<細田佳央太インタビュー>全力で挑んだ「ドラゴン桜」オーディション秘話、夢を叶えるために一番大切なこと
2021.04.13 17:00
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TBS系4月期の日曜劇場「ドラゴン桜」(25日スタート、毎週日曜よる9時~ ※初回25分拡大)で“東大専科”の生徒役の1人、原健太役を演じる細田佳央太(ほそだ・かなた/19)がモデルプレスのインタビューに応じた。オーディションで映画『町田くんの世界』(19)の主演に抜擢され注目を浴び、その後もドラマ「さくらの親子丼」(20)、映画『花束みたいな恋をした』(21)などに出演してきた若手実力派が、人生初の坊主頭で、とある問題を抱え周囲から孤立した少年という難役に挑む。
週刊漫画誌「モーニング」(講談社)にて2018年から連載中の三田紀房氏による「ドラゴン桜2」を原作に、2005年に放送された前作ドラマの原作「ドラゴン桜」(2003年~2007年連載)の15年後を描く続編。前作では主人公の弁護士・桜木建二(阿部寛)が倒産寸前・低偏差値の高校を超進学校に生まれ変わらせるべく奮闘する姿や、東大合格のための“桜木メソッド”と呼ばれる勉強法が大きな話題を呼んだ。
前作で「東大クラス」の生徒を演じた山下智久、長澤まさみ、小池徹平、新垣結衣、中尾明慶らは今や日本を代表する俳優へと成長。今作で桜木が向き合う生徒たちも1000人に及ぶ応募から選考され、髙橋海人(King & Prince)、南沙良、平手友梨奈、加藤清史郎、鈴鹿央士、志田彩良ら未来を担う面々が揃った。その一員となった細田が、今作を通じて視聴者に伝えたいことは?壁を乗り越えるための“細田メソッド”や、今作のテーマにも通ずる“夢を叶える秘訣”を熱く語ってくれた。
細田:最初は健太役ではなく、(鈴鹿)央士くんが演じる藤井遼役の台本をもらってオーディションを受けたんです。数回やった後、飯田(和孝)プロデューサーから同じセリフをちょっと違う感じで言ってみてと具体的な指示をいただいて。それが僕の中のイメージとは違っていたので「何でなんだろう?」と疑問を持っていたんですけど、実際に受かったという連絡をいただき、健太をやるとわかった時に「そういうことか!」と思いました。それはすごくびっくりしましたね。
― 『町田くんの世界』もオーディションで獲得された役ですが、オーディションに臨む上で毎回必ず意識していることはありますか?
細田:まず「絶対に(役を)取って来る」という気持ちを作ること。どんなに自分がその役に合っていないと思っても、諦めず死ぬ気で取りに行くという気持ちで毎回やっていて、『町田くん―』の時もそうでした。次に「もしこの役をあの役者さんがやったらどんな役になるんだろう?」と想像してみること。今回の「ドラゴン桜」もそうだったんですけど、神木(隆之介)さんや菅田(将暉)さんがこのセリフを言ったらどういう風になるんだろうと想像して、それを少し基盤にさせていただきつつ、自分の感じたことを追加していく感じです。(役が)普通の男の子だったら、妻夫木(聡)さんをイメージすることが多いですね。
― 具体的な役者さんをイメージするんですね。
細田:はい。僕が好きですごく尊敬している先輩方なので、作品を観て「この役が参考になりそう」というイメージを貯めておき、オーディションの時に使ってみるという感じです。気がついたらその3人をイメージすることが多いですね。ダーッとしゃべったり、演説っぽくなるようなセリフ回しとかの場合は、自然と僕の中では菅田さんや神木さんに結びつくんです。
― 原健太の役作りにおいて特に苦労している点をお聞かせください。
細田:最初に「健太ってこういう男の子です」という資料を見た時は「うわぁ、難しそう」とすごく思ったんですけど、健太が抱えている問題や彼が持っている才能、長所みたいなところを一個一個分解していくと、そんなに複雑じゃなくて。僕の中で丁寧に噛み砕いた4つくらいの項目を大事にしていれば「健太ってこう動くだろうな」というのがパッと出てくるので、今は難しさや迷いを感じることはなくなりました。
― 今までの作品も、そのように事前に役の細かい分析をした上で演じられてきたのでしょうか。
細田:僕の中でまだ臨機応変さが足りていないと思っていて。ドラマは映画と比べてじっくり時間をかけることができないので、そういう意味で何個もパターンを持って行かないと、その場でパッと切り替えることができないんです。
― 撮影はまだ序盤(※インタビュー時)ということですが、阿部寛さんとの交流はありましたか?
細田:撮影前の本読みでご一緒しました。本読みって大体は台本に書いてあるセリフをそのまま読むことが多いと思うんですけど、阿部さんは本読みの段階でご自身の言いやすいようにセリフを変えて話されていて。その方が桜木として嘘にならないというのを、経験や感覚を元に実践されていたので「すごいな」と思いました。
― 生徒役の皆さんとはご一緒されましたか?
細田:一回だけ現場で会いました。加藤清史郎くんは数少ない同い年ですし、「どんな子なんだろう?」と前から気になっていて。いざご一緒してみると「よくしゃべる子だなあ」と(笑)。人見知りの方が多い中、年齢や性別関係なくムードを作ってくれるというのはやっぱりありがたいですし、「すごいな」とうらやましく思いました。
― 細田さんは人見知りするタイプなんですね。
細田:自分から話しかけに行く時は、まず相手がどういったタイプなのか考えてしまうんです。ガツガツ来られるのがダメな人と、逆に来られた方がいい人と、最初から自分の素を見せた方がいい人と。大体その3つかなと思っていて。それは相手が人と話している時の声を聞いて、「こういう感じか…それならちょっと声を抑えてみようかな」という風に、徐々に距離を近づけていこうかなと。
― 慎重派なんですね。これから生徒役の中で、仲良くなりたい方は?
細田:央士くんです!央士くんとは大河のオーディションで初めて会って、控室も一緒だったんです。僕はその時も「これを取らなきゃいけない」って集中していたんですけど、央士くんがすごいチラチラ見てきて(笑)。「なんだこの人!」と思っていたら、その帰りに「いつも見てて、すごい好きな俳優さんの1人なんです」って言ってもらえて!そんな嬉しいことないよーって(笑)。その時は倉(悠貴)くんも一緒にいて、3人でサウナの話をしながら一緒に帰りました。
それでまた別の日、(前田)旺志郎くんから「ドライブ行こうよ」って連絡が来て、その時は残念ながら行けなかったんですけど、急に電話越しに「こんばんは」って央士くんの声が(笑)。もともと央士くんと旺志郎くんの2人でドライブに行く予定だったみたいなんですけど、そんな不思議な縁もあり、今回ちゃんと仲良くなりたいなって(笑)。
― 待望の共演ですね(笑)。生徒役は同世代の役者さんが多いので、刺激を受けそうですね。
細田:そうですね。刺激を受けない日はない気がします。今はまだ皆さんのことをほとんど知らないので、これから控室とかで新しい一面を知っていくんだと思うと、色んな意味で楽しみです。
― 同世代の方々へのライバル意識は強いですか?
細田:はい。それは男女問わずあります。これから同世代と一緒に作品をやることが多くなると思うと、ライバルであり戦友でもあるなと。努力量では負けたくないなと思います。
細田:健太はある問題を持っている子で、それは回を追うごとに明らかになっていきます。ただ健太に限らず、誰にでも欠点はありますよね。僕も役者をやっていて、「あの人のあんな才能を持っていれば簡単に乗り越えられるのにな」って思うことが多くて。だからと言って、それを乗り越えなくていい理由にはならないじゃないですか。自分の中にある長所や、自分だけにできる解決方法を探って乗り越えていくしかない。だから健太も自分なりに壁を乗り越えていくんだろうなと思いますし、何か一つ壁にぶつかった時に、逃げたり諦めたりするのではなく、立ち向かっていってほしい。自分のやり方でいいから、乗り越えてほしいなという想いを、健太を通して感じてもらえたら嬉しいなと思います。
― 細田さんご自身がこれまでに壁にぶつかった経験や、それを乗り越えた方法があればお聞かせください。
細田:やっぱり『町田くん―』が大きな壁だったと思います。あんなにすごい共演者の方々の中で、自分みたいなほぼ新人が真ん中に立つ。そんな中、町田くんという掴みどころがない役をどう表現していけばいいんだろう…と悩みました。その時は監督を信じて、リハーサルの時に「こうなんじゃないか」と話し合ううちに、気づいたら(壁を)越えていたという感じ。監督や僕を含むチームの中で、町田くんの一個の正解ができていたんです。乗り越えた実感はなかったんですけど、よくよく考えてみると、色々な人と話して、助けられたというのが一番の理由なのかなと思います。
― 悩んだ時は人に相談するタイプ?
細田:はい。家族や友人に相談します。やっぱり仕事のことだったら、年齢が近いこともあって(福崎)那由他や(藤原)大祐に聞くことが多いかな。プライベートのことは母親と話すことが多いですね。
― お母様からのアドバイスで特に印象に残っていることは?
細田:最近、乗り換えで電車から降りてきた車いすの男性にスーツの方がぶつかったのを見かけたんですけど、ぶつかったことを謝らずにダーッと行ってしまったのがきっかけでいざこざが起き、駅員さんまで呼んで電車がストップしてしまったんです。「ぶつかったのを謝らないのが悪い」と主張していたんですけど、電車には疲れている人たちもたくさん乗っていますし、それで待たされる人数のことを考えると、ちょっとどうなんだろうな…って。
そんなことがあって「こういう風に考える自分って悪いのかな?」と母親に相談したら、「間違っていないと思う」と否定はしなかったけれど、「ただ、その人にはその人の考えがあるから」と言われました。それを聞いてからは、僕の中で全ての人に同じ対応をしないように心がけるようになって。例えば怒り方一つとっても、はっきり言うのか、優しく諭すのがいいのか。母の言葉で「受け取り方は人それぞれ」ということを学び、慎重に考えるようになりました。
― そういったモヤモヤを都度、お母様と話して消化できるのは素敵ですね。
細田:そうですね。1人で考えるのと、実際に話してみるのとではだいぶ違うので、ありがたいです。
細田:ラスト十代で何をしたいかはまだ決まっていないんですけど、今年は『花束みたいな恋をした』から始まり、「ドラゴン桜」があり、すごく恵まれたスタートだなと感じています。だからこそ、それを持続させていきたいですし、気を緩めずに一年間突っ走り、色々な作品をファンの方に届けられたらいいなと思っています。
― “常に全力”が細田さんにとって心地いいペースなんですね。
細田:そうですね!ハンサム(=アミューズ所属の若手俳優による「チーム・ハンサム!」)もそうですけど、熱い現場が大好きです!
― 最後に、「ドラゴン桜」にも通ずる部分があると思いますが、夢に向かって頑張るモデルプレス読者の皆さんに“夢を叶える秘訣”をアドバイスお願いします。
細田:割とありきたりなことだと思うんですけど、人への感謝を忘れないこと。夢を叶えるにあたって、自分の努力はもちろん必要ですが、自分1人では生きていけないし、1人で夢を叶えるのは無理だと思うんです。僕もスタッフさんやマネージャーさんがいるからこそこういう仕事ができるし、ファンの皆さんが応援してくださるからこそハンサムのステージにも立つことができる。そうやって支えてくれる方々への感謝を忘れずに突っ走っていけば、その努力はいずれ返ってくると思います。何か一つ挫折したとしても、その経験があったから次の目標を叶えられましたということも少なからずあると思っているので、僕の中では夢を叶えるためには、周りの人への感謝を忘れないことが何よりも大切だと思っています。
― ありがとうございました。(modelpress編集部)
出身:東京都
身長:173cm
血液型:A
特技:バスケットボール
小学2年生で俳優活動を始める。以降、ドラマ「検事・沢木正夫3 共犯者」(2015年/TX)、ドラマ「川獺(かわうそ)」(2016年/NHK)、映画『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』(2016年)、dTVオリジナルドラマ「テラフォーマーズ/新たなる希望」(2016年)など、ドラマや映画で活躍。2018年のドラマ「FINAL CUT」(KTV)では主人公の高校生時代を演じ、同年、特撮ドラマ「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」(TX)に出演した。2019年には、1000人超えの応募者の中から抜擢され、映画『町田くんの世界』(石井裕也 監督)にて主演。2021年8月には、映画『子供はわかってあげない』(沖田修一 監督)の公開が控えている。
前作で「東大クラス」の生徒を演じた山下智久、長澤まさみ、小池徹平、新垣結衣、中尾明慶らは今や日本を代表する俳優へと成長。今作で桜木が向き合う生徒たちも1000人に及ぶ応募から選考され、髙橋海人(King & Prince)、南沙良、平手友梨奈、加藤清史郎、鈴鹿央士、志田彩良ら未来を担う面々が揃った。その一員となった細田が、今作を通じて視聴者に伝えたいことは?壁を乗り越えるための“細田メソッド”や、今作のテーマにも通ずる“夢を叶える秘訣”を熱く語ってくれた。
オーディション秘話、同世代役者へのライバル心「努力量では負けたくない」
― 「ドラゴン桜」のオーディションを振り返って特に印象的だったことをお聞かせください。細田:最初は健太役ではなく、(鈴鹿)央士くんが演じる藤井遼役の台本をもらってオーディションを受けたんです。数回やった後、飯田(和孝)プロデューサーから同じセリフをちょっと違う感じで言ってみてと具体的な指示をいただいて。それが僕の中のイメージとは違っていたので「何でなんだろう?」と疑問を持っていたんですけど、実際に受かったという連絡をいただき、健太をやるとわかった時に「そういうことか!」と思いました。それはすごくびっくりしましたね。
― 『町田くんの世界』もオーディションで獲得された役ですが、オーディションに臨む上で毎回必ず意識していることはありますか?
細田:まず「絶対に(役を)取って来る」という気持ちを作ること。どんなに自分がその役に合っていないと思っても、諦めず死ぬ気で取りに行くという気持ちで毎回やっていて、『町田くん―』の時もそうでした。次に「もしこの役をあの役者さんがやったらどんな役になるんだろう?」と想像してみること。今回の「ドラゴン桜」もそうだったんですけど、神木(隆之介)さんや菅田(将暉)さんがこのセリフを言ったらどういう風になるんだろうと想像して、それを少し基盤にさせていただきつつ、自分の感じたことを追加していく感じです。(役が)普通の男の子だったら、妻夫木(聡)さんをイメージすることが多いですね。
― 具体的な役者さんをイメージするんですね。
細田:はい。僕が好きですごく尊敬している先輩方なので、作品を観て「この役が参考になりそう」というイメージを貯めておき、オーディションの時に使ってみるという感じです。気がついたらその3人をイメージすることが多いですね。ダーッとしゃべったり、演説っぽくなるようなセリフ回しとかの場合は、自然と僕の中では菅田さんや神木さんに結びつくんです。
― 原健太の役作りにおいて特に苦労している点をお聞かせください。
細田:最初に「健太ってこういう男の子です」という資料を見た時は「うわぁ、難しそう」とすごく思ったんですけど、健太が抱えている問題や彼が持っている才能、長所みたいなところを一個一個分解していくと、そんなに複雑じゃなくて。僕の中で丁寧に噛み砕いた4つくらいの項目を大事にしていれば「健太ってこう動くだろうな」というのがパッと出てくるので、今は難しさや迷いを感じることはなくなりました。
― 今までの作品も、そのように事前に役の細かい分析をした上で演じられてきたのでしょうか。
細田:僕の中でまだ臨機応変さが足りていないと思っていて。ドラマは映画と比べてじっくり時間をかけることができないので、そういう意味で何個もパターンを持って行かないと、その場でパッと切り替えることができないんです。
― 撮影はまだ序盤(※インタビュー時)ということですが、阿部寛さんとの交流はありましたか?
細田:撮影前の本読みでご一緒しました。本読みって大体は台本に書いてあるセリフをそのまま読むことが多いと思うんですけど、阿部さんは本読みの段階でご自身の言いやすいようにセリフを変えて話されていて。その方が桜木として嘘にならないというのを、経験や感覚を元に実践されていたので「すごいな」と思いました。
― 生徒役の皆さんとはご一緒されましたか?
細田:一回だけ現場で会いました。加藤清史郎くんは数少ない同い年ですし、「どんな子なんだろう?」と前から気になっていて。いざご一緒してみると「よくしゃべる子だなあ」と(笑)。人見知りの方が多い中、年齢や性別関係なくムードを作ってくれるというのはやっぱりありがたいですし、「すごいな」とうらやましく思いました。
― 細田さんは人見知りするタイプなんですね。
細田:自分から話しかけに行く時は、まず相手がどういったタイプなのか考えてしまうんです。ガツガツ来られるのがダメな人と、逆に来られた方がいい人と、最初から自分の素を見せた方がいい人と。大体その3つかなと思っていて。それは相手が人と話している時の声を聞いて、「こういう感じか…それならちょっと声を抑えてみようかな」という風に、徐々に距離を近づけていこうかなと。
― 慎重派なんですね。これから生徒役の中で、仲良くなりたい方は?
細田:央士くんです!央士くんとは大河のオーディションで初めて会って、控室も一緒だったんです。僕はその時も「これを取らなきゃいけない」って集中していたんですけど、央士くんがすごいチラチラ見てきて(笑)。「なんだこの人!」と思っていたら、その帰りに「いつも見てて、すごい好きな俳優さんの1人なんです」って言ってもらえて!そんな嬉しいことないよーって(笑)。その時は倉(悠貴)くんも一緒にいて、3人でサウナの話をしながら一緒に帰りました。
それでまた別の日、(前田)旺志郎くんから「ドライブ行こうよ」って連絡が来て、その時は残念ながら行けなかったんですけど、急に電話越しに「こんばんは」って央士くんの声が(笑)。もともと央士くんと旺志郎くんの2人でドライブに行く予定だったみたいなんですけど、そんな不思議な縁もあり、今回ちゃんと仲良くなりたいなって(笑)。
― 待望の共演ですね(笑)。生徒役は同世代の役者さんが多いので、刺激を受けそうですね。
細田:そうですね。刺激を受けない日はない気がします。今はまだ皆さんのことをほとんど知らないので、これから控室とかで新しい一面を知っていくんだと思うと、色んな意味で楽しみです。
― 同世代の方々へのライバル意識は強いですか?
細田:はい。それは男女問わずあります。これから同世代と一緒に作品をやることが多くなると思うと、ライバルであり戦友でもあるなと。努力量では負けたくないなと思います。
立ちはだかる壁を乗り越える“細田メソッド”は…
― 原健太という役を通じて、視聴者の方にどんなメッセージを伝えたいですか?細田:健太はある問題を持っている子で、それは回を追うごとに明らかになっていきます。ただ健太に限らず、誰にでも欠点はありますよね。僕も役者をやっていて、「あの人のあんな才能を持っていれば簡単に乗り越えられるのにな」って思うことが多くて。だからと言って、それを乗り越えなくていい理由にはならないじゃないですか。自分の中にある長所や、自分だけにできる解決方法を探って乗り越えていくしかない。だから健太も自分なりに壁を乗り越えていくんだろうなと思いますし、何か一つ壁にぶつかった時に、逃げたり諦めたりするのではなく、立ち向かっていってほしい。自分のやり方でいいから、乗り越えてほしいなという想いを、健太を通して感じてもらえたら嬉しいなと思います。
― 細田さんご自身がこれまでに壁にぶつかった経験や、それを乗り越えた方法があればお聞かせください。
細田:やっぱり『町田くん―』が大きな壁だったと思います。あんなにすごい共演者の方々の中で、自分みたいなほぼ新人が真ん中に立つ。そんな中、町田くんという掴みどころがない役をどう表現していけばいいんだろう…と悩みました。その時は監督を信じて、リハーサルの時に「こうなんじゃないか」と話し合ううちに、気づいたら(壁を)越えていたという感じ。監督や僕を含むチームの中で、町田くんの一個の正解ができていたんです。乗り越えた実感はなかったんですけど、よくよく考えてみると、色々な人と話して、助けられたというのが一番の理由なのかなと思います。
― 悩んだ時は人に相談するタイプ?
細田:はい。家族や友人に相談します。やっぱり仕事のことだったら、年齢が近いこともあって(福崎)那由他や(藤原)大祐に聞くことが多いかな。プライベートのことは母親と話すことが多いですね。
― お母様からのアドバイスで特に印象に残っていることは?
細田:最近、乗り換えで電車から降りてきた車いすの男性にスーツの方がぶつかったのを見かけたんですけど、ぶつかったことを謝らずにダーッと行ってしまったのがきっかけでいざこざが起き、駅員さんまで呼んで電車がストップしてしまったんです。「ぶつかったのを謝らないのが悪い」と主張していたんですけど、電車には疲れている人たちもたくさん乗っていますし、それで待たされる人数のことを考えると、ちょっとどうなんだろうな…って。
そんなことがあって「こういう風に考える自分って悪いのかな?」と母親に相談したら、「間違っていないと思う」と否定はしなかったけれど、「ただ、その人にはその人の考えがあるから」と言われました。それを聞いてからは、僕の中で全ての人に同じ対応をしないように心がけるようになって。例えば怒り方一つとっても、はっきり言うのか、優しく諭すのがいいのか。母の言葉で「受け取り方は人それぞれ」ということを学び、慎重に考えるようになりました。
― そういったモヤモヤを都度、お母様と話して消化できるのは素敵ですね。
細田:そうですね。1人で考えるのと、実際に話してみるのとではだいぶ違うので、ありがたいです。
十代ラストは気を緩めず突っ走る!
― 最後に、今年20歳を迎える記念すべき年ということで、「こういう一年にしたい」という意気込みをお聞かせください。細田:ラスト十代で何をしたいかはまだ決まっていないんですけど、今年は『花束みたいな恋をした』から始まり、「ドラゴン桜」があり、すごく恵まれたスタートだなと感じています。だからこそ、それを持続させていきたいですし、気を緩めずに一年間突っ走り、色々な作品をファンの方に届けられたらいいなと思っています。
― “常に全力”が細田さんにとって心地いいペースなんですね。
細田:そうですね!ハンサム(=アミューズ所属の若手俳優による「チーム・ハンサム!」)もそうですけど、熱い現場が大好きです!
― 最後に、「ドラゴン桜」にも通ずる部分があると思いますが、夢に向かって頑張るモデルプレス読者の皆さんに“夢を叶える秘訣”をアドバイスお願いします。
細田:割とありきたりなことだと思うんですけど、人への感謝を忘れないこと。夢を叶えるにあたって、自分の努力はもちろん必要ですが、自分1人では生きていけないし、1人で夢を叶えるのは無理だと思うんです。僕もスタッフさんやマネージャーさんがいるからこそこういう仕事ができるし、ファンの皆さんが応援してくださるからこそハンサムのステージにも立つことができる。そうやって支えてくれる方々への感謝を忘れずに突っ走っていけば、その努力はいずれ返ってくると思います。何か一つ挫折したとしても、その経験があったから次の目標を叶えられましたということも少なからずあると思っているので、僕の中では夢を叶えるためには、周りの人への感謝を忘れないことが何よりも大切だと思っています。
― ありがとうございました。(modelpress編集部)
細田佳央太(ほそだ・かなた)プロフィール
生年月日:2001年12月12日出身:東京都
身長:173cm
血液型:A
特技:バスケットボール
小学2年生で俳優活動を始める。以降、ドラマ「検事・沢木正夫3 共犯者」(2015年/TX)、ドラマ「川獺(かわうそ)」(2016年/NHK)、映画『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』(2016年)、dTVオリジナルドラマ「テラフォーマーズ/新たなる希望」(2016年)など、ドラマや映画で活躍。2018年のドラマ「FINAL CUT」(KTV)では主人公の高校生時代を演じ、同年、特撮ドラマ「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」(TX)に出演した。2019年には、1000人超えの応募者の中から抜擢され、映画『町田くんの世界』(石井裕也 監督)にて主演。2021年8月には、映画『子供はわかってあげない』(沖田修一 監督)の公開が控えている。
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