“怪演女優”松本まりかの本当の姿 美と恋への向き合い方を語る<モデルプレスインタビュー>
11月8日に写真集『月刊 松本まりか 汀』を発売した女優・松本まりか(まつもと・まりか/35)が、モデルプレスのインタビューに応じた。自分自身をさらけ出す覚悟を決めたという彼女が語る“本当の美しさ”に迫る。<インタビュー前編>
しかし今回、約15年ぶりの写真集に臨んだ彼女がカメラの前で見せたのは、メイクもほぼせず、心の赴くままにベトナムを感じるありのままの姿。
全編通し、美しい身体の露出も目を引く今作。彼女の考える“美”を聞くと、自分自身にじっくりと、本気で向き合ってきた本当の松本まりかが見えてきた。
松本まりか、“怖かった”一度は断った写真集で向き合った自分自身の内面
- これまで写真集にはなかなか踏み切れなかったとお伺いしました。まず、自分に自信が無かったんです。外見的にも内面的にも。撮ったところで、何も写らないつまらないものになるかもしれない。写真として写るに値するものが果たして私にあるのか、写真という表現をほとんどしたことが無かったので、未知の世界で、自分の写真だけで丸一冊、そこに踏み切るのはすごく怖かったです。
― どうして撮影しようと思えたのでしょうか。
もともとプロデューサーさんにお話しをいただいて、一度はお断りしていたんです。でも、もう一度「君は本当に写真がいいと思うよ」とお願いしていただいて、プロの方がそんなに言ってくださるのなら、私が知らない世界があるかもしれない、そっちに飛び込まないといけないんじゃないか、と思いました。怖いけれど、それを乗り越えていかないと成長しないですし、ある意味自分を克服するためにやった写真集ですね。
― 自分と向き合った部分が大きいのですね。
そうです。なので、すごく個人的なものでもあるんです。「見てもらいたい!」というよりは、自分の秘め事のような、そっと自分の心の中にだけしまっておいても良いようなものなんですよね。もちろん、見てもらうために発売するんですけど(笑)。
― 撮影はいかがでしたか?
普段女優をしているときは、自分ではない何者かになっているじゃないですか。なので、素の自分を表現するってあまりしたことがなくて、すごく恥ずかしさもあったし、ちょっと…ブスな顔も写っています。
― 見せたくない部分もさらけ出した?
そうですね…。でも「ここを撮られたらいやだ」というのはなかったんです。むしろ、怖いからこそ「なんでもあり」だと思っていました。だからメイク前・メイク中も撮っていたし、ごはん中も撮影していたり。作り込んだというよりは、自分の内面を鋭いアンディの目線で撮られていた感じです。
ですが、素で自信の無い私を肯定してもらえた感じがしました。どんな顔をしていても、どんな不細工な格好でも、お腹が出ていても、それを肯定してくれた。それは、本当に心地の良い時間だったし、写真という表現方法を得るきっかけになったと思います。
― 挑戦してみて、新しい自分を見つけられたんですね。
でも、そこに自分の意思は無いんですよ。全部受け身だった。韓国とかインドとか、旅を続けていた途中でベトナムに行って撮ったのですが、自分で「私はこうです」とか、「こういう感じで撮ってください」というのは一切なく、アンディの撮りたいもの、見たいものをただ撮られている。だから自分はすごく“無”の状態でした。
松本まりか、写真集でも見せた美ボディの裏側にあるものは
― 全編通して、身体もかなり露出されています。ボディメイクなどはしたのでしょうか?このためのボディメイクは特にしていないんです。逆に、朝ごはん後でお腹がちょっと出ているカットとかもあるんですよ。あまり「綺麗に」ということを気にしませんでした。普段綺麗な女性を演じることが多いけれど、実際自分はそうではないし、ちょっと“ゆるい姿”を見せて安心したかったというのはあるかもしれないです。だから不細工な写真とかもたくさんあるんですけど、作られすぎていない、ありのままの姿を愛してもらいたいじゃないですか。恋人も「そのブスが可愛いよ」って言ってくれる人がいいから。
― 何もしていないとは思えないほど美しい体でした。
ボディメイクに関しては、基本的には常にやっているんです。運動はすごくしますし、ずっとやってきたことの積み重ねだと思います。写真集を撮っていた期間は、数か月運動をしていなかった状態なんです。でもやっぱり10数年の素地があるから、そんなには崩れなかったのかな(笑)。
― 普段はどんなことをされているんですか?
ずっとダンスをやっていて、最近はキックボクシングが効率が良いのでやっています。合間が空くと、優先的にジムやレッスンに通っています。
― 常にしっかり意識されているのですね。
意識というよりは、精神と身体は私にとっては一体で。仕事が無かった時、みんなが活躍して頑張ってる分、自分は心と身体を鍛えておこうと。いつか必要になった時のために、踊りを身に付けたり、しなやかな身体をとことん作る事で自分の精神を鍛えていた感覚です。特に私は顔がむくみやすい体質なんです。身体より顔に出てしまうから、特に映像をやり始めてから、そこはものすごく左右されています。自分に振り回されるような感覚…。何を食べても変わらない人もいると思うのですが、私はちょっとでも塩分が高いものを食べたり大食いしてしまったら、パンって出てしまうんです。この仕事をしているのに、そういうリスクを背負ってしまっているんですよね。
なので仕事が無いときは1日6時間レッスン、それを毎日繰り返したりとか、かなりハードに踊りをやっていましたね。すごく自分を追い込んでいました。ダンスはある意味“表現”なので、芝居をする場が無かったときは、そこで自分を同化させていたというか。そういう十数年間があったから、今、それが支えになっています。
― 顔のむくみ以外にボディラインで意識されている箇所はありますか?
うーん。私は“美胸”とかには興味がないんですよね。「きれいにしておこう」と意識したことはなくて。
松本まりか、お風呂と食べ物にこだわり 自分のコンプレックス、体調と向き合う
― 運動以外で美容のために心がけていることはありますか?私の中で大きな基盤になっているのが、“お風呂”です。銭湯や温泉が大好きで通っています。お風呂で温まって汗をかいて、水風呂に入るのをとにかく繰り返す。顔のむくみ対策には、体内から水を出すということがすごく大事なんですよ。2、 3時間やっているときもありますし、私はそこで台本を読むんです。人が多い銭湯とかではなかなかできないけれど、温泉に行ったときや、自分の家ではそうしています。私にとってお風呂は集中できる場所。台本とか本とか、何かをインプットするのに最適なんです。だから台本はすごくふやふやなります(笑)。
あとは、5本指ソックスをはいて靴下を4枚重ねにするというのも冬はやっています。それとすごく気を付けているのは食べ物ですね。特に塩分と白砂糖と油。この3つは大敵なので気を遣っています。オメガ3と5と7系の脂肪酸は普段摂れないから意識してみてるんですけど…。
― もう栄養学的なところから気にされてるんですね。
そうですね。以前サラダ食をしていた時に、サラダしか食べていないのに吐き気がするほど体調が悪くなった時があったんです。なぜだろうと思ったら、サラダのドレッシングが悪い油を使っていたんですよ。サラダ1つも食べられないほど体が反応してしまうのは異常だと思って、そこから油のことをめちゃくちゃ勉強しました。
今は「実身美(サンミ)」というところのドレッシングを使うようになって、そうしてからは1回も気持ち悪くなることはないですね。生の玉ねぎが6割で、オイルも本当にいいものを使っているんです。私はえごま油を使っているシリーズを基本的に買っていますが、砂糖不使用のものとか、普通のシリーズもいろんな味があるので飽きないですし、とにかくめちゃめちゃ美味しい!!!それでサラダ食を始めてから、満足しながら楽に体重も落ちたんです。
今はオイルも1つ取り寄せています。オイルで気を付けないといけないのは圧搾方法と遮光瓶に入っていること。ココナッツオイルなどの例外もありますが、基本的にオイルは遮光して、冷やさなきゃいけない。そういうことも勉強しました。そして1か月くらいで飲み干す。小さいボトルで少しずつ、生の状態でドレッシングに入れたりして食べるようにしています。オイルに気を遣うようにしているからか、サラダしか食べていなくてもうるおいはちゃんとあるんです。
あとは塩分。例えば外食に行ったときに「塩分ひかえめで」とお願いしています。やっぱり外食ってすごい塩分なんですよね。「塩分控えめで」と言っても、味が薄いと思ったことはなくて全然おいしいんです。塩分を減らすとむくみも違いますし、塩分とオイルに関してはすごく気を使ってします。
「相手を考える前に、自分の好きな自分でいること」松本まりかの恋愛観
― 先ほど“ありのまま愛してくれる彼氏がいい”と話されていましたが、体のためにこれだけ意識もされています。松本さんが思う“モテる秘訣”って何でしょうか。お風呂に関しても、食べ物のこだわりに関しても、誰かのためにとか、モテたいからとか、そういう意識は無いんです。いかに自分が自分に納得できる、ベストな状態でいられるかだと思います。
だから私は、意識が男の人には向いていないんですよ。男の人じゃなくて自分。自分が好きな自分で少しでもいられるようにとか、役のためにベストなビジュアルでいられるようにとか、そういう気持ちでいます。男の人にモテたいと思ったことはあまりないですね。
― 他人にモテるのではなく、あくまでも自分が自分のことを好きでいられるかが大切なのですね。
はい。でも、好きな人にはモテたい。いくら他の人にモテたとしても、好きな人にモテなければ意味がないですよね。好きな人にモテるってすごく難しくて、なかなか上手くいかないじゃないですか。
好きな人の前だと、「受け入れてもらえるだろうか」ってやっぱり怖くなっちゃう。でも自分が好きな自分でいられれば、好きな人と対等におしゃべりができると思うんです。自分が好きな体型だったり、自分がちょうどいいと思える自分でいられた時には、好きな人に対しても、そうじゃない人に対しても、対等でいられると思うんですよね。
好きな人には振り向いてもらえないのに、自分が想ってない人に好かれたりすることってあるじゃないですか。その時の自分をちゃんと見つめることもポイントだと思います。
その人の前では、別に自分のいいところを見せようとしたり、かっこつけようとしていないと思うんですよ。その状態で好いてくれるんだから、本当に好きな人に対しても、その状態でいれば好きになってくれる可能性はあると思うんです。だから本当に、自分が納得できる自分でいられるように常に日々生きるということが大切だと思います。そうすれば結局、好きな人に出会ったときに、ことさら頑張らないで、平常心で、ただ誠実にその人と向き合うことができるから。
― それも努力の積み重ねも必要ですもんね。
そうですね。まずは相手を考える前に、自分の好きな自分でいる。そして常に自分を成長させていくというか、高めていくことが重要なんじゃないかな。
私も、自分のコンプレックスが気にならなければ本当に幸せな人生だと思う。気になってしまうのはしかたないけれど、なるべく気にしないで、自分の好きなことで自分を高めるべきだと思います。例えば勉強をしてみたりとか。内面を充実させて、「モテないといけない」とか、一回やめてみて、本当に自分の好きなことを見つけて楽しんで生きる。美人は3日で飽きるっていうじゃないですか、それは本当だと思うんです。外見じゃない。美じゃないんですよ。
― 最近はあざと可愛い小悪魔的な役が多かったので、“モテ”や“美”を意識しないというのは少し意外な一面でもありました。
小悪魔をやってくださいって言われても、実は困っちゃうんです。たまたま求められて、やってみて、それがなんか面白かったというだけ。あんなにあざといこと、恥ずかしくてできないです(笑)。面白いと思って演じてはいましたが、本当に大事なことっていうのは、表面的なことじゃないと思います。
でも「あざとく生きる」というのは、それはそれで立派な生き方だと思う。否定はしません。だから、自分は何が楽しいかを決めればいいんですよ。あざとく生きるのが楽しいのならそうすればいいし、無理してやる必要はない。得意じゃないのにやらなくていいし、自分なりに生きてみれば、絶対に好きになってくれる人はいるはずです。私は本当の恋愛がしたいから、つくろって生きていたら幸せになれないと思います。私もめちゃくちゃ振られるんですよ。上手くいかないんです(笑)。
あとは年齢を重ねていくことを恐れない。私は今35歳ですけど、自分が「もう35歳たから」という意識がないんですよ。ギャグで「もう35だから」とは言うけれど、35歳だからもう結婚しなきゃとか、そういう固定概念にはとらわれないで、自分の好きなように、とにかく日々を生きる。その先に、自分の本当の人生みたいなものが待っているんじゃないかなって思います。
飾らない素のままの姿を見せ、被写体という自信が無かったジャンルで唯一無二の作品を作り上げた松本。その写真には、自分自身と向き合い、自分の弱さを見つめ、人知れず苦労や試練を乗り越え生きてきた彼女が投影されている。
「ありのままを愛してくれる人がいいじゃないですか」と可愛らしくはにかむ松本だが、“ありのままの自分”をいつも“自分が好きな自分”に近づけようと意識し続ける強さ、その中に彼女の美しさがあった。
メイクに関しても、「これちょっと薄すぎじゃない?って思うのを心がける」と言うほど、素の部分を隠しすぎないことを意識しているという松本。インタビュー後編では、実際に使用しているコスメと共に“やりすぎない”松本流メイクのポイントを詳しく教えてもらった。(modelpress編集部)
松本まりか(まつもと・まりか)プロフィール
誕生日:1984.9.12出身地:東京都
血液型:B型
身長:160cm
2000年、テレビドラマ『六番目の小夜子』で女優デビュー。2018年、『ホリデイラブ』の井筒里奈役での“怪演”で一躍脚光を浴び、今年「ゆうばり国際映画祭 2019年ニューウェーブアワード」を受賞、ソフトバンクのCMに出演するなど存在感を増している。現在はドラマ「死役所」でニシ川役として出演中。
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