モデルプレスのインタビューに応じた吉沢亮(C)モデルプレス

吉沢亮が今伝えたい、SNS世代の持つべき心構え「予想もしていなかった角度で人を傷つけている可能性がある」

2020.08.23 21:00

住野よる氏の人気小説を映画化した『青くて痛くて脆い』(8月28日公開)で主演をつとめる吉沢亮(26)がモデルプレスのインタビューに応じた。誰もが味わう青春時代の“痛くて脆い”感情に迫り、いわゆるキラキラな青春ものとは一線を画する今作では、SNSもストーリーの大きなトリガーとなっている。演じた大学生の内面に共感する点も多かったという吉沢は、自らの青春時代の実体験を語るとともに、現代を生きる学生たちの「SNSとの向き合い方」に警鐘を鳴らす。

  

吉沢亮、主人公の“闇堕ち”に共感「仲良くなれそうな気がする」

田端楓(吉沢)と秋好寿乃(杉咲花)、ひとりぼっち同士の大学生が出会い、「世界を変える」という大それた目標を掲げた秘密結社サークル【モアイ】を作る。希望に満ち溢れた春のキャンパスで動き出した2人の「世界」。その爽やかな青春の1ページにわずかな“歪み”が生まれた時、物語は思わぬ方向へ加速していく。

(C)2020「青くて痛くて脆い」製作委員会
「台本ではドロドロした部分が強くフィーチャーされている印象があったんですけど、完成した作品全体を通して観ると、想像していたよりもエンターテイメント色が強くなっていました。色々な文脈がわかりやすく、青春群像劇として楽しんでもらえると思います」と映画化ならではの魅力をアピールする吉沢。演じた楓については「彼の抱えている闇や苦しみって、実は誰にでもある一面なんじゃないかなという気がします」と分析し「他人からどう思われてるんだろうって自意識過剰になったり、勝手に何か害を加えられた気になって“闇堕ち”していくような部分は、僕自身すごく理解できますし、皆さんにも共感してもらえると思います」と話す。

華やかな世界でスポットライトを浴びる吉沢も「(楓のように)被害妄想というか、『もしこうだったらどうしよう』『こう思われてたら嫌だな…』って自分で勝手に想像して落ち込んじゃうことは、結構あります」と明かし、もしも同級生だったら「楓とは仲良くなれそうな気がします(笑)」と強いシンパシーを抱く。逆に空気を読まず、周囲を自分のペースに巻き込んでいくタイプの秋好については「また別の世界の人」と一線を引き「でも面白いと思います、ああいう人がいると。仲良くなるかは別として、そういう人が世の中にいるっていうのは良いことなはず」。

吉沢亮(C)モデルプレス
楓が“うまく生きる”ために編み出した信条は「人に不用意に近づかない事」、「誰かの意見を否定しない事」。「彼女(=秋好)みたいな存在に絶対的な憧れがあって、自分はなれないからこそ、そんな信条を掲げることになったんだと思う。強く惹かれていく分、裏切られた時の反動は大きい。彼女との出会いが、悪い意味で変わるきっかけになったんだろうなっていう気がします」と思春期ならではの繊細さを推し量り、劇中で特に注目してほしいポイントは「やっぱり(楓の)人との距離感かな。3年という時間軸が行ったり来たりする中で、人との付き合い方、距離の取り方も変わってくる。そこは自分の中でもなんとなく変えながら演じたので、見てほしいなと思います」と語った。

(C)2020「青くて痛くて脆い」製作委員会
杉咲とは映画『BLEACH』(18)で共演しているが「そんなに絡みがなかったので、『いつか一緒にガッツリやりたいな』と思っていた中での今回でした。すごくナチュラルなお芝居をする方でありながら、パワーも持っていて、秋好というキャラクターがあそこまで魅力的になったのは彼女の力だと思います。秋好が“ただの痛いヤツ”ではなく、ひとりの女性として魅力的に映っているのは、映画化においてプラスになったポイントなんじゃないかな」と絶賛。特に教室でお互いの本音をぶつけ合い、秋好が楓に向かって「気持ち悪っ」と言い放つセンセーショナルなシーンは大きな山場に。「花ちゃんとは現場で楽しくやっていたんですけど、そのシーンを撮っている時は一言もしゃべらず、お互いに距離を取っていたので、すごくいい緊張感が生まれました」といい「そんな空気の中で(杉咲が)すごくリアルなお芝居をするので、結構つらかったです。『本当に嫌われてるんじゃないかな』って不安になっちゃって(笑)。そのシーンが終わった瞬間、普通にまた仲良くなりました」と刺激的な共演を振り返った。

SNS世代の心構え「予想もしていなかった角度で人を傷つける可能性がある」

劇中の彼らと同じ学生たちはもちろん、酸いも甘いも噛み分けた大人たちも、今作を鑑賞すれば自ずとそれぞれの青春に思いを馳せる。どこかで創り上げられた“青春”のイメージにコンプレックスを抱く人たちにこそ、共感性羞恥による“モヤモヤ”であったり、はたまた過去の自分を肯定されたかのような“スカッと感”であったりと、響くものがあるはずだ。

吉沢亮(C)モデルプレス
吉沢亮にとっての“青春”はいつ?」と尋ねると「青春は常にしていますよ」との答え。

「その時はそんなつもりなくても、振り返ったら『あ、いい青春送ってんな』とか思います。20歳くらいの時は『中学や高校が懐かしいなぁ、あの時よかったな~』なんて思っていたけど、今思うと20歳、21歳くらいの時もめちゃくちゃ楽しかったですから(笑)。地元の奴らと盛り上がることといえばすげぇくだらない話だったのに、ハタチになってお酒とかも覚え始めると、だんだん仕事の話に変わってきて、そういう過程とかも感じつつ。だから5年後もまた『すげぇよかったな』って思ってるんでしょうね」

あえて学生時代の“後悔”を聞くと「学園祭の悪ノリでやった女装。あれはやらなくてよかったかな」と笑いつつ「でも割とあの頃はあの頃で楽しかったな~という感じなので、もっとこうしておけば、っていうことはあんまりないかな。高校時代がすごく自由な校風だったので、もっと髪をいろんな色に染めておけばよかったなってことくらい」。そんな変身願望も、今は役者という職業柄、叶えられていると言える。

そんな吉沢が、現役の学生たちへ“今だからこそ”送りたいアドバイスは「SNSには気をつけてほしい」ということ。「今の時代(SNSが)ないと不便でしょうし、あるのが当たり前という世の中ですけど、誰が見てるかもわからないですから。全然そんなつもりがなくても、予想もしていなかった角度で人を傷つけている可能性がたくさんある。自分は面白く言ったつもりでも、それを受け取った世の中の誰かが傷ついてしまう瞬間は、どれだけ気を付けていたとしてもあると思います。だからこそ、意識を張り巡らさなきゃいけない、向き合わなきゃいけない分野だなと思います」と“SNS世代”としてあるべき心構えを示した。

下半期は大河撮影も本格化「健康第一で頑張ります」

吉沢亮(C)モデルプレス
デビュー11年目となった今年の上半期もその活躍は目覚ましく、最近もドラマ「半沢直樹」(TBS系)での熱演が反響を呼んだばかり。「一個一個の作品の大きさも変わったし、ある意味責任感みたいなものを感じることの多い上半期でした」と振り返り、来年に控える大河ドラマ「青天を衝け」主演へ向けて「とにかく今は全力を注ぐこと。そろばんなど(役作りのために)色々習っていることもあるので、ここからという感じです」。

同時に、健康への関心が高まっているようで「最近、鉄分を摂り始めました。年齢なのかわからないけど、血圧の低さが気になり始めまして…(笑)。少し前から続けている筋トレに加えて、サプリ的なものも飲んでいますし、健康志向になりました」と近況を紹介。大好きなお酒は「相変わらず(笑)」というが「ここからは大河やミュージカルもあるので、今までにないくらい多忙な日々になるんじゃないかなと。このような時期ですから、ファンの方々を心配させるのも嫌だし、何よりも“健康第一”で頑張ろうと思っています!」と意気込みを語ってくれた。(modelpress編集部)

吉沢亮(よしざわ・りょう)プロフィール

吉沢亮(C)モデルプレス
1994年2月1日生まれ、東京都出身。代表作に『銀魂/銀魂2 掟は破るためにこそある』(17/18)、『リバーズ・エッジ』(18)、『キングダム』『空の青さを知る人よ』(声優)(19)、『一度死んでみた』『さくら』(11月13日公開)『AWAKE』(12月公開)など。ミュージカル「プロデューサーズ」が11月9日~12月6日、東京・東急シアターオーブにて上演。2021年にはNHK大河ドラマ「青天を衝け」主演が控える。

映画『青くて痛くて脆い』(2020年8月28日公開)

(C)2020「青くて痛くて脆い」製作委員会
出演:吉沢亮 杉咲花 岡山天音 松本穂香 清水尋也 森七菜 茅島みずき 光石研 柄本佑
監督:狩山俊輔
脚本:杉原憲明
原作:住野よる「青くて痛くて脆い」(角川文庫/KADOKAWA刊)

<ストーリー>
―この青春には、嘘がある―
人付き合いが苦手な大学生・田端楓と空気の読めない発言ばかりで周囲から浮きまくっている秋好寿乃。ひとりぼっち同士の2人は「世界を変える」という大それた目標を掲げる秘密結社サークル【モアイ】を作るが秋好は“この世界”から、いなくなってしまった…。

秋好の存在亡き後モアイは社会人とのコネ作りや企業への媚売りを目的とした意識高い系就活サークルに成り下がってしまう。取り残されてしまった楓の怒り、憎しみ、すべての歪んだ感情が暴走していく……。あいつらをぶっ潰す。モアイをぶっ壊す。どんな手を使ってでも……。楓は、秋好が叶えたかった夢を取り戻すために親友や後輩と手を組み【モアイ奪還計画】を企む。青春最後の革命が、いま始まる―。
【Not Sponsored 記事】

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