「なつぞら」脚本・大森寿美男インタビュー<3>脱稿も“開放感なし”「まだ不安」 100作目のプレッシャー、広瀬すずらへの思い…
女優の広瀬すずがヒロイン・なつを演じるNHK連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合/月曜~土曜あさ8時)が、最終回の9月28日までいよいよ1ヶ月ほどに迫った。この度、脱稿した脚本・大森寿美男氏が、モデルプレスなどのインタビューに応じた。<3>
大森寿美男氏、“朝ドラ”100作目のプレッシャー
100作目の“朝ドラ”『なつぞら』は、戦争で両親を失いながらも北海道・十勝でたくましく育ったヒロイン・なつが、当時まだ「漫画映画」と呼ばれていたアニメーションの世界に挑む姿を描く大森氏のオリジナル作品。大森氏が“朝ドラ”を手掛けたのは、『てるてる家族』(2003年~2004年)に続き2作目。100作目の重圧は想像以上なのだろうか、「『てるてる家族』のときとは、プレッシャーが全然違いました。100作目ということで注目もされるでしょうし、広瀬すずさんをはじめ皆さんに成功してもらいたいという気持ちも強かったですから」と振り返る。
「成功に導くぞっていう意欲はあるけど、そこまで自分を信用しているわけではなかったので、自分の世界だけで勝負していいのかという疑問も最初はあったんです。自分はどこを目指せばいいのか悩んでいましたし、『てるてる家族』と比べると1週間分を書き上げる期間が倍近くかかっていました。余裕を持って書き始めたので、オンエア前に終わっちゃうんじゃないかな?なんて思っていましたし、目指してたんですけど、それは無理でした(笑)。『てるてる家族』のペースならオンエア前に書き上がっていたんですよ」。
「なつぞら」エゴサーチはしない SNSの反応「怖くて見られない」
働き方改革の影響もあり、執筆は2018年1月頃よりスタート。『てるてる家族』より三か月ほど早い。さらに、当時と違う点でいえばSNSの発達。Twitterを中心に日々感想はリアルタイムで書き込まれる。「あの頃は、2chでしたね(笑)」と情勢の変化を大森氏も感じているようだが、SNSの反応については「怖くて見られなくなりました」と苦笑い。
「書き終わってからはちょっと勇気を出して見たんですけど…いわゆるエゴサーチはしないです。Twitterも自分がフォローしている方のツイートは読むんですけど、『#なつぞら』で検索する勇気は持てないです(苦笑)。(感想を)読んでしまうとそれに感情移入してしまうので、それも怖いんですよね」と、あえて情報は入れずに書ききった。
「なつぞら」脱稿も“開放感なし”「自己満足だけでは終わっていけない企画」
北海道の柴田家、新宿の風車、そして結婚してできた自分のホーム。広瀬演じるなつは、3つのホームの中で、今、妻として母として新たな人生を歩んでいる。「直して、直して完成した」という最終稿。脱稿した心境を、「すごい達成感を味わえるのかなと思っていたんですけれども、今回はまだ不安です。最後の最後まで、このドラマが皆さんにどう受け止めてもらえるのかっていう不安を抱えたまま。最後に満足していただければ、そこでやっと責任が果たせるのかなと思います。ビクビクしていますね」と語る。
「なつぞら」を毎日の楽しみにし、半年間、なつたちとともに過ごしてきた視聴者も、そのラストを楽しみにしながら、寂しい気持ちを抱きながら9月28日を待っているはずだ。「(“朝ドラ”は)自己満足だけでは終わっていけない企画だと思います。“やるだけやったから俺は満足だ”では終われない。皆さんに認めてもらって、広瀬すずさんが最後まで全力で駆け抜けられないと僕の責任も果たせた気がしない。終わったという開放感はまだないです」――9月28日、最終回のその日まで、大森氏もなつ、広瀬と走っている感覚なのだろう。(modelpress編集部)
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