間宮祥太朗(C)2020『Red』製作委員会

間宮祥太朗、夏帆の夫役で新境地「全男性が身につまされる思いがある」<「Red」インタビュー>

2020.02.05 13:02

映画「Red」(2月21日公開)に出演する俳優の間宮祥太朗がインタビューに応じた。

  
女性の本音をえぐった問題作で、刊行当初、あまりにも衝撃的な内容のため賛否両論となった島本理生氏初の官能小説『Red』を、三島監督が禁断の映画化した同作。平凡な結婚、可愛い娘、“何も問題のない生活”を過ごしていた、はずだった主人公の村主塔子を夏帆、塔子がかつて愛した男・鞍田秋彦を妻夫木聡が演じる。

間宮祥太朗、初の役柄に挑戦「丁寧に話し合いながら…」

今、若手実力派俳優の中で最もオファーが殺到する一人である間宮。昨年はデビュー10周年を迎え、映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』や『殺さない彼と死なない彼女』等の注目作品に出演し、ドラマ「べしゃり暮らし」では漫才師の役を演じるなど、個性的で幅広い演技力を披露。さらに、愛嬌あるトーク力でバラエティにも引っ張りだこというオールマイティな魅力を持つ、クレバーでスマートな印象の強い間宮。そんな彼が同作で新たに挑むのは、主人公・塔子の夫、村主真である。

真は、「男」としてそして「旦那」として、塔子に対して「妻」とはこうあるべきという固定観念があり、無意識に亭主関白な態度をとってしまう。ただ塔子と娘・翠に対しての愛は深く、確固たる子育てのビジョンがあるが故に仕事復帰を願う塔子に対し「仕事する必要ある?」と理路整然と言い放ってしまうなど、愛情表現が不器用な人間でもある。

間宮は、真のような役は初めてということで、同作のメガホンをとった三島有紀子監督と話し合い役を作り上げたという。「三島監督とは、脚本の中に書かれている以前の事など、一つ一つのディティールを丁寧に話し合いながら演じる事ができたので、とても嬉しかったです。そのお陰で演じながら気づいたり、監督と話して、次のテイクで自分の中でも真が見つかるという感覚もたくさんあり、ご一緒できてとても楽しく、もっと現場にいたかったです」と自身の可能性を広げる初の三島組の現場について語った。

間宮祥太朗、すれ違っていく夫婦に

夏帆、間宮祥太朗(C)2020『Red』製作委員会
同作の主演である夏帆とは、共演経験もあり互いを知る仲であったが、今回は気持ちがすれ違っていく夫婦という難役に挑戦。塔子を愛しながらも、自分なりの愛情表現しかできない、真に対して「真は、両親や自分が接してきた人を見て、どこか無自覚に、『男』、『旦那』、『奥さん』はこうあってほしい、こうあるべきというのが、当たり前かの様に『常識』として培っていて、そしてそれを正直に、何の悪意もなく伝えてしまうんですよね。それが塔子に対しても、奥さんである前に、一人の女性である、女性の人生を生きるっていう事に、どうしても理解、配慮が足りないんだと思います」と自身が演じた真というキャラクターの背景に理解を示しながら夫婦間の心の揺れを表現した。

また、「この映画は、全男性が身につまされる思いがある気はしますね。きっとそうなってからでは遅く、そうなる前にいち早く気が付かなければ、手遅れになるという教訓でもあるような気がします(笑)」と演じたからこそ学び得た価値観について、世の中の男性陣に警鐘を鳴らすようにユーモア溢れる発言で笑いを誘った。

塔子、真ら登場人物の、生き方や、人生の選択はまさに十人十色―。劇中で、塔子が真に問いかける「あなたにとって、結婚って何?」という言葉は、同じく映画を見ている私たちにも投げかけられる。

ストーリー

大雪の夜、車を走らせる男と女。先が見えない一夜の道行きは、ふたりの関係そのものだった。

誰もがうらやむ夫、かわいい娘、“何も問題のない生活”を過ごしていた、はずだった村主塔子。10年ぶりにかつて愛した男・鞍田秋彦に再会をする。鞍田は、ずっと行き場のなかった塔子の気持ちを、少しずつほどいていく…。しかし、鞍田には“秘密”があった。現在と過去が交錯しながら向かう先の、誰も想像しなかった“決断”とは――。

(modelpress編集部)
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