モデルプレスのインタビューに応じた田中美久(C)モデルプレス

HKT48田中美久、宮脇咲良・矢吹奈子の不在からの重圧に「耐えられなかった」過去 指原莉乃とのお泊まり会で話したこと<モデルプレスインタビュー前編>

2019.03.31 15:30

HKT48田中美久(たなか・みく/17)が、モデルプレスのインタビューに応じた。メンバー兼劇場支配人としてグループを引っ張ってきた指原莉乃のラスト参加となる、12thシングル『意志』を4月10日に発売。宮脇咲良、矢吹奈子は2021年4月までグローバルガールズグループ・IZ*ONE(アイズワン)の活動に専任中、指原は4月末をもって卒業…とここ半年で、HKT48は大きな岐路を迎え、田中にかける期待はますます高まっている。そんな彼女の今の胸の内に迫ったロングインタビュー前編。

  
4月28日の神奈川・横浜スタジアムでの卒業コンサートを控える指原のラストシングルとなる今作。デビューシングル『スキ!スキ!スキップ!』以来、『メロンジュース』『最高かよ』『早送りカレンダー』など、ポップなタイトルが多かったが、今作はこれまでとは違った印象で、HKT48を卒業する指原と、これからのHKT48を支え創りあげようとするメンバーたちの志を感じさせるタイトルとなっている。

HKT48(C)AKS

指原莉乃との最後のMV撮影は「莉乃ちゃんが最初から号泣」

田中美久(C)モデルプレス
― まず、今回はどんなシングルになっているか教えて下さい。

田中:「孤独でいても自分を貫く」という強い意志を感じる歌詞で、カッコいい楽曲になっています。いつものHKT48のシングルは明るい楽曲が多いんですけど、今回はシングルでは初めてクールな楽曲なので、リップシンクとかすごく難しいところが多かったです。新しいHKT48です。


― カップリングに収録される指原(莉乃)さんの卒業ソング『いつだってそばにいる』はどういう楽曲になっていますか?

田中:本当に悲しい楽曲です。(AKB48の指原莉乃ラストシングルとなる)『ジワるDAYS』はちょっと明るい楽曲なんですけど、この曲はもうドストレートに悲しい、しっとりした曲調になっていて、すごく莉乃ちゃん(指原)目線でもあるし、私達メンバーやファンの方々の目線での歌詞もあって共感できる部分が多いです。

― 指原さんとの最後のMV撮影は、SNSですごく皆さん「泣いていた」と投稿されていましたが、いかがでしたか?

田中:本当に皆泣きました。皆で撮ったシーンは、莉乃ちゃんが最初の歌い出しから号泣しちゃって、それにつられて皆で号泣しながら歌っていました。

― 思い出を振り返るような内容ですか?

田中:そうですね、ロケにも行って結構自由な感じで撮りました。決まっているシーンを撮り終えた後も小さいカメラを回していたので、どこがどう使われるのか予想できない感じです。


― 誰が一番泣いていましたか?

田中:莉乃ちゃんが一番泣いていました。莉乃ちゃんの近くにいたメンバーがリップシンクのシーンを撮る前から「莉乃ちゃんの目がウルウルしている。外で撮っているからかな?」と言っていたんですけど、その後号泣していて、撮影の最初からずっと泣きそうだったんだなと思いました。

田中美久、宮脇咲良・矢吹奈子の不在、指原莉乃の卒業…怒涛の日々に「耐えられなかった」

― ここからはグループのことについて伺いたいと思います。ちょうど1年前くらいに取材させて頂いてから本当に色々なことがありましたね。田中さんもHKT48に加入してから6年も経って、すっかりグループを引っ張っていく存在になったと思うんですけど、今までの活動を振り返って、感情の揺れ動きで言うと、辛かった時期も多かったですか?

田中:振り返ると、感情の揺れ動きは激しかったと思います。“なこみく”って最初に呼ばれていた時期も比べられることに慣れていないというか苦手で辛かったし、あとは『最高かよ』(2016年9月7日発売の8thシングル)が発売されていた時期も悩んでいました。ポジションだけが全てじゃないとわかっているんですけど、当時は自分の中でポジションに思うことが多くて、どうやったらもっと皆に認めてもらえるんだろうなとずっと考えていました。そして、IZ*ONEに2人が専任になることが決まったときもドンッと落ち込みました。やっぱり身近にいるメンバーがいなくなるのは悲しいです。

― あのときは(IZ*ONEが生まれたオーディション番組の)『PRODUCE48』の最終回が近づくにつれて、2人が選ばれることも予想していましたか?

田中:自分も参加していたので、2人は選ばれるかもしれないと思っていました。でも、活動休止までは具体的に想像していなくて、ファンの方と同じタイミングで知ったのですごくびっくりしました。寂しいし、HKT48の先頭を引っ張ってくれていたので、「これからどうなるんだろう?」と不安になりました。

― その後、12月に指原さんの卒業発表がありました。

田中:もう耐えられなかったですね。ファンの方からも期待の声を色々と頂いたんですけど、「私で良いのかな?」と思っていたし辛かったです。自分でもどうして行けばいいのかをずっと考えていました。

田中美久、今のポジションは「自分で掴み取ったものではない」

― 田中さんがグループを引っ張っていくという風に見られることが多くなってきて、一時期はSNSで弱音を吐かれることもありましたね。田中さんはいつも元気なイメージがあるからこそ、意外だったんですけど、やはり自分が思っていた以上のスピードで色々なことが起こったからですか?

田中:そうですね。結構溜め込みやすい性格なので、考えたり落ち込んだりして悲しくなることがありました。元々の性格自体は昔と比べて「明るくなった」と言われることが多くて、次の日には切り替えができるんですが…でもやっぱり最近はHKT48の中で色々な変化が多いので、毎日考えます。

― その辛かった時期からどうやって気持ちを立て直していきましたか?

田中:ファンの方の支えがやっぱり大きくて、自分が何事もあんまり上手く行かなかった時期に気づいてくれたり、自分が思っていることを察して下さっていたり…。思うようなポジションに上がれないことにすごく悩んでいたときに総選挙などで毎回押し上げてくださったり、握手会に来てくれたり、ファンの方が頑張って下さって色々なことに選んで頂けるようになって、自分も自信を持てるようになりました。最近は楽しむことを大切に活動していて、強くなった気がします。

― 今はグループを引っ張っていこうという気持ちですか?

田中:そうですね。でも、皆で引っ張って行きたいと思っていますあんまり背負いすぎるのも違うなと思っていて、少しでもHKT48のために何かできたらなという思いで楽しくやっていきたいなと思います。

田中美久、指原莉乃とのお泊りで語り合ったこと

衣装が派手だったため(?)通りがかった子供に「新しいキャラクター?」と間違えられて思わず笑う田中美久(C)モデルプレス
― 最近は指原さんの家にお泊りをされるなど、「すごく仲良しだな」と思っていつもSNSを拝見しているんですけど、お泊りしたときはどんなお話をされましたか?

田中:お泊りする前に夜ご飯にジンギスカンを食べに行って、そのときにHKT48の話を沢山したんですけど、自分に対してのことよりもグループについてとか、同期や後輩とか私の周りにいるメンバーについて莉乃ちゃんに教えるという感じで。「この子にこういうことが起きたんですよ」とか「同期の誰々ちゃんは今悩んでいるんですよね」とか。

あとは自分が今色々な方に“エース”と言って頂けることに対して、今まではさくちゃん(宮脇)がエースとして引っ張って下さったので、「咲良が帰ってきたときにもエースを守っていきたいね」ということを言って頂きました。

― 不在のときの代打のエースではなく、ちゃんと実力でエースとしてファンの方にも認めて頂けるようになろう、と。

田中:そうです。それを言って頂いて私はまだまだ全然そこまでではないと思っていたから、「そんな風に思ってくれているんだ」と思って。美久に対して色々と思ってくれていることもあるのかな、と思って嬉しかったです。

― 失礼になってしまったら申し訳無いんですが、指原さんは最近、田中さんが小さい頃にHKT48に加入しているので、色々と心配されていましたよね。

田中:そうなんですよ、心配してくれていて。「アイドルとしての常識とかはある。逆に根本的なところがアホ。騙されやすい」と言われます(笑)。私もしっかりしなきゃなと最近思っていて、莉乃ちゃんにその話もしたら、「逆にそのままでいてほしい。そういうキャラクターって言ったらおかしいけど、皆がイジれるような人であって欲しい」と言ってくれました(笑)。意外でした。

田中美久、指原莉乃の卒業でこれからのHKT48で一番心配なこと

― 指原さんの存在はHKT48にとって計り知れないぐらい大きいと思うんですけど、卒業後一番グループで心配なことは何ですか?

田中:個人的には注目度が気になっています。莉乃ちゃんが抜けたらどういう印象を持たれるんだろう、という心配が大きくて。なので、これからファンの方とメンバーと一緒に作り上げていけたらと思います。

― メンバーとは今後について話しますか?

田中:全員でご飯に行くときに「頑張らなきゃね」とか、コンサートや公演終わりの反省会ではそういう話をします。でも皆明るく頑張っていこう、という感じで、悩むことも大切だけど、今は「楽しむことも忘れずに」という気持ちです。

― やはり指原さんが残してくれたもので、一番ずっと守っていきたいと思うHKT48の魅力はそういう部分でしょうか?

田中:そうですね。皆先輩後輩関係なく仲が良くてギュッと一体化している感じ。そこは大切にしていきたいです。でもそれだけじゃ多分厳しいと思うので、もっとパフォーマンス力も上げていかなきゃいけないし、ライブの盛り上げだったりセットリストを考えたりも、莉乃ちゃんに任せっきりだったので、そこも成長していかなきゃいけない。メンバーが見る目線とスタッフさんが見る目線、ファンの方が見る目線も違うので、上手くできるかな?という不安はあります。

― パフォーマンスでいうと、歌唱力No.1決定戦だったり、ダンスオーディションだったりと、48グループ全体でパフォーマンスを重視したり、チャンスを与えたりする傾向が強まっていますよね。HKT48で引っ張っていくメンバーは?

田中:スキルが高いメンバーは本当に多いんです。後輩もダンス経験がある子が多くて、皆が皆ちゃんと色々な役割を果たせると思うので、私も自分の得意な部分も苦手な部分も伸ばして頑張りたいと思います。

※後編に続く

(modelpress編集部)


HKT48


2011年10月23日に誕生したAKB48グループ国内3つ目の姉妹グループ。福岡市を中心に活動。結成当初の平均年齢は13.8歳で、“最年少グループ”としてスタートする。2012年にAKB48から指原莉乃、多田愛佳(2017年に卒業)が移籍。2013年3月20日に1stシングル『スキ!スキ!スキップ!』でCDデビュー。2014年、第65回NHK紅白歌合戦に単独初出場を果たし、トップバッターを飾った。尾崎充氏とともに劇場支配人を務める指原莉乃を中心に、メンバーがセットリストを組むコンサートが特徴的で、他のアイドルグループの楽曲などをふんだんに取り入れる。2015年には、明治座で単独女性アイドルグループとして史上初となる『HKT48 指原莉乃座長公演』を行った。2018年12月、TOKYO DOME CITY HALLで単独コンサート『HKT48コンサート in 東京ドームシティホール〜今こそ団結!ガンガン行くぜ8年目!〜』を開催し、指原が卒業を発表。2019年4月28日、指原の卒業コンサートを横浜スタジアムで開催する。ホークスタウンモールに設けられていた専用劇場が、再開発に伴い2016年3月末をもって閉鎖。現在は西鉄ホールなど福岡市内のホールを劇場として公演を行っており、2020年春に新劇場が開業予定。

田中美久(たなか・みく)プロフィール

田中美久(C)モデルプレス
2001年9月12日生まれ/出身地:熊本県/チームH所属/ニックネーム:みくりん。2013年8月、HKT48の第3期生オーディションに合格し、翌年2月にチームHに昇格。当時は小学6年生で、矢吹奈子とともに“なこみく”の末っ子小学生コンビとして鮮烈なデビューを飾る。3rdシングル『桜、みんなで食べた』で初選抜。2015年、AKB48グループ内の派生ユニット『でんでんむChu!』のメンバーに選ばれる。矢吹とともに女子中高生向けファッション誌『LOVE berry(ラブベリー)』モデルを務めた。前作である11thシングル『早送りカレンダー』では矢吹とともにWセンター。握手会でも圧倒的人気を誇り、選抜総選挙は45位(第8回)、28位(第9回)、10位(第10回)と、年々順位を上げている。

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