石川恋がぶつかった壁「一番悔しかった」…転機になった言葉、佐々木蔵之介らの支えを明かす<「黄昏流星群」インタビュー>
2018.10.11 07:00
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10月11日よりスタートするフジテレビ系木曜劇場『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』(毎週木曜よる10時~※初回15分拡大)に出演するモデルで女優の石川恋(いしかわ・れん/25)が、モデルプレスのインタビューに応じた。今作は弘兼憲史氏による大ヒット漫画「黄昏流星群」の中から第1集「不惑の星」を原作とし、初の恋愛ドラマ主演を務める佐々木蔵之介(50)が、中山美穂(48)、黒木瞳(57)らと織り成す大人のラブストーリー。そうそうたる役者陣に囲まれ、石川は佐々木演じる瀧沢完治の一人娘・瀧沢美咲役を演じる。
『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』
人生の折り返し点が近づき、これからの人生を考え始めた大人たちが、黄昏の空にきらめく流星のように最後の輝きを模索していく同作。石川演じる美咲は大手商社に勤務し、これまで一度も両親に心配をかけたことのない、しっかり者の一人娘。仕事一筋で家庭をあまり顧みてこなかった父・完治には反発しているものの、母・真璃子(中山美穂)とは一卵性母娘のように仲が良い。ジャニーズWEST・藤井流星演じる有能な弁護士・日野春輝と婚約しているが、2人の結婚にはある秘密があった…という謎を秘めた役どころだ。
名だたる俳優陣に囲まれ、成長の日々を過ごした石川に撮影を振り返ってもらった。
石川恋、“今までにない役柄”への挑戦
― 早速ですが、撮影を振り返ってみていかがですか?とてもタイトなスケジュールだったとお伺いしました。石川:そうですね。今回はギュッと詰めて撮影しました。もちろん私より(佐々木)蔵之介さんや黒木(瞳)さん、(中山)美穂さんのほうが忙しかったと思います。私としてはスケジュールもそうですが、今まで出演させていただいた作品とは役作りの仕方も全然違ったのが大変でした。
― 今までと違う、というのはどんなところがですか?
石川:今までは明るく元気いっぱい!みたいな役柄が多かったですし、ストーリーに直接関わっていく役どころではなかったので、役作りも自由にというか、私に委ねられている部分がありました。でも、今回は物語の“核”の部分に関わっていく役なので、原作をはじめ脚本を読み込む力がすごく必要でした。その上で自分なりに作ってはいったんですけど、実際現場に入ってみるとやっぱりそれ以上に足りない部分が多くて。ほかの共演者さんからアドバイスをいただいたりしながら、積み重ねていく日々でした。
― 現場ではどなたからアドバイスを?
石川:共演者さんと監督さん、プロデューサーさん、皆さんです。特に蔵之介さんとのシーンが一番多かったので、私の方からいろいろ聞くようにもしましたし、蔵之介さんの方からも「ここの美咲はこういうふうにやってみたら?」と提案してくださったり。大変なスケジュールの中、監督さんがリハーサルや役について話す時間を設けてくださったのもとてもありがたかったです。
― 婚約者である春輝役の藤井流星さんとはいかがでしたか?
石川:春輝との関係性を表現するのはすごく難しかったです。2人は婚約者ではあるんですけど、ただの幸せなカップルなわけではないですし。ドラマでは“婚約者”という関係から描かれているので、2人がどんなふうに付き合ってきたのかっていうのは藤井さんとも撮影の合間に相談しました。
― 美咲はこれまで石川さんが演じてきた役にはいなかった女性ですよね。ご自身と共通点はありましたか?
石川:共通点はあまりないかもしれないです。家族が大好きな気持ちは同じですが、美咲は結構お父さんやお母さんに自分の意見をズバッと言うタイプ。お母さんがあんまり自分の気持ちを表に出す人じゃないので、代弁することも多いんです。私は美咲のように家族の問題に率先してぶつかっていくようなタイプではなかったので、同じ娘でも全然違うなと思いました。
石川恋、現場で受けた刺激…「一番悔しかった」苦悩を乗り越えて
― 現場では皆さんとお芝居と関係のないお話もされたりするんですか?石川:そうですね。蔵之介さんと美穂さんとは一緒のシーンが多かったので、特にたくさんお話ししました。美穂さんとはクランクイン前にご飯に行かせていただいて、ワールドカップの話で盛り上がったり。蔵之介さんも撮影が早く終わった日にはご飯に連れていってくださったり、本当にたくさんお話しさせていただいて。最初は緊張していたんですけど、蔵之介さんも美穂さんも娘のように、というとおこがましいんですけど、本当にかわいがってくださって嬉しかったです。
― 佐々木さんや中山さん、大先輩に囲まれての現場は刺激を受けたことも多そうですね。
石川:本当に毎日勉強になることばかりでした。やっぱりまだまだ自分の力が足りないんだな、未熟なんだなと思うことがとにかく多かったです。NGをたくさん出してしまって監督さんと練習していた時、一番忙しい蔵之介さんが「俺がやるよ」っていつまでも付き合ってくださったんです。そういう優しさも含めて、「ああ、この人達みたいな俳優になりたい」と思い続けることができた現場でした。悔しい思いもたくさんしたし、しんどいこともあったんですけど、それを乗り越えられたのは監督さんやスタッフさん、共演者の皆さんのおかげです。精神的にも成長できた期間だったと思います。
― そういう時、周りに相談はしないんですか?一人で抱え込んでしまうタイプ?
石川:普段だったらするんですけど、今回はそういう時間もなかなか取れなくて、家で一人、爆発していました(笑)。
― 爆発というのは?
石川:思うようなお芝居ができなくて一番悔しかった日があったんです。夜中に撮影が終わって、悔しいと思いながら家に帰ったら、トイレが壊れていて…。流れないし、タンクに水も溜まっていないし、ちょっといじったら水が吹き出してきちゃって。床は水浸しになるし、でも夜中だから業社さんもすぐには来てくれなくてそのまま3時間ぐらいかな?本当にもう思い出しても泣いちゃうぐらいすごいことになっちゃったんです(笑)。
― それは悲惨ですね…。
石川:でも、お芝居で悔しい思いをした後に家でもこんなに最悪なことが起こったので、こんなに最悪な気分の人はいないだろうなと思ったら逆に吹っ切れました(笑)。今まで結構つらいと思った時は母親や友達に電話だけでもするようにしていたんですけど、今回の撮影中はそれもできなくて。本当に悔しくてどうにもならない時って、人に頼ることもできないんだと思いました。
― 自分と戦いながらの撮影期間だったんですね。その苦境から抜け出したというか、壁を越えたと感じた時はありましたか?
石川:もちろん今も悩むんですけど、そのトイレ事件の後、監督さんとももっとコミュニケーションを取っていかなきゃと思ってたくさん話に行ったんです。その時に監督から「でもこうやって悩むのってやっぱり楽しいよね。お芝居って悩み続けることだから。こんな良い役をもらって悩めるって幸せだよね」と言っていただいて。それで「今、俺は毎日すごく大変だけど楽しい。お前は楽しめてるか?」って聞かれたんです。
その一言をいただいた時、「あ、そうだった」って。私はどんな仕事に対しても「楽しもう」っていう気持ちを一番大切にしてきたのに、それさえもちょっと忘れてしまっていたんです。昔から連ドラが大好きでずっと見てきた私が、今そこに参加できていることは本当に幸せなことだなと改めて気づくことができて、“悩むことも楽しもう”と思えたんです。それからは毎朝マネージャーさんとも「楽しんでいきましょう」って合言葉のように繰り返してました(笑)。
― 本当に濃い撮影期間だったんですね。ほかに支えになっていたものはありますか?
石川:撮影中は友達と会う時間もなかなか取れなかったんですけど、甲子園にはすごく支えられました。今の私に重なるところが結構あって、私も諦めちゃいけないなと思えて。どんなに自分の中で納得いかないお芝居になってしまったとしても、明日はちょっとでも良いお芝居をしたいという気持ちでやり続けられたのは、甲子園があったからです(笑)。
― このインタビューで、甲子園球児の皆さんに石川さんの感謝の気持ちが伝わるように頑張ります(笑)。
石川:よろしくお願いします(笑)。
石川恋の夢を叶える秘訣
― では最後に、いつもお伺いしている今後の目標と、その“夢を叶えるための秘訣”を教えてください。石川:今後の目標か…。大きいことは言えないんですけど、やっぱりお芝居が大好きだし続けたいし、こうやって現場で教わったことを次に絶対に繋げたい。ずっと長く女優というお仕事を続けたいので、今後の目標は一つ一つの作品を大切に演じて、次に繋げていくことかなと思います。今はシーンや環境によって上手くできる時もあれば、納得いかない時もあって、でも「今日は良くできたな」と思える日を1日でも、1シーンでも多くしていきたいです。
それから“夢を叶える秘訣”ですよね。私、モデルプレスさんのこの項目読むの好きなんです。
― ありがとうございます。石川さんも過去に何度も答えていただいていますよね。
石川:でもやっぱり続けることですかね。昨日よりも今日は成長するぞっていう気持ちが大事だと思います。あとは諦めないこと。本当にありきたりなんですけど。
私、芸能界に入ってから、「CanCam」専属モデル、TGC(東京ガールズコレクション)に出演するまで5年かかっていて、お芝居にちゃんと深く関わり始めたのはここ2~3年。そう思うと年齢は25歳かもしれないですけど、まだまだひよっこだなと。だから、自分にはこれからまだまだ伸びしろがあると思っています(笑)。
― 素敵です。
石川:ちなみに私、今までこの質問になんて答えてますか?
― 初めてTGCに出演された時のインタビュー(2017年9月)では、「最短距離を考えないこと」と。やっぱりこの5年間遠回りではなかったというお話ですね。
石川:ああ。めっちゃ良いこと言ってますね(笑)。でもそれは今改めて考えてみても、女優のお仕事にも通じると思います。やっぱりいきなり明日上手くなることはないので。でも、やり続けていたら、ちょっとずつ成長していける。「CanCam」モデルとTGC出演という目標を達成した過去の自分をもう一度思い出して、これから女優としても頑張りたいと思います。
― ありがとうございました。ドラマも楽しみにしています!
(modelpress編集部)
『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』第1話あらすじ
瀧沢完治(佐々木蔵之介)は勤続28年の銀行マン。懸命に勤めた甲斐あり、若葉銀行新宿支店長にまで上り詰め、自他共に認める出世頭だった。優秀ゆえ、部下の女性から熱い視線を送られることもあるが、完治は応えない。不倫は出世の致命傷になるし、興味がなかった。妻の真璃子(中山美穂)もその点は完治を信用し、ずっと支え続けている。働き詰めの完治と時間をあまり共有出来ない真璃子の生きがいは娘、美咲(石川 恋)。その状態がもう20年以上続き、夫婦にはそれが日常になっていた。そんな中、真璃子は美咲から、近々恋人の日野春輝(藤井流星)を紹介したいと言われ、ショックを受ける。自分から娘を取ったら何が残るのか、そしてこれから先どうすればいいのか…。
一方、最優秀店舗賞まで獲り、すぐにでも本店への昇進かという完治にも思わぬ出来事が起こる。出向を言い渡されてしまったのだ。派閥長の不祥事の巻き添えで自分は切られた、と知った完治は、街を彷徨い場末の居酒屋でボロボロに飲み潰れる。
数日後、完治の姿はスイスにあった。真璃子には出張だと嘘をつき、一人で来てしまった。しかし、生憎の悪天候でマッターホルンには登頂はもちろん見ることも出来ない。それでも完治はマッターホルンへのロープウェイに乗る。吹雪の中、自分一人だと思っていたゴンドラに日本人女性、目黒 栞(黒木 瞳)が乗り込んできて…。
石川恋(いしかわ・れん)プロフィール
生年月日:1993年7月18日出身地:栃木県
身長:165cm
血液型:O型
2014年に発売されたベストセラー「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」のカバーモデルとして“金髪ギャル”姿で起用され、一躍ブレイク。2017年9月号より雑誌「CanCam」専属モデルに加入。女優としても日本テレビ系ドラマ「東京タラレバ娘」(2017)、フジテレビ系「警視庁いきもの係」(2017)などに出演。
【Not Sponsored 記事】