<乃木坂46若月佑美インタビュー>卒業発表後に桜井玲香から…、今振り返る「自分の夢を見つけた場所」、“やっぱ乃木坂だな”で得たもの
2018.11.09 00:00
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11月30日をもって乃木坂46から卒業する若月佑美(わかつき・ゆみ/24)。新たな夢に向かって歩み始めた彼女が、松本大洋氏の代表作「鉄コン筋クリート」の初の単独舞台化で主演を務める。乃木坂46のメンバーとして出演する最後の舞台。乃木坂46に入ったからこそ見つけられた演技の楽しさ、これまで積み上げてきたものすべてをこの舞台に注ぎ込む。モデルプレスは同作にかける想いから今後のビジョン、グループ卒業を発表した今の心境などを本人に聞いた。――――言葉を選びながら力強く、そして真摯に話す姿が印象的だった。言葉の端々から「やっぱ若月だな」と感じてほしい。
「鉄コン筋クリート」は暴力が飛び交い、大人の思惑がうごめく街、宝町を舞台に、そこに暮らす少年、シロとクロが互いを補完し合いながら生き抜いていく物語。若月はクロ、シロは三戸なつめが演じ、11月18日から25日にかけて東京・天王洲 銀河劇場で上演される。
若月:すごく嬉しかったです。自分がクロになれるという喜びと、クロをどのように表現しようという楽しみがあって。でも同時にアクションもあって鉄パイプを持つこともある男の子の役を私がやるということで、私なんかに務められるのだろうか、という不安もよぎりました。終わったときに若月で良かったとみなさんに言っていただけるように頑張りたいと思います。
― もともと原作は知っていましたか?
若月:はい、以前知り合いの方にオススメされて読んだらドハマリしました。絵が独特でオシャレで世界観も素敵で!
― アクションシーンは大変そうですね。
若月:そうですね、9月末からアクション稽古をやっているんですけど、個人的にジムにも通い始めました。持久力がないんですよね。1回目のアクション稽古をやったとき、たくさん走ることからスタートしたんですけど、全力で走ることを普段しないので、結構きつくて…。ライブ中はファンの方に手を振りながらとか、みなさんの顔を見ながら歩くことも多いので、運動不足を痛感しました。それにクロはやっぱり街を飛んだり駆け回ったりする印象だったので、これはちょっと鍛えないとなって。
― ジムでは具体的にどんなことをしているんですか?
若月:ランニングマシンやエアロバイクなど持久力をつけるものが多いですね。週に2回、行けるときは3回行っています。
若月:不安はとても大きいですね。だからジムにも行く。それに私は緊張しいなので、顔合わせの日は、あぁぁどうしよう、ってなっちゃいます(笑)。
― 現在放送中のドラマ『今日から俺は!!』にも出演するなど、はたから見ていると順調に女優としてのキャリアを積んでいるように思うのですが、ご自身ではどのように思っていますか?
若月:お芝居に関しては毎回、ゼロからのスタートだなと思っていて。やっぱり監督や演出の方が違うと、求められるものも違うんですよね。やり方や撮り方も違うので、毎回勉強させていただく気持ちです。ただこれまで舞台をたくさん経験させていただいて、自分のルーティンは確立できたなと思います。
― それはどんなルーティンですか?
若月:準備運動を20分するんです。ストレッチ、走る、声を出す、自分の中で決めている流れをひと通り。やっぱり舞台はセリフがお客さんに聞こえないと始まらないんです。なのでその声が出せるための準備運動は欠かせません。ちなみに聴く音楽も決まっていて、今はサカナクションさんです。
若月:乃木坂46公演「16人のプリンシパル」ですね。乃木坂46でやっていた舞台なんですけど、それが結構、酷な舞台で(苦笑い)。一幕でお芝居を見せて、観客の方の投票で二幕に出演する人が決まるんです。当時、私は選抜に入れていなくて、劣等感とか焦燥感がすごくありました。歌が上手いとか、ダンスが上手いとか、いろんな武器を持っている人たちにどうやって戦ったらいいんだろうっていつも悩んでいて。そんな中で「16人のプリンシパル」が始まって、ファンの方に選んでいただける回数が多かったんです。自分もどんどん楽しくなってきて、演技をもっと頑張りたい!伸ばしていきたい!って心から思いました。「16人のプリンシパル」がなければ今の自分はいないと思います。自分の夢を見つけた場所です。
― 卒業を発表するときにブログで「私には叶えたい夢があります」とつづっていましたが、それはやはり演技の道ですか?
若月:そうですね、アイドルって最後じゃない特殊な職業だなと私は思っていて。女優さんは女優さんとして入ってきたら最後まで女優さん、もちろん人によっては転職される方もいらっしゃいますけど、「将来の夢は?」ではなくて「目標は?」って聞かれます。でもアイドルは入った瞬間に「将来の夢は?」って聞かれることが多い。私もよく聞かれていて、そのときにアイドルは次を見据えながら活動する職業でもあるんだなって思いました。アイドルが次の目標で女優さんって言うと、そんなに甘くないよ、って言われるんですけど、それは承知の上で、私は今、お芝居をイチから勉強したいと思っています。
― どんな女優さんになりたいですか?
若月:よく見るけど名前まではわからないっていう人がいいなと思っていて。今やっている『今日から俺は!!』でも、「あの昭和の顔の子って誰?ドラマの世界観に合っている」みたいな感想を持ってもらえたら嬉しいなって思いながら演じています。女優をやっていく上で、そういうのを続けられたらいいですね。
― 主演などへの意欲はない?
若月:目標を自分で低くしてしまうのは良くないなと思うんですけど、でも乃木坂46にいて、自分はなにが性に合っていたのかを考えたとき、どちらかというと支える側が好きだったので、まずはその世界観の中で、なにか輝けるような役者さんになりたいです。
若月:他のメンバーのスケジュールを見て「あ、今日は誰々この撮影なんだ、じゃあ次に会ったときにこの話をしよう」とか「あ、今日誰々ちゃんは早く終わりそう、連絡して一緒にご飯に行こう」とか思えるんですけど、卒業したら当たり前にあったことがなくなるんだな、メンバーがなにをやっているかわからなくなるんだな、っていうことを実感し始めて、とても寂しい気持ちになっています。
― メンバーには事前に相談していたんですか?
若月:それが誰にもしていなかったので怒られました(笑)。でも言えなかったですね、何度か言おうとしたんですけど。
― 桜井玲香さんにも?
若月:怒られました(笑)。
― (笑)。
若月:この間、時間を取って桜井と秋元真夏と中田花奈の4人で話したとき、泣きながら怒られました(笑)。
― 人気ユニット「女子校カルテット」ですね。
若月:もう4人で歌えることもなくなるし、そのユニット自体が解散、解散までいかないかもしれないですけど、私がいなくなって歌える歌も歌えなくなるので、なんで?って。なんで言ってくれなかったの?って。言ってくれていたらいろんな活動を噛み締めて、これが最後だからもっと写真いっぱい撮ろうとか、いっぱい喋ろうとか思えたのに、なんで?ってすごく言われました。
若月:はい!(笑)私は女子校出身なので、女の子しかいないっていう空間は変わらないんですけど、乃木坂46はなんでこんなにいい人たちばかりの集まりなんだろうって本当に思います。喧嘩したこともないですし、それぞれがいい感じにひとりの時間を持つタイプが多かったので、そういうところでもいいバランスが取れていましたし、空気感が最高だなって楽屋に行くたびに思っていました。一致団結もすぐにできるというか、コメントを求められたときも、じゃあここはみんなで言おう、ここは誰々が言おう、とかほぼ相談なしでアイコンタクトだけですぐに決まるんです。そういうところもいいグループだったなって思います。
― 「やっぱ乃木坂だな」がライブで言えるっていいですよね。
若月:本当にありがたいです、ありがたい役目をいただきました。ファンの方からの「だな」の声の力強さ、笑顔、本当に最高の光景でした。こんなに素敵なファンの方々がいる乃木坂46は本当に無敵だなって毎回思っていました。私は卒業してしまうんですけど、メンバーには変わらずファンの方を大事にしてほしいなと思いますし、私も変わらず「やっぱ若月だな」って言ってもらえるように頑張りたいと思います。
若月:自分はそれができなくなってきて、今、改めて課題にしようと思っているんですけど、小さなことでも自分がクリアできたと思ったときは、自分を褒めてほしいなって思います。なにか大きな夢を持つことはとても素晴らしいことなんですけど、大きいが故にまだ自分はなにもできていない、その夢に一歩もたどり着けていない、進めていない、だから諦めた方がいいんじゃないかって思いがちで。でも確実に小さいことはクリアできていることが多いと思います。
― その積み重ねが夢に近づいていくということですか?
若月:そうですね、私も女優さんに憧れていたものの、最初はセリフも覚えられないし、表現もオーバーで空回りするし、向いてないんだろうなって思っていたんですけど、今は本当に諦めなくて良かったなって思うんです。私の場合、セリフがひとつ上手く言えただけで「よし、大丈夫だ!」って自分に言い聞かせるようにしていました。なのでそんな風に自分を褒めることは、きっと大事なんだろうなって思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
若月佑美「鉄コン筋クリート」でクロ役
― 舞台「鉄コン筋クリート」に出演することを聞いたときの心境から教えてください。若月:すごく嬉しかったです。自分がクロになれるという喜びと、クロをどのように表現しようという楽しみがあって。でも同時にアクションもあって鉄パイプを持つこともある男の子の役を私がやるということで、私なんかに務められるのだろうか、という不安もよぎりました。終わったときに若月で良かったとみなさんに言っていただけるように頑張りたいと思います。
― もともと原作は知っていましたか?
若月:はい、以前知り合いの方にオススメされて読んだらドハマリしました。絵が独特でオシャレで世界観も素敵で!
― アクションシーンは大変そうですね。
若月:そうですね、9月末からアクション稽古をやっているんですけど、個人的にジムにも通い始めました。持久力がないんですよね。1回目のアクション稽古をやったとき、たくさん走ることからスタートしたんですけど、全力で走ることを普段しないので、結構きつくて…。ライブ中はファンの方に手を振りながらとか、みなさんの顔を見ながら歩くことも多いので、運動不足を痛感しました。それにクロはやっぱり街を飛んだり駆け回ったりする印象だったので、これはちょっと鍛えないとなって。
― ジムでは具体的にどんなことをしているんですか?
若月:ランニングマシンやエアロバイクなど持久力をつけるものが多いですね。週に2回、行けるときは3回行っています。
いい演技をするために“20分”のルーティン確立
― ストイックですね。舞台経験が豊富な若月さんでも、新しい作品に入るときは不安になりますか?若月:不安はとても大きいですね。だからジムにも行く。それに私は緊張しいなので、顔合わせの日は、あぁぁどうしよう、ってなっちゃいます(笑)。
― 現在放送中のドラマ『今日から俺は!!』にも出演するなど、はたから見ていると順調に女優としてのキャリアを積んでいるように思うのですが、ご自身ではどのように思っていますか?
若月:お芝居に関しては毎回、ゼロからのスタートだなと思っていて。やっぱり監督や演出の方が違うと、求められるものも違うんですよね。やり方や撮り方も違うので、毎回勉強させていただく気持ちです。ただこれまで舞台をたくさん経験させていただいて、自分のルーティンは確立できたなと思います。
― それはどんなルーティンですか?
若月:準備運動を20分するんです。ストレッチ、走る、声を出す、自分の中で決めている流れをひと通り。やっぱり舞台はセリフがお客さんに聞こえないと始まらないんです。なのでその声が出せるための準備運動は欠かせません。ちなみに聴く音楽も決まっていて、今はサカナクションさんです。
“女優・若月佑美”のターニングポイント
― “女優・若月佑美”のターニングポイントを教えてください。若月:乃木坂46公演「16人のプリンシパル」ですね。乃木坂46でやっていた舞台なんですけど、それが結構、酷な舞台で(苦笑い)。一幕でお芝居を見せて、観客の方の投票で二幕に出演する人が決まるんです。当時、私は選抜に入れていなくて、劣等感とか焦燥感がすごくありました。歌が上手いとか、ダンスが上手いとか、いろんな武器を持っている人たちにどうやって戦ったらいいんだろうっていつも悩んでいて。そんな中で「16人のプリンシパル」が始まって、ファンの方に選んでいただける回数が多かったんです。自分もどんどん楽しくなってきて、演技をもっと頑張りたい!伸ばしていきたい!って心から思いました。「16人のプリンシパル」がなければ今の自分はいないと思います。自分の夢を見つけた場所です。
― 卒業を発表するときにブログで「私には叶えたい夢があります」とつづっていましたが、それはやはり演技の道ですか?
若月:そうですね、アイドルって最後じゃない特殊な職業だなと私は思っていて。女優さんは女優さんとして入ってきたら最後まで女優さん、もちろん人によっては転職される方もいらっしゃいますけど、「将来の夢は?」ではなくて「目標は?」って聞かれます。でもアイドルは入った瞬間に「将来の夢は?」って聞かれることが多い。私もよく聞かれていて、そのときにアイドルは次を見据えながら活動する職業でもあるんだなって思いました。アイドルが次の目標で女優さんって言うと、そんなに甘くないよ、って言われるんですけど、それは承知の上で、私は今、お芝居をイチから勉強したいと思っています。
― どんな女優さんになりたいですか?
若月:よく見るけど名前まではわからないっていう人がいいなと思っていて。今やっている『今日から俺は!!』でも、「あの昭和の顔の子って誰?ドラマの世界観に合っている」みたいな感想を持ってもらえたら嬉しいなって思いながら演じています。女優をやっていく上で、そういうのを続けられたらいいですね。
― 主演などへの意欲はない?
若月:目標を自分で低くしてしまうのは良くないなと思うんですけど、でも乃木坂46にいて、自分はなにが性に合っていたのかを考えたとき、どちらかというと支える側が好きだったので、まずはその世界観の中で、なにか輝けるような役者さんになりたいです。
乃木坂46卒業を発表した今の心境
― 卒業を決めて発表するまで悩みに悩んだと思いますが、それを越えて、今どんな感情で日々過ごしていますか?若月:他のメンバーのスケジュールを見て「あ、今日は誰々この撮影なんだ、じゃあ次に会ったときにこの話をしよう」とか「あ、今日誰々ちゃんは早く終わりそう、連絡して一緒にご飯に行こう」とか思えるんですけど、卒業したら当たり前にあったことがなくなるんだな、メンバーがなにをやっているかわからなくなるんだな、っていうことを実感し始めて、とても寂しい気持ちになっています。
― メンバーには事前に相談していたんですか?
若月:それが誰にもしていなかったので怒られました(笑)。でも言えなかったですね、何度か言おうとしたんですけど。
― 桜井玲香さんにも?
若月:怒られました(笑)。
― (笑)。
若月:この間、時間を取って桜井と秋元真夏と中田花奈の4人で話したとき、泣きながら怒られました(笑)。
― 人気ユニット「女子校カルテット」ですね。
若月:もう4人で歌えることもなくなるし、そのユニット自体が解散、解散までいかないかもしれないですけど、私がいなくなって歌える歌も歌えなくなるので、なんで?って。なんで言ってくれなかったの?って。言ってくれていたらいろんな活動を噛み締めて、これが最後だからもっと写真いっぱい撮ろうとか、いっぱい喋ろうとか思えたのに、なんで?ってすごく言われました。
若月佑美といえば…「やっぱ乃木坂だな」
― それだけ若月さんが愛されていた証です。「やっぱ乃木坂だな」ですね!若月:はい!(笑)私は女子校出身なので、女の子しかいないっていう空間は変わらないんですけど、乃木坂46はなんでこんなにいい人たちばかりの集まりなんだろうって本当に思います。喧嘩したこともないですし、それぞれがいい感じにひとりの時間を持つタイプが多かったので、そういうところでもいいバランスが取れていましたし、空気感が最高だなって楽屋に行くたびに思っていました。一致団結もすぐにできるというか、コメントを求められたときも、じゃあここはみんなで言おう、ここは誰々が言おう、とかほぼ相談なしでアイコンタクトだけですぐに決まるんです。そういうところもいいグループだったなって思います。
― 「やっぱ乃木坂だな」がライブで言えるっていいですよね。
若月:本当にありがたいです、ありがたい役目をいただきました。ファンの方からの「だな」の声の力強さ、笑顔、本当に最高の光景でした。こんなに素敵なファンの方々がいる乃木坂46は本当に無敵だなって毎回思っていました。私は卒業してしまうんですけど、メンバーには変わらずファンの方を大事にしてほしいなと思いますし、私も変わらず「やっぱ若月だな」って言ってもらえるように頑張りたいと思います。
若月佑美の夢を叶える秘訣
― これからも夢を追い続けていくわけですが、これまで乃木坂46で夢を叶えてきた若月さんが思う“夢を叶える秘訣”を最後に教えてください。若月:自分はそれができなくなってきて、今、改めて課題にしようと思っているんですけど、小さなことでも自分がクリアできたと思ったときは、自分を褒めてほしいなって思います。なにか大きな夢を持つことはとても素晴らしいことなんですけど、大きいが故にまだ自分はなにもできていない、その夢に一歩もたどり着けていない、進めていない、だから諦めた方がいいんじゃないかって思いがちで。でも確実に小さいことはクリアできていることが多いと思います。
― その積み重ねが夢に近づいていくということですか?
若月:そうですね、私も女優さんに憧れていたものの、最初はセリフも覚えられないし、表現もオーバーで空回りするし、向いてないんだろうなって思っていたんですけど、今は本当に諦めなくて良かったなって思うんです。私の場合、セリフがひとつ上手く言えただけで「よし、大丈夫だ!」って自分に言い聞かせるようにしていました。なのでそんな風に自分を褒めることは、きっと大事なんだろうなって思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
若月佑美(わかつき・ゆみ)プロフィール
1994年6月27日生まれ。静岡県出身。2011年8月に乃木坂46の1期生オーディションに合格し、“若様”の愛称で親しまれるグループを代表するメンバーのひとり。『嫌われ松子の一生』『犬夜叉』など舞台の世界でも活躍し、グループの中でも女優としての仕事が多い。日本テレビ系ドラマ『今日から俺は!!』(毎週日曜 後10:30)にレギュラー出演中。さらに学生時代から趣味とする美術では「二科展」で7年連続の入賞を果たし、乃木坂46オリジナルグッズのデザインも手掛けるなど、幅広い分野で活動している。
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