「KOUGU維新」“プラスドライバ”乙ルイ&“平やっとこ”淡川幸一郎インタビュー 「命かけてる」ミュージカルへの思い・メンバーとのエピソードもたっぷり
2020.12.23 22:00
views
日本テレビ系バラエティ番組「有吉の壁」(毎週水曜よる7時~)の「ブレイク芸人選手権」から生まれた2.7次元アイドル「KOUGU維新」が12月24日にオンラインミュージカル「最初で最後のミュージカル KOUGU維新±0 ~聖夜ヲ廻ル大工陣~」を開催し、Huluストアにて生配信される。モデルプレスは稽古の合間に「KOUGU維新」を牽引するプラスドライバを演じる乙ルイ(きつね大津広次)と平やっとこを演じる淡川幸一郎(きつね淡路幸誠)にインタビューを実施した。
「有吉の壁」KOUGU維新、最初で最後のミュージカルに挑戦
「KOUGU維新」とは、DJセットを使った“パリピ漫才”で知られるお笑いコンビのきつねが考案。「ちょいダサが売りの2.7次元アイドル」という設定で、明治時代倒幕運動によって荒れ果てた建造物を復興に導く、命宿りし工具たちの話。癖になるパロディ感と、ビジュアルの良さでじわじわとブレイクしている。有吉弘行の判定とは裏腹にまさかのSNSのトレンド入りやCM出演など活躍を遂げてきた彼ら。第1章完結から1ヶ月を経て、第2章が開幕しオンラインミュージカルに挑戦する。
プラスドライバは正統派王子様キャラクターで「KOUGU維新」のまとめ役。平やっとこはちょっとおバカな荒くれ者。乙と淡川は高校時代に甲子園で戦っていた盟友で、現在は二人三脚で「KOUGU維新」を引っ張っている。
乙ルイ&淡川幸一郎「KOUGU維新」は「降ってきた」
~ここからはあくまできつね大津・淡路ではなく、乙・淡川の会話としてお楽しみ下さい~― 「KOUGU維新」がここまで広がったことについて心境をお聞かせ下さい。
乙:皆の心の中にある言葉にしきれない存在を自分たちが少なからず形にできたと思っていて、昨今不安が広がっている中で柱というか1つの支えになれていることをすごく嬉しく思います。
淡川:SNSでファンアートなんかを見かけると、どんどん僕らの表情が豊かになってきて、すごくかっこいんですよね。親方様の中に僕らの理想があってそれを描いてくれているわけだからその理想を裏切りたくないなと。僕自身食べるのが好きなので体型維持に気をつけなきゃいけないと思ってます。
― 元々2人の発案で始まったんですよね。
乙:そうですね、(天から)降ってきました。
淡川:ただただ工具を具現化したら音楽番組に出れたり、ミュージカルになったり。
乙:何も考えずに粘土で遊んでいるといびつながらも自分の心を映しているようなものの形になるときってありますよね?それですね。
淡川:まあ美味そうに見えるときもありますしね。
乙:食べ物バカ(笑)。
淡川:今日弁当大分少なかったよ!今稽古で歌って踊って消費カロリーがすごいんですよ。だからお弁当はもう1個増やしてもらいたいと思うんですけど。
― 体型維持は大変ですか?
乙:かっこつけんなよ。
淡川:今俺カッサ行ってんだぞ。石でフェイスアップするやつ。
乙:見えるところだけ痩せて、脱いだときだらしないって正直年一番感じるから。
淡川:(乙は)こんな感じでうるさいんですよ~!僕が着替えたときにちょっとでも体型が変わってたらすぐバレますもん。武豊さんって腕時計で体型を維持しているらしいんですけど、僕にとっての豊さんですね。
乙:ムチでお尻叩いているんで。
淡川:ヒヒーンじゃないんだよ!
それぞれ育っていたキャラクターたち「僕らにマイナスドライバは操れない」
― (笑)。他のメンバーはどういう風にキャラクターを当てはめていきましたか?キャラクターありきだったのか、俳優さんありきだったのか。乙:すごく難しい質問。元々自分たちがこういうキャラクターを作りたいというのは正直あったんですけど、そのキャラクターをその人に演じてもらったら全く表情を変える。だから表現として「僕たちが作った」というよりは「彼らがものにしてそれになった」という方が近いかもしれません。彼らから産まれたものです。
淡川:赤ちゃんと一緒かもしれないですね。僕らが産み落としたけど。
乙:チョコエッグとかにも近いかもしれない。開けたら何が出るか分からない。
淡川:肉まんとも一緒だな?
乙:表示がない状態で肉まん買ったら中が何か分からないじゃないですか。
淡川:それぞれが幼少期に影響を受けた漫画やアニメ、映画が違うので一口に「クールなキャラ」と言っても人によって違いますよね。
乙:具体的に言うとアニメのキャラで今まで親しんできた声優さんが代わったらすごく印象が変わりませんか?それと似たようなことで僕たちはあくまでフォルムを決めただけでそこに当てはめる性格だったり声色だったり全て含めて1つのキャラクターになるので僕たちは型を作っただけですね。
淡川:もう僕らにマイナスドライバは操れないですから。無神さん(パンサー向井慧)が完全に己のものにしているから。稽古していても圧倒されるよね。
乙:こわい。
淡川:マイナスドライバが本当の武器に見える瞬間ありますから、やっぱりあの人すごいよ。
乙ルイ、小橋宇宙は「ちょっかい出したくなっちゃうタイプ」
― 他のキャラクターで想像以上に驚いた人は?淡川:(砥石を演じる)渡哲夫(ワタリ119)。哲くんは入れば入るほど僕と似てますね~。演技プランがすごく考えていることが一緒なんだろうと思いますね。話し合わなくても「こいつこう来るんだろうな」と分かりますし、1回「それぞれ殺陣付けてこい」と持ち帰ったときもほぼ一緒のものを作っていてびっくりしましたね。腹減るタイミングも、サウナの時間も一緒。お互いやせ我慢して大体14分くらいでダメなんですけど。
乙: 14分は整いすぎるよ!大丈夫?
淡川:正直12分くらいがお互い限界なんだけど、あいつよりは先に上がれないから。そこは負けれない。
乙:14分何発?
淡川:3回。お互い水風呂苦手だから炭酸湯で繰り返して入っている。…脱線しちゃいましたけど、本当に彼とは似ちゃうんです。
乙:僕は(紙やすりを演じる)小橋宇宙(四千頭身石橋遼大)くんかな。小橋くんってキャラクターで天然っぽいことやっているスタンスでいるんだけどそうじゃないんだよね、本当にあのままなんです。楽屋のものとかすぐ持ってっちゃうし、この前もオーディオ間違えて持って帰ってた(笑)。稽古場の近くの外にいたときに、僕が遠くから「おーい」ってフェンス越しに呼んだらフェンスに足引っ掛けてバチーンって転んじゃったり。恥ずかしいんだよ。
淡川:可愛いんですよ。
乙:その後傷触って「イテッ」とか言ってるので僕もちょっと触ったりしてて。僕Sっ気あるのかも。
淡川:小橋くんに対してはSっ気あるよね。
乙:ちょっかい出したくなっちゃうタイプなんです。結構人見知りだから初めての共演者の方から見ると「印象悪いんじゃない?」と先輩として心配になることもあるんですけど、ただの人見知り。
淡川:小橋くんはいつも元気だから、稽古は朝早くて2時半とかから始まるんですけど。
― 2時半!?
乙:終電で1時入り。
淡川:皆最初は眠くてそろそろ切り替えなきゃなと思っていても小橋くんが来たら明るくなりますね。
乙:一時寝てないときは17分とかしか睡眠時間なかったですね。
淡川:僕らか武井壮さんか。
乙ルイ&淡川幸一郎、共同制作秘話「ぶつかりあいは当初はよくあった」
― 「KOUGU維新」が始まってから一番大変だったことは?乙:今です。今までは単発公演が多かったけど規模が大きくなったので稽古が本当にみちみちで。
淡川:お金を支払って観て頂く作品なのでとにかく今はクオリティを上げていますね。
乙:稼働していない時間がほとんどないんじゃないかな。寝てる時間以外はずっと「KOUGU維新」。KOUGUか寝てるか。
― 楽曲の歌詞も2人が書かれているんですよね。
乙:喧嘩するんですよ。ジブリで例えると宮崎駿、高畑勲みたいな。結構有名な話なんですけど「風の谷のナウシカ」の砂の部分を駿は説明しなくていいと、勲は砂になった理由を劇中に含めたかった、でもそれを含めると4時間くらいになっちゃうから入れなかったらしいんです。僕はそういうところを入れていきたいタイプなのに対して、彼(淡川)は表現せず抽象的なもので伝えたいのでそういうぶつかりあいは当初はよくあったよね。
淡川:どっちも大事なんですけどね。
乙:だから良いものが生まれる。
― 今回も話し合いでまとまったんですか?
乙:というより“クロス”した。ミックスじゃなくてクロスかな。ミックスだと全く別のもの同士という感じなんだけどクロスはお互いのものが行き合って1つのスパイラルが生まれるわけじゃないですか。僕たちの作品は融合じゃなくてクロスという意識でやっています。
淡川:クロスピザってあんまり聞いたことないもんな。ミックスピザは俺コーンも照り焼きも好きだからよく頼むけど。
「KOUGU維新」ミュージカル稽古は「皆これに命かけてる」
― 稽古の手応えはどうですか?乙:本当に皆これに命かけてるんだなと思います。ここで成功させなきゃ死ぬような、サバンナで3日間食事にありつけていないライオンのような目で台本を読んでますよ。
淡川:歌詞にも「命の炎燃やせ」というところがあるんですけど、まさにその活気があります。
乙:それこそサウナくらい稽古場の熱気もすごくてこの時期に汗ダラダラです。
淡川:1人6~7ガロンくらい水飲んでますよ。
乙:1時から始まって終わるのが24時だから、めっちゃ飲んでるよ。
淡川:これが不思議なことに誰も体調崩さない。
乙:元気モリモリです。
― 今回のミュージカルで新たに明かされる見どころなどはありますか?
乙:今まであえて描きはしなかったドライバ一族のルーツが今回は見えるかなと思います。あとはリベリオンが何をしたいかも分かってきます。正義の反対は悪ではなく正義なんです。違った正義のぶつかりあいが争いを生む儚さを観てほしいです。
淡川:だな。決着というのは寂しいものでもあるからな。
ハリウッド・監督業…それぞれに羽ばたく「KOUGU維新」メンバーが再集結
― 最後に親方様へ向けてメッセージをお願いします。乙:365日の中で一日しかない感謝祭を僕らのために割いてくれたのは感謝したいことですし、僕らを見てくれることで、親方様と僕らが1つのものになれたらなということを願って演じたいなと思います。
淡川:「KOUGU維新」をきっかけにそれぞれの現場に皆羽ばたいています。ハリウッドに出ている人もいますし、海外に拠点置くと言っている人もいますし、映画監督になるという人もいて、とんでもなく忙しくなっている状況で親方様への恩返しとして再集結したんですよね。だからここを見逃すと次いつになるか分からないぞというのは一番言いたいところです。
乙:あんまり言えないですけど、国家予算くらいかかってますよ。誰がとは言えないですけど「オーシャンズ」にも出るって噂だよ?
淡川:14人目でしょ?聞いたときはびっくりしたなぁ。KATAもサーバー自体を作ってるらしい。
乙:Googleみたいなこと?
淡川:Safari、Chrome、KATA。
乙:エンジニアじゃん。二足のわらじが上手く行ってるんだね。僕もインド映画の主演決まったんで。…リアルなこと言うと、事務所の垣根を越えてやっているすごさはありますよ。
(一同笑い)
乙:ガチでこの練習量割り振るってあんまりないですよ。本当に死ぬほど稽古はしているので。
淡川:本当に見逃さないでほしいです。
― ありがとうございました。本番楽しみにしています。
モデルプレスでは稽古の密着記事も公開中。今後、巻尺を演じるKATA(空気階段水川かたまり)のインタビュー記事を公開予定。(modelpress編集部)
オンラインミュージカル「最初で最後のミュージカル KOUGU維新±0 ~聖夜ヲ廻ル大工陣~」
あらすじ:KOUGU男士たちがクリスマスパーティーを楽しむ最中、マイナスドライバ率いる反乱軍『工具リベリオン』によるある計画が始動。KOUGU維新のプライドをかけ、聖夜に熱きバトルが勃発する。プラスドライバと生き別れの兄マイナスドライバの絆を紡ぐストーリーにまさかのダークヒーローも登場。出演:きつね、トム・ブラウン、水川かたまり(空気階段)、石橋遼大(四千頭身)、ワタリ119、ほしのディスコ(パーパー)、向井慧(パンサー)ほか
配信予定:12月24日(木)19:00開場/20:00開演
※上映は1時間程を予定。
チケット価格:3300円(税込)
配信サイト:Huluストア
【Not Sponsored 記事】