<女子アナの“素”っぴん/松村未央アナ>育休から復帰 子育ての心境・夫のパパぶり語る【「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載】
2020.09.16 17:00
「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』―――― Vol.61~62は2009年入社の松村未央(まつむらみお・34)アナウンサー。
「才色兼備」と呼ばれる彼女たちも1人の女性。テレビ画面から離れたところでは、失敗して泣いていたり、悔しくて眠れなかったり、自分の居場所に悩んでいたり…。それでも気持ちを落ち着かせて、どうしたら視聴者に楽しんでもらえるのか、不快感を与えないのか、きちんと物事を伝えられるのか、そんなことを考えながら必死に努力をしている。本連載ではテレビには映らない女性アナの“素”(=等身大の姿)を2本のインタビューで見せていく。
前編はこれまでのアナウンサー人生を振り返りながらターニングポイントに迫るもの、後編は彼女たちが大切にする「5つの法則」をメイク・ファッション・体調管理といったキーワードから問う。
――――川野良子アナの後を引き継ぎ、31人目に登場するのは松村アナ。※後編(Vol.62)は10月1日に配信予定。
松村:失敗は日々たくさんあるのですが、一番は2年目に担当した桜中継です。都内ホテルの庭園から中継だったのですが、お昼のニュースで放送するために朝から現場に行っていました。「取材をして、リハーサルもして、原稿の内容も覚えて準備万端だ!」と思ってスタンバイしたのですが、本番が始まったら頭が真っ白になって、覚えたことが全て飛んでしまったんです。
呆然として真顔で立ち尽くしていたところに、スタジオにいた島田彩夏アナウンサーが助け舟を出してくれて質問に答える形で何とか乗り越えることができたのですが、何もできなかったことが本当に不甲斐なくて。反省して絶対これを今後に活かそうと思いました。
― 緊張で飛んでしまったんでしょうか?
松村:それもありますし、「もう2年目だし、リハーサルもたくさんしたから大丈夫!」という自信がどこかにあったのだと思います。一番大事な“伝える”ということを忘れていて、丸暗記したものを読めばいいと思っていたんでしょうね。初心に戻り“伝える”ということを改めて意識するきっかけになりました。
― そういった失敗はどうやって乗り越えてきましたか?
松村:桜中継の後からは、細かい情報はもちろん覚えるのですが、丸暗記をやめて全体の流れを覚えることに重点を置くようになりました。これは中継だけではなく、インタビューや収録、いろんなことに通じると思っています。私は心配性なので、細かい内容は手にこっそり書いたりしていました。
― ちょっと余白を残すくらいがいいんですね。
松村:その方が自然にもなりますし、私には合っていました。それからずっとこのやり方をしていますが、日々の積み重ねも大事だと思います。
― そうした時、周りの先輩からアドバイスをもらったりすることもありますか?
松村:桜中継で失敗した時は「怒られるのかな?むしろちょっと怒ってほしい」と思っていたのですが、先輩たちが優しい言葉をかけてくださって。逆にそれで自分の不甲斐なさを痛感し、「もっと頑張ろう!」と思いました。
― 怒られないとそれはそれでプレッシャーがありますね。
松村:そうなんです。自分で考えて反省して、努力で挽回しろということなのだと思っています。
― 仕事の失敗で気持ちが落ち込んでしまった時、気持ちの切り替え方はどうしていますか?
松村:私は引きずる時は引きずるのですが、過去に起きてしまったことは過去として割り切るタイプなので、寝て忘れます。二度と同じ失敗しないように、VTRは見返しますが、一度見返して反省したら、あとは次頑張るしかないと気持ちをすぐに切り替えますね。
― 「寝て忘れる」はこの連載で皆さんからよく聞きますが、アナウンサーに通じるものなのでしょうか。
松村:どうでしょう(笑)?小さい失敗は日々あります。私は12年目ですが、「今日は100点だ」と思えた日は、今まで1日もないです。失敗は過ぎてしまったことなので、同じことを繰り返さないように反省して、寝て忘れます。
松村:5年目に担当したソチオリンピックです。入社1年目からオリンピックを目標にしていて、1年目の冬にバンクーバーオリンピックがあり、浅田真央選手が涙の銀メダルだったのですが、「次は絶対私がソチオリンピックで金メダルを見届ける」と目標を掲げました。念願のソチオリンピックを取材し、浅田選手は惜しくも6位だったのですが、メダル以上にあのフリーの演技にはとても感動しました。1ヶ月以上滞在しながら他の競技も全部取材して、本当にやりきったなと。自分の中で大きな目標が達成された感覚がありました。
もう一つは、BSフジ「プライムニュース」のオファーをいただき、報道に挑戦すること決めたのもターニングポイントだったと思います。それまで報道を担当したことがなく、自分にはまだ早いのではないかと自信もなかったので、正直できないと思っていました。ただ周りの方から「向いていると思うよ」「やってみた方がいいんじゃない」とアドバイスをいただいて。「自分より周りの方がよく見えていたりするから」と背中を押していただき、挑戦してみたらそれが私を大きく成長させてくれました。今はあの時飛び込んでよかったと思っています。
― ある程度年次を重ねてから新たに挑戦することは勇気がいりますよね。
松村:そうですね。ニュース自体には慣れていても、番組が2時間1つのテーマを深く掘り下げるような番組だったので、情報に追いつかなくてはというプレッシャーがありました。
― それを乗り越えるにはやっぱり勉強あるのみ?
松村:勉強ですね。いろんな資料や新聞、本を読み、テーマに関連する映画も見ました。あらゆる勉強をして臨んでいましたね。
― では、これまでのお仕事でファインプレーだと思ったエピソードを教えて下さい。
松村:ファインプレーなのかわからないのですが、CSの「プロ野球ニュース」を担当していた時、スタジオの皆がある選手の名前が出てこないことがあったんです。
その時に私がサッとさりげなく助け舟を出すことができて、その場がスムーズに進行したことがありました。視聴者の方はコアなファンの方が多いので、選手の名前の読み方も細かくチェックして臨むようにしていて良かったと思いました。
松村:1年10か月ほど休みまして、今年の7月に復帰しました。新型コロナウイルスの影響もあり、保育園も休園になってしまい予定より長く育休をいただきました。話す相手が子どもか家族かという日々だったので(笑)、復帰した当初は新鮮でしたね。
― 大人と話す機会がないから言葉が出なくなるとよく聞きます。
松村:本当にそうです。今日のインタビューもちゃんと答えられるか不安でした。今のところ大丈夫そうですか?
― 大丈夫です(笑)!妊娠中に大変だったことはありますか?
松村:妊娠初期は、あまり周りに妊娠を伝えていなかったので「飲みに行こうよ」と誘われてもお酒が飲めない。どうソフトドリンクで乗り切るかというのは大変でした(笑)。
― ご主人は出産に立ち会ったんですか?
松村:はい。出産の日がちょうど「ノンストップ!」に主人が出ている日で。私はもう分娩室にいたのですが、次の収録に行く前に様子を見に来てくれた時に生まれました。主人は14時頃には別の収録に出ていきましたね。
― すごいですね!
松村:「本当に空気が読める子だね!」と主人とも話しました(笑)。
― テレビにご主人が出ているのはもう認識しているんですか?
松村:最近テレビを指差して「パパー」と言うようになりました。この前も、主人が出ている時に「パパだよ」と教えてみたら「パパ!」と返ってきたので、もうわかっていると思います。
― それはご主人も嬉しいですね。
松村:たまにそれを動画に撮って送っています。
― ご主人もメロメロですね。
松村:メロメロです。仕事から帰ってきてすぐ娘と遊んでくれて、お風呂に入れてくれます。
― 家事育児の分担は決めているんですか?
松村:決めていないのですが、なんとなくお風呂担当は主人になっていますね(笑)。
松村:今のところは大きな悩みはないです。ただ、夕飯のレパートリーが少なめで、娘が1歳ながら「またこれ?」という顔をしている気がしてちょっと料理を頑張らないと、とは思っていますが(笑)。色々食べてほしいのですが、好き嫌いがあるので苦戦しています。
― お子さんと過ごす中で、お仕事に戻らずこのまま家庭に入ろうかなと思ったことはありますか?
松村:1歳前くらいの頃、「このままずっと娘と一緒にいたいかも」と思った時期がありました。でも、1歳を過ぎたくらいから、娘も常に私と2人きりという状況に飽きているように感じて。お友達ができたらいいなと保育園に通わせてみたらすごく楽しそうにしているので良かったなと思いましたし、その姿を見て、私の気持ちも徐々に復帰へ向いていきました。
― コロナ禍で外出もしづらい状況の中、お家でお子さんと2人きりは大変そうです。
松村:家でどう遊ばせるかですよね。ベランダに置ける小さなテントを買ってピクニックしてみたり、滑り台を買ってあげたり、色々工夫していました。
― お子さんにはどんなふうに育ってほしいですか?
松村:思いやりのある優しい子に育ってほしいです。
― 例えば、ママと同じアナウンサーなりたいと言ったら?
松村:応援します!1歳の時の記念で「選び取りカード」という将来どんな職業に就くかを占うものをやらせたのですが、娘が選んだのが「マイク」だったんですよ。皆驚いていましたね!
― 血を感じますね!ママがアナウンサーということはもうわかっていますか?
松村:まだわかっていないと思います。もうちょっとしたらわかるんじゃないかなと思いますが。
― 今はお仕事復帰されたばかりですが、何か悩みはありますか?
松村:子育てに関する悩みは数えきれないほどあるのですが、私自身で言うと、出産してから身体のどこかしら不調ということです(笑)。
最初は抱っこのしすぎで手首が痛かったり、次は重たくなってきて腰が痛くなってきたり。出産前はあまり風邪も引かず、スポーツも好きでしたし、身体が痛いことなんてない健康優良児!というタイプだったのですが、常にどこか痛い身体になってしまいました(笑)。
松村:その時できる100%を出すということです。納得できないものは出したくないので、例えばナレーション録音で「今の少し違うな」と思ったら、自分から「もう一回いいですか?」と言うこともあります。まず、100%を出し切れるように事前準備をしっかりするなど、自分なりの努力をしてから臨むようにしています。
― 今後はどんなアナウンサーになっていきたいですか?
松村:出産前と変わらずですが、いつ何があっても「松村に任せたら大丈夫」と思ってもらえるようなアナウンサーでいたいと思います。ジャンル問わずですが、報道でもバラエティーでもなんでもやってみたいです。子ども向けの番組ももしオファーがあればやってみたいなと思っています。
― モデルプレス読者にもアナウンサーを目指している学生がたくさんいます。松村アナの実体験を踏まえてアドバイスをいただきたいです。
松村:学生時代にしかできないことをたくさんやってほしいと思います。
私は大学時代にテニスをやっていたのですが、就活中もやめることなく、1年生から4年生まで続けていました。試合と試合の合間に採用試験に行ったりしていて、やめることなく続けていたことが私には良かったのかなと思います。幅広く視野を持って色んな経験を積んで欲しいです。
― 「これだけはやっておいた方がいい」ということを挙げるとしたら?
松村:ニュースを見る、新聞を読むなど、常に世の中で何が起きているかを把握しておくことはすごく大事です。日本のことだけではなく、海外のことも面接で聞かれると思うので、把握しておくといいと思います。
あとは、なぜアナウンサーになりたいのかを今一度考えることでしょうか。自分のやりたいことはアナウンサーにしかできないことなのか、ということをもう一度考えてみて下さい。アナウンサーになりたいという強い気持ちがあれば、例え将来つらいことがあっても乗り越えていけるはずです。
― 松村アナがアナウンサーになりたかった一番の理由はなんですか?
松村:小学校から中学1年までアメリカにいたのですが、帰国した時に全然日本のことがわからなかったんです。情報不足の私にとって、テレビやアナウンサーの存在がすごく大きくて「格好いい仕事だな、テレビ局で働きたいな」と思ったことがきっかけですね。
最初は憧れだったのですが、学生時代にテレビ局でアルバイトをするようになり、アナウンサーの仕事を目の当たりにする機会があったことで、私もなりたいという気持ちが徐々に芽生えました。
― では最後に、松村アナの考える夢を叶える秘訣を教えてください。
松村:私はアナウンサーを目指しているということを周りに言っていました。中学生の頃から「なりたいかも」と漠然と思うようになって、高校でも大学でも言っていて。でも、全然現実味のない夢だったんですよ。でも言うことによって、周りが応援してくれたり、情報を教えてくれたり、それこそテレビ局でのアルバイトの誘いがあったり、それが重なっていって良い経験ができて夢も叶えられたと思っています。夢を口にすることを恥ずかしいと思わず、出すことによってその夢に一歩近づくのかなと思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
10:00 仲良し山崎アナと近況報告
11:00 ナレーション収録 読み合わせをしてから本番
12:30 ランチ
14:00 仕事の準備やメールの返信などデスクワーク
夕方:この日の仕事は終了、娘のお迎えへ
『アナトレ』講師をオンラインで行うこともあります。
撮影は、同局の魅力をたっぷり届けるべく、社屋やその周辺などオールフジテレビで敢行。日頃から慣れ親しんでいる仕事場が舞台となり、アナウンサーたちのリラックスした自然な表情が詰まったカレンダーとなっている。
また、三上真奈アナが統括、杉原千尋アナが衣装担当として初めてプロデュースに挑戦。コンセプトや撮影場所、そしてスタイリングやメイクに至るまで、普段テレビには映らない女性アナウンサーの魅力を最大限表現すべく愛情たっぷり、意欲的に制作に携わった。
販売価格:2300円(税別)
発売日:10月6日より全国書店にて販売開始
フジテレビショップでは10月5日より先行販売予定
フジテレビ公式通販サイト「フジテレビe !ショップ」では予約受付中
販売場所:フジテレビショップ、フジテレビ公式通販サイト「フジテレビe!ショップ」、全国書店他
前編はこれまでのアナウンサー人生を振り返りながらターニングポイントに迫るもの、後編は彼女たちが大切にする「5つの法則」をメイク・ファッション・体調管理といったキーワードから問う。
――――川野良子アナの後を引き継ぎ、31人目に登場するのは松村アナ。※後編(Vol.62)は10月1日に配信予定。
第1子を出産 2020年7月より仕事復帰
松村アナは2009年に入社。これまでバラエティ番組からスポーツ中継まで幅広く担当。2014年にはソチオリンピックの現地中継キャスターを務めた。2017年6月にお笑いタレントの陣内智則と結婚し、2018年10月に第1子を出産。今年7月に復帰した。松村未央アナ、2年目の大失敗 “怒られなかった”ことで不甲斐なさを痛感
― 入社からこれまでを振り返って、一番大きな挫折や失敗談を教えてください。松村:失敗は日々たくさんあるのですが、一番は2年目に担当した桜中継です。都内ホテルの庭園から中継だったのですが、お昼のニュースで放送するために朝から現場に行っていました。「取材をして、リハーサルもして、原稿の内容も覚えて準備万端だ!」と思ってスタンバイしたのですが、本番が始まったら頭が真っ白になって、覚えたことが全て飛んでしまったんです。
呆然として真顔で立ち尽くしていたところに、スタジオにいた島田彩夏アナウンサーが助け舟を出してくれて質問に答える形で何とか乗り越えることができたのですが、何もできなかったことが本当に不甲斐なくて。反省して絶対これを今後に活かそうと思いました。
― 緊張で飛んでしまったんでしょうか?
松村:それもありますし、「もう2年目だし、リハーサルもたくさんしたから大丈夫!」という自信がどこかにあったのだと思います。一番大事な“伝える”ということを忘れていて、丸暗記したものを読めばいいと思っていたんでしょうね。初心に戻り“伝える”ということを改めて意識するきっかけになりました。
― そういった失敗はどうやって乗り越えてきましたか?
松村:桜中継の後からは、細かい情報はもちろん覚えるのですが、丸暗記をやめて全体の流れを覚えることに重点を置くようになりました。これは中継だけではなく、インタビューや収録、いろんなことに通じると思っています。私は心配性なので、細かい内容は手にこっそり書いたりしていました。
― ちょっと余白を残すくらいがいいんですね。
松村:その方が自然にもなりますし、私には合っていました。それからずっとこのやり方をしていますが、日々の積み重ねも大事だと思います。
― そうした時、周りの先輩からアドバイスをもらったりすることもありますか?
松村:桜中継で失敗した時は「怒られるのかな?むしろちょっと怒ってほしい」と思っていたのですが、先輩たちが優しい言葉をかけてくださって。逆にそれで自分の不甲斐なさを痛感し、「もっと頑張ろう!」と思いました。
― 怒られないとそれはそれでプレッシャーがありますね。
松村:そうなんです。自分で考えて反省して、努力で挽回しろということなのだと思っています。
― 仕事の失敗で気持ちが落ち込んでしまった時、気持ちの切り替え方はどうしていますか?
松村:私は引きずる時は引きずるのですが、過去に起きてしまったことは過去として割り切るタイプなので、寝て忘れます。二度と同じ失敗しないように、VTRは見返しますが、一度見返して反省したら、あとは次頑張るしかないと気持ちをすぐに切り替えますね。
― 「寝て忘れる」はこの連載で皆さんからよく聞きますが、アナウンサーに通じるものなのでしょうか。
松村:どうでしょう(笑)?小さい失敗は日々あります。私は12年目ですが、「今日は100点だ」と思えた日は、今まで1日もないです。失敗は過ぎてしまったことなので、同じことを繰り返さないように反省して、寝て忘れます。
念願のオリンピック取材がターニングポイントに
― では、これまでのお仕事でターニングポイントになったものを教えて下さい。松村:5年目に担当したソチオリンピックです。入社1年目からオリンピックを目標にしていて、1年目の冬にバンクーバーオリンピックがあり、浅田真央選手が涙の銀メダルだったのですが、「次は絶対私がソチオリンピックで金メダルを見届ける」と目標を掲げました。念願のソチオリンピックを取材し、浅田選手は惜しくも6位だったのですが、メダル以上にあのフリーの演技にはとても感動しました。1ヶ月以上滞在しながら他の競技も全部取材して、本当にやりきったなと。自分の中で大きな目標が達成された感覚がありました。
もう一つは、BSフジ「プライムニュース」のオファーをいただき、報道に挑戦すること決めたのもターニングポイントだったと思います。それまで報道を担当したことがなく、自分にはまだ早いのではないかと自信もなかったので、正直できないと思っていました。ただ周りの方から「向いていると思うよ」「やってみた方がいいんじゃない」とアドバイスをいただいて。「自分より周りの方がよく見えていたりするから」と背中を押していただき、挑戦してみたらそれが私を大きく成長させてくれました。今はあの時飛び込んでよかったと思っています。
― ある程度年次を重ねてから新たに挑戦することは勇気がいりますよね。
松村:そうですね。ニュース自体には慣れていても、番組が2時間1つのテーマを深く掘り下げるような番組だったので、情報に追いつかなくてはというプレッシャーがありました。
― それを乗り越えるにはやっぱり勉強あるのみ?
松村:勉強ですね。いろんな資料や新聞、本を読み、テーマに関連する映画も見ました。あらゆる勉強をして臨んでいましたね。
― では、これまでのお仕事でファインプレーだと思ったエピソードを教えて下さい。
松村:ファインプレーなのかわからないのですが、CSの「プロ野球ニュース」を担当していた時、スタジオの皆がある選手の名前が出てこないことがあったんです。
その時に私がサッとさりげなく助け舟を出すことができて、その場がスムーズに進行したことがありました。視聴者の方はコアなファンの方が多いので、選手の名前の読み方も細かくチェックして臨むようにしていて良かったと思いました。
2020年7月に育休から復帰 出産には夫・陣内智則が立ち会い
― 産休・育休を経て、お仕事に復帰されたばかりですが、お仕事から離れてみていかがでしたか?松村:1年10か月ほど休みまして、今年の7月に復帰しました。新型コロナウイルスの影響もあり、保育園も休園になってしまい予定より長く育休をいただきました。話す相手が子どもか家族かという日々だったので(笑)、復帰した当初は新鮮でしたね。
― 大人と話す機会がないから言葉が出なくなるとよく聞きます。
松村:本当にそうです。今日のインタビューもちゃんと答えられるか不安でした。今のところ大丈夫そうですか?
― 大丈夫です(笑)!妊娠中に大変だったことはありますか?
松村:妊娠初期は、あまり周りに妊娠を伝えていなかったので「飲みに行こうよ」と誘われてもお酒が飲めない。どうソフトドリンクで乗り切るかというのは大変でした(笑)。
― ご主人は出産に立ち会ったんですか?
松村:はい。出産の日がちょうど「ノンストップ!」に主人が出ている日で。私はもう分娩室にいたのですが、次の収録に行く前に様子を見に来てくれた時に生まれました。主人は14時頃には別の収録に出ていきましたね。
― すごいですね!
松村:「本当に空気が読める子だね!」と主人とも話しました(笑)。
― テレビにご主人が出ているのはもう認識しているんですか?
松村:最近テレビを指差して「パパー」と言うようになりました。この前も、主人が出ている時に「パパだよ」と教えてみたら「パパ!」と返ってきたので、もうわかっていると思います。
― それはご主人も嬉しいですね。
松村:たまにそれを動画に撮って送っています。
― ご主人もメロメロですね。
松村:メロメロです。仕事から帰ってきてすぐ娘と遊んでくれて、お風呂に入れてくれます。
― 家事育児の分担は決めているんですか?
松村:決めていないのですが、なんとなくお風呂担当は主人になっていますね(笑)。
子育てと仕事の両立に悩みは?
― お仕事に復帰されて、子育てとの両立で大変なことはありますか。松村:今のところは大きな悩みはないです。ただ、夕飯のレパートリーが少なめで、娘が1歳ながら「またこれ?」という顔をしている気がしてちょっと料理を頑張らないと、とは思っていますが(笑)。色々食べてほしいのですが、好き嫌いがあるので苦戦しています。
― お子さんと過ごす中で、お仕事に戻らずこのまま家庭に入ろうかなと思ったことはありますか?
松村:1歳前くらいの頃、「このままずっと娘と一緒にいたいかも」と思った時期がありました。でも、1歳を過ぎたくらいから、娘も常に私と2人きりという状況に飽きているように感じて。お友達ができたらいいなと保育園に通わせてみたらすごく楽しそうにしているので良かったなと思いましたし、その姿を見て、私の気持ちも徐々に復帰へ向いていきました。
― コロナ禍で外出もしづらい状況の中、お家でお子さんと2人きりは大変そうです。
松村:家でどう遊ばせるかですよね。ベランダに置ける小さなテントを買ってピクニックしてみたり、滑り台を買ってあげたり、色々工夫していました。
― お子さんにはどんなふうに育ってほしいですか?
松村:思いやりのある優しい子に育ってほしいです。
― 例えば、ママと同じアナウンサーなりたいと言ったら?
松村:応援します!1歳の時の記念で「選び取りカード」という将来どんな職業に就くかを占うものをやらせたのですが、娘が選んだのが「マイク」だったんですよ。皆驚いていましたね!
― 血を感じますね!ママがアナウンサーということはもうわかっていますか?
松村:まだわかっていないと思います。もうちょっとしたらわかるんじゃないかなと思いますが。
― 今はお仕事復帰されたばかりですが、何か悩みはありますか?
松村:子育てに関する悩みは数えきれないほどあるのですが、私自身で言うと、出産してから身体のどこかしら不調ということです(笑)。
最初は抱っこのしすぎで手首が痛かったり、次は重たくなってきて腰が痛くなってきたり。出産前はあまり風邪も引かず、スポーツも好きでしたし、身体が痛いことなんてない健康優良児!というタイプだったのですが、常にどこか痛い身体になってしまいました(笑)。
いつ何があっても「松村に任せたら大丈夫」と思ってもらえるようなアナウンサーに
― では、松村アナが仕事をする上で大切にしていることは?松村:その時できる100%を出すということです。納得できないものは出したくないので、例えばナレーション録音で「今の少し違うな」と思ったら、自分から「もう一回いいですか?」と言うこともあります。まず、100%を出し切れるように事前準備をしっかりするなど、自分なりの努力をしてから臨むようにしています。
― 今後はどんなアナウンサーになっていきたいですか?
松村:出産前と変わらずですが、いつ何があっても「松村に任せたら大丈夫」と思ってもらえるようなアナウンサーでいたいと思います。ジャンル問わずですが、報道でもバラエティーでもなんでもやってみたいです。子ども向けの番組ももしオファーがあればやってみたいなと思っています。
― モデルプレス読者にもアナウンサーを目指している学生がたくさんいます。松村アナの実体験を踏まえてアドバイスをいただきたいです。
松村:学生時代にしかできないことをたくさんやってほしいと思います。
私は大学時代にテニスをやっていたのですが、就活中もやめることなく、1年生から4年生まで続けていました。試合と試合の合間に採用試験に行ったりしていて、やめることなく続けていたことが私には良かったのかなと思います。幅広く視野を持って色んな経験を積んで欲しいです。
― 「これだけはやっておいた方がいい」ということを挙げるとしたら?
松村:ニュースを見る、新聞を読むなど、常に世の中で何が起きているかを把握しておくことはすごく大事です。日本のことだけではなく、海外のことも面接で聞かれると思うので、把握しておくといいと思います。
あとは、なぜアナウンサーになりたいのかを今一度考えることでしょうか。自分のやりたいことはアナウンサーにしかできないことなのか、ということをもう一度考えてみて下さい。アナウンサーになりたいという強い気持ちがあれば、例え将来つらいことがあっても乗り越えていけるはずです。
― 松村アナがアナウンサーになりたかった一番の理由はなんですか?
松村:小学校から中学1年までアメリカにいたのですが、帰国した時に全然日本のことがわからなかったんです。情報不足の私にとって、テレビやアナウンサーの存在がすごく大きくて「格好いい仕事だな、テレビ局で働きたいな」と思ったことがきっかけですね。
最初は憧れだったのですが、学生時代にテレビ局でアルバイトをするようになり、アナウンサーの仕事を目の当たりにする機会があったことで、私もなりたいという気持ちが徐々に芽生えました。
― では最後に、松村アナの考える夢を叶える秘訣を教えてください。
松村:私はアナウンサーを目指しているということを周りに言っていました。中学生の頃から「なりたいかも」と漠然と思うようになって、高校でも大学でも言っていて。でも、全然現実味のない夢だったんですよ。でも言うことによって、周りが応援してくれたり、情報を教えてくれたり、それこそテレビ局でのアルバイトの誘いがあったり、それが重なっていって良い経験ができて夢も叶えられたと思っています。夢を口にすることを恥ずかしいと思わず、出すことによってその夢に一歩近づくのかなと思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
松村未央アナのとあるスケジュール
朝:娘を保育園に預けてから出社10:00 仲良し山崎アナと近況報告
11:00 ナレーション収録 読み合わせをしてから本番
12:30 ランチ
14:00 仕事の準備やメールの返信などデスクワーク
夕方:この日の仕事は終了、娘のお迎えへ
『アナトレ』講師をオンラインで行うこともあります。
松村未央(まつむら・みお)プロフィール
生年月日:1986年6月29日/出身地:神奈川県/出身大学:慶應義塾大学/血液型:A型/入社年:2009年「フジテレビ女性アナウンサーカレンダー2021~Welcome to Fujitelevision~」
今年のテーマは「フジテレビへようこそ!」。入社9年目の宮澤智アナウンサーを筆頭に、永島優美アナ、宮司愛海アナら後輩アナ全員が参加し、総勢17人の女性アナウンサーが華やかに登場する。撮影は、同局の魅力をたっぷり届けるべく、社屋やその周辺などオールフジテレビで敢行。日頃から慣れ親しんでいる仕事場が舞台となり、アナウンサーたちのリラックスした自然な表情が詰まったカレンダーとなっている。
また、三上真奈アナが統括、杉原千尋アナが衣装担当として初めてプロデュースに挑戦。コンセプトや撮影場所、そしてスタイリングやメイクに至るまで、普段テレビには映らない女性アナウンサーの魅力を最大限表現すべく愛情たっぷり、意欲的に制作に携わった。
販売価格:2300円(税別)
発売日:10月6日より全国書店にて販売開始
フジテレビショップでは10月5日より先行販売予定
フジテレビ公式通販サイト「フジテレビe !ショップ」では予約受付中
販売場所:フジテレビショップ、フジテレビ公式通販サイト「フジテレビe!ショップ」、全国書店他
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