長澤まさみ(C)モデルプレス

長澤まさみ、世間の期待に思うこと 11年ぶり月9主演で注目の的<コンフィデンスマンJP>

2018.04.09 20:15

女優の長澤まさみ(ながさわ・まさみ/30)が、フジテレビ系月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』(4月9日スタート/毎週月曜 後9:00 ※初回30分拡大)で主演を務める。長澤はモデルプレスなどの取材に応じ、11年ぶりに月9ドラマで主演を務める心境や、撮影現場の雰囲気まで幅広く語った。

  
『リーガルハイ』シリーズなどで知られる脚本家・古沢良太氏の最新オリジナル作品である同作のテーマは“欲望”や“金”。一見、平凡で善良そうな姿をした主人公のダー子(長澤)をはじめ、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)の3人の信用詐欺師たちが、金融業界、不動産業界、美術界、芸能界など、毎回さまざまな業界を舞台に、欲望にまみれた人間たちから大金をだましとる痛快エンターテインメントコメディーだ。

長澤まさみ、11年ぶりの月9主演

長澤まさみ/「コンフィデンスマンJP」(C)フジテレビ
長澤が月9ドラマで主演を務めるのは、2007年4月期放送の『プロポーズ大作戦』(山下智久とW主演)以来11年ぶりとなる。

― 11年ぶりの月9ですね。当時と今ではまた環境も違うかと思いますが、視聴率含め、プレッシャーは感じていますか?

長澤:自分自身もドラマを見るときに録画して見ることも増えているので、数字が大切なことは分かってはいますが「面白かった」とか「次が気になる」といった言葉をたくさんいただけたら嬉しいな、と思います。

― なるほど。とはいえ、世間の期待もかなり大きいです。その中で今回、主演ということですが、何か意識はしていますか?

長澤:主演ということに特別意識はないです。若い頃からありがたいことに主演をやらせていただく機会がありましたが、当時は「頑張らなきゃ!」と力が入りすぎてたのかなと最近思うんです。

現場を作るのは結局私だけではないし、人に頼ることも大切なことだと思うようになりました。なので今は、現場で自分が率先して何かをする、ということはしていません。役に集中してやるべきことをコツコツとやるという作業が1番大切だと思うので。

撮影方法や監督、演出などいろいろと違うところはありますが、私がやるべきことは、どんな環境でもちゃんと自分のベストを尽くすということだけ。自分の準備を怠らないようにすることが自分の仕事だと思っています。

長澤まさみ「コンフィデンスマンJP」で詐欺師役に

モデルプレスのインタビューに応じた長澤まさみ(C)モデルプレス
長澤演じる主人公のダー子は、毎回、とんでもないターゲットと、常識外れの計画を持ち込むリーダー的存在のコンフィデンスウーマン(信用詐欺師)。天才的な知能と抜群の集中力で、どんな難解な専門知識も短期間でマスターできる才能を持ちながらも、かなり無軌道な性格な上に天然、さらにいい加減で詰めが甘く、その不完全さゆえにどこか憎めない女性だ。

― 今回は詐欺師役ですが、オファーを受けたときの感想を率直に教えて下さい。

長澤:単純に「私で大丈夫かな」と思いました。人を騙すのは、苦手なタイプなので。多分、私はちょっとのんきそうなイメージが強いと思うし、世間の人も「騙される方が得意そう」と思っているだろうし(笑)。

ただ、ダー子は“天才的”という冠はありつつも、それがインテリジェンスな方向ではなく、ユーモアがある仕掛け人なんです。なので、そういうところは私の雰囲気に合っているかもしれないなと思いました。

― 実際に第1話を見ると、とてもいきいきと演じていたように見受けられましたが、手応えはありますか?

長澤:やはり初見はどうしても自分の反省になるので「大丈夫かな」と不安な気持ちで見ていました。まだ正直、冷静には見られないですね。

― どんなところが反省点でしたか?

長澤:一応、ボクちゃんの目線が視聴者の目線ですが、主軸になってくるのがダー子なので、演じている上で素が垣間見えるシーンが1番多いのがダー子なんです。他の誰かになって演じているときに、ダー子の素がちょっと見える、という芝居のバランスは難しかったです。

― なるほど。今回はコメディ作品ですが、コメディを演じるのは好きですか?

長澤:コメディは1番難しいものだと思っています。最近は福田雄一さんの作品でやらせていただいて、その前も三谷(幸喜)さんの作品でコメディに携わらせてもらいましたが、やっぱり難しいなと毎回思います。

― どういうところに難しさを感じますか?

長澤:笑いって、シリアスさとのバランスが重要だと思うんです。真剣さがどれだけうまく使えるかで笑いが起きるか起きないは決まると思います。それに、持って生まれた感性が大事な場合もあるし、自分で経験を重ねて設計して笑いを作る場合もある。どのトーンの笑いなのか、ということもあるので、監督との呼吸や共演者と現場で作っていくテンポや空気感が大事だとは思いますが、それが難しいですね。

長澤まさみ、古沢良太脚本を演じてみて

東出昌大、長澤まさみ、小日向文世/「コンフィデンスマンJP」(C)フジテレビ
脚本を担当するのは映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年)での「第29回日本アカデミー賞 最優秀脚本賞」をはじめ、数々の受賞歴を誇り、日本のみならず世界が注目する当代随一の脚本家・古沢氏。

古沢氏はこれまで『リーガルハイ』シリーズ(シーズン1:2012年4月期、シーズン2:2013年10月期/共にフジテレビ系)で、偏屈で毒舌な拝金主義の弁護士による“法廷劇”、『デート~恋とはどんなものかしら~』(2015年1月期/フジテレビ系)では、恋愛不適合者同士のほほえましい“恋愛劇”、映画『エイプリルフールズ』(2015年)で、ウソから始まるさまざまな“愛の物語”、映画『ミックス。』(2017年)では、卓球の男女混合ダブルスを組んだ男女の“新感覚ロマンティックコメディ”と、様々なジャンルの物語を巧みに描き上げてきた。

― 古沢(良太)さんの脚本を演じるのは初めてということですが、実際に演じてみていかがでしたか?

長澤:古沢さんとお話したときに「あて書きしたわけではない」とおっしゃっていたのですが、読んだ感覚としては、「あて書きしてくださったのかな?」という印象を受けました。私の過去作を観た上で、私がどういう風に言葉を発して、どういう風に動くだろう、というのを分かって書かれているな、と感じたんです。

ストーリーは奇想天外というわけではありませんが、話に張り巡らされた伏線に、演じる側としても読んでいて驚いてしまいます。そうした驚きはちゃんとありながら、最終地点にはきちんと着地する感じが、安心して楽しめて面白いです。

― 古沢さんはよく現場にいらしていたそうですね。

長澤まさみ(C)モデルプレス
長澤:はい。でも「何かあれば言ってください」と言われたくらいで、特に深くお話をしたわけではないんです。ただ、古沢さんはみんなの様子を見ながら次の回のセリフを考えていた気がします。座らないでずっと立っていらっしゃって。台本を書くときも立ちながらセリフや物語を考えるんですって。

古沢さんのセリフは言いやすくて、覚えやすい言葉が多いんです。書き言葉ではなく、話し言葉としてすんなり頭に入ってきます。

― 今までの古沢さんの作品にはどんな印象を持っていますか?

長澤:『リーガルハイ』の堺(雅人)さんのイメージがどうしても強くて…おもしろい髪型をしているから(笑)。でも、あのふざけた感じが、役柄のキャラクター性を引き立てていて、そこも面白かったです。『コンフィデンスマンJP』もそうですが、ストーリーやメッセージがちゃんとしているのにどこかふざけているから、みんなが楽しんでついてくるんだと思います。きっと古沢さんは、日々のちょっとしたユーモアに気づける人なんだろうし、そういうところがすごいですね。

― ダー子は、少し堺さんの役に通じるところがありますね。

長澤:そうですね、ふざけていますね(笑)。台本を読んでも、ダー子ってふざけてるなってずっと思ってたんです(笑)。でもどこから真面目なのか分からないという点が、ダー子の魅力だと思っています。なのでセリフを読んでいても、あんまり賢くなさそうな「本当に詐欺師なの?」と感じる部分がありますが、それをもちゃんと自分の策略にしてしまうところが面白いキャラクターだと思っています。

― ダー子に共感できるところはありますか?

長澤:寂しがり屋なところかな?私は違いますが、人間としては理解できますし、人間らしい感覚を持っているな、と思います。

長澤まさみの変装にも注目

長澤まさみ(C)モデルプレス
“ハニートラップ”の才能はないものの、ありとあらゆる業界のさまざまな職業人に扮し、ターゲットの懐に入り込むことを得意とするダー子。キャビンアテンダント、秘書、海外の大物女優など、劇中では20通り以上のさまざまな職業人になりすます。

― 今回、多数変身したということですが、その中でも1番印象的だったのは誰の役ですか?

長澤:山形県出身の40代の女性です。やっぱり方言って、どんくさくて面白いなと思いました(笑)。

言葉ってなんか面白いですよね。そういう意味でいうと、中国人のおばさんを演じているときも中国語訛りの日本語を話すトーンや喋り方が個性的で面白かった。そういうディティールや音で笑わせているところも古沢さんの特徴かもしれないです。

― では1番難しかったのは誰の役ですか?

長澤:結構、変装するときはキャラクター性が立っている人になるので演じやすいんです。なので変装していない素のダー子を演じるのが1番難しかったです。ダー子のバックボーンや人間性は、しっかり固まっていないので、演じようによっていくらでも変わる可能性がある役なんですよね。

― 変装に長澤さんの意見は入っているんですか?

長澤:入っています。役柄を活かして、見た目の役作りをちゃんとしたかったので、スタッフさんと試行錯誤しながら、やっています。

長澤まさみ、最近“騙した”ことは?

長澤まさみ、石黒賢/「コンフィデンスマンJP」(C)フジテレビ
― お話にちなみ、最近長澤さんが騙した、もしくは騙されたエピソードがあれば教えて下さい。

長澤:2話から登場する小手(伸也)さんを騙しました!小手さんは撮影時に毎回、緊張されていたんです。それでオールアップのシーンが私と2人のシーンだったので、最後のカットのときに「私もさっき初めて聞いたんですけど、今日スケジュールの最後にワンシーン増えたらしいですよ」って嘘を言いました。すっごく上手に騙せて、小手さんに「騙されたことは絶対に忘れませんから」と言われました。

― どうして、そんなことをしたんですか(笑)。

長澤:取材で絶対聞かれるだろうなと思ったので、1個ネタを作っておきたくて(笑)。

― ありがとうございます(笑)。では撮影現場で何か印象に残ったことはありますか?

長澤:毎日、終始面白かったんです。特に小日向さんが本当に元気!大ベテランなのに感覚としては私たちと同世代のように、本当に何の垣根もなくフレンドリーに接してくださいました。小日向さんが毎日「昨日はこういうことがあったんだ」と自分のプライベートの話をしてくれることで、みんな少しずつ、自分のことを話していって仲良くなりました。自分たちのすべてを話している、という現場でしたね。

お芝居でも小日向さんが先頭を切って「良い結果を残せるといいね」と投げかけてくださったり、笑いがあるシーンでは「もうちょっとこういう風に言った方がいいんじゃない?」とアドバイスをくださったり、毎回それぞれアイデアを持ってきて意見を交換しながら作っていきました。

― では今の現場は、リラックスして臨めた感じですか?

長澤:いや、そんなことはないです(笑)。小日向さんが本当に普段から面白くて無邪気な方なんです。それで私たちを笑わせようとしてくるので、集中力を絶やさないように気を張っていました(笑)。小日向さん、自分のときはピチッとやって、後輩のときは笑わせようとしてくるので(笑)。

― そうなんですね(笑)。

長澤:でもそうやって私たちの緊張を和らげてくれて、すごく気を遣って支えてくださっていたので、本当に感謝しています。

長澤まさみ「コンフィデンスマンJP」で得たもの

長澤まさみ(C)モデルプレス
― お忙しい日々かと思いますが、体調はどのように管理していますか?

長澤:お風呂で湯船に必ず浸かります。そこで疲れを取ってからリフレッシュして寝ます。夜が来たら1日終わり、という切り替えを作りたくて。そういうスイッチがないと、自分の中でどうしても1日の緊張感が抜けないんです。

― 食事面はどうですか?

長澤:時間があったら絶対に自炊しています。忙しいと外食が増えて、野菜を取れなくなるので、家にいるときはだいたい自炊です。凝った料理はできないですけど、一通りはできるので、結構作っていますよ。

― なるほど。では『コンフィデンスマンJP』を通して長澤さんが得たものはありますか?

長澤:同い年の東出(昌大)くんと共演して、彼の誠実さだったり、人に対しての言葉遣いだったり、紳士的な礼儀正さだったり…同い年のそういう姿を見て、ああ素晴らしいな、と感銘を受けました。小日向(文世)さんもすごくベテランの方なのに、私たちに分け隔てなく接してくれる柔らかさには、感動しましたし、人として学んだことが多い現場でした。

長澤まさみの夢を叶える秘訣

小日向文世、長澤まさみ、東出昌大/「コンフィデンスマンJP」(C)フジテレビ
― 1話では「人生で一番大切なものはお金じゃなくて信頼だ」というシーンがありますが、長澤さんにとって1番大切なものは何ですか?

長澤:うーん…コツコツ努力することかな。日常が劇的に変わることってそんなにありませんが、劇的に変わったときに自分の力をちゃんと発揮するには日々の積み重ねが必要。今の私に必要なものは、それかなと思います。

― これまでいろいろな努力を重ねて今の長澤さんがいらっしゃると思います。そんな長澤さんが考える夢を叶える秘訣は何でしょうか?

長澤:想像することです。例えば、結婚することが夢だとしたら、結婚生活をしている自分の像を描くことだと思います。私自身、10代の頃から舞台に出てみたいと思っていたので、その頃は舞台の上に立つ想像をしてました。

― イメージトレーニングに近いんですか?

長澤:私の場合、そこまでしっかりしたものではありません。ただ、絶対にこうなる、と想像するんです。そうすると大体現実になります。

ただ女優さんのお仕事って“今”しかないと思うんです。想像はもちろんしますけど現実は「絶対にこうしてやる」という気持ちだけじゃどうにもならない。なので、そういう意味で“諦め”はずっとあります。

― ありがとうございます。

注目作がめじろ押しである4月クールの中でも、ひときわ高い注目と期待を集める同作。先日行われた完成披露試写会では「みんなの期待を背負って撮影しました。出せることはやり尽くしたと思っています」と自信をのぞかせた。これまで数々の主演作を世に送り出してきた長澤。今回、彼女は寄せられた大きな期待にどう応えるのか、放送が楽しみで仕方ない。(modelpress編集部)

長澤まさみ(ながさわ・まさみ)プロフィール

長澤まさみ(C)モデルプレス
生年月日:1987年(昭和62年)6月3日
出身地:静岡県
サイズ:168cm
血液型:A型
趣味:読書、映画鑑賞全般

2000年に第5回「東宝シンデレラ」オーディション でグランプリを受賞し、03年に『ロボコン』で初主演。同作で第27回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞し、翌04年には『世界の中心で、愛をさけぶ』で第28回日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞・話題賞など数々の賞を受賞する。

話題作に多数出演し、今後も『50回目のファーストキス』(6月1日公開)や『マスカレード・ホテル』(2019年公開)が控える。
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