『半分、青い。』で共演する(左から)間宮祥太朗、永野芽郁(C)NHK

「半分、青い。」間宮祥太朗インタビュー ヒロイン永野芽郁の演技に衝撃受ける「こんなに信じられる涙はない」

2018.07.12 08:15

ヒロイン・鈴愛(すずめ/永野芽郁)がアルバイト先で出会った青年・森山涼次から、出会ってわずか6日でプロポーズを受けるという怒涛の展開を迎えた『半分、青い。』(NHK総合/月~土、あさ8時)。人当たりがよく誰からも愛される美青年“涼ちゃん”を好演するのは、連続テレビ小説初出演の間宮祥太朗(まみや・しょうたろう/25)。今作を機により幅広い世代の支持を集めるであろう間宮がモデルプレスなどのインタビューに応じ、永野と共演した印象から表現者としての価値観、自身の展望に至るまで幅広く語った。

  

間宮祥太朗、ヒロイン永野芽郁を「自分が助けられたらと思ったけど、逆でした」

― 永野芽郁さんとは何回か共演されていますが、今回の朝ドラで改めて感じたことは?

間宮:今回出演することが決まって、(鈴愛と)恋愛をして、結婚するっていうことを聞いた時、最初に思ったことがありまして。芽郁ちゃんと初めて共演したのは、「スーパーサラリーマン左江内氏」というドラマで、僕が出た回の次のゲストが芽郁ちゃんでした。その次が映画『帝一の國』で、僕からすると主人公である後輩が恋愛をする相手という位置づけで。それで、その次のドラマ「僕たちがやりました」では友達の彼女。なんか徐々にこう…“近づいてきてる感”がある(笑)。

一同:(笑)

間宮:自分でもその近づき方がちょっと気持ち悪いなって思うぐらい(笑)。一歩ずつ一歩ずつにじり寄っている感じで、「ついに結婚までこぎつけたか!」みたいな気持ちをすごく勝手に感じていたんですけど…(笑)。ともかく、今までの作品の中ではほとんど会話をしておらず、撮影もそんなに被らずだったので、どんな人かというのは全然わかっていなかったんです。ただ今回、すごく助けられたんですよね。

朝ドラで、しかも北川(悦吏子)さんの本で、すごく繊細な感情を見せていく中で、僕は鈴愛と恋愛をして一歩ずつ近づき、時には喧嘩をして…。すごく心の距離の近い中でのお芝居だったので、やっぱり目の前の相手を信じてお芝居に挑むというのが、すごく重要なことだと思いました。芽郁ちゃんには鈴愛として生きてきた長さ、鈴愛という役を考えてきた時間があり、既に体に馴染んでいたこともそうですが、何よりも彼女自身が“生の感覚”を大切にする女優さんだということ。実際に触れた温度や、その場の呼吸をすごく拾って演技をされる方なので、彼女のそういう感情のゆらぎみたいなものに、僕が引っ張られる形で演じられたのは、すごく助けられたなと思った部分です。

涼次から“漫画家・楡野スズメ”のファンだったことを伝えられた鈴愛は、ボロボロと涙を流す。(C)NHK
印象的だったのは、彼女が(100円ショップ・大納言で)泣くシーン。台本に「ここで泣く」と書いてあるんですけど、「ここで泣けるかなあ?」みたいなことを監督と自分と話していて。監督も「まぁ、ここじゃなくても感じたところで。できれば涙が欲しいかな」と言っていたんですけど、いざ本番、芽郁ちゃんは僕と握手をした瞬間、本当に蛇口をひねったように涙をボロボロボロー…っと流して。僕、芝居中なのにビックリしちゃって「うわ、すっごいなあ」と。後で言っていたのは、手を握った瞬間の温度で「(涙が)来た」と。それを聞いた時、こんなに信じられる涙はないな、すごく頼りがいのある女優さんだなと思いました。本当に朝ドラのヒロインでプレッシャーもあるし、スケジュールなどの問題で多分大変でしょうから、自分が入ることで何か助けられたらいいなと思っていたんですけど…逆でした(笑)。

― 鈴愛と涼次はお互い、どんな部分に惹かれ合っていると思いますか?

間宮:涼次側から言うと、元々鈴愛が描いていた漫画「一瞬に咲け」のファンであるというのがありますよね。やっぱりその人が生み出したものを好きっていうことは、必然的に「その人が好き」というのに繋がる部分があると思っていて。僕が北川さんの本を好きだなと思うのは、きっと北川さんの人柄が好きっていうことに繋がると思いますし。そういう意味で言うと、涼次が楡野スズメという漫画家の漫画が好きだというところから始まり、実際に会った鈴愛の言葉や波長、一緒にいる時のリズムが実生活でも重なってくる。そうなると友達にも恋人にもなりやすいと思うんですけど、2人の場合は割と最初から話すスピードや会話のラリーのテンポが合っていたので、そこから惹かれ合っていたと思います。

最初に「漫画家を辞めたんです」という話をして。割と出会ってから短い間で彼女の弱い部分を見た。見つけたわけじゃなくて、“見せてもらっている”というか、鈴愛が自分に打ち明けてくれた部分があったので、そこで“憧れの漫画家さん”から“隣にいる女性”という感情が少し芽生えたのかなという気がしています。でも何よりも一番は、一緒に話している2人が楽しそうだということ。それは台本を読んだだけで「楽しそうだな」と思うくらいだったので、やっぱりそれが大きいかなと思います。

鈴愛から見た涼次で言うと…僕が「そうあってほしいな」と思うのは、やっぱり雨のシーンでのセリフ。あの涼次の発想で、光がさすような感覚を鈴愛が持ってくれていたらと。鈴愛の人生の中で、漫画家を辞めて、頭の中が暗いものでいっぱいの時期に、それを晴らすようなセリフだったと思うので。あのセリフが響いていたことは間違いないと思います。

― 間宮さんご自身が鈴愛を「可愛いな、素敵だな」と思うところは?

間宮:すごく絶妙だなと思うのが、北川さんのセリフの持つリズムと、永野芽郁という役者が持つリズムがブレンドされているような感じがすること。芽郁ちゃんは他の作品でも、芽郁ちゃんだけのリズムや雰囲気があると思っていて。彼女は特にそれが強く出る方だなと思うんです。そのブレンドされたリズムがすごく魅力的だなというのは、個人的に役とは関係なく感じたことです。それは視聴者として放送を観ている時から思っていました。北川さんの本だけじゃない、永野芽郁のリズムだけじゃない、そのどちらも合わさることで、誰とも似つかないヒロインになっているような気がして、それが僕は好きだなと思いました。

表現者としての価値観 やりがいにつながる言葉は…

森山涼次(間宮祥太朗)は映画監督・元住吉祥平(斎藤工)の家に居候中 (C)NHK
― 映画会社の助監督である涼次は、間宮さんと同じ表現者と言えますが、“表現者として求めるもの”について、涼次と考えは合致しますか?

間宮:うーん…僕は自分の中から何か表現して出すというよりは、監督や本、役が持つものを“自分の体に通す”ような役割だと思っているんです。つまり自分の言っているセリフが、僕自身の思想とは真逆であっても全然おかしくない仕事をしている。だから涼次のように監督をしたり、脚本も書くような「0から1」の職業ではないなと思っています。

ただ涼次が0から1まで行けない、脚本を完成させられないという葛藤の中で、「じゃあ1をもっと広げる、原作から脚本に膨らましていくのはどうだろう」と祥平さん(斎藤工)に提案され、そこで新しい場所を与えてもらったかのように開花していく。それは僕もすごくわかります。人それぞれ合っている場所がある。僕もこの仕事を始める前までは、0から1を作りたいなとどこかで思っていて。脚本を書いたりはしていないですけど、14歳くらいの時はギターもやっていたので歌詞を書いたり、自分で曲を作ったりするのが好きでした。ただ実際にこの仕事をしてみて、監督さんなり脚本家さんなり、0から1を作る人ってすごく大変だなあ…と強く痛感したんです。だから今回で言えば、北川さんに託していただいた台本を「1」として、そこから広げていくようなことができればいいなと思いました。

― 間宮さんご自身が表現者として、周りから言われて一番嬉しいこと、やりがいにつながる言葉は?

間宮:ちょうど昨日、友達とそんな話をしました。その友達は全然この世界には関係のない仕事をしているんですけど、「祥太朗はさぁ、何て言われたら一番嬉しいの?」と。街でファンの人に声をかけられて、「いつも見てます」とか「かっこいいです」とか色々言われているけど、何が一番嬉しいの?と聞かれて。それで僕が考えたのは、作品の名前や役の名前を出されるのが個人的にはすごく嬉しいなと。「『半分、青い。』の森山涼次役がすごい好きでした!」という風に、その役を褒めてもらえると嬉しい。「いつも見てます」とか「かっこいいです」ももちろん嬉しいんですけど、「私はあの役の時のあの演技が好きだったんです!」というのは、それぞれの好みがありますよね。逆にたとえ好きな役者さんでも、「この時の感じはちょっと違うな」というのは絶対にあると思うので、そうやって具体的に言われると、より「あの演技が好きだ」という思いがリアルに感じられるというか、親しい距離感が感じられるので、すごく嬉しいなと思います。

さらに突っ込んだところで、「あのセリフが~」とか「あの時の表情が~」とか、細部にフォーカスをあてて見てくれていることを知れるのは、一番嬉しいかもしれないですね。僕の中でこだわりにこだわり抜いて、“あのワンシーンのあそこで瞬きをした!”みたいなことがあったとして、それを誰も目に留めなくても、その人だけはわかってくれたんだと思えたら嬉しいし。あとは今回みたいに、芽郁ちゃんにおんぶにだっこ(笑)でやっている中で、「初めて見る表情でした」みたいなことを言っていただけたとしたら、僕の中でも驚きになります。「俺、そんな顔してました?」というのはすごい発見になって、刺激をもらえます。

― 今まで言われた中で、一番思い出深い言葉は?

間宮:演じている時ではなく、現場で休んでいる時の顔が「いつもと違う」と、僕を古くから知る共演者に言われた時のことはすごく印象に残っています。そのまま写真を撮ってくれて、「ほらね?」って見せてもらったら、自分でも「えっ俺、今こんな顔してんの?!」っていう驚きがあって。撮影中の表情やセリフは自分でコントロールできますけど、それ以外の部分を指摘されるのはすごい発見になって嬉しいです。それが次からの可能性に繋がると思うから。自分ではそんな顔をするとは思っていなかったけれど、「(その表情を)するということは、できるということだ」となるので。

30歳までの5年間「大人の男の色気を増していけたら」

これまでの自身のキャリアにはない、とびきりピュアで愛される青年を魅力たっぷりに好演。(C)NHK
― 涼次が祥平に憧れているように、間宮さんにもそんな存在はいますか?役者としての展望もお聞かせください。

間宮:憧れと尊敬だとまた違ってくるかもしれないですが、僕は鈴木清順監督がすごく好きです。そして原田芳雄さんという役者さんがすごく好きだったので…本当に原田さんには「会えなかったなぁ」という思いがありますね。ただ…僕はすごく映画が好きで、役者さんも好きで、レンタルショップに行けば役者の名前で選ぶような人間だったので、憧れは強いんですけど、自分がこの業界に入った時点で、あまり「あの人みたいに…」という風には思わなくなりました。それこそ事務所に入りたてのレッスンとかでは、本当に手探りで演技の仕方もわからないから、自分の好きな役者さんの演技を真似たりもしましたけど。15歳の僕が、なぜか原田芳雄さんの演技を…(笑)。

一同:(笑)

間宮:なんでそんなことをしようとしたのかよくわからないんですけど(笑)、とにかく真似をしても一緒にはならないので、あんまり「あの人みたいに」とは考えなくなりました。ただ事務所にはすごく大きな先輩がいます。そういう方々を15歳から10年間ぐらい、そしてこれからも見続けていけるのはありがたいことだと思っています。僕の事務所の感じとして、先輩との距離感がそんなに遠くないというのもあって。僕よりもすごく高いステージにいる方々が今、何を考えているのかっていうことを直で聞けたり、意見を交わすことができるのは、自分にとって指針になる部分が大きいです。

僕が役者を始めたのが15歳だったので、15から20まで、20から25まで、25から30まで…という5年刻みのメモリは、なんとなく目安として意識してきました。マネージャーと話していたのは、20歳までには業界の人達の間で「なんとなく顔を見たことがある…かな?」くらいになって、25までには世間の方々になんとなく顔や名前を認知していただけるくらいにはなろうと。じゃあ30までにどうなっていくのかというところですけど、僕が先輩方を視聴者目線で見ていて思うのは、20代後半から30にかけて、男の色気が増しているなと。ひと目見てわかりやすく、こう…「1枚脱いだ」っていう感じ(笑)。そうやって大人の男の背中になっていくのを、僕は10代の時に感じていたので、そういう風になっていければいいなと思います。

(modelpress編集部)

間宮祥太朗(まみや・しょうたろう)プロフィール

1993年6月11日生まれ、神奈川県出身。2008年「スクラップ・ティーチャー~教師再生~」で俳優デビュー。主な出演作にドラマ「弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」(14)、「水球ヤンキース」(14)、「学校のカイダン」(15)、「ニーチェ先生」(16)、「お前はまだグンマを知らない」(17)、「僕たちがやりました」(17)、「BG~身辺警護人~」(18)、映画『ライチ☆光クラブ』(16)、『高台家の人々』(16)、『帝一の國』(17)、『トリガール!』(17)、『全員死刑』(17)、『不能犯』(18)など。日本テレビ系7月期日曜ドラマ「ゼロ 一獲千金ゲーム」に末崎セイギ役でレギュラー出演。映画『食べる女』が9月下旬公開予定。
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