モデルプレスのインタビューに応じた南沙良 (C)モデルプレス

南沙良、主演映画・大手CM…抜擢止まらぬ17歳の現在地と多彩な素顔<モデルプレスインタビュー>

2020.05.17 18:00

映画主演、人気CMのイメージキャラクター…抜擢が絶えない注目の女優がいる。南沙良(みなみ・さら/17)。2018年に初主演を務めた映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で難役を演じ、新人賞始め多数の映画賞を総なめ。一躍脚光を浴び、今年も主演映画『もみの家』が公開。現在、江崎グリコ「ポッキー」、「キリン 午後の紅茶」、ソフトバンク「SoftBank学割」といった大手3社のCMイメージキャラクターを務めるなど各方面から引っ張りだこの彼女の現在の心境や素顔など“今”に迫ったインタビュー。

  

主演映画『もみの家』役柄は「自分の好きじゃないところと重なった」

映画『もみの家』は、心に問題を抱えた若者を受け入れ共同生活を送る“もみの家”を舞台に、南の実年齢と同じ16歳の、心に悩みを抱え不登校になってしまった主人公・本田彩花の1年を描写。周囲に暮らす人々との出会いや豊かな自然、日々を過ごす中で感じ取った大切な“なにか”に突き動かされ、息苦しい時間を過ごしていた彩花が、少しずつ自らの気持ちと向き合っていく姿が描かれる。

南沙良(C)「もみの家」製作委員会
― 撮影を振り返ってエピソードを教えて下さい。

南:1年間かけて撮影したんですけど、私自身それだけ長期間の撮影が初めてだったので、今思い返してもすごく新鮮な体験だったなと思っています。富山でのロケで、普段自然に触れ合う機会があまり無いので、すごくのびのびとした気持ちでお芝居ができました。休みの日も色々なところに遊びに行って結構満喫していました。

― 主人公の変化を丁寧に描いている作品ですが、普段は役作りされるタイプですか?

南:あまりしないタイプなんですけど、今回は作品に入る前、(坂本欣弘)監督に「やっぱり1年間かけて撮影するので間がどうしてもあるから、そのときに思ったこととか感じたことは自分の中でちゃんと覚えておいてほしい」と言われたので、その都度発見したことや感じたことは手帳に書き留めながら進めていました。

― 演じるにおいて一番苦労したり悩んだ部分はどこですか?

南:主人公の彩花が、自分と重なるところが沢山あってその部分があんまり自分の好きじゃないところとかコンプレックスの部分と重なってしまったので最初のうちはちょっと近親憎悪に近い感覚で嫌な気持ちがあったんですけど、特にきっかけがあったわけでもなく自然に馴染んできたかなと思います。

南沙良(C)「もみの家」製作委員会
― 彩花が変化していくにつれて南さん自身もキャラクターを好きになっていった?

南:そうですね。彩花が成長してる、変わってるということが、自分でお芝居していても感じることができたので「あ、これでいいんだな。このまま進めていけば大丈夫なんだな」という安心を覚えて、そこから気持ちが変わっていきました。

― 似てるんですね。

南:ははは(笑)、似てますね。

― 特にどういうところが似ていると思いましたか?

南:人との距離感をうまく掴めないところや、人に相談せずに自分で解決しようとしたりするところです。

南沙良、大事にしている監督の言葉「お芝居しようとしなくていい」

― 現在女優デビューされて3年ほどで、沢山の作品に出演されています。振り返って一番自分にとってのターニングポイントだったと思う瞬間や作品は?

南:最初に出させて頂いた映画の『幼な子われらに生まれ』(2017)は本当にお芝居をするのが初めてでどうしたらいいかよく分からない状態だったんですけど、三島有紀子監督から「お芝居しようとしなくていいんだよ。相手からもらったものに対して、沙良が役を通して思ったこととか感じたことをそのまま形にして、投げ返せばいいだけだから」と言ってもらえたことが今でもすごく心に残っていて。それを大事にしてお芝居をしています。

― その言葉で自分の演技のスタイルを確立することができたんですね。一番演じる上で大変だった役は?

南:『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』は吃音症の女の子の役で、吃音は本当に人それぞれ違う症状なので、少し難しかったかなというのはありますね。

― 特殊な役ですもんね。最初の頃から比べて、自身の成長を具体的に実感することは?

南:よく聞いて頂くんですけど、自分では成長を全く感じなくて、なんですかね…(悩む)。お芝居ではないんですけど、プライベートでちょっと野菜が食べれるようになったこととか。

― 人間として。

南:人間としてちょっとだけ(笑)。

― それはお仕事を通じて食べられるようになった部分もあるんでしょうか?

南:『もみの家』で採れたての野菜を初めて食べたんですけど、それがすごくおいしかったというのもあると思います。

― 本当に彩花と同じなんですね(笑)。

南:そうなんですよね。

南沙良「キリン 午後の紅茶」歌声も話題に

南沙良/CM「世界で、いちばん、あったかい。冬」親子の絆篇より(提供写真)
― 映画やドラマだけでなく、広告も引っ張りだこですが、その中で特に印象的だった撮影はなんですか?

南:全部印象的だったんですけど、「キリン 午後の紅茶」のCMでギターを持って歌うのがすごく新鮮というか、楽しかったです。『志乃ちゃん~』のときも歌ったんですけど。

― すごく綺麗な声で、歌う役が多い印象なので歌声も注目されていますよね。

南:いやいやいやいや、本当は歌うのあんまり得意じゃないんです(笑)。頑張って練習しました。

― でも(「キリン 午後の紅茶」でカバーしている「やさしさで溢れるように」の本家である)JUJUさんも「心が透き通る歌声」と絶賛されていました。恐れ多い?

南:(頷いて)恐れ多いです。

― そうなんですね(笑)。広告でも色々な方と共演されていると思うんですけど、印象的なエピソードはありますか?

南:「ポッキー」では宮沢りえさんと(親子役で)もう2年位ずっとご一緒させて頂いているんですけど、お会いする度にいつも「大人っぽくなったね~」と言って下さったり、「髪型変わった?」とか気づいて下さるのですごく嬉しいです。

南沙良『nicola』卒業後は幅広く雑誌出演

南沙良衣装クレジット:シャツ/アンダーソン ベル(UTS PR)03-6427-1030ジャンプスーツ/ア ピューピル(UTS PR)03-6427-1030 (C)モデルプレス
南沙良 (C)モデルプレス
― モデル業は、2019年3月に『nicola(ニコラ)』専属モデルを卒業されて以降、モード系の雑誌まで幅広く出演されていますが、そういった雑誌の撮影はいかがですか?

南:元々モデルのお仕事は好きで、『nicola』を卒業しても続けていけたらと思っていたので、撮影が増えるのはすごく嬉しいです。

― モデルのお仕事の前は雑誌を読んだり、ポーズを研究したり準備されるんでしょうか?

南:『nicola』のときはすごくやっていました。前の号を買って切り取ってノートに貼ってポーズとか表情を考えたり。皆やっていたので「私も勉強しなきゃ」と思ってしていました。

― 今は色々な雑誌で『nicola』とは全然違う大人っぽいテイストの服も着られていますが、こういった撮影はいかがですか?

南:やっぱりファッションが好きなので、こういういつもとは違う雰囲気のお洋服を着させて頂けるのはすごく楽しいです。これからも色々な雑誌に出させて頂けたらありがたいなと思います。

― そういった雑誌は『nicola』のときとは全然読者層が違うと思うんですけど、どんな反響がありますか?

南:たまに『nicola』時代を知っている方から「大人っぽくなったね」と言って頂けます。

― 『nicola』読者の方はすごく熱く応援されているイメージなんですけど、今も応援して下さりますか?

南:確かに、めちゃくちゃ熱いです(笑)。小学6年生のときに『nicola』に入ったんですけど「そのときからずっと見てるよ」とか「映画観たよ」とか、言って下さるとすごく嬉しいですね。

― 成長を見届けていますね。

南沙良、アニメ・服作り・エッセイ…多彩な素顔

クリエイティブな感性にも注目が集まっており、2019年12月号から文芸誌「yom yom」(新潮社)で全文本人執筆のエッセイ集「届かない手紙を書きたい」も連載している。

― 4月から高校3年生になりますが、普段の高校生活では友達とどんな話をされますか?

南:全然遊びに行かないんですよね(笑)。…ちょっと今(エピソードを)必死にさかのぼっているんですけど、なんかあるかな?高校生のうちにディズニーとかに行きたいと強く思ってます。制服ディズニーみたいのもしたいですね。

― エッセイとかでよくアニメのお話をされていますが、アニメはずっと好きなんですか?

南:そうですね、アニメ好きです。ふふふ(笑)。

― 今はどういうアニメが主に好きなんですか?

南:戦う感じのものが好きです。少年アニメとかが昔から好きだったので、ゲームとかも格闘ものが好きですし、戦いたいです(笑)。

― 一番好きなアニメは?

南:最近放送していた中で一番面白いなと思ったのは『ダーウィンズゲーム』(2020年1月より放送中)。それも戦う感じです。

― アニメ好きの友達とかと一緒にイベントに行くことも?

南:イベントは基本1人で動き回っていますね。コミケとかも朝から並びます(笑)。

― コスプレをしたことは?

南:コスプレはしたことないです(笑)。

― 服を作るのも趣味なんですよね。それはいつ頃から?

南:作ることあります。小学生とかですね。母がすごく裁縫好きでその影響で小さい頃からやっていました。普段着るわけではなく観賞用です。

― 趣味も多彩ですが、趣味を活かしてしてみたい仕事などありますか?

南:昔からずっと本を読むのが大好きだったんですけど、文章を書くのがすごく好きで今もエッセイの連載をやらせて頂いているんですけど、これからも続けていけたらと思っています。

南沙良「はっちゃけた役もやってみたい」

― 今後出てみたい作品ややってみたい役柄は?

南:役柄だとすごくパリピな感じというか、はっちゃけた役も興味があります。

― おとなしい役が多いですもんね。

南:そうですね(笑)。はっちゃけてみたいと思います。髪色明るくしたり。

― では、今目標にしていることを教えて下さい。

南:具体的なことはあんまりないんですけど、型にはまらない表現ができるというか、色んなことに挑戦していける女優さんになりたいなとはずっと思っています。

― では最後に南さんの“夢を叶える秘訣”を教えて下さい。

南:自分の叶えたいことだったり、目標だったりを周りに言うことはすごく大事なことかなと思います。私も小さい頃からずっと女優さんになりたくて周りに言っていたんですけど、そしたら叔父がオーディションを見つけてきてくれて受けるという形になったので、やっぱり自分から発信していくことはすごく大事なことなんじゃないかなと思います。

― 普段から会話で言っていたんですか?

南:「女優さんになりたーい!」って言っていました。「将来の夢何?」って聞かれたら「女優さんになる!」って言っていました。今も周りの人にやりたいことはなるべく言うようにしています。

― ありがとうございました!

(modelpress編集部)

南沙良(みなみ・さら/17)プロフィール

モデルプレスに来社!/南沙良 (C)モデルプレス
2002年6月11日生まれ。第18回ニコラモデルオーディションでグランプリに選ばれ、モデルデビュー。2017年8月公開の『幼な子われらに生まれ』で映画に初出演すると、女優デビュー作ながらも、報知映画賞、ブルーリボン賞の新人賞にノミネートされるなど注目を集める。2018年公開の初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で映画賞を4冠受賞。ほか出演作に映画『無限ファンデーション』(2018)、『21世紀の女の子(愛はどこにも消えない)』(2019)、『居眠り磐音』(2019)、ドラマ『ココア』(2019)、『ピンぼけの家族』(2020)、sumika『エンドロール』ショートフィルムなど。映画『太陽は動かない』(近日公開)への出演も控える。
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