<柳楽優弥「今日から俺は!!劇場版」インタビュー>ドラマと別役で異例の登場 福田組は「確実に僕にとってプラスになっている経験」
2020.07.19 08:00
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7月17日より映画『今日から俺は!!劇場版』が公開中。モデルプレスでは今回、“今日俺”キャストにインタビューを実施。Vol.5は、今作のメインとなる北根壊高校のトップで卑劣な男・柳鋭次を演じる俳優の柳楽優弥(やぎら・ゆうや/30)。ドラマ版でゲスト出演していた柳楽が、別役として登場となった思いなどを聞いた。
映画「今日から俺は!!劇場版」
2018年10月期に日本テレビ系で放送されたドラマ『今日から俺は!!』は、累計4000万部を超える西森博之氏のヤンキーギャグ漫画を実写化。『銀魂』『スーパーサラリーマン左江内氏』などヒット作品を手掛けてきた福田雄一と、福田が絶大な信頼を寄せる俳優・賀来賢人による、斜め上を行き過ぎる抱腹絶倒のツッパリコメディードラマとして、老若男女問わず幅広い世代から人気を博し、日本中を席巻。放送時同クールドラマの中で視聴率がコアトップ独走するなど、輝かしい伝説を打ち立ててきた。
劇場版では、原作でも人気が高いエピソード“北根壊編”が描かれ、「どんな手を使っても勝てばいい」が信条の卑怯者だが、実は仲間想いのツッパリ三橋を賀来、三橋の相棒であり「曲がったやつには絶対負けない」が信条の正義感の塊、ツンツン頭のツッパリ伊藤を伊藤健太郎が演じ、ほか清野菜名、橋本環奈、仲野太賀、矢本悠馬、若月佑美、柾木玲弥、鈴木伸之、磯村勇斗らドラマを盛り上げてきた個性豊かな俳優陣総勢18名が誰1人欠けることなく映画に出演。
さらに、柳楽、山本舞香、泉澤祐希、栄信など、新進気鋭のニューフェイスが参戦する。
柳楽優弥、起用理由は「柳」繋がり?ドラマとは別役で出演
― 柳楽さんは連続ドラマの際に、1度ご出演されていましたが、今回は全く別の役柄になりますね。映画に出演が決まった時はいかがでしたか?柳楽:ドラマで出てたけど大丈夫なのかな、というのは最初に思いました。でも脚本を読んだら全然キャラクターが違って、今回の役は本当に卑劣なキャラだったので、しっかり敵役を演じなければと感じました。福田組に参加する時は、毎回緊張感はあるのですが、プレッシャーはなかったです。やっぱり何度か出させていただいていますから、安心や信頼できるという気持ちのほうが大きかったですね。
― 柳役に起用された経緯は知っていますか?
柳楽:僕はそれについては聞いていませんが、僕の名前が柳楽だから、「柳」繋がりかなって思いました(笑)。あとはこういった悪役や敵役の役柄というのは何度かやらせていただいたことがあるので、そういうところでのイメージも相まって使っていただけたのかなと解釈しています。
― ナイフを使ったアクションシーンがとても印象的でしたが、撮影はいかがでしたか?
柳楽:ナイフがあると、素手でやるアクションよりも危なくなるので難しかったですね。「今日から俺は!!」は多くの子供たちにも観ていただきたい作品ですが、どこまでやるのかなと思っていたら、なかなかやるなって(笑)
― トラウマレベルですよね(笑)
柳楽:本当にトラウマレベルですよ(笑)。磯村くんと一緒に戦うシーンが多かったので、ふたりで一生懸命練習して、本番は頑張りました。
― 髪型もすごく個性的ですね。
柳楽:やばいですよね(笑)。カツラなんですけど、結構マッチしているなって思って、違和感はなかったです。敵役を演じることが多いダニー・トレホっていうメキシコの俳優がいるんですけど、すごく好きで、自分のこのビジュアルを見た時に真っ先に「ダニー・トレホだな」って思いました(笑)。それにナイフの持ち方はウルヴァリンっぽかったので、ダニー・トレホとウルヴァリンのミックスだなと思いながら、真剣に現場に挑んでいました。
― ではコメディ要素は一切なく?
柳楽:そうですね。柳はあまりコメディパートではないので、そこはちょっと福田組に参加するにあたって寂しい部分ではありましたが、逆にこの緊張のパターンもあるんだっていうのは新鮮でした。僕のシーンはずっとシリアスパートで、いつも福田監督がベースで笑ってくれたりするんですけど、今回は笑いがない中での撮影になりました。
― 賀来さん演じる三橋たちを見て、うらやましいと感じたりすることはありましたか?
柳楽:三橋は本当に羨ましいなって思います。ホウキでポンポンポンポン敵を倒していくし、やっぱり最強だなって(笑)
― 栄信さんや泉澤さんとのシーンが多かったと思いますが、現場でのエピソードがあれば教えてください。
柳楽:栄信さんと一緒にいる時間が一番多かったんですけど、栄信さんは身長も高いですしもともと実際に空手をやられていたりしてすごくアクションが上手いんです。だから、迫力がハンパじゃないなと思いながら撮影していました。泉澤くんは、現場でなぜか「世界の泉澤くん」というあだ名がつけられていて、僕もそう呼んでいました(笑)
― (笑)。それは何をきっかけに?
柳楽:きっかけはわからないですけど、賀来くんとかがそう呼びはじめて、やもっちゃん(矢本)や太賀もそれにのって。今日も、やもっちゃんたちがメイクしている時に「あれ、今日は世界の泉澤くんいるの?」って気にかけていたりして、すごく愛されキャラなんだなというのを感じました。
柳楽優弥が“福田組”で得たものとは
― 柳楽さんが福田組に参加することで、得たものをお聞かせください。柳楽:僕は今まであまりコメディ作品と縁がなかったタイプでしたが、コメディ作品と出会わせてくれたのは福田監督ですし、どうやったら面白くなるんだろうと自分で考えたり、落語を教えてくれたり、とても俳優として学べることが多い座組ですね。
― 役者として脂がのった実感や、変化などはありますか?
柳楽:1つの場所にずっといることも大事なんですけど、それよりもいろいろとインプットしたいという欲が20代の頃は強かったので、脂がのったのかは自分ではわからないですけど、確実に僕にとってプラスになっている経験だなと思いますね。
― 今回の作品も賀来さんをはじめ同世代の方すごく多いですが、特に刺激を受けた方や、仲が良い方はいますか?
柳楽:太賀とやもっちゃんは、他の作品でも何度か共演させていただいているので、やっぱりそのふたりですかね。最初にこの髪型にした時、誰もツッコんでくれなくてちょっと寂しかったんですけど、太賀とやもっちゃんは現場で会ったら、朝っぱらから大爆笑してくれて、何度か一緒にやっている彼らにはツボだったみたいで救われました(笑)
― (笑)。柳楽さんが、柳以外で『今日から俺は!!』で演じてみたいキャラクターや好きなキャラクターはありますか?
柳楽:演じてみたいけど、僕にはまだ無理だなって思うのは、この髪型繋がりでムロさんですね。僕からムロさんにシーンが切り替わる瞬間があって「あれ、髪型一緒じゃない?」って思って、すごく印象深いです(笑)
― 髪型もそうですし、服のジャケットの感じも一緒ですよね(笑)
柳楽:そうそう(笑)。髪型とか、サイズ感とか、かなり似てるので、あそこはツボでしたね。編集がパワフル!
― 柳楽さんの悪役に対する、小さいお子様の反応も気になるところです。
柳楽:子供たちに怖いなと思われるのは柳だと思うんですけど、敵役なので仕方ないと思っています。やっぱり三橋と伊藤という最強のヒーローがいますから、「ちびっ子たち、大丈夫だぜ!」って、それしか言えないです(笑)。『今日から俺は!!』は老若男女、本当に幅広い世代に楽しんでいただけるエンターテインメント作品だと思うので、是非劇場で楽しんでいただきたいです。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
「今日から俺は!!劇場版」あらすじ
「今日から俺はつっぱる!」――時は1980年代。転校を機に、髪を金髪に変えてつっぱりデビューした軟葉高校二年生・三橋貴志(賀来賢人)。持ち前の運動神経とねじ曲がった性格で、たちまち周囲の不良達に目を付けられる。同じ日に転校してきたトゲトゲ頭の伊藤真司(伊藤健太郎)とコンビを組んで、次々やってくる強敵を返り討ちにしていく毎日。三橋と友達以上恋人未満な赤坂理子(清野菜名)や、伊藤とラブラブな早川京子(橋本環奈)とのラブコメ的青春を謳歌したいのに、寄ってくるのはワルばかり…。
三年になったある日、かつて二人が壮絶な戦いを繰り広げた不良の巣窟・開久高校の一角を隣町の北根壊高校が間借りすることに。かなりの極悪高校で名の通った北根壊の番長は柳鋭次(柳楽優弥)と大嶽重弘(栄信)。彼らは、智司(鈴木伸之)と相良(磯村勇斗)という圧倒的な“頭”を失った開久の生徒に対して妙な商売を始める…。一方、怪しいスケバン・涼子(山本舞香)が今井(仲野太賀)に近づき…。それは、「今日俺」史上最大で最凶の波乱の幕開けだった―!
柳楽優弥(やぎら・ゆうや)プロフィール
1990年3月26日生まれ、東京都出身。2004年、映画『誰も知らない』で初オーディションにして主役に抜擢。2012年、蜷川幸雄演出の『海辺のカフカ』で初舞台を踏み、2014年、福田雄一監督・脚本の『アオイホノオ』(テレビ東京)で連続ドラマ初主演を果たす。近年は映画『ディストラクション・ベイビーズ』(2016年)、『銀魂』(2017年)、『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018年)、『夜明け』、『泣くな赤鬼』、『ザ・ファブル』(2019年)など話題作に出演。2021年には田中泯とのW主演映画『HOKUSAI』、『ターコイズの空の下で』の公開を控える。7月スタートを予定していた主演ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ)が、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため放送を延期している。
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