は“私”の言ったこと・やりたかったことを成し遂げようとしているという状況で、“先輩”か“黒服”どっちを取るかって迷っているんですよね。内のものをほぐそうとしているのは“先輩”で、解放しようとしているのは“黒服”という違いなのかなと思います。

永瀬廉、仕事への意識の変化「気軽にフラットな気持ちで」

柄本佑「真夜中乙女戦争」より(C)2022『真夜中乙女戦争』製作委員会
― “私”はまだ大学生ですが、永瀬さんから“私”に対してアドバイスがあれば教えてください。

永瀬:もっと適当に生きていたら絶対に楽になるのになって思います。“私”は余裕がなくて色んな物事に対して素直になれないところがあって。僕にとっては、そこもある種共感する部分ですね。もっと適当でいいんだよってことを伝えてあげたいです。

― もしかして自分にも言っているような言葉ですか?

永瀬:僕の場合、背負いこむとどうしても変なところに力が入って、逆にリラックスしていたときのほうが、力を発揮出来たなって思うことがあったので、“私”には“気楽に”っていうのを伝えてあげたいです。

― では今は、自分の中で余裕が出てきている時期ですか?

永瀬:どちらかというと、硬かったものがほぐれていきつつある感覚です。

― それにはきっかけが?

永瀬:皆さんそうだと思いますが、やはり楽しく仕事していたいじゃないですか。そうするためには考えすぎはよくないなと。もちろん頑張りながらも、基本気軽にフラットな気持ちでやることも大切だと気づきました。

永瀬廉、多忙すぎる1年 心の支えとなる存在明かす

― 2021年を振り返り、昨年の自分と今の自分を比べてみて、率直にどのように感じますか?

永瀬:2021年が恐らく人生で1番忙しかったんじゃないかなと思います。作品をやりながら同時進行で、24時間テレビでメインパーソナリティーも務めて、さらにシングルやアルバムの楽曲制作もあって、グループでの打ち合わせも多かったです。1番忙しかったからこそ、先程の“気軽に”ということにも気づけたのだと思います。同時期に仕事をたくさんやらせて頂いたからこそ、仕事に対してリラックスすることができました。

― 普段のお仕事でも“気軽に”ということを意識していますか?

永瀬:そうですね。例えばバラエティー番組に宣伝のために出演するとき、宣伝しなきゃ!いいとこ見せなきゃ!ということを意識しすぎると、番組自体を楽しむという一番大事なことが出来ていなかったりします。ある意味根本に戻れたのかもしれません。

― 忙しい日々の中で自分のメンタルがぶれたり、自分を見失ったりすることはなかったですか?

永瀬:僕は“私”ほど悩まないかもしれないです。悩んだときは誰かに頼るし、友達もいて、心の支えがいっぱいあるのでリフレッシュできています。なので、僕は心的に辛いなと思ったことは全然なかったですね。

永瀬廉、役者としてのやりがい「ワクワクがだんだん大きく」

― 俳優としてNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』(2021)で演じた“りょーちん”役に続き、今回の“私”もダークな雰囲気をまとう役ですが、何かやりがいを感じる部分はありましたか?

永瀬:どの作品もやりがいはあります。それぞれが全く違うキャラクターですし、抱えているものの種類も違うので、次はどんなキャラクターを演じられるんだろうというワクワクがだんだん大きくなっていきます。そこが1番の楽しみになっています。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

永瀬廉プロフィール

生年月日:1999年1月23日/出身地:東京都/血液型:O型

2011年4月ジャニーズ事務所に入所、関西ジャニーズJr.として活動を開始。2018年5月23日、King & Princeとしてシングル『シンデレラガール』でCDデビュー。役者としても頭角を現し、映画『うちの執事が言うことには』(2019)、ドラマ『FLY!BOYS,FLY!僕たち、CAはじめました』(フジテレビ/2019)など話題作の主演に抜擢。主演映画『弱虫ペダル』(2020)で第44回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2021年5月『おかえりモネ』にて連続テレビ小説初出演を果たし、幅広い世代から人気を博した。現在もTV、CM、ラジオなど多岐にわたり活動中。1月放送の主演ドラマ「わげもん~通訳異訳聞~」(NHK総合)が放送中。

また、整ったルックスから女性ファッション誌『ViVi』の企画「国宝級イケメンランキング」にて殿堂入り(2020)。抜群なスタイルの持ち主でもあり、2021年には「第38回ベストジーニスト一般選出部門」を初受賞した。

「真夜中乙女戦争」ストーリー

4月。上京し東京で一人暮らしを始めた大学生の“私”。友達はいない。恋人もいない。大学の講義は恐ろしく退屈で、やりたいこともなりたいものもなく鬱屈とした日々の中、深夜のバイトの帰り道にいつも東京タワーを眺めていた。

そんな無気力なある日、「かくれんぼ同好会」で出会った不思議な魅力を放つ凛々しく聡明な“先輩”と、突如として現れた謎の男“黒服”の存在によって、“私”の日常は一変。

人の心を一瞬にして掌握し、カリスマ的魅力を持つ“黒服”に導かれささやかな悪戯を仕掛ける“私”。さらに“先輩”とも距離が近づき、思いがけず静かに煌めきだす“私”の日常。しかし、次第に“黒服”と孤独な同志たちの言動は激しさを増していき、“私”と“先輩”を巻き込んだ壮大な“東京破壊計画=真夜中乙女戦争”が秘密裏に始動する。

一方、一連の事件の首謀者を追う“先輩”は、“私”にも疑いの目を向けていた。“私”と“先輩”、“私”と“黒服”、分かり合えたはずだった二人の道は少しずつ乖離していき、3人の運命は思いもよらぬ方向へと走りだす…。

絶望は、光になる…痛々しくも眩しい物語は予想不可能なラストへと加速していく。
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