渡邊圭祐、初舞台で新境地へ “強く沁みついている”共演者の言葉とは<「彼女を笑う人がいても」インタビュー>
俳優の渡邊圭祐(わたなべ・けいすけ/28)が、舞台「彼女を笑う人がいても」(12月4日~18日/東京・世田谷パブリックシアター)に出演する。2018年「仮面ライダージオウ」(テレビ朝日系)でドラマデビューを飾り、その後も高い表現力と唯一無二の雰囲気で凄まじい活躍ぶりを見せているが、舞台への挑戦は今作が初。これまでも多彩な役柄をこなしてきた彼が今回挑戦するのは、なんと1960年と2021年、違う時代を生きる2人の青年。俳優として新たな一歩を踏み出す渡邊が今思うこととは――。
渡邊圭祐、瀬戸山作品で二役に挑戦
― 今作で舞台初挑戦となりますが、今まで出演されてきた映像作品との違いはありますか?渡邊:まだ稽古が始まっていないので(取材は11月上旬)わからない部分もありますが、瀬戸さんとは何度か取材でご一緒させていただいたんです。その時には「舞台も映像作品もやることはあまり変わらない」とおっしゃっていました。なので、基本的に一つの物語を完成させるという点では変わらないと思っています。ですが、映像作品と違って何度も同じ物語を作るので、それに慣れることなく毎公演新鮮な気持ちで丁寧に演じることを大切にしていきたいです。
― 今回は一つの作品で二役を演じられていますが、役作りで意識したことを教えてください。
渡邊:二役を演じることにプラスして、瀬戸山さんの台本のテンポ感がものすごく速いので、その切り替えのスピードはちゃんと自分の中で作り込む必要があると感じました。栗山さんと話したり、周りの方々の空気を感じたりしながら、それぞれのキャラクターを作り上げていこうと思っています。
― 渡邊さんご自身がその二役に共感した部分はありますか?
渡邊:現代の記者の方は似ているところもあると感じましたし、すごく“今っぽい”役柄ですよね。この作品では「声なき声」が軸になりますが、そういうものを持たない今の若者に対して刺さる役どころなのかなと思っています。僕自身も一見無関心に思われたりすることがあるので、そのような部分には近いものを感じます。もちろん彼は無関心なわけではないんです。そう見えるけど、実は彼なりの考え方があって。個人的には、この役と同じような人も多いのではないかと考えています。
― 瀬戸さんとはすでに何回かお会いされているとのことですが、実際に対面してみていかがでしたか?
渡邊:まだしっかりお話をさせていただいたわけではないのですが、すごく優しい方という印象です。自分の考えをしっかり持っていて、その考えをしっかり言葉として紡いでいらっしゃるので、とりあえず喋り出す僕とは逆だなと思いました(笑)。
―今回の出演が決まってから、誰かに相談したりアドバイスをもらうことはありましたか?
渡邊:いえ、僕は普段からあまり相談をしないタイプなので今回もなかったです。ですが、うちの事務所の中で栗山さんと一緒にお仕事をした経験のある甲斐翔真、松岡広大、松島庄汰さんには、現場での雰囲気などを聞きました。それから、多くの人に「栗山さんとやるのが羨ましい」と言われました。
渡邊圭祐、“強く沁みついている”共演者の言葉
― この作品のテーマの一つとして“伝えること・言葉の大切さ”があると思うのですが、渡邊さんがこれまで共演者の方から言われた言葉で大切にしているものはありますか?渡邊:“演じる上で心がけること”を考えた時に、ドラマデビュー作の「仮面ライダージオウ」でご一緒した生瀬勝久さんからいただいた「作り込んでくるな」という言葉が、僕の中にすごく強く沁みついているんだなと気付いたんです。
これは「台本をもらってから家で自分1人で構築するな」という意味で、もちろんそのような時間があってもいいと思うのですが、それだけでは独りよがりのまま終わってしまうし、極論他の共演者がその場にいなくてもできてしまう。見ている人にも感動が伝わらない。生瀬さんは「生の現場の温度を大切に、もっと柔軟に」という意味でおっしゃったと思うのですが、その言葉はすごく自分の中に残っています。
― では他の作品でも、現場で共演者の方やスタッフさんと話し合いながら作り上げていくことが多いのでしょうか?
渡邊:はい。掛け合いのシーンでは相手がどういう温度で来るかというのは現場に入るまでわからないですし、相手が出してきたものに対してリアルな温度で返すのが正解だと思うので、臨機応変に対応する瞬発力を鍛えなければいけないなと感じています。なので、そのシーンの共演者の方だけでなく、監督さんやスタッフさんなど色々な方と話し合いながらやっています。舞台は映像と違い一発勝負ですが、現場の空気を大切にする部分では変わらないと思っています。
― 相手とコミュニケーションを取る時に心がけていることはありますか?
渡邊:コミュニケーションを取る前に相手の空気を読むことをすごく大切にしています。相手が今何を思ってそこにいるのか、見てわからなかったら一度話しかけてみて相手がどういう返しをしてくるのか。現場で話すのが好きな方もいれば、そうではない方もいますし、作品に関する話だけをしたいという方ももちろんいると思うので。
渡邊圭祐、舞台経験を糧に次のステージへ
― 今年はこの作品のほかにもたくさんの作品に出演されていましたが、振り返ってみていかがですか?渡邊:色んな役をやったなという印象があります。まさか今年の始まりが小学3年生役(テレビ東京系ドラマ「直ちゃんは小学三年生」)だとは思っていなかったので…(笑)。そういう面白さはやっぱり役者ならではだと思いますし、今年は本当にいい経験をたくさんさせていただきました。また、視野が広がってきたり、現場にいる余裕が生まれたりと、自分の中での成長も感じています。
― その経験を経て、また新たにできた目標はありますか?
渡邊:特にないんです。このご時世ということもありますし、まずは目の前のいただいたお仕事に対してありがたみを感じて、全力で楽しみながら役柄を全うしたいと思っていて。今回の舞台で新しい経験ができるので、そこで自分が培ったものを背負って、次の作品へと歩いていければいいなというのが、今思っていることです。
― 今後挑戦してみたい役柄はありますか?
渡邊:もちろんたくさんありますが、「直ちゃんは小学三年生」の時に同年代の男同士でわちゃわちゃする作品ってめちゃくちゃ楽しいなと感じたので、またこういう作品をできればいいなと思いました。男6、7人ぐらいで一つの目標に向かって走って、その間で衝突がある…みたいな作品がやりたいです。「木更津キャッツアイ」みたいな(笑)。それから、そういうジャンルとは真逆の裏社会の話での黒い役も演じてみたいです。
― 最後に、舞台を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。
渡邊:安保闘争は、僕らの世代からすると本当に馴染みがないですよね。僕もそう思っていたのですが、気合を入れて台本を読んでみたら案外そんなこともなかったんです。登場人物の言葉一つ一つがストレートで、今の社会に刺さることばかりだと思います。見てくださった方の何かが変わるきっかけになるような作品になると思うので、ぜひ肩の力を抜いて楽しんでいただけたら嬉しいです。
― 貴重なお話をありがとうございました。
(modelpress編集部)
「彼女を笑う人がいても」あらすじ
雨音。1960年6月16日。黒い傘をさした人々が静かに集まってくる。人々はゆっくり国会議事堂に向かって歩き出す。2021年、新聞記者の伊知哉は自分の仕事に行き詰まっていた。入社以来、東日本大震災の被災者の取材を続けてきたが、配置転換が決まって取材が継続できなくなってしまったのだ。そんなとき、伊知哉は亡くなった祖父・吾郎もかつて新聞記者であったことを知る。彼が新聞記者を辞めたのは1960年、安保闘争の年だった———。渡邊圭祐(わたなべ・けいすけ)プロフィール
生年月日:1993年11月21日出身地:宮城県
趣味:読書・映画鑑賞
身長:182cm
地元・仙台のモデル事務所でモデルとして活動したのち、アミューズに所属。初のドラマ出演となった「仮面ライダージオウ」(テレビ朝日系/2018年~2019年)でウォズ/仮面ライダーウォズを好演し、注目を集めた。
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