デビュー10周年の三浦翔平 “現実の壁”にぶち当たった25歳・”引退”も示唆した今後とは…現在の俳優業へのスタンスも語る<モデルプレスインタビュー>
2018.04.20 19:00
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俳優デビュー10周年を迎えた三浦翔平(29)がモデルプレスのインタビューに応じた。「ごくせん 第3シリーズ」(2008年4月クール)でドラマに初出演した以降、「THE LAST MESSAGE 海猿」(2010年9月公開)、「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」(2011年7月クール)など数々の人気ドラマ・映画作品に出演してきた三浦だが、今回「AbemaTV」オリジナル連続ドラマ『会社は学校じゃねぇんだよ』(4月21日スタート)で意外にも初主演を飾る。「自分の中でちょっと落ち着いちゃってる部分があったので、重い腰を上げるというか、よし頑張るかっていう気合いを入れた作品でした」と話す三浦。デビュー10周年で初主演となる今作に三浦自身はどう向き合っていたのか―――。この10年を振り返ってもらうとともに、「芸能界からいなくなってもいい」と、今後についても語ってくれた。
三浦翔平、初主演ドラマ『会社は学校じゃねぇんだよ』
同作は、『奪い愛、冬』(2017年テレビ朝日)などのテレビドラマや映画の脚本を手掛けるだけでなく、舞台の演出や作詞など様々なジャンルで活躍する鈴木おさむ氏が書き下ろし。学生時代、渋谷のギャル男たちの代表をしていた主人公・藤村鉄平が、偶然手に取ったベンチャー企業の社長の本に書いてあった言葉に感銘を受け、自らもそのベンチャー企業に入社することから物語は始まる。大きな志を持って入社したものの、思い描いていたような社会人生活は簡単には手に入らず、憧れの社長にも裏切られ、その後自ら仲間たちと起業することに。次々と容赦なく壁が立ちはだかり、忘れられないような見下される経験、信じていた人からの裏切り、挫折など毎話ごとに主人公たちは翻弄されながらも「会社は学校じゃねぇんだよ」と決め台詞をはきながら前に進んでいく。
現代の、就職せずにベンチャー起業を志す若者が増えている世の中の現象を捉えながら、本作品の企画者である藤田晋氏の著書『渋谷ではたらく社長の告白』をベースにし、「夢・恋愛・金・友情」をテーマにした熱いリベンジサクセスストーリーとして描かれる。
三浦翔平、“熱くて真っ直ぐな男”藤村鉄平を演じるにあたり…
― “熱くて真っ直ぐな男”藤村鉄平を演じるにあたり、役作りの苦労はありますか?三浦:鉄平が大学卒業して起業するまでが4話までの話なのですが、その間すごく若々しくて、荒々しくて、勢いよく突っ走っていくキャラクターなので、エネルギーの消費がすごく多くて、そこは大変でした。でも、熱く演じることは楽しかったです。ここ最近は大人しめの役が多かったので。
― ご自身と鉄平が重なる部分、共感できるところはありましたか?
三浦:今回はあまりなかったかも。でも、勢いでいくところは僕にもあります。思いつきで行動してしまうところとか。今回、台本にはなかったことを現場で「こっちの方が面白いんじゃないですか?」と監督に相談したことはあります。最初の会社で机の上に乗っているシーンは完全に思いつきです。
三浦翔平、撮影を振り返る「社長って大変」
― 今作では、多くの理不尽が存在していて、それを乗り越えていますが、三浦さん自身はどのように乗り越えますか?三浦:そのときにならないとわからないけど、違うものは違うって言いますね。理不尽なことを言われたり、自分のせいってなったときは、「いや違う」ってはっきり言います。そうならないために、日々工夫します。なる前に手を打っておくタイプです。
― チャンスを掴むために床に落ちたパスタを食べるシーンがありますが、理不尽なことでも、そういう覚悟は三浦さん自身にもありますか?
三浦:うーん…、それに見合うもの以上のことがあればなんでもしますけど、基本はしないかな(笑)。でも、鉄平の言っていることもわかるんですよね。勢いで行っているわりには正論を言うときもあって。ただ、あそこまで突っ走ることができるというのは、周りがちゃんと付いているからであって、普通の人ならできないですよね。
― 熱いシーンを演じているときは、ご自身も気持ちがグッと沸き上がってきますか?
三浦:やっぱりよく声を出しているから、そうなりますね。叫んでるし、怒鳴っているし…必然的に周りの受け方も熱くなってくるので、こっちもさらに熱くぶつかれるので、自然と演じられることができました。特に前半は、ストレスを溜めて溜めて弾けてしまうことが多くて…。
― 起業についてリアルなシーンが描かれていますが、三浦さん自身勉強になることはありましたか?
三浦:基本的に上場企業と言われているところは、そこまで大きくなるためのストーリーと人が絶対にあると思います。社長以外の人にも絶対にストーリーはあって、サポートする人たちがどれだけいるのか、なにができるのかっていうことも大切なんだと今回すごく思いました。社長が1人で頑張っても、周りがついてこないと、大きな会社にならないと思います。あとは、社長はやっぱりリスクヘッジを絶対にどこかでしていますよね。倒産してしまったら、そこの会社の社員たちの家族もあるわけだから、そういうところまで考えないといけないので、社長って大変だなと思いました。
― 鉄平もそこまで考えていると。
三浦:鉄平は5話以降考え始めますけど、4話までは何も考えてないです(笑)。専門知識もないです。クランクインする前、鉄平は熱い男というふわっとした感じの役だったので、起業し始めるまでは勢いでいって、専門知識はないことにしようと監督と話していました。5話ぐらいから、社長っぽくなるんですけど、それまで知識を叩き込んだという設定にしましたね。
― 脱ぐシーンもあるそうで…
三浦:その脱ぐシーンあるじゃないですか。あれ言われたの撮影の10日前ぐらいなんですよ(笑)
― (笑)
三浦:いいんだけど、こっちとしては(体を)作りたいわけじゃないですか。普段からそんなにバキバキになっているわけじゃないし、もう30歳になるので…(笑)。せめて1ヶ月前に言ってほしいと監督に言ったのですが、「大丈夫です」って(笑)。「後ろのお尻が撮りたいだけです」って言われたから、もういいかってなって(笑)
― 共演者の早乙女太一さん、宇野実彩子さんの印象はいかがでしたか?
三浦:太一くんと松岡(広大)くんは昨年舞台も一緒で、その流れからこの作品に入れたので、気心も知れていました。宇野さんは昔1回お会いしたことある程度だったかな。みんな一緒のシーンはあまりなかったのですが、みんな年齢も近く、同世代ばかりだったので、楽しい現場でした。
― 「社長」って呼ばれるのはいかがですか?
三浦:嫌です。(←きっぱり)
― 作品の中では“社長は俺だ”みたいな言い方をするじゃないですか。
三浦:恥ずかしいんですよ(笑)。“社長にそんなにこだわる?”って思ったんですけど、鉄平は徹底しているんですよね。もし自分が社長になったらって考えるんですけど、社長って呼ばれたくない(笑)。表向きに社長として出たくない。誰かを替え玉として、社長にさせたいので、自分は裏にいたいです。
三浦翔平、『奪い愛、冬』以来の鈴木おさむとタッグ
― 三浦さんの怪演が話題を呼んだ『奪い愛、冬』以来の鈴木おさむさんとのタッグ。今回も鉄平が“21世紀を代表する大きな会社”にしようとするあまり、行き過ぎな行動をとったりしますが、そのときの演技が今回にも役に立っていることはありますか?三浦:おさむさんとまた作品を作るってなったとき、『奪い愛、冬』のイメージが強いみたいですが、今回の『会社は学校じゃねぇんだよ』の現場でも、狂気的に迫ってほしいと要望があったときに、「どんなイメージですか?」って聞いたら、「『奪い愛、冬』なイメージ」って言われました。設定が違うからわからないよって思ったのですが、台本をいただいたとき、「あ、おさむさんらしいな」って思うことは多々ありました。でも、今回は常にエンジン全力な感じで撮影しています。
― 鈴木さんとも話し合いながら進めているんですね。
三浦:「おさむさんが欲してる感情って、これであっていましたか?」とか、「どういう気持ちでこのセリフ書いたんですか?」という話はよくします。『奪い愛、冬』の打ち上げのとき、おさむさんに「ぴったりな役がある」って話を聞いていました。いつの段階からおさむさんが考えていたのかはわかりませんが、「面白いのが1つあるから、待ってて」という話をしていましたね。
― 1年も前からこの話があったということですね。また、狂気的な役が来るんじゃないのかなという覚悟もありましたか?
三浦:どんな役が来るのか楽しみでしたね!多分面白い台本を書いてくるんじゃないのかなって。あとは、どんだけぶっ飛んだのが来るのかなってワクワクしていました。
三浦翔平、俳優デビュー10周年を振り返り…今後は?
― 今回、連続ドラマ初主演ですが、気持ち的にいつもと違うことはありますか?三浦:スタッフさんや共演者さんに対して、いつも以上に気を使っていますね。激しいシーンが1回終わると疲れてしまうのですが、糸が切れないようにしなくちゃみたいなのはありました。
― “21世紀を代表する大きな会社にする”ことを目指している今作にちなみ、デビュー10周年を迎えた三浦さんが、目指しているものはありますか?
三浦:うーん…、今は頂いたお仕事をやるって感じなんですよね。10年も芸能界にいると、出来ることと出来ないことの差がわかってきて…。俺らはサンドイッチ世代と呼ばれていて、自分たちがやってきたことによって、下の子達が過ごしやすい世代になったらいいなって思います。
― 後輩思いなんだなと思いましたが、いつ頃からそういうスタンスで活動してきたのでしょうか?
三浦:25歳前後ぐらいからかな。(三浦)春馬と話してて前々からやってみたいと思っていた作品があったのですが、いろいろな事情でできないってことがわかって(笑)。ちょっと芸能界のリアルを見ちゃったなって思ったんだと思う(笑)
― (笑)
三浦:「海猿」をやったときはしんどかったなーって思うし、傍から見たらその辺が俳優活動においての転機だと思うんですけどね(笑)。だから、『奪い愛、冬』のときは楽しいなって。やっとこういう役ができるんだって思うことができました。
― 夢を追っている作品ですが、三浦さん自身の夢は?
三浦:50歳になったときにハワイで朝のサーフィンして、カレー屋やりながら犬の散歩をしていればいいなと。
― のんびりとした夢ですね。
三浦:そうそう!のびのびしたい!働きたくないのかも(笑)
― じゃあ、いずれは芸能界引退とか、芸能界から去ってもいいと思っているんですか?
三浦:それで全然いいです。夢は死んだときに(みんなが)いっぱい来てほしい。で、泣かないでほしい。
― 俳優としてずっと活動していくイメージだったので、意外でした。
三浦:俳優活動の中と聞かれたら、作り手にいってみたい。舞台とか作ってみたいなと思っています。40歳のときは、頑張っている人たちを応援したいんです。
三浦翔平、夢を叶える秘訣を語る
― 最後に夢を追いかけているモデルプレス読者に向けて夢を叶える秘訣を教えてください。三浦:諦めなければ叶うから!自分の幸せと、その夢とのバランスが大事で、生活基準が本当に酷いレベルでも夢を叶えるために頑張れるのか、それとも挫折するのか。出来るようで出来ない。夢を叶えられるなんて、本当に一握りで、大体が挫折すると思う。だからでっかい夢なんて持ちたくない。叶えられる夢を作ることが大事だと思います。
― ありがとうございました。
デビュー10周年を迎えた俳優・三浦翔平―――すごく冷静に物事を判断しているようだった。「賞金につられて、オーディション受けて、なすがままにきたら10年が経っちゃった」とケロッと笑う。それでも、役と真剣に向かい合い、周りの期待にしっかり応えている彼には、人を惹き付ける魅力がある。そんな彼の演技に私たちは虜になるのだ。
『会社は学校じゃねぇんだよ』にちなみ、起業願望があるのか聞いてみると「あります」とキッパリ。「出来る範囲だったら、Abemaピクチャーズを作りたいですね」と“起業”に関する夢を話し始めた三浦。「今、ドラマって手軽に見れちゃうじゃないですか。ドラマも映画も作る工程と作業は同じなのですが、映画はお金を払って集中してみる。映画館にわざわざ足を運んで見るわけで、評価されるのも映画。だから作ってみたい!コケても自分たちで買い占めればいい。買い占めて売れたように見せればいいなって。そんなことも出来る時代ですから」と現実的な話に聞こえたが、大きな夢を抱いている少年のように目をキラキラ輝かせながら語ってくれた。(modelpress編集部)
三浦翔平(みうらしょうへい)プロフィール
1988年6月3日生まれ。東京都出身。身長181㎝。A型。趣味・サーフィン、ツーリング、スポーツ全般。特技・バスケットボール。2007年に行われた「第20回 ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で、フォトジェニック賞、理想の恋人賞を受賞し、2008年のドラマ「ごくせん」で芸能界デビュー。2011年には映画『THE LAST MESSAGE 海猿』(2010年公開)で「第34回日本アカデミー賞」の新人俳優賞を受賞。<ヘアメイク>
Hair&Make Aico
<スタイリスト>
根岸 豪
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