「なつぞら」脚本・大森寿美男インタビュー<1>誤算は山田裕貴の芝居が上手すぎたこと “雪次郎回”振り返る
女優の広瀬すずがヒロイン・なつを演じるNHK連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合/月曜~土曜あさ8時)が、最終回の9月28日までいよいよ1ヶ月ほどに迫った。この度、脱稿した脚本・大森寿美男氏が、モデルプレスなどのインタビューに応じた。<1>
脚本・大森寿美男氏「ハマった」“雪次郎回”振り返る
100作目の“朝ドラ”『なつぞら』は、戦争で両親を失いながらも北海道・十勝でたくましく育ったヒロイン・なつが、当時まだ「漫画映画」と呼ばれていたアニメーションの世界に挑む姿を描く大森氏のオリジナル作品。アニメーターという夢を叶えるため上京したなつが仕事に奮闘する姿も描かれているが、あくまで物語の軸はホームドラマ。「なつの場合は、北海道の柴田家、新宿の風車、そして結婚して自分のホームができるので、3つのホームに分けて考えていた」と大森氏。
それぞれの“ホーム”で関わっている登場人物を中心に物語が展開される週もあり、柴田家の長女・夕見子(福地桃子)の駆け落ち、なつの北海道からの幼なじみで劇団「赤い星座」で役者をしていた雪次郎(山田裕貴)の恋など、その結末に大きな反響が集まった回も。夕見子・雪次郎の展開については、大森氏も「ハマった」と感じているという。
一方で、雪次郎については「僕のプラン通りではあったんですけど、観る人にとっては“伝わったのか”という不安もありました。もっと明確にしたかったっていうのもありましたし、分かりにくかったかもしれません」と“余白”を与えたことで思うところもあったようだ。
誤算は山田裕貴の芝居が上手すぎたこと
雪次郎をめぐっては、“仕事か恋愛”どちらを選択するのか…という問題が描かれた。女優・蘭子(鈴木杏樹)に憧れ「赤い星座」に入団した雪次郎だったが、その蘭子が原因で劇団は分裂してしまう。元劇団員たちは新たな劇団を立ち上げ、雪次郎はそこに誘われるも、憧れであり恋心を抱く蘭子と芝居をするという夢のため、「赤い星座」に残ることを決意。しかし、そこには“芝居で挑戦したい”という思い=仕事、蘭子のそばにいたい=恋愛という2つの間での揺れがあった。そんな中、蘭子と同じ舞台に立つという夢が叶い、千秋楽の日、蘭子の家に呼ばれた雪次郎は、思い余って蘭子に愛の告白をするとともに、新たな劇団に誘われていることを明かす。確固たる決意を持ってすべてを告白したつもりの雪次郎だったが、蘭子にはその迷いが分かっていた。そして告白への答えはNO。「好きだ」という雪次郎を、わざと辛辣な言葉で突き放した。
その後、雪次郎は役者の夢を諦め故郷・十勝へ。雪次郎の迷いについて、大森氏はこう話す。
「新しい劇団に行きたいという波が雪次郎に来たとき、それに乗れなかった。乗れなかった理由を“乗らなかったんだ”という理由にするために、蘭子さんに告白したんです。それを蘭子さんに見抜かれて、そのことによって自分でもそれに気付いて、自分の中途半端さにも気付いて…。新しい時代に向かっていけばいいと思ったけど、演劇では立て直せなかったので十勝に戻ったんです。純粋なヤツなんですよ。
新しい時代に向かいたい雪次郎のジレンマをもっと明確に描くべきだったのかなとも思いましたけど、読み取ってくださる方もたくさんいる。それは山田さんが見事な演技で表現していました」。
中には「新しい劇団で役者を続けてほしかった」という意見もある。その点に関しては、「山田くん、演技が上手いから『(雪次郎)役者続けろよ』って思われやすい。もうちょっと(芝居が)下手ならよかった。誤算は、彼(山田)の芝居が上手すぎたってことですかね(笑)」と笑った。(modelpress編集部)
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