坂口健太郎「そばで見守ってあげられる男の人でいたい」朝ドラ・百音との今後の関係性は?<「おかえりモネ」インタビュー>
2021.05.31 00:00
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俳優の坂口健太郎が、女優の清原果耶がヒロインを務めるNHK の連続テレビ小説『おかえりモネ』(総合:あさ8時~、BSプレミアム・BS4K:あさ7時30分~)に若手医師役で出演中。「クールで無愛想な雰囲気が最高」「気になる」と同作で早くも注目されている坂口に、演じる上での難しさや、共演者とのエピソード、物語のこれからについて自身の考えを語ってもらった。<インタビュー>
坂口健太郎「おかえりモネ」でクールな医師役に
連続テレビ小説第104作『おかえりモネ』は、「海の町」宮城県・気仙沼に生まれ育ち、「森の町」同・登米(とめ)で青春を送るヒロイン・永浦百音(ながうらももね)が、“気象予報”という「天気」にとことん向き合う仕事を通じて、人々に幸せな「未来」を届けていく、希望の物語。安達奈緒子氏の脚本による、オリジナル作品となる。坂口は、清原演じる百音とともに成長してゆく若手医師・菅波光太朗(すがなみこうたろう)を演じる。森林組合の事務所に併設されている「よねま診療所」で働く菅波は、東京の大学病院に籍を置き、1週おきに宮城の診療所へやって来る。冷静で感情が読めないクールな性格で、常にドライで無愛想。百音との今後の関係性にも注目が集まっている。
坂口健太郎「とても美しい朝ドラが始まったなと」
― 5月17日から放送が始まりましたが、視聴者の方からの反響も含めて、今のお気持ちをお聞かせください。坂口:まだ始まったばかりですが、百音をめぐる人間関係や背景が次第に明かされて、百音の気持ちもじんわりと伝わっているんじゃないかと思いますし、なによりも映像的にもとても美しい朝ドラが始まったなという感覚があります。
クールな医師・菅波光太朗は「いろんな姿が出せる役」
― 今回、菅波という役を演じていて、楽しい所や難しいと思う部分はありますか?坂口:菅波は医師の役なので、専門用語みたいなものはやはり難しいなと思います。朝ドラは1日15分で少しずつ役を見せていかなければならないので、あまり演技を極端にやり過ぎると急にキャラクターが変わった様な感じもしてしまうのでそこは気を付けていますね。少しの塩梅で“百音と出会ったことで変化する菅波”を表現していくのは難しいですね。第5週くらいから、百音が気象の勉強を始めて、それを面倒見るシーンがでてきます。監督さんと話をして、「菅波の偏執な所やちょっと変わってる部分も入れてみたら」という話をしたり、菅波が百音の行動に巻き込まれることで変わっていく姿も意識して演じています。
― 坂口さんは、自身が演じる菅波はどんな役だと思いますか?
坂口:一見不愛想に見えますが、静かで過去に何かを抱えてそうな菅波や、暗い菅波というものもありつつも、百音に勉強を教える中でテンションが高ぶって空回りしたり、いろんな姿が出せる役だなと思いました。
はじめは森林組合の人たちも「菅波先生という人がいるんだよ」という感じだったのですが、やがて「おい、菅波先生」って言われるくらいになってきて、視聴者の皆さんもだんだんと菅波を愛らしく見ていいただけるんじゃないでしょうか。
― 坂口さん演じる菅波の、注目ポイントを教えてください。
坂口:第1週では、菅波のキャラクターはまだまだ謎に包まれていて、森林組合や百音とちょっと距離感が違うというか「彼はどういう人なのだろう」という感じは強く出ていると思います。今はまだ謎のキャラクターですが、今後、百音とどうやって一緒に物語を紡いでいくのか、そして百音によってどういう風に彼が変わっていくのかという所を注目していただけたら嬉しいです。
清原果耶は、演じていて「とても気持ちの良い女優さん」
― 今回撮影に参加されてからの、清原果耶さんの印象を改めて教えてください。坂口:果耶ちゃんは、初めて一緒にお芝居した時に「役の考えていることをとても真剣に考えているな」って思いました。最近では“果耶ちゃんが百音で、百音が果耶ちゃん”という瞬間が時々あったりして。でもそれは、役とのリンク性が高かったり、ちゃんと役と自身が混ざっていないとそういう瞬間ってなかなか生まれなかったりするので、お芝居をしていて「とても気持ちの良い女優さんだな」と改めて思いました。
「おかえりモネ」脚本は「嚙み締める事で少しずつ味が出てくるよう」
― 安達奈緒子氏の脚本は、セリフの行間を感じさせるような、すごく丁寧な脚本だという印象がありますが、脚本の魅力や演じる上での難しさなどがあれば教えて下さい。坂口:安達さんの脚本は、本当にすばらしいです。場面場面で「あともう1つ味が欲しいな」みたいな所もしっかりと書いてくださっているので、よくかみ締める事で少しずつ味が出てくるような、そんな脚本です。頂いた脚本を僕たちが咀嚼して、それがうまくいけばとても面白いドラマになるなという事はみんなが感じているのではないでしょうか。
― 実際に脚本を読んだ時の感想と、映像として出来上がったものとの違いや、逆にプラスになっているものなどもありましたか?
坂口:清原果耶ちゃんの透明感や彼女が持っている清らかさみたいなものがすごくこの作品の画にマッチしていますし、脚本のイメージと、実際のロケの映像がいい掛け算になっていると思います。最初に読んでいた時は、菅波は偏屈さがあるので「何なんだ、こいつは?」と(笑)。でも百音と出会って変わっていった様子も、きっと面白く楽しんで頂けるのではないでしょうか。
震災から10年、撮影地の宮城は「美しい」
― 今回宮城県が舞台になって、震災から10年ということですごく注目されていると思いますが、坂口さんは宮城県の思い出などはありますか?坂口:僕の親戚が福島・宮城あたりの東北にすごく多くて、なんとなく勝手に親近感が湧いています(笑)。
震災から10年が経ちますが、少し年月が経って東京にいると、なんとなく記憶が薄まっていってしまう感じがあり、良くないなと思っていますね。コロナ禍で大変な状況の中で、改めてこういう美しい景色に囲まれたドラマができるというのは、とても喜ばしい事だと思いました。
坂口健太郎、方言にキュン「全部可愛いなと」
― 今回、ドラマの中では方言が出てきますが、坂口さんは“方言萌え”を感じることはありますか?坂口:僕は東京出身なので、自分が方言や訛りが出る事はありませんが、方言を話す方はかわいらしいですよね。百音が使っていてもそう思いますし、男性が使っていてもかわいいと思います(笑)。東京出身だと、実家はありますが帰省という習慣がないので、故郷というものを感じづらく生きてきたというか、たとえば実家に帰ったら方言が出ちゃう様な、そういう“帰る場所”がある感じは羨ましいです。
― 坂口さんは、女性が話す方言でキュンとした言葉などはありますか?
坂口:女性が話すふとした方言などは、だいたい全部可愛いなと思います(笑)。
坂口健太郎「そばで見守ってあげられる男の人でいたい」
― 今回の撮影では登米市でのシーンが多いですが、気仙沼でのシーンも今後ドラマで出てくるのでしょうか。坂口:僕は登米市のシーンが多くて気仙沼でのシーンはあまりありません。でも別の作品で、気仙沼でずっと作品を撮らせてもらったことがあって、その時はいろいろと食べさせて頂きました。ハーモニカとか。(※ハーモニカは、メカジキのこと)
― 清原さんもハーモニカが好きだとおっしゃっていました。
坂口:果耶ちゃんも言っていましたか(笑)。おいしかったですね、ハーモニカ。あと、菅波はサメが好きなのでぬいぐるみとかも持っているのですが、僕はこの前の撮影の休みにサメの博物館である「シャークミュージアム」に行ってきました!マイナス30度の部屋があって、そこに入ったのですがとても寒かったですね(笑)。なぜか冬にもっと寒い所に行ってしまったので、今度は夏に入ってみたいです(笑)。
― 東京の医師と気仙沼出身の女子は、普段なかなか出会う場が少ないのかなと思うのですが、菅波という役を通して百音という役をどういう風にご覧になっていますか?
坂口:僕も実際に震災の時は東京にいて、リアルな現状というのは経験してはいないのですが、東北の、そして気仙沼という場所に生まれた彼女が、その時たまたま居なくて、家族はそこにいた…。これって悲しいというか、辛い感情になってしまうだろうなとはとても感じていましたね。
僕は菅波として客観的に彼女を見るシーンがたくさんあります。時間が経って彼女との関係がお互い分かってきた時に、そばで支えるというか、そばで見守ってあげられる男の人でいたいというのは菅波という役を通しても、そして東京出身の僕からしても思います。
坂口健太郎演じる菅波と、清原果耶演じる百音の“これから”
― 先ほど菅波は、森林組合の人にはいじられるシーンがあるとおっしゃっていましたが、百音と2人きりの時の菅波のキャラクターは、また違うものになるのでしょうか。今後の2人の関係がどうなっていくのか、坂口さんの希望も交えてお聞かせください。坂口:これは難しいですね(笑)。それで言うと、少しずつ変わっていっている部分はあると思います。菅波は、最初はどうしても他人と深く関わる事をすごく苦手としている男の人だったのですが、でもそれが彼女に巻き込まれながら一緒に時間を過ごす事によって、少しずつ変わってきているなとは実感します。
はじめは菅波も「不思議な女の子がいるな」くらいで「気になる」まではいっていない様な感じです。それが百音が森林組合で自分を犠牲にしながらも人のために動く姿などを見ていて「元気そうな子」から「この人は少し他と違うな」という想いに変わっていく気がしています。
― 最後に、視聴者の方には2人をどういう風に見て頂きたいと思いますか?
坂口:百音と菅波のシーンを見てホッとしたり、2人の関係をかわいらしいと感じながら見てただけたらと思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
坂口健太郎(さかぐち・けんたろう)プロフィール
生年月日:1991年7月11日血液型:O型
出身:東京都
趣味・特技:読書、バレーボール
身長:183cm
俳優デビューは映画『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』(2014年)で、近年の出演作は、映画『今夜、ロマンス劇場で』(2018)、ドラマ『東京タラレバ娘』(2017年)、『そして、生きる』(2019年)、『エアガール』(2021年)、『シグナル 長期未解決事件捜査班 スペシャル』(2021年)など。
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