若月佑美「乃木坂46時代のイメージをいい意味で裏切れるように」卒業後の試練と新たな出発<Skypeインタビュー>
2020.05.01 12:00
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女優の若月佑美(わかつき・ゆみ)が、5月1日より公式ホームページをリニューアル。新たに公式Twitterも開設した。乃木坂46卒業から1年半を迎え、新たなステージに突入する若月に、心機一転の心境やこれからへの思いを聞いた。
グループ時代は“若様”と呼ばれるなどグループきっての男前キャラが印象的だった若月だが、最近では凛とした女優としてのイメージも確立し、透明感に加え品格のある女性へと変化を遂げている。4月27日発売のファッション誌「Oggi」6月号からは同誌の美容専属モデルに抜擢され、Instagramで紹介したメイク動画も反響を呼ぶなど、新たな一面に益々注目が集まっている。
取材は新型コロナウイルスの影響を受けSkypeにてリモートで行い、若月は仕事の合間に自然体な様子でインタビューに応じてくれた。
若月:よろしくお願いします。全然大丈夫です(笑)!
― 今はやはり家にいることが多いんですか?
若月:すごく多いです。外に出るのは、食料の買い出しに行くくらいですね。でもどうすればおうち時間が充実するかな?と模索しながら毎日を送れています。この間も、舞台『鉄コン筋クリート』でご一緒させていただいた女子4人でリモート飲みをしましたし、普段は1人でいろいろやっていることの方が多いかもしれません。
― どんなことをしているんですか?
若月:パンづくりとかしています。粉からこねて、発酵させて、牛乳の分量を変えたり、レーズンを入れてみたり。時間があるときにしかパンづくりなんでできないですし、時間や手間のかかる料理をしていますね。いずれ50、60歳くらいになったら、カフェとか開こうかなと思うくらいなんです(笑)。
― すごい、そんなに本気なんですね!
若月:もともと料理は大好きなんです。
― 最近Instagramに瓶のレモン漬けやピクルスをアップされていて、オシャレだと思っていました。
若月:あれはギリギリ可愛くできたなと思って。いつも、茶色い料理ばかりで映えないんです…(笑)。
若月:頑張ります!
― おうち時間で、美しさを保つためにやっていることはありますか?
若月:時間ができた分、お風呂はしっかり浸かっています。あとはテレビを見ながら腹筋をしたり、テニスボールを踏みながら歯を磨いたり、“ながらエクササイズ”を増やしました。中々家では大きな動きはできないので、そういった小さいことで補っています。
― 運動不足の影響はまだ出てきていませんか?
若月:今は大丈夫なのですが、座りすぎて腰が痛くなるので、それを改善する方法を考えないといけないなと思っていて…。
― ものすごく分かります(笑)。
若月:いい方法が見つかったら、発信しようかなと思っています!
― ぜひお願いします。本当に自由に外で遊べるようになったら、誰と何をしたいですか?
若月:乃木坂46メンバーの秋元真夏ちゃん、桜井玲香ちゃん(元乃木坂46)、中田花奈ちゃんと仲が良くて、その4人組でリモート飲みの約束をしているんです。でも「やっぱり直接会いたいよね」という話をしていたところなので、本当に自由に遊べるようになれば、ディズニーランドとかに行きたいですね。
― やっぱりその4人組は落ち着くメンバーですか?
若月:落ち着きますね。話のテンポも合いますし、話さずに食事をしているだけでも間が持つんです。楽屋にいたときのような感覚ですね。
― リモ飲み、楽しみですね。
若月:そうですね。(橋本)環奈ちゃんとも鍋パーティーをしようって計画していたのですが、この状況なので辞めることになってしまって。リモ飲みできればなと思っています。
― 映画『シグナル100』の際、橋本さんとの2ショットのインタビューで「いちご狩りに行く」という話をお聞きしたのですが、Instagramで実際に報告されていましたね!
若月:まんまと行きました(笑)。あの日から、「言葉にしたからには有言実行しようね!」と言っていたんです。
― 早めの時期に行けてよかったですね。
若月:そうですね。あのときは私たち2人しかお客さんがいなくて、たくさん食べました(笑)。
若月:乃木坂46のころからの良さはありつつも、もっと若月佑美個人としての魅力を出せるように頑張りたいなと思っています。関わってくださっているスタッフさんの顔ぶれも変わって、ゼロから私を探ってくださっていて。今まで出していなかった「実は私、これが好きだったんです」ということも、たくさんお話させていただいています。
― これまで以上に若月さんの個性を追求していくんですね。
若月:そうですね。グループを卒業してから2年目に入っているので、乃木坂46時代にあったイメージを、いい意味で裏切れるような私も出していきたいです。
― いい意味で裏切るというと、具体的にはどんなことでしょうか?
若月:乃木坂46時代、私は“男前”な雰囲気があったと思うんです。男装をしたり(笑)。グループにいると、どうしても立場的に男っぽい役割になっていたのですが、これからはより女性らしさも見せていきたいと思います。男っぽいではなく、女性としての強さ、たくましさを出せたら嬉しいです。
― その心境の変化はどうしてですか?
若月:一番は年齢かな。今年の6月で26歳になるので、周りの友達も、会社で働いている子たちはもう後輩を教えていて。そういう子たちと話していると、「すごく大人だな」と感じることが多いんです。職業は違えど、自分も働く女性として、自立したいなと。
それに、アイドル時代は“可愛い”を突き詰めようと頑張っていたのですが、年齢的にも、アイドルではなくなったことからも、“可愛い”から“美しい・綺麗”の方にシフトしていきたいとも思っています。
― 新しいホームページについても教えてください。
若月:今までは、ファンの方と交流する場所はInstagramのみだったのですが、これからはファンの方がホームページを開くことが楽しみになるような場所にできたらと思っています。
― 具体的にはどんなことを考えているのですか?
若月:例えば私が描いた絵や、動画を載せたりとかも、できるならやってみたいなと思っています。試行錯誤ですが、新たな挑戦をしてみたいです。
― Twitterも同時期に開設されるということで、コミュニケーションツールが増えますね。
若月:そうですね。Instagramは写真が優先なので、自分の中でアップする写真がなければ言葉を発信することもなかったのですが、Twitterは文字だけで伝えることができるので、その違いは大きいかなと思います。外を歩いていて感じたことや、家の中で何かをしていて思ったことを、一言だけでつぶやくのも面白いのかなって。
― 最近Instagramではお悩み相談などもされていますよね。
若月:アイドル時代からお悩み相談をいただくことが多かったのですが、当時はお返事するツールがブログしかなかったので、これからは皆さんとのコール&レスポンスをより早くできると思っています。今悩んでいることを2ヶ月後に答えられても、「役に立てているのかな?」と思うこともあったので、もっとスピード感のある形で、ファンの方を大切にしていきたいなと考えています。
― Twitterを始めたら、お友達とやりとりすることもあるのでしょうか?
若月:したいと思っています。これまでは環奈ちゃんとかが私との写真をTwitterでアップしてくれても、「反応したいのにできない…!」ということが結構あって。これからは色々な方の投稿に反応したり、話しかけたりできたらいいなと思っています。
若月:今はほとんど連絡できていなくて、台本を読んだり、全体の雰囲気を掴んだり、家でできることをしているだけですね。ただ、主演を努めさせていただいた舞台『ヴァンパイア騎士』(2015年)の脚本・演出をされていた徳尾浩司さんが脚本なので、「面白すぎるんですけど、次はいつ上がりますか?」と連絡しました(笑)。『ヴァンパイア騎士』は再演もあったので、徳尾さんにはすごくお世話になって、読み合わせの日に「やっとまた一緒に仕事ができますね」という話をしたんです。出る側が言うのも変かもしれませんが、脚本が面白すぎて、「次が早く読みたい!次の本はいつ来るの!」と思っているほどなんです。
― このような状況で、エンタメを発信する側としてはどんなことを考えていますか?
若月:普段は家の中から何かを発信しようとか、パソコン1つで何か新しいものを生み出そうという感覚になれていなかったので、逆にいい機会だとも思っています。家の中でできる、ファンの皆さんの楽しみを増やす方法ってなんだろう、ステージがなくてできることってなんだろう、ということを色々考えさせていただいていて。私の仕事は、皆さんに楽しんでいただくことなので、今までと形は違えど、何かを提供できるようにしたいなと思っています。小さなものをたくさん積み上げて、いろんな方にいろんな形で知っていただく機会でもあるかなとも感じています。
― 自分から色々とクリエイトしていこうと思うきっかけにもなったのでしょうか。
若月:そうですね。今までも、女優をメインに頑張りたいなとは思いつつも、いろんなことをマルチにやりたいと思っていたんです。自分で形を決めてしまう必要はないと思うので、今は女優業が止まっている中で、これまでやりたいと思ってできていなかったことを爆発させようという心意気でいます(笑)。
― 具体的にはどんなことをやっているんですか?
若月:メイクやスキンケアの勉強をしています。今までは、何となく自分の顔に合いそうとか、口コミを見るだけで選んでいたけれど、成分表示を見て「これは一番上に保湿の成分が書いてある」とか「油分を抑える成分が一番上に来てる」と分かれば説得力があるじゃないですか。なので、成分名やその役割まで分かるように勉強をし始めているんです。いずれそれを、ちゃんとした情報として教えられるようになればと思っています。
― 若月さんと言えば美術作品というイメージも。
若月:絵も描いているのですが、まだお見せできるほどではないので、完成させたらどこかで公開したいなと思います。
若月:作品を作るみなさんの熱量や思いは、映画もドラマも違いはないと思います。ただやっぱり、ドラマは毎週1本なので、スピード感が速くて悔しい思いをすることはありますね。「あ、今のだめだった」と思いつつも、「やり直させてください」と私が言うわけにもいかないなと思って。それが映画だと、監督さんとお話させていただく機会も多いので「すみません、もう1回いいですか」とお願いしやすいということはあると思います。でも、どちらも楽しくて、どちらもすごく好きです。
― 乃木坂46を卒業して女優として活動する中で、難しさを感じることはありますか?
若月:やっぱり、一人で生きるって難しいんだな、とは思います。グループ時代は同じ悩みを持つ人がたくさんいてくれたので、すぐ相談して、一緒に解決策を見つけることもできたけれど、今は悩んでも自分の問題でしかないので、自分一人で解決策を見つけなければいけない。もちろん先輩の女優さんたちにご相談させていただくこともあるのですが、新たに乗り越えなければいけない試練だと思っています。
― その試練を乗り越える若月さんなりの方法はあるのでしょうか。
若月:でも逆に、あまり悩まなくなったかもしれません。グループ時代は選抜とかアンダーとか、自分のポジションまで気にして、落ち込んでしまうこともあったんです。でも今は、自分の立ち位置について深く悩んでいてもしかたないと思えるようになりました。目指す先はもっと高いし、今悩んでいることはちっぽけだから、もっと別の場所で悩まなきゃいけないと思って「よし!」と切り替えています。
― これまで女優活動をやる中で、手応えを感じた瞬間はありましたか?
若月:正直すごく嬉しいのは、私を全く知らなかった方が、役名で覚えてくださることです。「今日から俺は!!」の撮影をしていたときに、ご家族で経営されているロケ地の管理人さんが「あけみちゃんですか?」と言ってくださって。それまで「乃木坂46の方ですか?」と聞かれることはあったけれど、そういう呼ばれ方をしたことがなかったので純粋にとても嬉しかったんです。なので、そういうことが今後増えていくようにしたいなと思っています。
若月:1つは、「この子見たことある」と言われることを多くしたいと思っています。名前を知ってもらうまでって、検索したり、エンドロールを見たり、少しハードルがあると思うんです。なので、その手前の「あ、この子見たことある」と言ってもらえることが増えるように頑張らないといけないと思っています。そこから「この子よく見るね」になって、「なんて名前なんだろう」と思ってもらえるように、努力したいと思っています。
そのために女優業ももちろんですし、モデル活動も頑張りたいですし、色々なことを発信していくインフルエンサーとしても頑張りたいです。多方面でいろんな方に知ってもらい、「見たことある」を目指そうと思っています。
― 30代に向けて、1人の女性としての目標はありますか?
若月:勝手に自分の中で、「年齢不詳がかっこいい」と思っているんです(笑)。例えば安達祐実さん。よく雑誌とかで「こんな30代はいないみたい」と特集されていて、本当にそうだなと思いますし、役も広がるんじゃないかと思うんです。
吉田羊さんも仲良くさせていただいているのですが、羊さんが年齢を非公開にしている理由は、年齢ではなくて見た目の印象で役のオファーをもらいたいからだそうです。それを聞いて、「おっしゃるとおりだな」と思って。
私は未だに年齢確認をされることも多くて、それが自分では少しコンプレックスだったのですが、それをプラスに変えていきたいと思っています。幼く見えることで自分の中で色々葛藤することもあったのですが、逆に年齢不詳を目指していきたいなと(笑)。そのために美しさも保っていたいですし、その作品によって容姿も楽しめるのが、今から30代に向けてなのかなと思うので。
― でもやっぱり、それも女優業につながっていますね。プライベートよりも仕事重視なタイプでしょうか。
若月:そうかもしれないです(笑)。あまり私生活で30歳までに〇〇をしたい、とかは考えたことないですね。
― 年齢に縛られず、これからも頑張ってください。ありがとうございました。
若月:ありがとうございました。
グループ卒業後、着実にキャリアを重ねてきた若月。“元乃木坂46”という肩書を見ることもなくなったほど、1人の女優として認められているが、本人の目標は「顔を覚えてもらうこと」と謙虚だ。媚びずに冷静に自分を見つめ、自分に何ができるのかを真摯に考え、そして根底にはファンへの思いを忘れない姿勢。今後若月佑美だけの道を切り拓いていくのだろうと感じさせる強さがあった。(modelpress編集部)
卒業後は女優として活躍し、ドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(日本テレビ)、『父と息子の地下アイドル』(WOWOW)、『私の家政夫ナギサさん』(TBS)、舞台『鉄コン筋クリート』、『恋のヴェネチア狂騒曲』、『GOZEN-狂乱の剣-』、映画『シグナル100』、『ヲタクに恋は難しい』など出演作多数。今夏に『今日から俺は!!劇場版』の公開が控えるほか、「Oggi」6月号からは同誌美容専属モデルを務める。
取材は新型コロナウイルスの影響を受けSkypeにてリモートで行い、若月は仕事の合間に自然体な様子でインタビューに応じてくれた。
若月佑美、外出自粛中はどう過ごしている?
― よろしくお願いします。自宅からなので、何か粗相があったらすみません(笑)。若月:よろしくお願いします。全然大丈夫です(笑)!
― 今はやはり家にいることが多いんですか?
若月:すごく多いです。外に出るのは、食料の買い出しに行くくらいですね。でもどうすればおうち時間が充実するかな?と模索しながら毎日を送れています。この間も、舞台『鉄コン筋クリート』でご一緒させていただいた女子4人でリモート飲みをしましたし、普段は1人でいろいろやっていることの方が多いかもしれません。
― どんなことをしているんですか?
若月:パンづくりとかしています。粉からこねて、発酵させて、牛乳の分量を変えたり、レーズンを入れてみたり。時間があるときにしかパンづくりなんでできないですし、時間や手間のかかる料理をしていますね。いずれ50、60歳くらいになったら、カフェとか開こうかなと思うくらいなんです(笑)。
― すごい、そんなに本気なんですね!
若月:もともと料理は大好きなんです。
― 最近Instagramに瓶のレモン漬けやピクルスをアップされていて、オシャレだと思っていました。
若月:あれはギリギリ可愛くできたなと思って。いつも、茶色い料理ばかりで映えないんです…(笑)。
― それも美味しそうです。これからはお料理紹介も期待したいです!
若月:頑張ります!
― おうち時間で、美しさを保つためにやっていることはありますか?
若月:時間ができた分、お風呂はしっかり浸かっています。あとはテレビを見ながら腹筋をしたり、テニスボールを踏みながら歯を磨いたり、“ながらエクササイズ”を増やしました。中々家では大きな動きはできないので、そういった小さいことで補っています。
― 運動不足の影響はまだ出てきていませんか?
若月:今は大丈夫なのですが、座りすぎて腰が痛くなるので、それを改善する方法を考えないといけないなと思っていて…。
― ものすごく分かります(笑)。
若月:いい方法が見つかったら、発信しようかなと思っています!
― ぜひお願いします。本当に自由に外で遊べるようになったら、誰と何をしたいですか?
若月:乃木坂46メンバーの秋元真夏ちゃん、桜井玲香ちゃん(元乃木坂46)、中田花奈ちゃんと仲が良くて、その4人組でリモート飲みの約束をしているんです。でも「やっぱり直接会いたいよね」という話をしていたところなので、本当に自由に遊べるようになれば、ディズニーランドとかに行きたいですね。
― やっぱりその4人組は落ち着くメンバーですか?
若月:落ち着きますね。話のテンポも合いますし、話さずに食事をしているだけでも間が持つんです。楽屋にいたときのような感覚ですね。
― リモ飲み、楽しみですね。
若月:そうですね。(橋本)環奈ちゃんとも鍋パーティーをしようって計画していたのですが、この状況なので辞めることになってしまって。リモ飲みできればなと思っています。
― 映画『シグナル100』の際、橋本さんとの2ショットのインタビューで「いちご狩りに行く」という話をお聞きしたのですが、Instagramで実際に報告されていましたね!
若月:まんまと行きました(笑)。あの日から、「言葉にしたからには有言実行しようね!」と言っていたんです。
― 早めの時期に行けてよかったですね。
若月:そうですね。あのときは私たち2人しかお客さんがいなくて、たくさん食べました(笑)。
若月佑美「乃木坂46時代にあったイメージを、いい意味で裏切れるように」
― 今春から環境も少し変わられたと思いますが、心機一転の心境はいかがですか?若月:乃木坂46のころからの良さはありつつも、もっと若月佑美個人としての魅力を出せるように頑張りたいなと思っています。関わってくださっているスタッフさんの顔ぶれも変わって、ゼロから私を探ってくださっていて。今まで出していなかった「実は私、これが好きだったんです」ということも、たくさんお話させていただいています。
― これまで以上に若月さんの個性を追求していくんですね。
若月:そうですね。グループを卒業してから2年目に入っているので、乃木坂46時代にあったイメージを、いい意味で裏切れるような私も出していきたいです。
― いい意味で裏切るというと、具体的にはどんなことでしょうか?
若月:乃木坂46時代、私は“男前”な雰囲気があったと思うんです。男装をしたり(笑)。グループにいると、どうしても立場的に男っぽい役割になっていたのですが、これからはより女性らしさも見せていきたいと思います。男っぽいではなく、女性としての強さ、たくましさを出せたら嬉しいです。
― その心境の変化はどうしてですか?
若月:一番は年齢かな。今年の6月で26歳になるので、周りの友達も、会社で働いている子たちはもう後輩を教えていて。そういう子たちと話していると、「すごく大人だな」と感じることが多いんです。職業は違えど、自分も働く女性として、自立したいなと。
それに、アイドル時代は“可愛い”を突き詰めようと頑張っていたのですが、年齢的にも、アイドルではなくなったことからも、“可愛い”から“美しい・綺麗”の方にシフトしていきたいとも思っています。
― 新しいホームページについても教えてください。
若月:今までは、ファンの方と交流する場所はInstagramのみだったのですが、これからはファンの方がホームページを開くことが楽しみになるような場所にできたらと思っています。
― 具体的にはどんなことを考えているのですか?
若月:例えば私が描いた絵や、動画を載せたりとかも、できるならやってみたいなと思っています。試行錯誤ですが、新たな挑戦をしてみたいです。
― Twitterも同時期に開設されるということで、コミュニケーションツールが増えますね。
若月:そうですね。Instagramは写真が優先なので、自分の中でアップする写真がなければ言葉を発信することもなかったのですが、Twitterは文字だけで伝えることができるので、その違いは大きいかなと思います。外を歩いていて感じたことや、家の中で何かをしていて思ったことを、一言だけでつぶやくのも面白いのかなって。
― 最近Instagramではお悩み相談などもされていますよね。
若月:アイドル時代からお悩み相談をいただくことが多かったのですが、当時はお返事するツールがブログしかなかったので、これからは皆さんとのコール&レスポンスをより早くできると思っています。今悩んでいることを2ヶ月後に答えられても、「役に立てているのかな?」と思うこともあったので、もっとスピード感のある形で、ファンの方を大切にしていきたいなと考えています。
― Twitterを始めたら、お友達とやりとりすることもあるのでしょうか?
若月:したいと思っています。これまでは環奈ちゃんとかが私との写真をTwitterでアップしてくれても、「反応したいのにできない…!」ということが結構あって。これからは色々な方の投稿に反応したり、話しかけたりできたらいいなと思っています。
若月佑美、外出自粛をきっかけに新たな志も
― 14日に放送開始予定だった出演ドラマ『私の家政夫ナギサさん』の撮影は、新型コロナウイルスの影響で休止になっていると伺いました。キャストやスタッフの皆さんとはコミュニケーションを取っているのでしょうか?若月:今はほとんど連絡できていなくて、台本を読んだり、全体の雰囲気を掴んだり、家でできることをしているだけですね。ただ、主演を努めさせていただいた舞台『ヴァンパイア騎士』(2015年)の脚本・演出をされていた徳尾浩司さんが脚本なので、「面白すぎるんですけど、次はいつ上がりますか?」と連絡しました(笑)。『ヴァンパイア騎士』は再演もあったので、徳尾さんにはすごくお世話になって、読み合わせの日に「やっとまた一緒に仕事ができますね」という話をしたんです。出る側が言うのも変かもしれませんが、脚本が面白すぎて、「次が早く読みたい!次の本はいつ来るの!」と思っているほどなんです。
― このような状況で、エンタメを発信する側としてはどんなことを考えていますか?
若月:普段は家の中から何かを発信しようとか、パソコン1つで何か新しいものを生み出そうという感覚になれていなかったので、逆にいい機会だとも思っています。家の中でできる、ファンの皆さんの楽しみを増やす方法ってなんだろう、ステージがなくてできることってなんだろう、ということを色々考えさせていただいていて。私の仕事は、皆さんに楽しんでいただくことなので、今までと形は違えど、何かを提供できるようにしたいなと思っています。小さなものをたくさん積み上げて、いろんな方にいろんな形で知っていただく機会でもあるかなとも感じています。
― 自分から色々とクリエイトしていこうと思うきっかけにもなったのでしょうか。
若月:そうですね。今までも、女優をメインに頑張りたいなとは思いつつも、いろんなことをマルチにやりたいと思っていたんです。自分で形を決めてしまう必要はないと思うので、今は女優業が止まっている中で、これまでやりたいと思ってできていなかったことを爆発させようという心意気でいます(笑)。
― 具体的にはどんなことをやっているんですか?
若月:メイクやスキンケアの勉強をしています。今までは、何となく自分の顔に合いそうとか、口コミを見るだけで選んでいたけれど、成分表示を見て「これは一番上に保湿の成分が書いてある」とか「油分を抑える成分が一番上に来てる」と分かれば説得力があるじゃないですか。なので、成分名やその役割まで分かるように勉強をし始めているんです。いずれそれを、ちゃんとした情報として教えられるようになればと思っています。
― 若月さんと言えば美術作品というイメージも。
若月:絵も描いているのですが、まだお見せできるほどではないので、完成させたらどこかで公開したいなと思います。
若月佑美、グループ卒業後の試練と手応え
― 今年は『シグナル100』『ヲタクに恋は難しい』『今日から俺は!!劇場版』と映画の公開も立て続き、映画女優というイメージもついてきたのではないでしょうか。ドラマとの違いなどは感じますか?若月:作品を作るみなさんの熱量や思いは、映画もドラマも違いはないと思います。ただやっぱり、ドラマは毎週1本なので、スピード感が速くて悔しい思いをすることはありますね。「あ、今のだめだった」と思いつつも、「やり直させてください」と私が言うわけにもいかないなと思って。それが映画だと、監督さんとお話させていただく機会も多いので「すみません、もう1回いいですか」とお願いしやすいということはあると思います。でも、どちらも楽しくて、どちらもすごく好きです。
― 乃木坂46を卒業して女優として活動する中で、難しさを感じることはありますか?
若月:やっぱり、一人で生きるって難しいんだな、とは思います。グループ時代は同じ悩みを持つ人がたくさんいてくれたので、すぐ相談して、一緒に解決策を見つけることもできたけれど、今は悩んでも自分の問題でしかないので、自分一人で解決策を見つけなければいけない。もちろん先輩の女優さんたちにご相談させていただくこともあるのですが、新たに乗り越えなければいけない試練だと思っています。
― その試練を乗り越える若月さんなりの方法はあるのでしょうか。
若月:でも逆に、あまり悩まなくなったかもしれません。グループ時代は選抜とかアンダーとか、自分のポジションまで気にして、落ち込んでしまうこともあったんです。でも今は、自分の立ち位置について深く悩んでいてもしかたないと思えるようになりました。目指す先はもっと高いし、今悩んでいることはちっぽけだから、もっと別の場所で悩まなきゃいけないと思って「よし!」と切り替えています。
― これまで女優活動をやる中で、手応えを感じた瞬間はありましたか?
若月:正直すごく嬉しいのは、私を全く知らなかった方が、役名で覚えてくださることです。「今日から俺は!!」の撮影をしていたときに、ご家族で経営されているロケ地の管理人さんが「あけみちゃんですか?」と言ってくださって。それまで「乃木坂46の方ですか?」と聞かれることはあったけれど、そういう呼ばれ方をしたことがなかったので純粋にとても嬉しかったんです。なので、そういうことが今後増えていくようにしたいなと思っています。
若月佑美「『この子見たことある』を増やしたい」
― 最後に若月さんの今後の目標を聞かせていただきたいです。若月:1つは、「この子見たことある」と言われることを多くしたいと思っています。名前を知ってもらうまでって、検索したり、エンドロールを見たり、少しハードルがあると思うんです。なので、その手前の「あ、この子見たことある」と言ってもらえることが増えるように頑張らないといけないと思っています。そこから「この子よく見るね」になって、「なんて名前なんだろう」と思ってもらえるように、努力したいと思っています。
そのために女優業ももちろんですし、モデル活動も頑張りたいですし、色々なことを発信していくインフルエンサーとしても頑張りたいです。多方面でいろんな方に知ってもらい、「見たことある」を目指そうと思っています。
― 30代に向けて、1人の女性としての目標はありますか?
若月:勝手に自分の中で、「年齢不詳がかっこいい」と思っているんです(笑)。例えば安達祐実さん。よく雑誌とかで「こんな30代はいないみたい」と特集されていて、本当にそうだなと思いますし、役も広がるんじゃないかと思うんです。
吉田羊さんも仲良くさせていただいているのですが、羊さんが年齢を非公開にしている理由は、年齢ではなくて見た目の印象で役のオファーをもらいたいからだそうです。それを聞いて、「おっしゃるとおりだな」と思って。
私は未だに年齢確認をされることも多くて、それが自分では少しコンプレックスだったのですが、それをプラスに変えていきたいと思っています。幼く見えることで自分の中で色々葛藤することもあったのですが、逆に年齢不詳を目指していきたいなと(笑)。そのために美しさも保っていたいですし、その作品によって容姿も楽しめるのが、今から30代に向けてなのかなと思うので。
― でもやっぱり、それも女優業につながっていますね。プライベートよりも仕事重視なタイプでしょうか。
若月:そうかもしれないです(笑)。あまり私生活で30歳までに〇〇をしたい、とかは考えたことないですね。
― 年齢に縛られず、これからも頑張ってください。ありがとうございました。
若月:ありがとうございました。
グループ卒業後、着実にキャリアを重ねてきた若月。“元乃木坂46”という肩書を見ることもなくなったほど、1人の女優として認められているが、本人の目標は「顔を覚えてもらうこと」と謙虚だ。媚びずに冷静に自分を見つめ、自分に何ができるのかを真摯に考え、そして根底にはファンへの思いを忘れない姿勢。今後若月佑美だけの道を切り拓いていくのだろうと感じさせる強さがあった。(modelpress編集部)
若月佑美(わかつき・ゆみ)プロフィール
1994年6月27日生まれ。静岡県出身。乃木坂46では1期生として活躍し、2018年11月にグループを卒業。卒業後は女優として活躍し、ドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(日本テレビ)、『父と息子の地下アイドル』(WOWOW)、『私の家政夫ナギサさん』(TBS)、舞台『鉄コン筋クリート』、『恋のヴェネチア狂騒曲』、『GOZEN-狂乱の剣-』、映画『シグナル100』、『ヲタクに恋は難しい』など出演作多数。今夏に『今日から俺は!!劇場版』の公開が控えるほか、「Oggi」6月号からは同誌美容専属モデルを務める。
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