モデルプレスのインタビューに応じた北村匠海 (C)モデルプレス

北村匠海、浜辺美波との関係性の変化 「自己保身型だった」思春期も語る<「思い、思われ、ふり、ふられ」インタビュー前編>

2020.07.31 08:00

映画『思い、思われ、ふり、ふられ』(8月14日公開)に出演する俳優でダンスロックバンド・DISH//の北村匠海(きたむら・たくみ/22)が、モデルプレスらのインタビューに応じ、撮影エピソードや役に共感した部分、作品の魅力について語ってくれた。<前編>

  

実写映画『思い、思われ、ふり、ふられ』

『ストロボ・エッジ』、『アオハライド』でお馴染みの咲坂伊緒氏の同名少女コミック(通称:ふりふら)を実写&アニメーションでW映画化。4人の高校生男女の切なくすれ違う恋模様を瑞々しく描いた傑作青春ラブストーリー。

赤楚衛二、浜辺美波、福本莉子、北村匠海(C)2020映画「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会 (C)咲坂伊緒/集英社
実写映画では北村と共に、浜辺美波、福本莉子、赤楚衛二が主演を務める。浜辺と北村は、W主演を務め、高い評価を受けた映画『君の膵臓をたべたい』(2017年)以来の実写共演。北村はイケメンでモテる“王子様”タイプでありながら、胸の内に義理の姉となった朱里への思いを抱えているクールな山本理央役を演じる。

浜辺が恋愛に対して現実的で積極的かつ社交能力が高いが、実は自分の本当の気持ちを出すのが苦手な山本朱里役、福本が夢見がちで恋愛に対して消極的だが理央に片想いをすることで強く成長していく市原由奈役、赤楚は由奈の幼馴染で理央や朱里のよき理解者となっていく天然で明るい乾和臣役を演じる。

実写映画化と同時にアニメ化も決定しており、9月18日に公開予定。

北村匠海、演じた理央に共感できた部分「自分を守る方に逃げちゃう」

― まず、最初にお話を頂いたときの作品の印象をお聞かせ下さい。

北村:(少女漫画原作を)やっているイメージを持たれることが多いんですけど、実際は小説原作の作品が多くて意外とやったことがないんですよ。漫画原作のときは漫画からインスピレーションを受けるか、映画としての作品を届けるかという選択に役者は迫られるのかなって思うんですけど、今回は最初に原作を読ませて頂いて本読みの段階で(共演が)久々の美波ちゃんと莉子ちゃんと赤楚くんの役があまりにもフレッシュで僕の役が「暗い!」みたいな感じだったので、皆のフレッシュさに付いていこうと思ってやりました。だから原作はイメージしすぎず、でもやっぱり原作を好きで観てくれている人への期待を裏切らないような作品にしようと思いました。

― では原作は軽く読みつつ?

北村:そうですね、引っ張られすぎないくらいに読んでいました。三木(孝浩)監督とも久々だったのですが、意外と自由にのびのびやっていましたね。

― 4人のバランスみたいなものも考えましたか?

北村:そうですね。理央は意外と一番不器用で、皆そうなんですけど表情や言葉と裏腹の芝居を本当に繊細にやらないと一辺倒になってしまうというか、視覚的にみてとれる感情ではない裏側を感じさせなければいけないというお芝居だったので、皆試行錯誤してキャッチボールしながらやっていたと思います。

― 本読みの段階ではどうでしたか?

北村:作品に入る前の本読みは意外とふわふわしながらやる部分もあって。僕はどちらかと言ったらお芝居で皆さんを支えるじゃないですけど、感情が爆発させる役ではなかったので引っ張りつつ引っ張られつつ、皆が崩れないようにする、そういう立ち位置でやっていた気がします。女性陣2人が歳下だったので今までの現場では自分が最年少だったりすることが多かったんですけど、赤楚くんがちょっと上なので男性陣がいかに等身大の方に飛び込めるか、でした(笑)。

『キミスイ』や『春待つ僕ら』でもお世話になった春名慶プロデューサーにも「やー、匠海もそろそろ制服似合わないな(笑)」と言われて「本当そうですよね」とか言って(笑)。しかもとんでもない猫背だからそれが存分に発揮されて、それも理央っぽさというか内に籠もっている少年というのが背中でも感じさせられていたらなと思いながらやっていました(笑)。

― 理央に共感できる部分は?

北村:理央と自分は違いますけど、自分の思いを上手く伝えられないところはすごく分かります。特に仕事に関しての話はバーッと言えるんですけど、素直な本心みたいなものはやっぱり守りたくなっちゃったり、特に僕も高校生のときが一番思春期だったんですけど自己保身型だったので。

― その頃からお仕事されていて。

北村:そうなんですよね。やっぱり自分を守る方に逃げちゃう。多分誰しもがあることだし、僕みたいな高校生はいると思います。まさに理央は朱里に伝えられない思いを自分1人で抱え込んで、自問自答を繰り返して結局は途中で1個ネジが外れちゃってドバドバこみ上げて相手を困らせたり、伝えたいことじゃないことが伝わっちゃったりとか…そういうところはすごく共感できました。

北村匠海「素直は最強」演じて実感した思いをまっすぐ伝える大切さ

北村匠海/衣装:ニット ¥22,000 ヨーク(スタジオ ファブワーク)、シューズ ¥46,000 ネオンサイン(ネオンサイン)、リング(細い方)¥30,000、リング(太い方) ¥40,000 IVXLCDM (VXLCDM 六本木ヒルズ)、その他スタイリスト私物 (C)モデルプレス
― そういう内気な部分は克服した方が良いと思ったりしますか?

北村:やっぱり素直な気持ちって最強だなと思うし、そういうのを伝えられる人はちゃんと前に進めると思います。理央と朱里の関係性もそうなんですけど、例えばお付き合いしなかったけど忘れられない初恋の相手とか、そういう忘れられない人、始まってないから終わらない、そこで素直になれなかったから今でも終わらせることができずに自分の中にいる…そういう関係性を考えると素直に思ったことを言えるのは絶対良いことだし自分も相手も一歩前に進める。自分が素直になれれば…というタイミングは何回もありましたね。

どこかで嘘の自分を作り上げるのは楽で、例えばテレビやこういった取材でお話させて頂く中で、昔はもっと自分自身を無意識に作り上げていた部分があって、自分じゃない自分が傷ついていて本心は全然傷つかないから、そうやって逃げていた部分があったと思うんですけど、ここ数年そうじゃなくて「もっとどこに行っても自分らしくいよう」という考えに少しずつですけど変わりました。だからこの作品も4人がお互い本心を伝えあった結果、最後のシーンがあって「めっちゃいいな、高校生のときこれができたらどれだけ幸せだったんだろう」と思いました。やっぱり今は先が見えないこともある中で、今だからこそ友達に「大事だよ」とか、お母さんとかお父さんに「愛してる」とかちゃんと伝えることが本当に大事だなと。恋愛においても計算してタイミングを考えるんじゃなくて、「好きだ」と言いたくなったら言った方が良いと思います。僕は言えないタイプなんですけど、身に沁みて感じました。

― 言えないときってすごくモヤモヤしてずっと心残りになっちゃいますよね。

北村:どこかで自分が傷つくのが怖かったり言って何かが終わってしまうんじゃないかと思って飲み込んじゃうじゃないですか。でも「好き」というのはとても素直な感情なので、“素直は最強”説を唱えていきたいと思います(笑)。

北村匠海、浜辺美波との関係性の変化

浜辺美波、北村匠海(C)2020映画「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会 (C)咲坂伊緒/集英社
― 浜辺さんとの久々の実写共演はいかがでしたか?

北村:お互い変わってないようで変わっていたなという感じです。美波ちゃん、パッと明るくなって、こんなハツラツした子だったんだと思いました。やっぱり『キミスイ』のときは2人とも10代でシャイな部分もありコミュニケーションを上手く取れなくて、でもそれが意外と作品にとっては良い関係性を作っていたりして。それが今回はちゃんとコミュニケーションが取れる2人になって、お互い色んな現場を踏んでお芝居的にも人間的にも良い成長を感じました。

― 何か大きなきっかけがあったんでしょうか?

北村:そういうわけではなくて、自然とです。美波ちゃん、すごく変わってますよね(笑)。

― また共演されるとしたら、どんな間柄で演じてみたいですか?

北村:大体結ばれないというか切ない結末なので、まあ結ばれたいですよね。とは思いつつ、作風的にもコメディーとか。美波ちゃん意外とコメディーガンガンできるから、間近で観たい気持ちもあります。

北村匠海、自分は“思う”派「追いかけたい」

― 『思い、思われ、ふり、ふられ』というタイトルですが、“思う”のと“思われる”のでは、どちらが幸せに感じますか?

北村:僕は“思う”。追いかけたいんですよね。何かで聞いたんですけど動物もオスが家族のために狩りをして獲物を追いかけたいように本能的なことらしいです。やっぱり理想は“思い、思われ“たいですけど(笑)。

― 振られるかもしれなくても?

北村:そうですね。振られることに怖がって行けないということもあるとは思うんですけど、“思いたい”です。

赤楚衛二、浜辺美波、福本莉子、北村匠海(C)2020映画「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会 (C)咲坂伊緒/集英社
― 大人でも胸がキュッとなる作品だと思いますが、改めて今作の見どころをお願いします。

北村:“壁ドン”とかそういった分かりやすいキュンキュンさではなくて、キラキラした青春模様もあるんですけど、すごくリアルに学生時代の心情や心の奥がチクチクするような何とも言えないモヤモヤした感情みたいなのが描かれています。この映画を通して行き場のない思いとか吐き出せない気持ちとかもちゃんと誰かに言えば届くんだとか、何度も転びながら光に向かって手を繋いで歩いていく温かい空気感を感じて、少しでも観ている人も一緒に前に進んで幸せになって欲しいです。僕も同窓会に行ったとき「あの頃の思い出って意外と忘れてなかったな」とか「伝えれば良かった」とか思ったんですけど、大人になった人も胸がキュッと締め付けられるだろうし、高校生はキュンキュンするだろうし、今一度思いを伝える尊さみたいなものを感じてもらえたら良いなと思います。

※モデルプレス読者からの質問に答えてもらったインタビュー後編は、8月2日に配信予定。

(modelpress編集部)

北村匠海(きたむら・たくみ)プロフィール

北村匠海 (C)モデルプレス
1997年11月3日生まれ。東京都出身。B型。小学3年生のときにスカウトされて芸能界入り。『DIVE!!』(2008)で映画初出演を果たした。2011年にダンスロックバンド「DISH//」を結成。リーダーとして、メインボーカルとギターを担当している。

アーティスト・モデル・俳優と幅広い活動を続けており、2018年には映画『君の膵臓をたべたい』(2017年公開)の演技で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。主な出演作にドラマ『ゆとりですがなにか』(2016)、『仰げば尊し』(2016)、『隣の家族は青く見える』(2018)、『グッドワイフ』(2019)、『OVER DRIVE』(2018)、『春待つ僕ら』(2018)、『十二人の死にたい子どもたち』(2019)、『君は月夜に光り輝く』(2019)、『サヨナラまでの30分』(2020)など。『さくら』、『砕け散るところを見せてあげる』、『とんかつDJアゲ太郎』、『東京リベンジャーズ』、『アンダードッグ』と現在、今作を含めると6本の出演作品が公開を控えている。
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