ジャルジャル、M-1後の展望語る ネタ披露も撃沈した相手とは <インタビュー>
2019.04.26 17:15
結成15年、斬新な発想と世界観でネタを生み出し続け、最後の挑戦となったM-1で優勝こそ逃したものの"国名分けっこ”ネタで審査員をうならせたお笑いコンビ・ジャルジャル。自分たちの笑いを探求する彼らはテレビや劇場だけの活躍に留まらない。お笑い中心の生活に、週1ペースで「めっちゃ楽しいやんけ!」と感じるほど“お笑い愛”が溢れる2人にインタビューを行った。
目次
ジャルジャル、M-1ラスト参戦「やりきった」
― M-1ラスト参戦と2018年は勝負の年となりましたが、振り返ってみていかがですか?後藤:M-1決勝に行けたことは、手応えありました。ネタにも反響もありましたね。
福徳:昨年はキングオブコントで決勝に行けなかった分、M-1で逆に力を発揮できるのかなって変に手応え感じてたんですけどね(笑)。
後藤:優勝できませんでしたが(笑)。これから競争する機会がなくなってくるということで、今はライブとかYouTubeでのネタ配信に気持ちが向いています。
福徳:ベタな言葉ですが、お笑いに対する気持ちは何も変わらないです!
M-1での“涙” 2人の距離に変化
― 高校の同級生のお二人が結成して15年。関係性に変化はありましたか?福徳:一昨年のM-1(決勝戦で6位)のときに、恥ずかしながら悔し涙を流したんです。その日くらいから、後藤が僕の方を見るようになりました(笑)。普段はおそろしいほど、僕を見ないんですよ。漫才中、後藤は前を見て、僕はいつも後藤のほうを向けているんです。
後藤:無意識ですね(笑)。映像で見たら分かるかもしれないですけど。
福徳:体が動くようになりましたね。2人の向きが“ハの字”になりました。
― 敗戦が一段と絆を深めたんですね。2人は普段からネタの話ばかり?
福徳:そうですね。それ以外は同級生の近況報告くらい(笑)。
後藤:ネタを話し合わないといけない機会も多いですしね。ライブ前もそうやし、YouTube動画は30本以上まとめて撮ったりするんで。
― 昨年「JARUJARU TOWER」開設されて、毎日ネタをYouTubeで配信されているんですよね。
福徳:そう!ネタがほんまに信じられへんくらいの数があるんですよ。毎回単独ライブ用に130個くらい作ってますが、そのうち10個くらいしか使わないんで、120個くらいボツになるんですよね。
― 今やネタが8000個を超え、毎日配信しても2039年完成予定とか。すごい量ですね…!
福徳:スタッフの北橋くんがある日「それ毎日UPしたらどうですか」って言ったことが始まりです。くさるほどネタがあるから、世に出せてよかったです。
― YopuTube配信で変化は?
福徳:男性に声をかけられることがめちゃくちゃ増えました!
後藤:YouTube見てるのはほとんど男性らしくて、8割以上ってデータでも出てるんですよ。新たにファン層が広がるのはうれしいですね。
「ジャルジャルの笑いのツボ屋」がスタート
福徳:“笑いのツボ”を仕掛ける実験的ドキュメントなんですが、#03と#04が本当おもろかったです。僕、ネタ以外で自分が出る番組って普段見ないんですよ。でもあれは見てみようかなって思って久々に見たんです。
― 元同期の方が「好きな人を笑わせて、振り向かせたい」と依頼された回ですよね。お互い気心が知れているというのもあったんでしょうか。
福徳:そう、何もかもおもろかった~。編集もね、いい感じにしてくれて。
後藤:その元同期の清水鉄平のよさというか、言葉に表せない魅力がうまく出てたんじゃないかなと。
― 楽しんでいる様子は画面からも伝わってきました(笑)。笑わせる対象が1人or大多数で、お笑いの意識に変化はありますか?
後藤:1人を笑かすために話を聞いて、その人が笑う状況を作っていくっていうのは、あまりやったことなかったので楽しかったですね。ネタ作りとは似てるんですけど、違うっていう。
福徳:今までのターゲットは、落ち込んでいる同性の友達、好きな異性、娘の結婚に寂しがるお父さん。人間が本当に笑わせたい人だったので、お笑いをやる意味を考えさせられましたね。
“よしもと史上最大”キャンペーンも話題
福徳:そうなんです。死ぬほどおもろかったので、ぜひ見てもらいたいです。
後藤:今ならよしもと劇場のチケットやグッズに交換できる「ラフピーポイント」もらえます!
― では、お二人が“笑いのツボを”仕掛けたい人はいますか?
福徳:後藤の息子ですかね。何度かお会いしてるのに、冷静になって考えたら、笑かしたことないなと。
後藤:この間、幼稚園のお別れ会で、保護者と卒園の園児の前でネタをしたんです。何かやってもらえませんかって頼まれたので、福徳にもお願いして。その場は盛り上がってたんですけど、息子2人がすごく険しい顔してました(笑)。家に帰ってからその話題しないし。
― (笑)。
後藤:普段はテレビ見て笑ってるんですけどね(笑)。僕が仕掛けたいのは親。単独ライブとか見に来てくれて、すごく笑ってるって話は聞きますが、実際に間近で見たことないので。親がツボにハマってしゃべられへんくらい笑ってるところを1回見てみたいです。
― お2人は“笑いのツボ”に入りやすいですか?
福徳:僕は後藤といるときに入りやすいですね。
後藤:どっちかっていうと僕のほうが先に入りやすい。ツボ浅いんです(笑)。
「大阪チャンネル」ジャルジャル一押しの番組は?
― 「大阪チャンネル」では全国のバラエティ番組が配信されていますが、一押しの番組はありますか?後藤:東京の人って新喜劇を見る機会ってなかなかないですよね。「よしもと新喜劇」は見てほしい!あれを作った吉本はすごい。60年も続いて、完全に大阪に根付いてるんで。新喜劇のことを吉本って言ったりするほど看板ですし、ちゃんと見てもらいたいですね。
福徳:僕は「探偵!ナイトスクープ」です。めちゃくちゃおもろい回があったりとか、めちゃくちゃ泣ける回があったりとか、ほんまに幅が広くて。「なんやその依頼!」っていうのもあるし、めっちゃおもろいんです。マイクはコードがついてるんですけど、それも味があっていい。
― 普段はお笑い番組は見ない?
後藤:そんな積極的に見る方ではないです。
福徳:正直見ないほうですね。ブレイクしたての芸人とか、全然知らんことが多くて。後藤は、おかずクラブがメジャーになっても知らんかった(笑)。「めちゃイケ」のロケバスで加藤(浩次)さんに「おかずクラブが…」って話されたとき、適当にありそうな名前でボケたと思ってた。実はめちゃイケ出てたらしくて、番組見てないのもバレるっていう(笑)。
後藤:(苦笑)。僕はドキュメンタリー番組が好きなんですよ。そっちのほう優先的に見てしまって…。
― バレてしまったんですね(笑)。では、平成もあとわずかですが、やり残したことを教えて下さい。
福徳:家の表札をつけるかどうか。前はふくろうの表札をつけていたんですけど、それを変わらずつけるか迷ってます。
後藤:家の床が木なんですけど、ワックスがけが死ぬほど面倒くさくて…。それをやるか迷ってます。
福徳:それは絶対したほうがいい!
ジャルジャル“夢を叶える秘訣”を語る
― 最後に、2人が思う「夢を叶える秘訣」を教えて下さい。福徳:僕は高校のときに後藤と出会ってなかったら、「お笑い芸人になる」という夢はそこまで芽生えてなかったと思うし、夢がない人間やった可能性が非常に高いですが…(笑)。今もたまに、朝起きたときに「めっちゃ楽しいやんけ!」って思うんですよ。しかも週1ペースで。並木道を歩いてる時に、自分がサラリーマンやったら、この景色も違う見え方してたんやろうなとか。この世界に入ってよかったって心の底から思うんです。だから、何か楽しそうだと思ことがあったら、突き進んでほしいですね。
後藤:お笑いって、普通はやるものじゃなくて見るものだし、全く別世界じゃないですか。今はそれが日常になっているんですけど、お笑いをやるって気持ちがなかったら、その世界があるっていうことも気づかなかった。これしかないと思わずに、いろんな世界を知る。勉強することは大事かなと思いますね。
― ありがとうございました!
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