モデルプレスのインタビューに応じたラブリ(C)モデルプレス

ラブリ「自分のことが嫌いで仕方なかった」葛藤の5年間を経て…本名公表の意味、今後の展望とは<モデルプレスインタビュー>

2018.08.03 08:00

ラブリ(28)。多方面で活躍を見せる彼女が今月1日、「私が私のことを明日少しだけ、好きになれる101のこと」(ミライカナイ発行)を出版。これまでにも写真詩集など様々な形で自身の“言葉”を届けてきたが、本書は「私のすべて」と語るほど、彼女の秘めていた思いを詰め込んだ一冊。モデルプレスでは、彼女にインタビューを行い、10代の頃から人知れず苦しんでいたというコンプレックスや、それを乗り越えられた現在の心境などについて聞いた。

  
本書は、芸能界という華やかな世界にいながら、自分のことを好きになれずもがき苦しんでいたラブリ自身が「明日少しだけ自分のことを好きになれるかもしれない」と思いながら実行している日常の習慣を101個の言葉にまとめたもの。

ラブリ「私が私のことを明日少しだけ、好きになれる101のこと」(2018年8月1日発売、ミライカナイ)
自分に自信がない、同じような思いを抱える人々の心をふっと軽くするような優しい言葉がつづられている。

ラブリ「自分のことが嫌いで仕方なかった」ときを乗り越えて

― 出版おめでとうございます。まずは、本書を出版するまでの経緯から教えてください。

ラブリ:もともと詩は書いていたんですけど、もうちょっと現実的な、皆の日常に寄り添えるような言葉の本を作りたいなと思っていました。それで自分のメモ帳に書き溜めていたものを引っ張り出して、“好きになれる”というワードに当てはまる項目を100個書き出していきました。それが半年前くらいかな?そこから1ヶ月半ぐらい仕事もセーブして、右側のページに入る言葉を書いていきました。

― 最初は項目が100個だったんですね。101個にした理由は?

ラブリ:なんか101の方がリアルだなと思ったんですよね。いくら完成しても人って忘れちゃうものなんじゃないかなと。

― たしかに。忘れてしまいますし、人生はキリがいいことばかりではないですよね。

ラブリ:はい。だから、100個目は「愛するを愛する」という言葉なんですけど、人生ってそんな綺麗事じゃないなと思って、101個目に「忘れてしまうものだから」というのを入れました。

― 読ませていただきましたが、詩のように軽く読みやすいページもありつつ、しっかり重みのある言葉も散りばめられていて、心にすっと入ってきました。

ラブリ:ありがとうございます。最初はもっとぎゅっと詰め込んだ内容だったんですけど、それが101個続くと読む人も疲れちゃうかなって。自分がもともと詩を作っていたのもあって、詩みたいなものも入れてみるのもいいかなという変化を経て、詩や会話のシーンも入れてみたりして、いろんな言葉を読めるようにしました。

― 先日、Instagramでこの本のことを告知されていたとき、「10代の頃は自分のことが嫌いで仕方なかった、芸能人であることがコンプレックスだった」というようなことをつづられていましたよね。あの投稿にはどういう思いがあったんでしょうか。

ラブリ:本当に自信がなかったんですよ、10代から20代前半は。

― 20代前半というと、もう第一線で活躍されている頃ですよね?

ラブリ:小さいときからすごい客観的に自分のことを見る癖があるんですよね。自分は世の中に大勢いる人間の1人で、芸能界にいるたった1人にしかすぎない。だったら、ここで何を残すかでしかないなとずっと考えていたんですよ。

その頃、“モデル”とか“タレント”とか一括りにされることへのコンプレックスがあって。世の中の人から見たら、そのテレビに出ている瞬間、たった1時間だけの私が世の中にとっての私でしかない、ということに耐えられなかったんです。でも、出続けないと本当に自分が伝えたいことも伝えられない、そんな葛藤が5年間ぐらい続いていました。かなり苦しかったですね。

これは芸能の世界に限ったことではなくて、本当は自分はこう思っているのに周りにこう思われている、ということってあると思うんですけど、だからこそ私は自分の存在を確認するためにこういう“言葉”を書き始めたんです。

― 本当の自分を自分で生かすための手段として始まったというか。

ラブリ:そうですね。だから最初は自分のために書いていて、それを自分のブログとかに頭や心の中の整理として載せていたんですけど、「ラブリちゃんの言葉で私はすごく心が軽くなりました」という内容のファンレターがたくさん届くようになって。それが23歳ぐらいかな?「もしかしたら私の言葉は、皆の言葉になっているのかもしれないな」と思えるようになって、自分の言葉にも責任を持つようになってきたんですよね。

― この5年ぐらいでSNSという発信の場がすごく発達していったというのも、こうした活動の後押しに。

ラブリ:はい。「今は誰も私のことをこういうふうに思ってないし、タレントとしての私しか知らないけど、まあ5年ぐらい経てば大丈夫でしょ」と思って将来を計画しだした頃、Instagramが流行りだして、私も言葉を書くようになって。そこから「大丈夫、大丈夫」って自分を信じて5年間やってきた感じですね。

― そんな長期的な計画があっての今だったんですね。

ラブリ:そうです。本の中に「今の自分の好きになれないところを書く」とか「今の自分の好きなところを書く」という項目があるんですけど、これは実際に自分がずっとやってきたことで。そのぐらい自分に自信がなかったんです。

― 悩んでいた当時、周りの方に相談はしなかったんですか?

ラブリ:相談できなかったですね。やっぱり温度差があるので。自分にしかわからないことばっかりじゃないですか。「いやいや、でもテレビ出てるやん」、「いや、そういうことじゃないんだけど」みたいな。自分にしかわからないコンプレックスがずっと続いていました。

ラブリ「肩書きというものがないことが一番嬉しい」

― 今のラブリさんは、好きな自分と嫌いな自分、どちらが多いですか?

ラブリ:今は好きな方が多いですよ。だけど、5年前は圧倒的に嫌いなところしかなくって。じゃあ、好きになれるためにはどうするか、ということを考えて、いろんなものを見たりいろんな人に会ったり、この本に書いたようなことをするようになった感じです。だからこの本はまるごと私なんです。友達はこれを読んだら多分、私がやってることじゃん、ってなると思います(笑)。

― じゃあ今、“肩書き”はなにが一番嬉しいですか?

ラブリ:“肩書き”というものがないことが一番嬉しいですね(笑)。

― なるほど。

ラブリ:でも、今は「モデルやタレントをはじめ…」みたいな紹介も「わかりやすくていいんじゃないの?」と思える心の余裕がやっとできたというか。

― やっと、という感じなんですね?

ラブリ:やっとです。

― 昨年、本名【白濱愛(イズミ)】を公表されたのも、そういった心境の変化からですか?

ラブリ:そうですね。別に改めて言うつもりはなかったんですけど。なんか“ラブリ”としてやっていることは、やりきっちゃってる自分がいて。“ラブリ”は“ラブリ”でこれからも残してあげたいんですけど、これからやろうとしていることって、もしかしたら“イズミ”のほうが多いかもしれないなって思ったら、さらっと言っていました。

― 改名するとかっていうことじゃないですもんね。

ラブリ:それは全然考えてないですね。今後また詩集を出したりとか個展を出したりすることがあれば、イズミのほうを使おうかなとか、使い分けはちょっと考えていますけど。

― 今後はどの活動に力を入れていく予定ですか?

ラブリ:うーん。そんなに「裏方に行きます!」というつもりもあんまりないんです。やっぱりファンの子は表に出ていると喜んでくれるし、見てもらえるからこそ大事なこともあるので、そこはうまくバランスを取っていきたいなと思っています。

― ラブリさんはファンの方とも距離が近いイメージがあります。

ラブリ:そうですね。私は等身大というか、ファンの方と一緒でいたいんですよ。私だって恋愛するしあなただって恋愛するよね?って。人間らしくいたい。インスタとかで私が寂しそうな詩をあげたりすると、ファンの子が「ラブリちゃん大丈夫?うまくいってる?」みたいなコメントをくれたりして( 笑)。

― 友達みたいですね。

ラブリ:そうそう。常に対等でいたいけど、どう考えてもいれないからこそ、こうやって対等にいようとすることによってこの言葉も絶対に伝わるし、ファンの子達がいるおかげで私もインスピレーションを受けて言葉ができたりする。すごくいい関係ですね。

― 難しいと思いますが、101個の中で一番お気に入りの言葉はどれでしょうか。

ラブリ:なんだろう?でも、「寂しい、と言える弱さ」は結構好きですね。女の子の悩みや自分に対する自信のなさとか、彼に対しての言い訳だったりっていうのは、結局“寂しさ”から来ているところがあって。でも、「寂しい」と言えるほど強くないよねっていう気持ちを書いています。でも、「寂しい」と声に出して言うことで初めて「寂しい」ということを経験できるし、「“寂しさ”っていいものなんだよ」ということを伝えたくって。自分自身もやっぱりずっと「寂しい」と言えなかったので。

― 私は「寝る前のチーク」という項目がとても可愛くて印象的でした。

ラブリ:寝る前のチークもね、やっているんですよ。実際。

― ずっとですか?

ラブリ:ずっと。クレンジングしなくてもいいミネラルタイプのチークをちょっとだけつけるんです(笑)。

― チーク真似しようと思いました(笑)。

ラブリ:(笑)。“可愛くいたい”という気持ちが大事じゃないですか。本の中でも、“可愛くいようね”とはあんまり言っていなくて。押し付けがましいのは嫌だし、綺麗事にもしたくないから、「可愛くいたいよね、ちょっとこれどう思う?」ぐらいの感じがいいなって。

― その距離感だからこそ、どの言葉も自然と心に刺さるのかもしれませんね。

ラブリと家族のこと、そしてこれからのこと

― こちらはご家族ももう読まれたんですか?

ラブリ:家族の感想はまだ聞いてないです。一昨日ぐらいに多分向こうに届いているはずなんですけど。でも、「最近何やってるの?心配!」と言われていたので、一応説明できるかなと(笑)。

― 心配されていたんですね。ご家族は最近ラブリさんがずっとこういう活動をしていることはご存知なかったんですか?

ラブリ:全然わかってなかったと思います。やっぱり家族は愛媛にいるので、テレビに出ていることが私の生存確認みたいな(笑)。でも、家族もなんとなく私のやりたいことがわかってきているみたいで、「ちゃんとやってるならいいけど」とは言ってくれていますけどね。

― 応援してくれているんですね。では改めて、この本を手に取る方々へメッセージをお願いします。

ラブリ:私が私のことを“明日好きになれる”なんて、そんなわけないって、私が一番経験して思っているので、だから“少しだけ”とつけました。“明日少しだけ、好きになれる”っていうのは本当にリアルだし、“少しだけ”好きになれたら、その“少しだけ”が増えていったら、もしかしたらいつかは“好き”になっているかもしれない。小さい少しの自信がちゃんとした自信に変わったりするんだよ、と私は綺麗事じゃなく本当に思っているんですね。だから、なにかそういう言葉がほしいなというときに読んでもらえたらと思います。

― こうして様々な活動をしているラブリさんの今後の目標というか、夢はなんでしょうか。

ラブリ:夢はいっぱいありすぎて。だけど社会貢献をしたいですね。最近は“私達ができる社会貢献”というテーマが私の頭の中にあって、若い世代の女の子たちが自然に社会貢献できる形作りをしたいなと。「あ、これって社会貢献になっているんだ」と思わせることができるような仕組み作りを長期的にやっていけたらと思っています。

― 社会貢献、というとちょっと格が高くて足が踏み入れづらいところがあります。

ラブリ:そうなんですよね。これをすることが偉いとは言いたくなくて、その小さいきっかけというか入り口を作ってあげて、その子達がその時々に選べるような環境があったらいいなと思っています。

― 最後に、ラブリさんの考える“夢を叶えるための秘訣”を教えてください。

ラブリ:ちゃんと自分のために判断することですね。恋愛でも仕事でもそうですけど、ちゃんと別れるということを選ぶこと、失うこと、仕事もこうすると決めること。そうやってひとつずつちゃんと判断をすることによって、それが絶対自信に繋がるので。私もそうしてきたので、勇気はいるけどこれからもちゃんと判断をしようって思っています。

― ラブリさんにとって、これまでで一番大きな判断はなんでしたか?

ラブリ:一番大きい判断…。いっぱいありますけど、タレントとしてたくさんテレビに出ていた自分を1回調節しようと判断したときですね。結構勇気がいりましたけど、結果的に、ちゃんとこういう本もできたし、よかったなと思います。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

ラブリ プロフィール

ラブリ(C)モデルプレス
生年月日:1989年11月27日
出身地:愛媛県
血液型:O型
身長:165cm

モデルとして活躍する一方で自身の中から生まれる言葉を詩や写真など様々な形で発表し、表現の幅を広げている。これまでの作品に写真詩集「愛は愛に愛で愛を」(2016年)など。

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